ようこそホワイトルームが無くなった世界へ   作:好きjaなくないない無い

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最近は1日あたり100字ほどしか書けておりません。どうもお久しぶりです。
こんな忙しい毎日でもこの僕を癒してくれるのは、毎週放送されるアニメです。
ヤバない?
よう実あと3話で終わりよ?
時間の流れは早いですね....
でもなんやかんだ秋アニメも楽しみで早く変わって欲しいと思ってしまいます。

この気持ちはどうすればいいんだろう?

P.S.私は何を言っているんだろう?






「アハハ、気持ちいいね。」

 

「そうね、ってちょっとあんた、動かないでよ。的がずれちゃう。」

 

そう言いながら私の腹、足を蹴りまくる。

 

痛い

 

こんな痛みを感じるのは中学三年生以来だ。あの時は酷かったな。

 

でもあの頃よりかはマシだと思ってしまう。なんせあの頃はクラス全員でいじめられていたんだ。いつの日かを境にそうなった。理由は今でもわからないし、知りたくもない。だから決めた。高校は私のことを知る人のいないところへ行きクラスカーストのトップに立つと。その為ならばなんでもした。クラスメイトである平田君に彼女のふりをしてほしいと。彼の人気もあり私の知名度は上がり見事にDクラスのカーストトップに君臨した。

 

ここまでは順調だった。

 

 

 

ここまでは..........

 

 

気づいたのは夏休みに入る前、友達とカフェでお茶をしていた時だ。一目で分かった。彼女が真鍋さんであることに。いじめられていた時に飽きるほど見た顔だ。忘れるわけがない。

 

 

彼女に私が認識されるのも時間の問題だった。その前に対処しなければならない。当然答えはひとつだ。

 

彼女を退学させないと....

 

 

私はそう思った。

 

 

だがなかなかうまくいかなかった。平田君はあくまで退学ではなく平和的な解決を望んだ。彼の優しさがここで仇となった。それに彼女に私を認識させたのも私がCクラスの女子に手を出したからときた。

 

そして今がこのザマだ。彼女達に弱みを掴まれて彼女達に飽きるまで蹴られ続ける。

 

本当に...笑えてくる。

 

どうして私がこんな目に遭わなければいけないのだろう。

どうして、どうして、どうして..........

 

 

過去も今もずっと考える。なんで...

そして、分かった気がした。きっと私は人間ではないんだ。

 

いや...神様が私を人間じゃない何かにしたのだろう。本当に残酷だ。

 

 

本当に残酷だ。

 

そんな今の私がやる事はどんな手を使っても同じ目にあわないこと。その為だったらどんな人間だって利用する。

 

 

 

寄生虫....そう呼ぶのがしっくりくる、

 

そう、私は寄生虫。一人で生きることのできない、弱い生き物だ。

 

 

「そろそろやめてもらえるか?」

 

 

 

誰だろう?男の声だ。聞いたこともある。顔を上げるとその男子は私の前に立っている。

 

 

 

 

どうやら私の新しい寄生先がきたみたいだ。

 

 

 

 

 

 

___________________________________________________________________________

 

軽井沢が蹴られ始めた時、オレの体はすぐさま立ち上がっていた。

 

これ以上放置させてはいけないと思ったからだ。なぜそう思ったのかはわからない。

 

「そろそろやめてもらえるか?」

 

誰もいないはずなのに人がいる、それだけで4人は十二分に驚いた。4人が怯んだ時にオレは彼女たちの間に割って入った。前方にCクラスの4人、後方に軽井沢がいる。

 

「お前達がやっていたことはずっと見ていたし、証拠も十分に撮れた。わかりやすく言えばお前達の今後の命運はオレが握っていると言うことになるな。」

 

ここまで分かりやすく言えば4人も想像ついただろう。『退学』と言う二文字が。

 

「まぁ、オレだって大事にはしたくない。これからオレが出す条件を守ればこの動画は永久にお蔵入りする約束もする。」

 

ここで救いの誘いを出す。4人にとってはある程度の条件を飲むだけで退学にならないで済むのだ。飲まないはずがない。だが、この条件に反対した者がいた。

 

