妄想オリジナル短編   作:歩輪気

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オリジナルで思いついたお話を書きました。
一応違う話も書こうと思いますが、連載ものにする予定はないです。
文章能力は皆無なので、ご了承ください。


滅びた後の世界で

 ──────────────────

 

 ここは本来の地球とは違う、別の次元に存在するもう1つの地球。そこでは、度重なる争いと自然崩壊によって荒れ果てた大地で、生き残った人々が必死に生きようと日々抗っていた。

 

 商人や海賊、盗賊、山賊、情報屋、便利屋、その他諸々の者が世に蔓延るこの世界では、秩序も領地も、何もかもが武力によって大体は決められる。

 

 半無秩序状態なこの世界でも、人々を魅了するものがあった。それは前文明が残したと云われる『過去の遺産』である。この遺産をもとに、一部地域でそれを模造したものを生み出し、独特の文明を発展させていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────プランキー山

 

「…………」

 

 人も動物も眠る閑静な空気に包まれる夜のプランキー山。その山中にある施設『プランキース』の一室にて、便利屋集団モートル・ランナーズ団長のジョウ・マニガンは、今度隣町へ運ぶ予定の物資について確認作業を行っていた。

 便利屋という名の通り、彼は一般人からの探し物から大国宛の物資輸送まで幅広い仕事を取り扱っているのだ。

 

 コンコンっ

 

「ジョウ、ワタシだ。入ってもいいか?」

 

 部屋の扉を叩くと同時に、外から女性の声が聞こえる。

 

「ミーナか、どうしたんだ?」

「コホンッ……実はな、過去の書物に載っていたソバという料理を試しに作ったんだ。もうそろそろお前の腹が鳴る頃だろうと思って……も、もし良かったら食べてもらえないか?」

「ああ」

 

 ジョウは椅子から立ち上がり、疲れた肩を回しながらゆっくりと歩いて扉を開ける。

 

「…………」

 

 開けた先には、胸部と腰周りのみを布服で隠した少女、盗賊団デビル・ドライバーズのボス、ミーナ・クアトーが底の深い丼皿を持って立っていた。しかしながら、大きな胸部とクビレた腰周り、そして流れるように長い艶髪を持っている彼女の容姿は、少女と呼ぶには不釣り合いだ。また、いつもならマントのひとつでも羽織っているのだが、今日の彼女はそれすら羽織っていなかった。

 

「……あ、は、入ってくれ」

「お、おじゃまするぞ……」

 

 その魅力的な身体に一瞬見蕩れ、直ぐに我に返ったジョウはミーナを部屋内へ誘い、ミーナも少し緊張しながらそれに応えて入る。

 

「汚い部屋でごめんな、ここに座ってくれ」

「ああ」

 

 ジョウはベッドに積まれた資料やら荷物やらを退かし、ミーナを座らせ、その隣に腰を下ろす。

 

「仕事はどうだ? 進んでいるのか」

「おう、今度のやつはなかなかな物を運搬するからな。ミーナ達の協力がなきゃ大幅に遅れてただろう」

「そうか。役に立てているならいいんだ」

 

 なれないカップルのように2人は会話を進める。

 ジョウとミーナはそれぞれ組織の長として仲間を統制している。モートル・ランナーズは知る人ぞ知る、男のみで構成された便利屋集団で地方を跨いで活動している。一方のデビル・ドライバーズも、地方を跨いで盗みを働く女盗賊団として各地にその名を轟かせている。

 そんな両者が知り合うきっかけになったのは、デビル・ドライバーズがモートル・ランナーズに仕事を依頼したことであった。初めは異性慣れしていない故か、お互いを腫れ物を触れるような存在として見ていたが、その日から2組織には一定の交流が生まれており、色々あって今はこうしてプランキースで生活を共にしているのだ。

 

「「……」」

 

 二人の間に沈黙が生まれる。それは5秒程度だったが、2人にはその倍以上に感じられた。

 

「……と、とりあえずほら、食べろ。美味いと思う……多分」

「あ、ああ……うっ」

 

