ようこそホワイトルームが無くなった世界へ   作:好きjaなくないない無い

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なんだかんだあったら前編、中編、後編で終えることできましたー!

ぜひ読んでください。


裁判編(終後編)

 

このカフェが放課後から時間が経ち人が少なくなっている。このことが唯一の救いだった。南雲の言動を見るにコイツは2年でトップの座に居座る男で、先程の会長の話に出てきた奴のことだろう。こんな大物と話してたら目立ってしょうがない。

 

「で、そんな南雲先輩がオレに何のようですか?」

 

「分かってるだろ?吉田のことだよ。」

 

吉田先輩は一之瀬を襲うような真似をして退学になった一年上の先輩だ。そして南雲のクラスメイト。いや、手駒と言ったほうがいいだろうか。

 

「吉田の作戦は完璧だった。邪魔が入ってもあいつの喧嘩の強さなら対処できた筈だ。なのにお前はあの吉田を倒した。」

 

オレの前に座りながら話す。

 

「なぜオレが倒したことになるんですか?オレは先生に通報するまで彼を押さえていただけですよ。」

 

「それが難しいんだろ。少なくともオレの中でお前の評価は運動も勉強もできるやつになった。」

 

「評価が上がることは素直に嬉しいですね。で、オレに何のようですか?」

 

オレは南雲の腹の底を見れず、本人に聞くことにした。

 

「それは簡単だ。お前には生徒会に入ってもらって働いて欲しいだけだ。なに、タダとは言わないぜ。それ相応の報酬もやるよ。」

 

要約するとつまり『オレの下につけ』と言うことなのだろう。もちろん答えはノーだ。しかし、

 

「もし断ったら?」

 

「そうすれば、まぁ地獄を見るだろうな。お前達は知らないだろうが退学者が出るとクラスポイントは減少する。今回の件でAクラスは100クラスポイントを失った。お前にこの責任が取れるか?」

 

「何でオレが責任を取らないといけないのですか?あなたが吉田に無茶な指示を出さなければあいつが退学するようなことにはならなかった。」

 

 

「っ!」

 

少しではあるが動揺が見える。やはり南雲の指示だったのか。

 

「まぁ、生徒会に入ることに興味もありましたから考えておきますよ。では、」

 

オレが席をたち店を後にしようとすると南雲が微動だにせず声をかけてくる。

 

「綾小路、覚えておけ。今は堀北生徒会長と戦っているがそれが終わり次第次の遊び相手はお前だ。」

 

「興味ありませんね。」

 

オレは彼の取り巻きのような2人を避けて帰ろうとする。しかし、男子生徒の方が他の2人にバレないように右手を近づけた。その手にはメモ程度の大きさの紙が握られている。

 

 

     『持っていけ』と言うことなのだろう。

 

 

 

俺はその紙を受け取り店を後にする。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、どうするか。」

 

オレは携帯を取り出し時間を確認する。午後の6時半。せっかくショッピングモールにいることだし外で飯を食べることにしてメッセージ機能を開いた。流石に1人で食事は寂しいため誰か呼ぼうと思ったら、ある人物からメッセージが届いていた。オレはそいつの指示に従い、とある料理店へと向かった。

 

 

 

______________________________________

 

 

「......待たせたか?」

 

「問題ない。先程は突然の訪問悪かったな。」

 

謝罪するのは堀北兄。南雲と接触する前に会い、彼に注意するよう助言をくれた。堀北はオレにメニューを渡してくる。

 

「頼め。オレが呼んだんだから食事くらいはご馳走しよう。ここなら人目につかないしな。」

 

彼がオレを呼んだのはとある料理店の一室。個室がありオレ達が密会するにはもってこいだ。

 

「それで話って何だ?」

 

オレはタッチパネルでお好み焼きと焼きそばを頼む。合計で1800ポイントと案外安かった。今度平田とでも食べに行こうかな。

 

「話は二つだ。一つは南雲に関して。もう一つはお前に関してだ。」

 

オレに関してとはどう言う意味だろうか。どうせ後で分かることだろう。

 

