ようこそホワイトルームが無くなった世界へ   作:好きjaなくないない無い

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やっと描き終わった。
本音を話しますと五話くらい前から話が脱線しました中々に収拾のつかない作品へと化していきました。
ですがご安心を。
もうちょっとでいいイメージに繋がりそうです。
これからも精進してまいります。


とある夏休みの日常④

「さて、どうしたもんかね?」

 

平田達と分かれたオレは一之瀬探しを始めていた。

 

男子から逃げている一之瀬を見たという松下の証言。推測するにそれは今この場所からオレ達が歩いてきた道のりの間のどこだ。その中にいくつか暗闇でよく見えない場所があった。そこに一之瀬はいたのかもしれない。松下は相当な観察眼を持っているようだ。

 

「とにかく急がないとな....」

 

一之瀬は吉田先輩にも尾けられてトラウマ級の事件が起こりかかった。2ヶ月やちょっとであんなレベルのトラウマが消えるわけがない。

 

 

 

 

ブー ブー ブー ブー

 

 

 

考えながら当たりを見回していると電話のコールがあった。急いでいるので切ろうとも思ったが相手の名前を見て出ることにした。

 

「もしもし?」

 

「俺だ。」

 

「一体何ですか?会長。」

 

会長とはもちろんこの学校の生徒会長である堀北学だ。

 

「メッセージを送ったのに返信が返ってこないからな。なかなか急を要する案件だけに電話したまでだ。」

 

「なら申し訳ない。オレも緊急事態だ。忙しいがあと10分ほどでかけ直す。」

 

「一之瀬についてだろう?」

 

ここで動いていた足が止まる。

 

「なぜあんたが知っている。」

 

「知っているも何も俺の要件はそれだ。先程、一之瀬が男性二名に執拗なナンパを受けているという報告があった。南雲の手の者だろう。」

 

「なぜそこまで知っている?いくら何でも早すぎないか?」

 

「2年生だって一枚岩ではない。現に今の情報は2人の二年生生徒からのものだが詳しい話はあとだ。今は現場を抑える。そのまま電話を切るなよ?場所に案内する。」

 

「分かった。できるだけ急ぎめで頼む。」

 

「もちろんだ。と言ってもそこから300メートルほどの場所だ。学校の校舎前まで急いでくれ。」

 

 

言われるや否や、オレはフルスピードで校舎へと向かった。

 

 

 

 

 

 

______________________________________________________

 

 

 

 

 

プールを出た後、私は神崎くん達とは別行動をとりプール施設の方へと戻って行った。

 

 

さっき、綾小路くんに酷い態度とっちゃったな。

 

 

「ねぇ」

 

 

謝らないと.....

 

 

「ねぇってば」

 

 

突如左手に肩が乗っかる。先程から誰かを呼んでいたがまさか私だとは思わなかった。

 

「はいっ!...ええっと、どちら様でしょうか?」

 

振り返ったがそこにいたのは男子2人。どちらとも見たことのない人だ。ブレザーの色からして2年生の先輩だろう。

 

「俺達2年生なんだけど、今ちょうど遊んでたんだけどさ〜遊び終わったし飯食いに行くんだけど一緒に行かね?」

 

「え?」

 

「頼むよぉ。なんだったら奢るし」

 

「いや...ちょっと、私一人ですし。」

 

「こっちは全然オッケーよ。なんなら友達呼んでもいいし。」

 

こういうのは苦手だ。いや、苦手になってしまった。6月の時、私は初めて異性に恐怖を持った。まだその恐怖から抜け出せていない。もしかしたら一生抜け出せないかもしれない。とりあえずはこの人達から離れよう。

 

「本当にごめんなさい。今日はそう言ったは気分ではないので。」

 

「.....っそ。なら連絡先教えてよ」

 

「え?」

 

「え?だってそう言った気分になったら連絡してよ?それに連絡先くらい交換してもいいんじゃない?」

 

ッ__________________________

 

 

私はこのやり方を知っている。吉田先輩の時と全く同じだ。あの時は先輩と仲良くなれると思って是非、と交換したが今なら分かる。

 

 

 

 

この人達も吉田先輩と一緒だ。

 

 

「本当に無理なので...その、ごめんなさい!」

 

「は?えっ、ちょっと」

 

