剣士異伝 仮面ライダーサーキュラー   作:TELTELボーズ

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一か月かかって前編のみ!これからこういうペースになると思うけど赦して。
新発売の装動が増えると新しい剣士とか作りたくなるんだもん…


第6環「王国を揺るがす、熱い意志。」(前編)

 ギィン!

 サーキュラーの車輪剣とラブリュスの圧制剣の激突は、鋭くも重い擦過音を轟かせる。激突の瞬間にラブリュスの一撃が急に力を増し、サーキュラーの振りかぶった車輪剣はそのまま弾き返された。

 

 「剛腕傾向(パワータイプ)…だと予測(おも)ったぜ!」

 

 しかしサーキュラーの身体は弾き飛ばされなかった。寧ろ弾き返された輪刀の勢いを自分の身体を軸に受け流し、そっくりそのまま反対の輪刀での二撃目に乗せてラブリュスの装甲を撫で斬った。ラブリュスは体勢を崩したが、斬った装甲には特に目立った損傷はない。

 

 「堅牢(かた)くて剛力(つよ)い、我ながら随分と難攻不落(めんど)い剣士を妄想(かんが)えたみてえだなぁ!」

 

 愚痴を溢しながらも、サーキュラーは容赦なくラブリュスにラッシュを仕掛ける。

 

 「あぁー!?俺は王様だぞ!どぉーの分際で俺の制裁を邪魔しやがるんだぁー!?」

 

 いくら硬くて強くともラブリュスの中身は力任せの素人、外傷は受けなくとも手も足も出せなければワンサイドゲームという他無い。何より叩き込んだ連撃の感触から、ラブリュスの装甲が必殺技までは防ぎきれないことをサーキュラーは既に看破している。

 

 『ディアゴスピーディー!』

 

 車輪剣の刃に紅いエネルギーが集束していく。双輪を持つサーキュラーの身体は回転数を増し、描く軌跡は鮮紅の円環となる。

 

 「走破(おわり)だ!攻帯車線(ルッツバック)…」

 

 今にもラブリュスの装甲を抉らんとする刹那、サーキュラーの脳裏に御影の最期が呼び起こされる。

 途端に体勢は僅かにラブリュスを逸れ、攻撃は空を切って止まる。紅いエネルギーも既に霧散してしまっていた。

 

 「でやぁ!」

 

 着地の体勢の横から、ラブリュスの蹴りが押し出される。相手に当てる前提の必殺技を中断して体勢が崩れないわけがなく、サーキュラーの身体は大きく飛ばされることになる。

 連撃から逃れた機会を活かしラブリュスは反撃に打って出る。

 

 「やってくれたなぁー?王の裁きにひれ伏すことだな!!」

 『鋼の王様!』

 

 斧型の刀身がシェルフから引き抜かれ、また挿し込まれる。WRBの表題の読み上げと共におぞましい()()が刀身へと集っていき、それはラブリュスの豪快な腕から投げ放たれた。

 

 『重圧!』『版読撃!!』

 

 その音声と共に圧制剣はサーキュラーに襲い掛かった。サーキュラーは回避を試みたが、既に遅い。咄嗟に2枚の輪刀で受け止めたはいいが、圧制剣が触れた途端に頭上から途轍もない重圧がかかり出した。

 

 「が…っ!!」

 

 圧制剣そのものは倫刀に激突して地面に刺さり落ちたにもかかわらず、その重圧は周囲を押し潰していく。サーキュラーの銀と紅の装甲もまた、ギシギシと音をたてて凹み始めていた。元より軽量かつ弱い鎧、当然この重圧には耐えられる道理がなかった。

 

 「潰れちまいなー、小僧!」

 

 そしてサーキュラーの身体から厚みが失われ、辺りに土煙が舞い上がった。

 

 ・・・

 

 『鋼の王様!!』

 

 とある一糸纏わぬ王は、その肉体美で逆境を破る。

 肥えた悪しき心あらば、楯突く全てに平伏を迫る。

 

 ・・・

 

 「糞餓鬼のスルメ、一丁あがりだなー」

 