 ジョウはミーナから丼皿を受け取り、中身を見て思わず声を漏らす。黒い液体に浮かぶそれは、1本1本が短くちりちりとしていて、中には水分を含みすぎて膨張したように太くなった物もあった。ジョウもソバという料理は過去の遺産の書物を漁っている中で偶然目にしたことがあるのでどう言ったものかは知っている。しかし、ミーナが作ったこれは、それとは似ても似つかないものだ。

 

「これ、ソバなのか……?」

「……ダメか?」

「いや、大丈夫。いただきます」

 

 ジョウは軽く会釈し、箸で脆い麺を掴んで口の中へ運ぶ。見た目は悪いとはいえ、折角ミーナが作ってくれた手料理だ、ここで断るわけにはいかない。

 

「……ぅ」

 

 しかしいくら想いを込めて作った料理でも、美味しさとイコールになるとは限らない。麺は口に入れた瞬間に脆く崩れ、ベチャッとする粉々としたものとなって口内にまとわりつく。黒い液体、もといメンツユモドキにつけているはずなのに、彼の舌は謎のパサつきしか感じ取れなかった。

 彼女自身が料理下手なわけではない、ただ今回は慣れないものに挑戦したからこうなったのだ。そこだけは間違えないように。

 

「どうだ、かなり上手くできたと思うが」

「そ、そうだな。悪くは無い」

「そうか、良かった。何度も作り直したかいがあったな」

「……流石は盗賊団のボスだな」

「ほ、褒めるな……恥ずかしい」

 

 本音を言おうとしたジョウであったが、恥ずかしがりながら喜ぶミーナにそれ以上何も言えなくなった。

 

「とりあえずありがとな」

「いつも世話になっている礼だ、気にするな」

「はいはい……うっ」

 

 その後も、ジョウはソバという名の何かを噛まずに胃袋へ流し続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 ───────────

 

「(あー……腹が)」

 

 数分後、やっとの思いでソバを完食したジョウはベッドの上で仰向けで横になり、腹の上からソバで満たされた胃袋を摩った。ミーナはと言うと、ジョウの手伝いになろうと、彼の机に散らばった資料整理をしている。

 

「これでよし……と」

「悪いな、飯まで作ってもらったうえに」

「いいんだ。ワタシがやりたくてやっていることなんだ」

 

 そう言うと、ミーナはジョウの足先あたりに腰を下ろす。普段の彼女なら、仲間以外にここまで距離を許したことはない。というのも、彼女の美貌に釣られたものは数しれず、今まで何人もの男が彼女をものにしようと襲ってきた。その度にミーナは相手を睨みつけ、捻り潰すというのがお約束だった。

 そんな彼女がジョウに対してここまで距離を許しているのは、彼との間に一種の信頼関係が生まれているからだ。

 

 ふと、ミーナは目線の先に置かれた棚に目をやる。あの棚には、ジョウが趣味で集めている、過去の遺産のディスクやレコードといった品々が棚に押し込まれているのだ。そして、彼女が以前ここを訪れた時よりも明らかに物が増えていた。

 

「また増えたな」

「ああ、あれか。前に西の町で荷物番を頼まれた時にお礼で貰った物だ。つっても劣化が酷いから聞けるかは分からんな」

「また磨けばいいだけだ。なんならワタシも手伝おう」

「い、いいって別に」

「遠慮するな。ワタシとお前の中だろう」

「まあ、そうだけど……お前、1日中俺といるのか?」

「そうだが? …………あっ」

「…………」

「…………」

 

 再び沈黙が生まれる。今度は数十秒か、それ以上の沈黙が2人に流れた。いつもなら他愛もない言葉が、2人にとって何故か気まずい空気を出していた。

 

「……と、とりあえずワタシは戻る。寝るか?」

「ああ、今日はもう寝るよ」

「なら明かりも消しておくぞ」

「頼む」

 

 ジョウが天井を見つめながら答えると、ミーナは立ち上がって部屋の明かりを消して、一瞬ジョウを見つめ、すぐさま前を向いて退出する。

 ジョウもガチャンッと扉が閉まる音を聞いた途端に目を瞑り、暗闇の中で深い眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────

 

 

 

 

 