「二つ目に関しては分からないがとりあえず一つ目だ。南雲に関してはオレも聞きたいことがあったからな。」

 

「ほう、何だ?言ってみろ。」

 

「何でお前はあんな雑魚に手間取っているんだ?」

 

先程は言った情報だが、南雲は堀北との勝負に力を注いでいるらしい。一年とちょっとで学年を支配し、学年に敵がいなくなってしまったから新手を探す気持ちは理解できる。たが、

 

「お前とあいつでは差がありすぎる。覇気と言えばいいのか?そう言ったオーラではお前のほうが上だ。何だったら南雲は龍園やお前の妹と大して変わらないぞ。」

 

これがオレから見た南雲の評価だ。能力はある。だが、それだけだ。パラメーターで言えば全てにおいて優秀。とてもじゃないが堀北が警戒するレベルではない。

 

「確かにそうだ。だが奴の根幹はそこにはない。やつはリスクを恐れない。」

 

「どう言うことだ?」

 

「奴は犠牲を恐れないんだ。自分のクラスメイトを学年の友人をチェスの駒のようにしか思っていない。だからこそ自爆特攻などができるんだ。先の吉田のようにな。」

 

「なるほど。吉田は利用されてまんまと捨てられたと言うわけだな。」

 

「そうだ。そして、奴が保有するプライベートポイントは1500万ポイントを超えている。一生徒が持つには大金すぎるんだ。この金で奴は俺たち以外のクラス、特に差の近い3年Bクラスを支援している。このせいでBクラスも自爆特攻が可能な環境にある。南雲という後ろ盾がいるからな。」

 

「そういうことだったのか。一年生には一之瀬がいる。そして南雲は彼女を強引に生徒会に引き入れてまでコンタクトをとった。」

 

「ああ、オレの予想だが南雲は一之瀬を使って一学年を支配しようとしているのだろうな。また今回の接触から見てお前をも取り込もうとしたんじゃないか?」

 

「そうだろうな。」

 

南雲自身も一年生にイレギュラーがいることを理解したのだろう。きっとオレ以外には龍園達も含まれるだろう。そうじゃなきゃ、あんなところであからさまにオレと対話をしないだろう。

 

「それで南雲の依頼を受けるのか?」

 

「まさか、あんな雑魚の下につくつもりなんてない。まだあんたの方がマシだ。」

 

「それはお前から一定の評価をもらったと解釈してもいいか?」

 

「別に構わない。」

 

「そうか。ありがとうと言っておこう。南雲と別れる時に男子生徒からメモをもらっただろう?」

 

オレは丁寧に四つ折りされたメモを開く。そこには一つの電話番号が記されていた。

 

「その番号は2年生でまだ南雲に陰ながら反抗している生徒、Bクラスの桐山というもののものだ。生徒会に所属しており、あいつも南雲を止めるためなら力を貸してくれるだろう。」

 

「分かった。覚えておく。」

 

オレは忘れる前に桐山という先輩の番号を入力しておく。ちょうどそこでオレ達が頼んだ料理が到着した。小腹も減っていたので食べながら話が進む。

 

「まぁこんな感じで一つ目の話は終わりだ。二つ目はお前についてだ。」

 

「疑問だったが、どういうことだ?」

 

質問を渡すと堀北は机の端から彼が持ってきた茶封筒を開いた。そこにはいくつからのオレの資料が入っている。

 

「生徒会長の特権はすごいな。こんなものまで手に入るのか。」

 

「閲覧の許可は出てる。本来持ち出すのは禁止だ。そしてこの資料を見た時点でお前とオレは同罪だ。」

 

「.......やってくれたな。」

 

つまりこれから先に話す内容は他言無用だという事だ。

 

「オレはお前と会ったあの夜以降、お前について調べていた。理由としてはこれからの南雲との戦いに必要な人材だと思ったからだ。」

 

先程の仮説でもあったように南雲が一之瀬を利用して一学年を掌握しようとしているのならば堀北にとってもオレにとっても他人事ではない。

 

「で、オレを調べた結果はどうだった。」

 