 

「ねぇ、ちょっと待ってよ綾小路くん。」

 

 

軽井沢だった。

 

 

「見てたんでしょ。私、あんなに蹴られたりしてたんだよ。こんなことして許すなんて私やだよ。」

 

いつもとは違う態度にオレは少し驚く。こんな態度で話しかけられたことはない。いや、彼女が平田に話しかける時と若干だが類似点がある。そうか、彼女は生きていくためにこの術を取ったのだろう。彼女にとって、オレも平田もその他の女子の友達もみんなすら利用する為にあるのだ。自分自身が二度と辛い目に合わないように。

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと黙れよ、軽井沢。」

 

 

「ッ!」

 

 

 

オレと軽井沢は本質的には同じだ。自身に黒い闇を持っている。

 

 

 

そんな彼女ならわかるだろう。

 

 

 

 

オレの闇の深さを.......

 

 

 

 

「そこで待っていろ、オレは今こいつらと話しているんだ。」

 

軽井沢はコクリと頷くとそのまま静かに先ほどまでいた場所へと戻っていった。オレは彼女達の方へ振り返る。彼女達はただ自分達の行動を振り返り、そして絶望している。

 

「さて、先ほども言ったがお前達のしたことはこのカメラでバッチリ抑えた。今後オレの命令に背いた時、この動画を学校側に提出する。それとも今送信した方がいいか?」

 

「いや!お願いだからやめて。退学だけは...........」

 

真鍋を筆頭にオレに縋り付く。この様子なら今後オレを裏切ることはないだろう。

 

「なら今すぐ携帯にオレの連絡先を追加しろ。勿論だが名前は非公開にしておけ。通信履歴などは内容等を理解したのちすぐに消せ。それが終わり次第この部屋から出てってもらう。」

 

オレが携帯を地面に置くと4人は焦りながらオレの番号を追加した。オレも4人の番号を追加し携帯をポケットに戻す。

 

「今日の出来事は口が裂けても話すな。それがわかったのならさっさとこの部屋から出てってくれ。」

 

それだけ言うと4人は駆け足でこの部屋を後にした。オレは携帯を取り出し4人の連絡先を見る。ここでCクラスの弱みを握れたのは幸運だったな。

 

今回の試験をもってリーダーを降りるオレにとって一つの懸念があった。

 

龍園のクラスだ。

 

今の堀北や平田に龍園の奇策を凌ぐ事はできないだろう。あいつらはまだまだ場数を踏んでいない。そのせいでクラスポイントに影響が出ても嫌なので尻拭いくらいはできる状況にしておきたかった。これでいつでもCクラスを監視できるようになる。思いがけない一件だったが今後こちらに不利益は被らないだろう。

 

「さて、次はお前だ。」

 

そう言って軽井沢の方を向く。先程よりかは落ち着いているが涙目は変わっていない。

 

「あんたなんであいつらを見逃したの?私がこんなになってんのにさ。」

 

先程彼女達の前で見せた態度と違っていつも通りの無愛想な口調に戻った。

 

「そんなの簡単だ。この一件のおかげでCクラスの弱みを握ったんだ。こんな幸運に恵まれるとは思っていなかったが試験を一斉に終了しないでよかった。」

 

オレの作戦ではいきなり四つのグループの試験を終わらせることで各クラスの反応を見ながら進めるつもりだったが、危ない橋でもある、今日中に全てを終わらせよう。オレは携帯を出し一之瀬に電話をかけようとするが手が止まった。まだ、彼女に謝っていないからだ。途方に暮れていると軽井沢は肩の力を抜き言葉を述べ始めた。

 

「はぁ、結局失敗した、なんでこう上手くいかないのよ。」

 

「何の話だ?」

 

「なんでもないわよ。それよりもあんた、早く動画渡してよ?」

 

動画、と言ったらちょうど今撮影していたものだろう。

 

「なんで渡さないといけないんだ?」

 

「なんでって、あいつらを退学させるために決まってるでしょ。あんた本当に馬鹿ね。まぁ、動画撮っていただけまだマシね。こういう時平田くんは役に立たないし...