「…………?」

 

 しばらく眠っていると、謎の違和感にジョウは目を覚ます。暗闇の中で、2つの柔らかいものが自分の体に密着しながら上へ上へと登ってくる。まるで人肌のように温かいそれは、抱き枕にすれば丁度いいサイズになるかもしれないと、ジョウは寝惚けながら思った。

 

「(金縛りか?)」

 

 ジョウは疲れで金縛りにでもあったかと考えたが、寝惚けながらも手足はきちんと動いている。となるとこれは何なのか。ジョウは首を上げて、温かい何からしきシルエットに視線を向ける。

 

「…………ミーナ?」

 

 しばらくして目が暗闇に慣れてシルエットがハッキリすると、ジョウはその正体に唖然とする。

 そこに居たのは、自らの女体を自分の体に押し付けるように抱きつくミーナの姿だった。

 

「起こしてしまったか」

「いや、起きたというか……何やってんだお前」

 

 ジョウが質問をするが、ミーナは指で彼の服を揉むようにモジモジさせるだけで答えようとせず、黙ったまま目線を逸らした。

 

「こ、これはだな、いわゆるヨバイというやつだ。驚いただろ」

「…………」

「な、なにか言え」

「……ちょっと待て。ヨバイって……えっ」

 

 意識がはっきりしてきたところで、ジョウはミーナの爆弾発言に言葉を失う。ヨバイというのは、いつから伝わっているのか分からない、過去の文明から用いられている言葉のことで、早い話が、男女が好きな相手の寝床にやって来るという意味である。

 

「な、なんだ。そんなにおかしいか?」

「いや、おかしくはないが……ちゃんと意味分かって使ってんのか?」

「あ、当たり前だろ。バカにするな」

 

 ミーナは恥ずかしがりながら抱きしめる力を強め、自分の豊かなものをより彼の体に密着させる。

 

 言葉の意味を理解している……それはつまり、ジョウがミーナを想っているのと同じで、ミーナもジョウのことを想っているということである。

 そして彼女からの答えを聞いたジョウは驚くことなく「そうか……」と呟いた。いっけん冷静さを保てているように見えるが、内心は緊張していて正気ではない。

 まず女性に抱かられるという行為自体に慣れていないのもあるが、まさかミーナの方から直接的なアタックを仕掛けられるとは思ってもいなかったからだ。

 

「お前な、いくらなんでも……」

「……ワタシじゃダメか?」

 

 ミーナは何処か寂しそうな表情でジョウを見つめる。その表情は、普段の彼女からは考えられないほどの乙女なものであった。こんな彼女を見てしまっては、ジョウも正直な気持ちを隠す気にはなれない。

 

「……ダメじゃない、寧ろ大歓迎だ」

「なら」

「だがなミーナ、お前は女盗賊団のボスで俺は便利屋の団長。それぞれ大事なモンを抱えてるってのに、男女の営みなんてするもんじゃない」

 

 ジョウの言葉にミーナは落ち込むように口を紡ぐ。

 ジョウ自身も本当はミーナからのアピールは嬉しい限りで、何もなければすぐさまOKを出しているところだ。

 しかし2人はもともと別組織の長、それぞれ仲間たちを引っ張って行かなければならない立場だというのに、色恋沙汰なんてものにうつつを抜かしている暇はないのだ。

 

「……そうやって逃げるのか、お前もワタシを置いていくのか……?」

「違う、そうじゃない。俺は……」

 

 言葉を続けようとするジョウを遮るように、ミーナは少しだけ身体を離し、まるでしがみつくように再びジョウの身体に密着する。ミーナの柔らかな体と体温が伝わり、ジョウの鼓動は一気に早くなる。

 

「……ジョウ」

「……ああ」

「ワタシは、お前と2人きりになった時、運命を感じていたんだ。今まで男に何も感じなかったワタシの心を動かしたのは、後にも先にもお前だけだ」

「……俺もだよ。心の底から惚れたのはミーナだけだ」

 

 暗闇の中で、誰にも邪魔されることがないここで、2人はお互いの本音を吐き出し合う。あの時、あの場所で2人で一夜を共にしたとき、確かに2人の心は惹かれあったのだ。

 