「入試の成績は全教科満点の一位。面接での評価はコミュニケーション能力で若干マイナスをもらっているがしっかりと合格基準を満たしている。なんでDクラスに配属されたのか不思議なくらいだ。」

 

「その言葉は褒め言葉として受け取っておく。」

 

「構わん。先程も言った通りお前がDクラスであることに不安を抱いた俺はお前の過去について調べることにした。だか、ひとつたりともお前の情報は出てこなかった。そしてひとつ気になったことがある。」

 

「なんとことだか....」

 

「受験日の日程についてだ。この学校の受験日は1月15日。だがお前は2月の中盤に受験している。明らかにおかしい。」

 

「そうだな。」

 

「そしてもう一つはこの『ホワイトルーム事件』だ。この研究所は人工的に天才を作るプロジェクトらしいが、生徒に過度な負荷をかけすぎたためか廃人化する子供が発生し、倫理的な時点で問題視された今年の4月あたりの事件だ。」

 

「そうですね。」

 

「事件については新聞に大きく載っていたようだ。内部にいた実験生かつホワイトルーム指導者の息子が内部摘発したと。そしてその指導者の名前は綾小路。お前と一緒だった。」

 

「ここまで分かってしまうとは。さすが生徒会長ですね。」

 

「綾小路、今回の調べごとは俺が独断で行ったことだ。みんなに言いふらしをしないことを約束しよう。だから教えてくれ。お前が体験したホワイトルームの全てを」

 

「そんなことを聞いてどうなる?」

 

「お前は今まで会ったことのない存在だ。そんなお前を前にして知りたいと好奇心が湧くのは当たり前だろ。」

 

「そうか、そうかもな。」

 

確かにオレもそうかもしれない。オレはホワイトルーム以外の世界について知りたくてこの学校に来た。人間というのは見知らぬものに対して好奇心というものが湧く。オレも堀北もその一種なのだろう。

 

「誰にも言わないだろ?」

 

「今更その確認が必要か?」

 

「そうだな。なら話そう。オレが生きてきた残酷な15年間を....

 

 

 

 

 

 

 

______________________________________

 

 

 

「...................... 」

 

「おいおい、なんで黙っているんだ?同情されてるみたいで嫌なんだが、」

 

「すまない。正直想像以上だったからな。そしてお前はそこでトップの成績を残した最高傑作か。」

 

「ああ、最高傑作なんて聞こえはいいが実際はオレのせいで廃人が増えた。オレをベースに計画が進んでいく中で途中リタイアの人数が激増した。オレのせいで罪なき子供が犠牲になったんだ。」

 

「それはお前のせいじゃない、と言いたいが微妙なところだな。それでお前はこれからどうするんだ?持っているんだろ。ホワイトルームの鍵を。」

 

「.......正直迷っている。あの施設を潰すということはあの施設にいた大人は無職に、子供は帰る家をなくすことになるからな。」

 

「そうか。それは中々すぐに決めつけられない課題だな。少なくとも卒業後の話なのだろう。」

 

「そうなるな。」

 

「なら焦らずにじっくり考えろ。お前の思うままに進め。父に囚われる必要はどこにもないんだからな。」

 

囚われるか。確かにそうかもな。あいつはオレに自分の全てを託していった。そしてオレもあの施設があって欲しいと何処かで祈っている気がした。

 

 

ああ、オレは父のことをまだ見捨てられていなかったんだな。あんな厳しい訓練をされようと、親の情をもらえなくても、刑務所に放り込んでも、オレの中にある微かな感情が父を肯定している。嫌になる、人間というのは不可解な生物には。

 

「何かあったらいつでも力を貸す。協力するぞ。」

 

「........ありがとうございます。堀北『先輩』。今日はあなたと話せてよかった。」

 

「それはこちらもだ。お前と話す時はなぜか分からんが好奇心が生じるな。また話をしよう。夕食くらいならご馳走してやる。」

 

オレ達2人は店を後にし、寮のある方へと歩いて行った。その時2人が会話することはなかった。

 

 

 

 

 




ワンピースが最終章に入ることを未だに信じられずにいます。



次の章の名前が決まり次第始めます。なんかいい名前があったら教えてください。
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