あとあたしが泣いていたことは絶対に秘密よ。バラしたらあんたのこと絶対に許さな....い..」

 

彼女は突然黙り出した。オレの雰囲気の変化に勘付いたからだろう。実際オレの感情には著しい変化があった。

 

怒りではない、

 

これはきっと落胆だろう。

 

「お前に興味があったんだがな、まさかここまで弱い人間だったとは。」

 

「な、何を言ってるの?あんた...一体何者なの?絶対普通じゃない。」

 

「何者...か、わかりやすく言えばお前と同類だ。暗い過去を持った者、が妥当かな?そしてお前の事実を知る者でもある。」

 

「私のこと喋ったら絶対に許さないから。」

 

「許さないか、それでどうなる?また平田に頼むのか?今度はオレを退学にして欲しいって。だが平田は良くも悪くも全員の味方だ。お前を助けもするが他の人間も助ける。平田の彼女の座に座ることでDクラスの立場は約束されたが、結局今回のようなことになればあいつは役に立たなかった。お前が取り入る、いや寄生するには不十分な相手だったってことだ。」

 

「まさかあんた.....平田くんと付き合ってないって」

 

「これは予想ではあったが、本当に付き合ってなかったんだな。付き合って三ヶ月ほど経つのにお互いに名字で呼び合っているのはおかしいと思ったんだ。お互いに一定の線をひき続けているからな。」

 

先程軽井沢は弱い人間と言ったが決して馬鹿ではない。なんなら他人が思うよりもずっと頭がいい。だから平田という盾のない兎グループでもあまり目立たずにいた。だがツキがなかった。自らの立場を誇示するために起こした、リカという少女とのトラブルが今回の騒動に繋がってしまった。

 

「何よあんた...なんでそんなに偉そうに言ってんのよ!」

 

「偉そう?当たり前だろ、お前の置かれている状況を把握しろ。今お前の前にいるのはオレだ。お前の過去も平田の関係も今真鍋たちにに虐められていたことも全部知っている人間だ。さっき真鍋達にはお蔵入りさせると言ったこの動画もお前が生意気な態度を取れば、いつでも暴露することができるってことだ。」

 

「ふ、ふざけないでよ!あんた何様よ!」

 

「お前の隠したかった事実を知る者だ。それ以上でも以下でもない。」

 

オレは泣きじゃくってる軽井沢の前で座った。顔が触れてしまいそうな距離まで詰める。軽井沢が目を逸らそうとすれば顎を掴んで強引に目と目を合わせる。女子である軽井沢が男のオレの力に敵うはずもなく目を閉じて視線から逃れようとする。

 

「なによ、あたしに何がしたいのよ!体でも要求したいわけ!」

 

体?ああ、この年になると男子は性に興味を持つんだったな。

 

「体か、それも悪くないな。」

 

「....いいわよ。いくらでも好きにすれば?」

 

そう言い出して軽井沢は自分から股を開いた。決して慣れているわけではなく、そして好んでもいない。顔を見れば軽井沢は羞恥心と屈辱からか涙を流していた。どんな手段を使ってでも自らの過去をバラされ、今の地位を失うことを恐れている。その秘密を守るためならば体を捧げるほどだ。

 

「早くしなさいよ、別にこうやって力で捻じ伏せられるのは初めてじゃないから...」

 

半分放心状態である軽井沢はそのまま自分自身を馬鹿にするかのような笑いを漏らす。

 

「フフ....ねぇあんた、知ってる?自分の力ではどうしようもない現実を突きつけられたとき、人がどんな反応をするか....」

 

軽井沢は薄暗く笑いながら闇の深い目を向けてきた。

 

「抵抗することをあきらめんのよ。ああ、捕食される。ただ、そう無気質に考える。泣き叫ぶことも、暴れることも、何もができなくなって、ただただ受け入れる。」

 

知っているよ。痛いほどにな.....

 

だってオレがそうだったんだから....