「ジョウ……んっ」

 

 ミーナは身動ぎ、ジョウの口元に顔を近づける。ジョウもそれに答えるためにミーナの身体を引き寄せるように抱きしめ、自分の唇を彼女の唇に重ねた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────

 

『あー、こちらジョウ……ダメだ。繋がらない』

 

 空が灰色の雲で覆われ、そこからバケツを返したような豪雨が地上に降りしきるアミーティジュ森林。

 その森林の奥地にある小さな洞窟の中で、ジョウはトランシーバーで部下に連絡を取ろうと試みていた。しかし立地が悪いせいか、聞こえるのは不快音に近い雑音だけだった。

 

『…………』

『大丈夫か?』

『……問題ない。気にするな』

 

 ジョウは数尺離れた場所で縮こまるように座るミーナを気にかけて声をかけるが、返ってきた言葉は素っ気ないものであった。

 なぜこんな場所で彼と彼女が2人きりなのか、簡単に説明すると、モートル・ランナーズとデビル・ドライバーズによる共同作業中に2人は自然災害に巻き込まれてしまい、いつの間にかこの洞窟の前に落ちてしまったということだ。

 

『……背中の傷、痛むか?』

『いや、そんなに痛くはない』

『……すまない』

『謝んなくていいって』

 

 事故にあった際、ジョウはミーナを庇った。彼の背中にはその時につけたすり傷が残っており、時折痛んでいる。しかしジョウ自身は、あれに巻き込まれて生きているだけでも儲けものだと思っていた。

 

『…………』

『寒いか?』

『……少しだけだ』

 

 ジョウが背中の疼きに違和感を覚える中、ミーナは急激な気温の低下による寒さで震えていた。ボスであるために強気に見せようとするが、その体はジョウでも分かるぐらい明らかに痙攣している。

 

『……よし』

 

 と言うと、ジョウはミーナに近寄り、彼女の肩に触れる。

 

『な、何をする!』

 

 が、すぐさま手で振り払われてしまう。

 

『何って、くっついて暖めるんだろ』

『なっ、お、お前……自分がなにを言っているのか分からないのか?』

『分かってるよ。けど火もつけられないこんな状況じゃ寒さを凌ぐにはこれしかねえんだ』

『わ、ワタシに助けなど必要ない……うぅ……』

 

 言葉では強く言うが、ミーナの体は既に限界寸前であった。

 

『別にやましいことは考えてねえよ』

『そんなの、信頼出来るわけ……』

『……ほら』

『や、やめ…………』

 

 見兼ねたジョウはやや強引にミーナの体を抱き寄せ、冷えたその体を温める。

 

『冷たすぎる、全然ダメじゃないか』

『…………』

『(無視か)』

 

 ジョウが話しかけるが、ミーナはただ強ばった表情で黙っていた。

 しばらくして徐々に彼の温かさが伝わっていき、ミーナの体はある程度の体温を取り戻した。

 

『どうだ、少しはマシになったか?』

『…………』

『(何も言えない、か……俺だって緊張してないわけじゃないってのに)』

 

 下心もなく抱き寄せるジョウだが、彼も彼でこんな疚しいやり方しか出来ない状況に、色々な物が混ざった羞恥を感じていた。

 

『(……暖かいな)』

 

 自分の体を暖めようとするジョウの熱に、いつの間にかミーナは一種の温もりを感じていた。

 初めての異性からの温もり、今まで感じたことのなかったその熱に、ミーナの心はほんの少しだけ和らいだ。

 

『……少し離れるか』

 

 ガシッ

 

『…………』

『どうした?』

『……このまま、もう少しだけ……抱いてくれ』

『あ、ああ……』

 

 ミーナの言葉通りにジョウは彼女の体を包むように密着すると、彼女もまた彼の体にしがみつく。

 滝のような雨粒が振り続ける中、救出されるまで2人はずっと抱き合った。

 

 

 

 この時、ミーナとジョウの心の中に密かな想いが出来上がっていたのだが、それを知るのはもう少し後になってのことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────────ー

 

