ようこそホワイトルームが無くなった世界へ   作:好きjaなくないない無い

28 / 50
特別試験自体は今回で終わります。次回からは解説になります。


(6)     

 

 

 

「8月9日、午前10時。これをもって第一回特別試験を修了とする。まずは皆さんお疲れ様でした。それでは只今より結果の集計を行う為、しばらくお待ちください。」

 

スピーカーを通して真島先生の声が響く。整列しているのはAクラス39名、Bクラス40名、Cクラス40名、そしてDクラス1名が並んだ。特に整列するように言われていない為、多くの生徒は雑談などをしながら待っている。クラスメイトはみんなリタイアしたので船で待機の命令を下されている。特に他クラスとは関わりを持っていないオレは一人でぼーっと立っていることしかできなかった。

 

「綾小路くんっ!」

 

1週間ぶりに聞いたその声はどこか懐かしさを感じるな。

 

「一之瀬か。お疲れ様。」

 

「お疲れ様じゃないよ!」

 

一之瀬はなぜか怒っているようだった。女心なんてかけらも分からないオレは頭の中にはてなマークをたくさん作ることしかできなかった。

 

 

「なんでクラス総出でリタイアなんかしちゃったの?そんな事しちゃったらせっかくのポイントを取るチャンスを棒に振ることになるんだよ?それに綾小路くんは島に残ってるし.....」

 

「要は一之瀬も俺もお前が勝つ事を諦めた事に疑問を抱いているんだ。」

 

「なるほど、そういうことか。」

 

確かに他人から見たら意味がわからないだろう。クラスの勝利を捨ててまでAクラスと個人の契約を結んだ。この結果だけではオレが自己中心的に行なった結果になってしまう。

 

「それなら心配ない。きっと面白い結果になると思うぞ。一之瀬、リーダー指名にオレの名前を書いたか?」

 

「え?ううん。龍園くんからは綾小路くんがリーダーって言われたけど、確かな証拠もなかったし書かなかったよ。」

 

「そうか。良かった。」

 

「?」

 

一之瀬は良かったと言われた意味を考えている。そんな中、

 

「綾小路。」

 

そう呼ばれて横を見ると葛城と戸塚がやってきた。

 

「どうしたんだ?葛城。」

 

「お前に礼を言っておこうと思ってな。お前の助力もあって俺達Aクラスは400ポイント以上の成果をあげることができた。感謝する。」

 

「助力?なんの事?」

 

「後で説明する。」

 

状況を飲み込めていない一之瀬にボソッと耳打ちし葛城の前に立った。

 

「そうか、おめでとう。オレはしっかりと契約を守った。だからお前らもこれからの契約を守ってもらうぞ。オレが言いたいのはそれだけだ。」

 

 

 

「もちろんだ。明日を楽しみにしてるといい。」 

 

 

 

それだけ言うと葛城はAクラスの元へと帰っていった。そして、入れ替わるように龍園がやってきた。

 

「お前はいいライバルになると思っていたんだがな。非常に残念だ、綾小路。」

 

 

「龍園。どう言う事だ?」

 

「試験三日目、俺はお前を発見した。そこで確信したよ。お前がリーダーって事にな。もっと慎重に行動すべきだったんだよ。ボーナスポイントで勝つ予定だったんだろうが、その計画は俺が潰させてもらったぜ。」

 

 

「そうか、それは残念だ。

 

 

 

      お前の実力はその程度だったんだな。」

 

 

 

 

 

 

「は?」

 

 

その時その場の空気が凍りついた。他でもない龍園がこれまでに見たことのない具合にキレたからだ。

 

「何つったんだ?俺の実力がその程度?どう言う意味だ?」

 

「答えは簡単だ。結果を見てくれればわかると思うぞ。」

 

それ以上喋ることはなく集計を終わらせた真島先生がスピーカーを片手に喋り始めた。

 

 

「静粛に!コレより結果発表を行う。最下位はAクラス、20ポイント!」

 

 

 

その場にいる全員の視線が左側に固まっていたAクラスに集まる。クラスのまとめ役である葛城の顔は驚きを隠せない顔だった。

 

 

「続いって同率2位は、BクラスとCクラス。140ポイント!」

 

 

そこにいた生徒全員がザワザワと騒ぎ出す。

 

 

何でこんな結果に?どうやって?

 

 

結局彼らが考えたところで答えは出ない。真島先生に注意の視線を送られたところで静まり返った。

 

「最後に第1位はDクラス、185ポイント!ポイント増減の詳細は携帯のメールに送られている。確認したいやつは確認するように。以上を持って第一回特別試験を終了とする。全員30分以内に船内へと戻るように。」

 

その言葉を聞いた生徒ほとんどは結果に納得いかないままクルーズ船へと戻っていった。龍園もその1人だ。

 

 

 

「聞いていかないのか?今回起こった出来事に興味がないわけないだろ?」

 

 

「お前に説明されるのが癪なんだよ。テメェのこすい手に引っ掛かるのは今回までだ。次は絶対に潰す。」

 

 

負けたとは思えないほどの殺気を俺に向けてきた。さすがだ龍園、お前は成長すればオレと同じくらいの実力が身につくだろう。潜在能力はピカイチだ。今あいつに必要なのは圧倒的な敗北経験だ。それは今度こちらが用意しないとな。不思議だ。オレは他クラスの人間までも成長させようとしている。

 

何でだろうな_______________________

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「一之瀬達はどうする?」

 

「私は聞きたいかな?今回起こったことについて。」

 

「オレも同席していいか?」

 

一之瀬と神崎は話を聞くそうだ。

 

「ならシャワーとか浴びて、午後1時に指定のカラオケルームに来てくれ。」

 

「分かった。けれどその前に一つだけ聞いてもいいかな?何でDクラスはリーダーを当てられたのにこんな凄いポイントを獲得しているの?」

 

「ああ、そのことなら答えだけ。あそこの森から出てくる人物がいるだろ?彼がDクラスの本当のリーダーだ。」

 

2人が目線を送ると無人島の森からひょっこりと出てきた少年がいた。

 

 

 

 

 

 

    池寛治だった_____________________

 

 

 

 

 

 




第一回特別試験結果詳細①

Aクラス

残Sポイント      270ポイント

使用用途]リタイア一名(−30ポイント)

獲得ボーナスポイント  100ポイント

各クラスリーダー指名 (cpはクラスポイント)

Bクラス    指名なし   0cp
Cクラス    龍園翔   −50cp
Dクラス   綾小路清隆  −50cp

各クラスリーダー被指名

Bクラス   戸塚弥彦   −50cp
Cクラス   戸塚弥彦   −50cp
Dクラス   戸塚弥彦   −50cp

(この結果によりAクラスのボーナスポイントは無効)

獲得クラスポイント  20cp

暫定クラスポイント  1120cp
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。