 

オレだって父率いるホワイトルームに15年間逆らえなかったんだ。1日1日、小さな隙をついて反撃のピースを揃えていった。松尾と言う執事の助力もあって彼らを倒すことができた。

 

思い出したくもないな........

 

こんなオレの弱い部分は見せたくない。感情を押し殺し質問を続ける。

 

「何をされたんだ。お前の受けた過去の痛みはなんだ?」

 

「何って...ありとあらゆることよ。上履きに画鋲、机の引き出しに動物の死骸。トイレに入れば汚水をぶっかけられ、制服には淫乱だの売女だの書かれる。髪を引っ張られる、殴る蹴るは当たり前、考えられるいじめは全部受けてきた。数えきれない。今言ったことだってほんの一握り。笑ってしまうくらい優しいもの。笑えば?虐められっぱなしでカッコ悪い奴だって。」

 

そうか、確かに悪質だ。それほどのいじめからよく立ち直って高校に入学した者だ。だが、これでは証明できない何かがある。

 

「それで、受けた苦しみはそれだけか?」

 

「え?」

 

「今言ったことだけなのか?」

 

これは勘でしか無かったが本当に心を打ち砕かれた何かが、ある気がした。己の体を差し出すに匹敵するほどの何かを彼女は隠している。

 

「何を隠している?」

 

「な、なにも....」

 

一瞬軽井沢の目が左脇腹へと向いた。

 

そこか....

 

オレは彼女の制服の裾を掴み左脇腹の部分まで引きずり上げる。綺麗な肌に似つかわしくない生々しい傷跡。鋭利な刃物で裂かれたような傷が深く残っていた。

 

「これがお前の闇の源か....」

 

「うっ、くぅぅ.....」

 

その傷跡は命の危険にもなり得るほどの深さだ。いじめでは済まされない。これだけの過去を抱えながらこいつは、気丈に振る舞い立ち直ったのか。

 

「軽井沢」

 

「な、なによ。」

 

「絶望には色々な種類がある。お前が体験したそれも間違いなく絶望なんだろう。」

 

「なによ、なんなのよあんた。」

 

「オレはさっきお前のことを弱い人間と言ったが取り消す。どんな過去があっても、どんな手を使っても気丈に振る舞うお前には尊敬する。」

 

「..いきなり褒めて、本当になんなの?」

 

「お前と契約をしたい。」

 

「契約?」

 

「ああ、そうだ。これはほとんど決定事項だがこの試験が終わり次第オレはリーダーを降りて新たに堀北と平田がリーダーになる。」

 

「えっ?なんでよ?あんたは特に失敗なんてしていないじゃない。」

 

「いや、失敗したんだ。オレはここまで個人の力でポイントを稼いだ。それだと他の生徒が成長する機会を奪い他力本願なクラスになってしまう。もしこのままAクラスになってもそんなクラスメイトではAクラスにふさわしくないからな。」

 

「なるほどね。それであたしはどうすればいいの?」

 

「基本的には堀北の案に賛成して欲しい。お前が賛成すればほとんどの女子を味方につけられる。」

 

「分かったわよ。だからあの動画は絶対に表沙汰にしないでよ。」

 

「勿論だ。オレから出せるカードは動画を永久にお蔵入りにすること、お前の身の安全...」

 

ここまで言ったオレは口つぐんでしまった。3つ目のカードを実行する自信がないからだ。だが言わなければならない。

 

自分の過去を守るため自ら寄生虫となった軽井沢のために....

 

どんな人間でも笑顔で救う一之瀬に憧れたオレのためにも....

 

 

 

「....オレは、お前を人間にしてやる」




次回から更新が遅くなります。
本業が忙しいので次回更新は冗談抜きで遅くなるかも...
夏休みまでには夏休み編終えて体育祭編に入りたかったんだけどなぁ〜。

誤字脱字報告今回多いと思います。見つけ次第お願いします。

次回更新もお楽しみください。

追記

最近書いてて気づいたんだけどいちのせのたんじょうびすぎてました。(物語内で)
綾小路の誕生日はいいエピソードが妄想できたので楽しみにしていてください。
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