「ジョウ、依頼した件で話があるのだが」

「ああ」

 

 数日後、施設内の倉庫でジョウとミーナはいつもと変わらず仕事の話をしていた。

 

 

 

「なあ、ブライ」

「なんだ」

「団長と姐さん、前よりも近くなった気がしないか?」

「興味無い」

「お前ってほんと他人のことはどうでもいいのな」

「他人なんぞ知ったこっちゃない」

 

 そんな2人を、大量の洗濯物が入った籠を抱えたカツミはぼーっと眺めていた。一見何も変わっていないように見えるが、カツミには2人の距離が近づいたとひと目で分かった。というより、カツミ以外の団員も殆どは気づいていた。

 

「あの2人、絶対やったよなぁ。人間ってそういうことすると一気に近くなるらしいし」

「しかしここ最近は特に動きは見られない、以前も添い寝程度だ、やってはないだろう」

「そうかぁ? まあ、2人ともそういうことには不器用だもんな……ん? なんでそんなことお前知ってんの?」

「…………」

「おい、なんか言えよ」

 

 怖がるカツミを無視して、ブライは趣味のガジェットいじりを続けた。

 

「ちょっとカツミ! 洗濯物干してって言ったでしょ!」

 

 と、そこへ掃除道具を身につけたシンディが怒りの顔を浮かべてカツミに詰め寄る。

 

「チッ……うっせえなぁ、そんな怒んなくても良いだろシンディさんよー」

「あんたが当番サボってなかったら私だって怒らないわよ」

「だいたいさー、なんで俺がそっちの分の洗濯までやらなきゃいけないんだよ」

「ここを使う時にそういう約束したでしょ。ほら」

「お、押すなって」

 

 シンディに押される形で、カツミはトタトタとその場を後にした。

 

「……」

「……あの2人、今日もイチャつく」

 

 いつの間にかブライの横にしゃがみ込んだリアが彼に聞こえる声でボソッと呟く。

 

「……リアもそう思うかい?」

「見てたら分かる。もうそろそろ『ところで』って言う」

「ほう」

 

 

 

 

「ところでジョウ」

「ん? どうした?」

「実は昨日、シンディから菓子作りを教えてもらったのだが……そ、それで試しに作ってみたら、思った以上に余ってしまってな……よ、良かったら……後で部屋に……な?」

「あ、ああ、いいぞ」

 

 

 

 

「ね?」

「わかりやすいな」

 

 しばらくの間、あからさまにデレついているジョウとミーナのイチャイチャ茶番を2人は遠くから観察していた。

 

 

 

 

 

 




 設定

 本来の世界とは別の世界に存在するパラレルワールドの地球。昔は多くの人々が多く暮らしていたが、自然災害や絶えぬ争いによって過去の文明は殆ど滅んだ。
 世界観は色々とごった煮。テレビはないが、空中を浮遊できるホバーバイクがあったり、一部の国に電気が存在していたりと、結構ガバイ。戦艦や兵器などは一応存在するが、前文明の兵器に関する資料の殆どが消滅してしまっているため、模造品のような造りのものが多い。
 その一方で、兵器以外にも過去の遺産は残っており、メモリ、音楽ディスク、レコード(本来ならそういった過去の品々は劣化していくのだが、現在発見されている遺産の多くは厳重に保管されていたり、特殊な加工によって寿命が伸びていたりと、数は少ないが今も残っている)などがある。
 言語はオリジナルのものが世界共通で用いられているが、育った地域によっては英語や日本語といった過去の言語も使っている。


 用語
 モートル・ランナーズ
 ジョウが率いる男だけで構成された便利屋集団。荷物運びから祭りの装飾まで幅広く活動している。
 一応男だけで構成されているが、団員には既婚者や子持ちも一部いる(実家に残している)。また、生理現象に関してはそれ専用の専門店で発散するが決まりがあり、犯罪行為による発散は絶対禁止とされている(万が一やったものはそれ相応の制裁を下される)。元々はジョウ1人で営んでいたが、いつの間にか人数が増えていた。
 企業理念は『仕事はきっちり、命も大事に』。

