ようこそホワイトルームが無くなった世界へ 作:好きjaなくないない無い
ついでですがこれから活動報告に本当にどうでもいいことや疑問を書いていきます。暇潰しにはもってこいな話題なので気が向いた時に見てみてください。
とある夏休みの1日①
昨日まであった特別試験期間特有の空気も朝にはすっかり無くなり学生の夏休みが訪れた。といっても大半の学生は溜まりに溜まった宿題をおこなっているらしい。今朝のクラスグループチャットには泣き言等がいっぱい書かれてあった。その会話の流れに堀北と平田、そして櫛田の3人主催で勉強会を行うらしい。驚いたことに参加人数は26人。
オレはどうするかって?
もちろんだが夏休みの宿題は船の中で終わらせている。
数学や英語の問題なんてずっとペンを動かしておけば、三時間もかからず終わった。読書感想文は普段読んでいる本から一冊適当にお薦めしたい本を選びその感想を書いた。
お世辞にも友達が多いとは言えないオレにとっては宿題がいい暇つぶしになってくれた。
「さて、どうするか...」
オレは携帯を起動し、時刻を確認する。午前10:30、これならちょうどアレが始まった時間だろう。オレは学生服に着替え携帯だけ持って部屋を出た。
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「ここか。」
オレが行き着いたのは部活動中である校舎の四階。この階には囲碁部や将棋部、チェス部などのテーブルゲームがメインの部活で固まっている。
そう。今日オレは人生で初めて『賭け試合』をしにきたのだ。
記憶に新しいと思うが先日オレはAクラスの橋本という男から個人でポイントを獲得できるという情報を得た。なんでもテーブルゲーム系の部活では『賭け試合』が容認されているらしい。とある目的のためにもオレ個人のプライベートポイントを増やしておきたいしな。
まずは囲碁部だ。オレは部室のドアを三回叩いた。するとすぐに部員であろう女子生徒が出てきた。
「こんにちは。見学かな?それとも試合をしに来たのかな?」
その女子生徒は当たり前かのように接してきた。恐らくだがここにくる人達の大多数にこの挨拶を繰り返してきたのだから慣れてしまったのだろう。
「試合をしにきました。」
嘘を言う必要性はないと判断し真実を答える。
「承知しました。では簡単に説明しますね。まず参加費用に5000ポイントをいただきます。後で連絡先を送るのでそこに送金してください。そして試合はあの黒い天幕の中で行い、対戦相手の顔は見えないようになってます。」
きっと試合後に勝敗の関係で恨み嫉みを言われないようにするためだろう。
「賭けポイントは1試合1万ポイントから10万ポイントまでで相手と相談して決めてください。試合は私達囲碁部が監視カメラで確認しています。不正等が見つかった場合、即刻不戦敗となりますので注意してね。」
「分かりました。」
先輩の分かりやすい説明に感謝しつつオレは5000ポイントを入金した。ちなみに送金時に名前を『AK』にしておいた。これからこういうところに来る時はこの名前で統一するとしよう。
「うん。送金されてるね。じゃあ案内するよ。」
ポイントを確認した彼女は俺を天幕の中に案内した。天幕の中は座布団と囲碁を打つ場所があった。座布団の上に座ると相手側の顔が見えないようにと黒い天幕が降りていた。これなら相手に顔を見られずに済むだろう。そんなことを考えると相手が入ってきた。顔が見えなかったが胸の膨らみやブレザーの色から2年生の女子生徒であることが分かった。
「こんにちは、見たところ一年生の男の子かな?」
「はい、初めまして。今日はよろしくお願いします。」
対戦相手の女性が挨拶してきたのでもちろん返事する。
「うん。じゃあ掛け金だけど...私は正直いくらでもいいかな?君はどうしたい?」
まさか後輩であるオレが決められるとは...。ありがたい。今日はこの部活以外にもあと四つほど回りたい部活があったんだ。効率的にポイントをゲットするにはオールベットが一番だ。
「なら10万ポイントでお願いします。」
「いいの?言い方は悪いかもしれないけど私も中々の経験者だよ?」
「構いません。ポイントには少しばかり余裕があるので強気に行きたいんです。」
「そういうことなら...」
ここからのオレの戦績は言わなくてもわかるだろう。
囲碁部 滞在時間1時間 7戦7勝 59万ポイント
将棋部 滞在時間1時間20分 5戦5勝 38万ポイント
オセロ部 滞在時間1時間弱 8戦8勝 65万ポイント
そしてただいまチェス部で無双中だ。ちょうど二時間あたりで10戦10勝...いま11戦11勝となった。
「参った。強いな、お前は..」
「ありがとうございます。なんとか勝てました。」
「なんと言おうが負けは負けだ。10万ポイントだったな。今支払う。」
そう言ってすぐに携帯に振り込まれた後が来た。これでチェス部では94万ポイント。そろそろ潮時だろう。
オレは部屋を退出しようと余ったのだが...