私はそれだけ言って肩に置かれていた手を払いのけプール付近をあとにする。綾小路くんに謝りたかったけど今はそれどころではない。私は精一杯のスピードで彼らから離れた。

 

「ちょっと待ってよ。連絡先くらい良くない?なんでダメなんよ?」

 

2年生の2人は諦めることなく追ってくる。本当にしつこい。

 

「嫌なものは嫌なんです。これ以上ついてくるのであれば学校側に報告します。」

 

「は?ふざけんなよ?お前何様なんだよ?」

 

先程とは変わった空気、やはり本性を隠していた。私は逃げようとするも腕をがっしり掴まれてしまい離してくれない。

 

「ちょっと、離してください!」

 

「それは無理。それに自分からこんな誰も居ない学校に来るなんてOKサインを貰ったようなもんでしょ?」

 

 

私は当たりを見渡す。確かにここは学校の昇降口あたりだ。逃げるのに必死で右往左往していたらこんなところに着いてしまうとは....

 

 

「離してください。」

 

 

「無理だね。こっちもポイントをもらった以上あとには引けないんだよ。」

 

ポイント?何のこと?もしかしてこの人達も初めから私を狙って....

 

「悪く思うなよ?君が強いからいけないんだ。話から聞いていたがその精神力、リーダーシップには尊敬するよ。だからこそ君には壊れて彼の思惑通りに動いて欲しいんだ。」

 

彼って誰?そんなことを今考えている余裕なんてなかった。とりあえず逃げないと....

 

 

「もう帰らせてもらいますっ!!」

 

 

私は今出せる最大の力で掴まれた腕を振り払った。だが、腕から手が離れない。

 

 

「逃すわけにはいかねぇよ。あの人の期待に応えるためにもお前を壊さないといけねぇんだよ。」

 

 

私の最大の力でさえ振り放すことのできない相手にどう対処すれば良いのだろう。

 

 

「お願い.....やめて....」

 

 

「全くだ。こんな可愛い淑女が涙目で訴えているんだぞ?見逃してやれ...」

 

 

「??ら...うおっっ!!誰だお前?」

 

 

いつからそこに?そんな言葉はこんな場面のために生まれたのだろう。男子の先輩2人も同じ意見なのだろう。

 

 

「誰か....。そんな些細な事今は放っておいて、君。」

 

「え?はっハイ!」

 

こちらを向いて呼ばれたので返事をする。この状況下だった為反応が遅れてしまった。

 

「君が一之瀬さんだろう。助けに来たから私の後ろに下りな。」

 

「下がるって?」

 

今は腕を掴まれて動けない。しかしその状況を察したのか女性は近づいて男の手を軽く捻った。

 

「いって!」

 

「こうなった時は腕を振り回すんじゃなくて捻ると離しやすくなるらしい。覚えておくといいぞ?」

 

「...え?...は、はい。」

 

もう何が何だか分からない。だがとりあえず解放された私は女性の後ろに下がる。邪魔をされた先輩2人はもうブチ切れ寸前だ。

 

「おいテメェ!!何で邪魔しやがる!見たとこ二年生じゃねぇか。こっちは頼み事のために必死なんだよ!邪魔すんな!」

 

 

「おお、それは困ったな。私も頼み事でな。それも『南雲の指示で動いている男性2人から一之瀬を守ってくれ』だそうだ。奴のやりくりに手を出すつもりはないが生憎ポイントを積まれてしまってな、断るわけにはいかないんだ。」

 

南雲先輩が?どういう事?

 

「ハッ!そこまで分かってもこの後どうすんだよ?多少は動けるみたいだが所詮は女。こちとらスポーツもやってる男子2人だ。まさか勝算があるなんて言わねぇだろうな?」

 

 

「ああ、もちろんこちらに勝ち目はないぞ?」

 

 

「なら何で出しゃばったんだ?そんな事しなければ被害はそこの女1人で済んだのに。」

 

 

「そんなの簡単だ。私が囮だからな。それにその役目も終わった。」

 

ズザーーーッッ

 

その言葉と同時に風を切る音と共にローファーでのブレーキが聞こえる。

 

「あやの....こうじくん?」、

 

暗闇で背中しか見えない。だけどわたしにはその背中が綾小路くんであると分かった。

 

「遅くなったな、一之瀬」

 

 

______________________________________________________

 

 

オレが着く頃には一之瀬の他に1人の女性がいた。綺麗な銀髪が腰あたりまで伸びていて2年生のブレザーを着ている。これが報告にあった堀北側の人間だろうか?

