ようこそホワイトルームが無くなった世界へ   作:好きjaなくないない無い

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幕開け(5)

時は遡ってオレと龍園がご飯を食べに行った時、

 

「テメェは_________

 

「にゃはは、こんにちは龍園くん。綾小路くんも招待してくれてありがとう。」

 

あの時現れたのは一之瀬。オレが招待した。尤も金を払うのは龍園なんだが。

 

「綾小路、テメェ一体どう言うつもりだ?」

 

「せっかく知り合ったんだ。招待しても良いだろ。それとも女一人分の食費すら出したくないのか?」

 

「大丈夫大丈夫。私は自分で払うから。」

 

「そうか。ならオレは2人に来てくれたお返しをしないとな。」

 

「お返しだぁ?何だよ、手土産でもあんのか?」

 

「そうじゃない。今回のテストではAクラスを最下位にする。」

 

この言葉が出たのは俺達が店で案内された個室に座った時。少しばかりだが時間が止まった。

 

 

「どうした?それがオレに出せるお返しだと思うんだが、それじゃ不満か?」

 

「いや、それ自体は不満じゃねぇ。問題は何でお前が今ここで話しているかだ。その言い草だとトップを狙える策があるんだろう。それをなぜ俺たちに共有する?」

 

「単純にAクラスを最下位にしたかったんだ。この先のクラス争奪戦でクラスメイトにAクラスを大したことないと思わせときたい。要するにモチベーションを作りたいだけだ。」

 

「なるほどね、その策の勝算は?」

 

「十中八九成功するだろう。不満か?」

 

「不満じゃないよ。ただ心配なのはこの先これを貸しとされるのはちょっとね。」

 

「それはない。この案件はオレからの依頼だ。嫌なら断ってもらっても構わない。」

 

「それならBクラスは喜んで協力するよ。」

 

「ありがとう。龍園はどうする?」

 

「俺は俺の動きたいようにする。今回の件が終われば俺とお前はまた敵になるぞ。」

 

「それで構わない。何なら優しいな。そんな忠告をしてくれるなんて。」

 

「お前に不意打ちは通じねぇだろうが。で、策ってのはなんだ?」

 

「簡単だ。過去問を解くだけだ。それで十分対策できるだろう。」

 

「過去問なんてすごいや。どうやって手に入れたの?」

 

「会長に頼んだんだ。と言っても、コレはもう一つの頼み事のついでだけどな。それにもらうのは来週だ。」

 

「なるほどな。なら、その問題がそっくりそのまんま出る可能性は?」

 

「確証はないが。前回の小テストを比べたら一字一句合っていた。同じとまではいかないが類似した問題が出る可能性も十分ある。」

 

「........ククッ、いいだろう。お前の案に乗ってやる。だがどっちにしろ俺は全部のクラスを倒すぞ。一之瀬もお前もAクラスも。」

 

龍園は面白そうに笑い協力してくれた。

 

「いいだろう。だが、王は1人で十分だ。その玉座に座るのはオレでいい。」

 

「ケッ、言ってくれるぜ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「と言う感じだな。」

 

一通り説明を終えたオレは再び堀北の方へ顔を向ける。どこか納得していないような雰囲気だったが、その気持ちを抑えて質問を投じてきた。

 

「で、あなたはこの策の副産物として何を手に入れたのかしら?」

 

「あいつらの性格だな。龍園はメリットのある契約には食い付く。それに自分が有利になるように持っていくのがうまいな。一之瀬はデメリットさえなかったら協力してくれるだろう。今後のクラス戦でクラス同士で協力するならBクラスだな。」

 

「一之瀬さんが善人なのは認めるけれどそこまで信用してもいいのかしら?人間はいざという時に本性を出すわよ。」

 

「それはコレから次第だな。おっと、どうやらここまでだな。そろそろあいつらが来る。」

 

そう言ってオレは会話をやめた。あいつらとはもちろんクラスメイトのことだ。自分で言うのもなんだがオレは今回のテストでの貢献度が高い。

 

「綾小路!ほんとにありがとなー。オレお前のこと無口で根暗なやつだと思ってたわ。」

 

池からそんなことを言われると、幸村が近づいてきた。

 

「綾小路。俺は今回テストの点数以外に何も貢献しなかった。1人で勉強して誰かに教えることもせずお前がやっていることを時間の無駄と内心馬鹿にしていた。たが、お前はクラスを1位まで導いた。この結果を見て認めない訳にはいかない。俺が間違っていた。」

 

幸村は自分の非を認めた。

 

「そんなこと言うな。実際お前は5教科486点だ。十分すぎる貢献をしてくれている。」

 

そんなことを言うとクラス全体が白けてしまった。オレはなぜか分からず、

 

「........何だ?」

 

とみんなに聞いた。すると、

 

「綾小路くんの成績が凄すぎてみんなお世辞にしか聞こえなかっただけよ。」

 

隣人からの一言にオレはホワイトボードに貼られている紙を見た。どの教科にもオレの名前が一番上に書かれたあった。全て三桁で。

 

「綾小路くんって本当にすごいよね!本当に高校生?」

 

「もちろんだ。今回は過去問もあったしな、予想以上だ。」

 

「あー、それと堀北さんもありがとう。」

 

櫛田が後ろを振り向きお礼を言う。

 

「なぜ私にお礼を言うの?私は一度あなたを突き放したのよ。」

 

「確かにそうだけどその後はしっかり教えてくれたじゃん。須藤くん達もそのおかげで今回乗り越えられたもん。」

 

「そうね。でも私は彼に酷いことをしたわ。ごめんなさい須藤くん。私はあなたのバスケへの努力を知らず罵倒して。そんなこと本来してはいけないことだったわ。」

 

プライドの高い堀北がみんなの前で頭を下げたことに驚いたが須藤は何故か顔を赤くしながら慌てて堀北に顔を上げるようにと催促した。

須藤は堀北に恋をしたんだな。

みんなが心を一つにして思った。

 

「....そろそろいいか?」

 

茶柱先生は大袈裟な咳払いをしクラスメイトに着席を促す。

 

「とりあえずよくやったな、お前たち。まさか1位を取るとは思わなかったがこれからもその努力を怠るな。さて、今みんなが一番気にしていることだと思うがクラスポイントについてだ。今回の結果で各クラスに配布されるクラスポイントはこうなる。」

 

Dクラス 100クラスポイント

Bクラス 90クラスポイント 

Cクラス 80クラスポイント

Aクラス 70クラスポイント

 

現時点総合クラスポイント

 

Aクラス  1010cl

Bクラス  740cl

Cクラス  570cl

Dクラス  100cl

 

「綾小路くん。」

 

表を見た堀北が違和感に気づいたらしい。

 

「ああ、コレじゃあとてもじゃないが差を埋められそうにないな。」 

 

「と言うことはテスト以外でも点数の変動があると言うことね。それもなかなかの量があるんじゃないかしら。例えば体育祭かしら?」

 

「確かに一番可能性が高いな。今後の対策は早々に立てないといけないかもな。ところで堀北。お前はこのクラスでAクラスに行けると思うか?」

 

「愚問ね。当然でしょう。Aクラスへは必ず行くわ。」

 

堀北もこのテストで成長したな。この先何が起こっても多少のことでは動揺しないだろう。しかしまだ足りない。コレから先ここにいるクラスのみんなを成長させるための課題が出るだろう。確証はないが不良品を良品に戻すための試験は十中八九あるはずだ。Aクラスへ上がるためにはそれをクリアしていくしかない。もちろんクラス全員で。

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