「私とも一戦どうかな?」
すでに退出した2年生の男子生徒に代わって、同じく2年生の女子生徒がその場に座っていた。天幕の都合上ブレザーとその周辺しか観察できないが、その女性の身体はとてつもなく引き締まっている。おそらくだがスポーツ面では堀北と同等、もしくはそれ以上の運動能力を持っている。
「分かりました。」
「賭け金は最大で構わないな?」
「もちろんです。」
「どうせ相手が誰かはわからんのだ。さっさとやってしまおう。」
相手のペースに呑まれつつも始まったチェス。
オレはこの日初めてピンチに陥った。その女性は迷うことなく奇策な一手を打ってくる。攻め方にその人特有の型が無かったため油断したが、そのせいでキングを取られるほどマヌケじゃない。すぐに修正して危なげなく勝利を収めた。
「参った。君はすごいな。」
「いえ、それほどでも...」
「ポイントは送金した。また今度あったら相手してくれないか?」
「もちろんです。では失礼します。」
そろそろ帰ろうと思っていたが思わぬ幸運だった。彼女はおそらく南雲と同等のポテンシャルを持っている。そんな奴はいないとたかを括っていた自分自身に反省して彼女のことはその兆しとして覚えておこうと思った。
「興味本位で来てみれば中々ユニークな男だな。堀北会長が気にかけるわけだ。お前とはとても意義のある会話が出来そうだよ。綾小路清隆___________________________
最後に対戦した女性の言葉はオレの届かないところで確かに発せられていた。
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「それにしてはもう稼ぎとしては上々だったな。」
最後は少しばかり危ない目に遭ったものの結果的には276万ポイント。四つの部で取られた手数料を引いてもかなりの稼ぎとなった。囲碁部の女性からもらった用紙には夏休みは週二回、新学期明けは土曜日と日曜日に開催しているらしい。またお邪魔させてもらおう。今日に満足していると平田から着信があったことに気づいた。着信からさほど時間が経ってない。今かけ直してもまだ間に合うだろう。案の定平田は2、3コールで出てくれた。
『もしもし?』
「平田か?電話もらったみたいだから掛け直したんだが....」
『ああ、気づいてくれたんだね。実はDクラスの女の子達からプールに行かないかと誘われててね...綾小路くんもどうかな?』
「誘われて嬉しいがオレでいいのか?」
『もちろん。それに軽井沢さんが誘ってみてはどうかなって。佐藤さん達も賛成してたし...』
「なるほどな。」
軽井沢がなぜオレを呼ぼうとしたのか分からないがどうせ暇だ。クラスメイトと遊ぶ日があってもいいだろう。
「分かった。明日は楽しみにしている。」
『よかった。ならまた明日の朝、寮のロビー前で。』
それだけ言って平田は電話を切った。
「さて....」
実は明日はある人物の元に訪ねようと思っていたのだが仕方がない。オレはその人物に電話する。
「オレだ。今日はこれから空いてるか?....そうか、なら少し早いがメシなんてどうだ?いつもの場所で....分かった。30分後だな。すぐ向かう。」
1分にも満たない電話を終えた後オレは一度自宅に戻り制服から私服に着替えて、ショッピングモールの方へと向かって行った。
最近ラノベの挿絵にハマってます。ヒロインが可愛すぎてなんで3次元に生まれてきてしまったのかということを後悔している最近のちょっとヤバめの思考を持った僕でした。
最近の困ったことは綾小路のプライベートポイントの合計を計算するのがめんどくさいことです。