 くっくっと下卑た笑みを仮面の下に浮かべ、ラブリュスは放り投げた斧剣を回収しに歩く。己に楯突いた愚か者の無様な末路を拝む心算もあったが、しかしラブリュスが目にしたのは予想外の光景であった。

 そこにあったサーキュラーの姿は…ぺしゃんこに潰されたギャグマンガのキャラクターのようにペラペラになっていた。いや確かにある意味醜態であることには違いないが、圧制剣に人をこんな状態にする特性はない。事実、()()()()()()()()()()者たちは血肉の花を咲かせていた。おまけにペラペラになったサーキュラーは身体をはためかせながらも起き上がろうとしている、つまり絶命していない。

 

 『一反モーメント!』

 『ヒラメキング!』

 『絵姿美人!』

 

 3冊のWRBの表題音声が力の残滓として鳴り渡る。その方角には、空色の鎧を纏った剣士、エスカリブルがいた。

 つい先刻到着し、重圧に潰される寸前のサーキュラーを目撃した彼は、一反木綿、鮃、絵姿女房と、そら自身が思い付く限りの薄っぺらな身体にする効果をサーキュラーに付与したのだ。

 

 「間に合ったようだな…無事か燈華?」

 「…誰かさんに奇天烈な状態(ペラッペラ)にされたことに目を瞑ればな」

 

 平面になっても減らない口を叩くサーキュラーは、次第にその身体に厚みを取り戻している。しかし座り込んだままであり、すぐに立ち上がる様子ではなかった。平面状態とはいえ重圧の衝撃を食らったことが響いたか、或いは…

 

 「燈華、相手を死なせるのが怖いか」

 

 沈黙。図星のようだ。

 

 「…ラブリュス(あのクソヤロー)が既に何人も殺ってる以上、討伐()らねえ道は不合理()えよ。自業自得な一人の犠牲(コスト)平和(リセット)なら良心価格(グッドプライス)もいいとこ…」

 「本音は?」

 「暴利(クソ)だね!なんで人死にが確定保証(ノルマ)なんだよチューリップ帽野郎(ダムシット)!!」

 

 サーキュラーは潰れたアスファルトの地面に拳を叩き付ける。御影と呼ばれた蟹の剣士(ギロチン)が消された時、燈華もそらも反応が間に合わなかった。あの場に剣士の誰が居ても手遅れなほど、チューリップ帽の伸ばす指の速度は常軌を逸していたのだ。実のところ現状の圧制の剣士(ラブリュス)を倒してしまうことは彼らにとって容易いが、倒した後に確実に変身者の命を持っていかれるという事実がサーキュラーに躊躇を負わせているのだった。

 そして、状況は過酷さを増していくことになる。ラブリュスの圧制が次のステージへ移ろうとしている。

 

 「何回も使い続けてよー、なんとなく加減が解ってきたんだなー」

 

 すると地面に刺さった圧制剣が風圧を放ってラブリュスのいる方角へと帰っていった。手元に戻る、とはいかずラブリュスの手前の地面に転がることにはなったのだが、それでも段々とラブリュスの変身者が圧制剣の特性を使いこなしていることの証左であった。

 

 「今までは俺を巻き込まんように投げてたが、どうも俺はテメーらに比べて『圧』には強いみたいなんでなー。ゆーっくりと、伸してやんよぉー!!」

 『鋼の王様!』

 『重圧!』『版読撃!!』

 

 圧制剣を拾い上げたラブリュスは再び聖剣の力を起動させる。ただし今度は手に持ったまま、比較的軽い重圧を周囲に遍満させる。サーキュラーとエスカリブルの身体にも、ずっしりと負荷がかかっていた。

 

 「さーてどれくらいの『圧』でテメーらはプチっと潰れてくれっかなぁー!?楽しい楽しい処刑実験だぜぇー!!」

 

 二人の剣士にかかる重圧が徐々に増していく。相手の命に気を遣えるほどの猶予は、刻一刻と尽きようとしていた。




近況としてはTRPG初めましてん。テキスト打ちは大変やで…
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