ようこそホワイトルームが無くなった世界へ   作:好きjaなくないない無い

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前触れ


二週間後。

5月最後の日の午後5時半ごろ、とあるカラオケルームの一部屋に龍園とCクラスの生徒3人の合計4人が集まっていた。

 

「龍園さん、本当に大丈夫なんですかね?」

 

その1人石崎が声を潜めて話しかける。カラオケは個室とはいえ万が一に備えてできるだけ小声で話しているのだ。

 

「大丈夫だ。この作戦なら訴えたもん勝ちだからな。九分九厘俺たちの勝ちだろう。」

 

龍園は余裕のある笑みを見せ答える。

 

「しかし、何でDクラスなんですかね?確かにここ最近注目度を段違いで上げてきてますけどあんな奴ら相手にしている暇はないと思ってましたが。」

 

「いや、格下だからこそいいモルモットじゃねぇか。あいつらを使ってこの学校のルールを知るいい機会だ。そろそろあいつが来る時間だろ。しくじんなよ。」

 

「はい!」

 

そう言って3人はそれぞれカラオケルームを後にする。龍園はスマホを眺めていた。一つは赤い色の髪が特徴的な須藤。もう1人は綾小路。何故か分からないが笑いが生じだ。コレからはこの学校も騒がしくなってくるだろう。彼としては大歓迎だが。

 

「ククッ、さぁ綾小路。お前はどうやってこのピンチを凌ぐ?」

 

 

 

______________________________________

 

 

 

 

 

パシャ!

 

私が持っていたカメラの音が誰もいない特別棟に鳴り響く。私、佐倉愛理はこの高校に入る前にグラビアとして活動をしていた。写真を撮っているのはその時に興味を持ったためだ。しかし今日はこの誰もいないはずの特別棟から音が聞こえた。音の大きさからしてすぐ近く、おそらくは理科室の近くの廊下あたりからだろう。誰がいるのか分からないため気づかれないようにしながら体を半分ほど出し様子を伺う。そこには見たことのない男子生徒が3人いた。制服の色から見て同じ学年だろう。だけど私と同じ一年D組ではない。正直私は人と話せるほどのコミュニケーション能力がないため、ほとんどのクラスメイトと話したことはないが、顔は全員覚えているつもりだ。しかし、彼らは何を待っているんだろう?

 

「何なんだよ。話って。」

 

考えていると1人の男子生徒が奥にある階段を登りながらこっちにやってきた。彼は須藤くんだ。私と同じD組で確かバスケ部に入っている。その身長と大声から私は少しだけ彼を怖がっている。

 

「何ってちょっと確かめたくてな。お前が今度の大会からレギュラーに入るらしいじゃん。どんな小汚い手を使ったのか教えてもらいたくてしょうがねぇよ。」

 

3人のうちの1人が須藤くんに向け挑発の言葉を投げる。

 

「何だと、オレは実力で選ばれたんだよ。それ以上でも以下でもねぇ。」

 

「あり得るわけないだろ。不良品のお前なんかにそんな芸当が出来てたまるか。」

 

「出来るだろそんくらい。ハァー。コレはオレのことじゃねぇからあまり言いたくねぇが、綾小路はどうなんだ?お前らより不良品のはずなのに試験ではお前らよりも好成績を収めているじゃねぇか。」

 

須藤くんがここで一枚の手札を切った。特に反論できるポイントもなく相手は黙り込んだ。

 

「それだけかよ。ならもう行ってもいいか?オレこの後先輩と自主練する約束してんだよ。」

 

そう言って須藤くんは彼のきた道を引き返そうとする。

 

「池寛治。」

 

しかしその足は止まった。相手の生徒が同じクラスの池くんの名前を呼んだからだ。

 

「思い出したよ。池寛治。お前と同じで成績が悪いらしいな。それと山内春樹。D組ででも一際目立ってるらしいな。お前ら3人は。」

 

「テメェ!いい加減にしろよ。」

 

友達を馬鹿にされたからか須藤くんの頭に血が昇っていくのが分かった。

 

「それに堀北だっけか。お前達を担当しようとした女。あいつも馬鹿だよな。1人でやろうとして自爆して、綾小路がいなかったら今頃あの女の株も落ちまくりだったろ。」

 

 

____ プチン

 

須藤くんの中で何かが切れて彼は3人に歩み寄る。

 

「テメェらいい加減________

 

バコッ!!!

 

何か殴る音が聞こえた。また聞こえた。そこから先はあまりの恐怖に丸くなり口を抑えて息を顰めることが私にできる精一杯だった。

 




次回!新章開幕!!!



デデン!!!!!
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