 デビル・ドライバーズ
 ミーナが率いる女だけで構成された盗賊集団。盗賊と言っても極悪非道なものではなく、常に民を虐げ、財産を巻き上げる富裕層を狙っている。攻撃的で男勝りな女性が多く、ファンからは男よりたくましいと言われている。
 団員の殆どが恋愛経験がなく、ミーナに至っては恋もしたことがない。
 盗賊理念は『奪えるものは奪え、但し奪う相手は見極めること』

 プランキース
 モートル・ランナーズとデビル・ドライバーズがプランキー山で偶然発見した過去の施設(名前は適当につけた)。前文明の人類が使用していたものと思われるスクリーンや電子機器が放置されており、中には過去の偉人が書き残した書物も残っていた。今は2組織の活動拠点としてシェアハウスのように使われている。



 キャラクター

 ジョウ・マニガン
 モートル・ランナーズのリーダー。大柄の逞しい男。団長ということもあって、仲間を統制するリーダーシップを持つ。団員に厳しく接してはいるが、恋愛を認めていたり、団員のプライベートを優先したりと、何かとやさしい。収集癖があり、仕事帰りに過去の遺産を持ち帰ることが多い。金目的ではない。
 恋愛に関しては不器用で、ミーナに惚れてからは色々と試行錯誤を重ねている。音楽に興味があり、仕事でデビル・ドライバーズ本拠地に立ち寄った際に、偶然拾った音楽プレーヤー(リアの持ち物)にメモリーカードを差し込んだことで過去の音楽を知ることになる。
 ミーナと洞窟で一夜をともにしたことで彼女に惚れる。


 ミーナ・クアトー
 デビル・ドライバーズのリーダー。比較的小柄の巨乳。容姿に反して、男よりオトコと呼ばれる程のカリスマ性をもつ。彼女に挑んだ者は数多くいるが、1度も負けていない。また、俗悪な者のみを狙うことから、人々からはヒーローとして崇められ、一定のファンを獲得している。
 幼い頃から1人で生きてきたうえに、異性を意識したこともない。そのため、恋愛のレの字も知らない。しかし事故でジョウと2人きりになった際に彼に助けてもらったことで密かに運命を感じ、後に恋心だと自覚する。


 カツミ・ディラ
 モートル・ランナーズの団員。面倒くさがりやで、大体は仕事そっちのけで油を売っている。ジョウと同様、過去の遺産であるブイエイチエスやディーブイディーなどを収集する趣味を持っている。幼い頃に教えてもらった『オワライ』というものに興味があり、将来は何処かで皆を笑わせる人間になりたいと考えている。
 常にどうすれば楽にやれるかを考えているため、その度に失態を犯してジョウから扱かれている。
 シンディと口喧嘩をすることが多いが、彼女の悩みや辛さを分かったうえで付き合っている。


 シンディ・サンディー
 デビル・ドライバーズの団員。デビル・ドライバーズのお母さん的存在。ミーナとは親友のような関係。意外と乙女で、古書売り場で売られている恋愛小説を買い漁っている。
 モートル・ランナーズとの仕事の際に初対面のカツミといきなり喧嘩をしたため、印象は最悪だった。
 その後も会う度に嫌味を言い合っていたが、プランキースに眠っていたビデオデッキをリアが修理し、そこでカツミが持参したVHSをスクリーンで観ていた際に、初めてドラマというものを観る。カツミとともにドラマだけでなく、バラエティやエイガというものを観ていくうちに、自分の過去や今の苦労を吐き出し、彼がそれを受け入れたことで友達以上恋人未満の関係になった。


 ブライ・アムス
 モートル・ランナーズ団員。過去の遺産や機械等の研究に勤しんでいる。興味が無いことにはとことん視界に入らない性格で、同じような性格のリアと気が合う。彼女に関しては気にかけている。


 リア・サクマダ
 デビル・ドライバーズ団員。メカニックの機械オタク。常に機械と向き合っているため、人付き合いが下手くそ。しかし仕事で知り合ったブライと馬があったことで彼に心を開いていく。先祖代々から受け継いできた音楽プレーヤーをいつも大切に持ち歩いている。
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