 

「遅いぞ?綾小路清隆。もう少しでこの少女どころか私まで襲われる所だったぞ?」

 

「勘弁してください。これでも全速力で来たんですから。鬼龍院先輩。」

 

そう言ってオレは彼女、鬼龍院を見る。堀北兄からは話を少ししか聞いていないが会って分かった。こいつはかなりの手練れだ。堀北や櫛田といった文武両道の女子は沢山いるこの学校でも間違いなくトップ層だろう。

 

「とりあえずあの2人の雄を倒してくれないか?安心しろ。しっかりと証言はしてやろう。『私と一之瀬が襲われたのを助けてくれた』とな。」

 

「是非お願いします。」

 

 

それだけ言ってオレは前に意識を向ける。男2人は軽くアップをしている。

 

「話はまとまったように見えたけど大丈夫?オレら2人なのに?」

 

「もっと助けを呼んだらどう?助けてくださいーって。

あははガッッッッ__________________

 

 

その男の言葉は最後まで続かなかった。オレが瞬時に胸ぐらを掴み背中から叩きつけたからだ。全力で行うと脊髄を損傷する恐れもあるので気を失わない程度に力を抑える。

 

「え?」

 

もちろん叩きつけられていない方の男も何が起こったか理解していなかった。その隙をついてオレはその男の喉に手刀を突き刺す。

 

ゴッ

 

鈍い音の後男は地面に倒れ込み咳き込む。オレは地面でもがく2人に冷たい声で告げる。

 

「お前達に言いたいことがある。オレはお前らの何倍も何十倍も何百倍も優秀だ。喧嘩でも頭脳でも負ける自信がない。だがオレは1人しかいない。そんな状態で全てを守りながらまともに戦う事はできないだろう。だからせめて大切な者には手も足も出させない。」

 

2人の顔面を覗き込みながら続ける。2人とも顔が青ざめ震えていた。

 

 

「一之瀬はオレの大切な人だ。それに手を出したお前達がこの先この学校でまともに過ごしていけると思うなよ?今のうちに退学しておくことをお勧めする。もちろん誰にも言わずにだ。」

 

「「ヒ、ヒィィィイイイイイイイイイ!!!!」」

 

「学校の外でも逃げられると思うなよ。オレは諦めが悪いんだ。オレの目的が達成されるまで絶対に逃さないからな。」

 

それだけ言ってオレは2人の肩を叩き立ち上がる。鬼龍院先輩は何故か笑いを堪えながらこちらに寄ってきた。一之瀬も付いてきているが浮かない顔をしている。そりゃそうだろう。憧れの人間と言っていたオレの実態を見たのだから。

 

「まさかここまで一方的になるとはな。チェスの時といい面白みがないな。」

 

「チェスの時?...ああ、先日の対戦相手のどなたかでしたか?」

 

先日とはオレが囲碁やチェスの賭け試合でボロ儲けした日だ。

 

「その通りだ。うっすらと見えるブレザーで一年の男子とは分かった。その日は夜まで学校に張り付いていたよ。後にも先にも学校から出てきたのは君だけだ。」

 

そういえばいたな。こんな銀色の髪を下げていた2年生が。特徴的な髪だったので覚えている。もちろんチェスの腕前も。

 

「あそこで負けたせいで私は少しばかり労働をしなければならなくなったな。今絶賛堀北会長の元でバイト中だ。」

 

今数分話したが、彼女の性格はどこか高円寺に似ている部分がある。他の者と群れず孤高の存在。そしてそれなりの潜在能力がある。南雲にとってはジョーカーのような存在だろう。表面上の仲間といったようなものか....

 

「まぁ、立ち話はここまでにして堀北会長の元へと向かいましょう。ちょうど五人席を取ってくれたみたいですし.....」

 

 

そう言って見せた携帯のメッセージにはお店の名前と店員へと伝言が記されている。オレ達3人は学校の先生に事情を話し、男子2人が連れていかれるところを見届けてからそのお店へと向かった。

 

 

 




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あんなキャラやこんなキャラがわんさか見れます。
来年にはアニメ化も控えているので是非今のうちにご確認を!!

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