お手柔らかにお願いします。
人間と吸血鬼
その男は、いつも私の下へと現れた。
「吸血鬼ー!」
この私を――
「勝負だぁー!!」
――倒すために!
「……私と、勝負だと?」
「おうよ!」
その少年は快活な笑みを浮かべてそう宣った。……なるほど。
「喧嘩を売ってるのか、お前」
「喧嘩?……あー、そうだな。ある意味では喧嘩だな!」
またしても、眩しい笑顔を見せてくる。これから戦おうという相手に見せる顔ではない。流石に苛々してきた。
「フンッ……くだらない。貴様、誰に向かってものを言っている?私は――」
「誰って……お前じゃん、吸血鬼。お前以外に誰もいないんだから、お前に言うしかないだろ?」
「人の台詞を遮るな!……コホン。いいか、人間。お前は人間で、私は吸血鬼だ。そもそも種族からして彼我の実力差は明らか。
そのくせ丸腰で来たお前はわざわざ、この私に『どうぞ殺してください』と頼みに来た自殺志願者に等しいのだ。わかるか?」
「わからん!」
「……なに?」
「だって俺、負ける気ねえし死ぬ気もねえ。俺は勝つ気で来た。だから、勝つ!」
そう言って、拳をこちらに突きつける人間。……あぁ、ますますイライラする。
「くだらない……だったら、その自信ごとその命、ここで叩き潰してくれる!」
「やってみやがれ、吸血鬼!俺は絶対に負けねぇ!!」
そうして、こちらに向かって走ってくる人間。私は魔力を練り上げ、人間と相対した。
結果だけで言えば、私の勝ちだ。だが、あの人間を殺すことは出来なかった。逃げられたからだ。
『また来るからな!次は絶対に勝つからな!!』
とかなんとか言っていたが……フン、くだらない。次こそ息の根を止めてやる。
覚悟しておけ、人間。
数日後。
「吸血鬼ー!勝負だぁー!!」
あの人間が来た。いや、確かにまた来るとは言っていたが、随分と早いな!
だが、まぁいい。わざわざ待つ手間が省けたというもの。あちらから死にに来るなら、望み通りに殺してやる。
「フン……またのこのことやってきたのか?そのまま逃げていれば、ここでその命を散らさずに済んだというのに……」
「……?なんだ、心配してくれるのか?ありがとな!」
「……っ!ち、違うっ!勘違いするな!!私は、お前の愚かさと滑稽さを笑っているのだ!断じてお前を心配しているわけでは……!」
「え、違うのか……?そうなのか……なら、仕方ないな!」
私がそう告げると、少しだけ悲し気に顔を伏せるが、すぐに笑みを見せた。さっきから顔が忙しい奴だな……。
「よしっ、それじゃあ勝負しようか!次は俺が勝つ!!」
「ぬかせ、人間風情が……逆立ちしても私には勝てないという事を、その身に徹底的に刻み込んでやる!!」
二度目の対決も、私が勝った。ただ、またしても逃げられたために殺し損ねてしまった。くそっ、人間のくせにこの私から二度も逃げおおせるとは……。
だが、二度も負けたのだ。この私との実力差に絶望し、さすがにもう挑んでくることはないだろう……。
~二日後~
……挑んできた。
「吸血鬼ー!勝負だぁー!!」
「うるさぁーい!そんな大声で叫ばずとも聞こえているっ!!」
なんだ、コイツ、バカか?バカなのか?物分かりの悪いバカなのか!?二度も負けておいて、また挑みに来るとは……あれか、「死なねば治らん」というやつか!
「お前もしつこい奴だ、人間め……私だって忙しい。何度もお前の相手をしてやれるほど、暇ではないのだ!」
「あっ、そうなの?じゃあ、今日は止めとこうか」
そう言うと、人間はあっさりと踵を返して……ってぇ!?
「……えっ、ちょ!?ま、待ちなさい!」
「なに?」
「いやいやいや、何普通に帰ろうとしているのよ!挑みに来たんでしょ?相手してやるわよ!?」
「……いや、だって、なんか忙しいとか言ってたから……。俺の都合で、吸血鬼の時間を奪い続けるのも悪いかなって……」
「真面目か!……あぁ、そうだった!たった今思い出したけど用事なんてとっくに終わらせていたわ!アンタが来るまで暇だったわ!さぁ、そういう事だから勝負しなさい!」
なんで私がコイツを引き留めているんだ……いや、コイツがあっさりと帰ろうとするのが悪いんだ。そうだそうだ、結局のところこの人間が全部悪いんだ。
「おっ、そうなのか!よぉーし、そういうことなら……吸血鬼ー!勝負だぁー!!」
私と戦えるとわかるや否や、嬉しそうに笑みを浮かべて構えを取る人間。こいつ、笑うとちょっと子供っぽいわね……って、何を考えているんだ私は!?
私は先ほどの考えを振り払うように頭を振ると、構えを取った。
「……フン、『二度あることは三度ある』……今度こそ、その息の根を止めてやろう、人間!!」
「へへっ、だったらこっちは『三度目の正直』だ!今度こそ、お前に勝ってみせるぜ、吸血鬼!」
お互いに駆け寄り、相手にめがけて拳を放った――。
三度目の対決は……私の勝ちだ。ただ、人間に魔力の一撃を食らわせた際、壁をぶち抜くほどの威力で吹っ飛ばしてしまった。私はすぐに壁に寄って外を覗き込むが、人間の姿はない。
……フン、流石に死んだか。まぁ、三度も私に挑んだだけでも大したものだ。あぁ、清々した。まったく、本当にしつこい小僧だった。これでようやく、静かな時間も訪れるというものだ。
~翌日~
当たり前だが、人間は来なかった。フッ、私の力を以てすればあの程度の人間を消し飛ばすなど容易なこと。久々にゆっくりできそうだ……。
~さらに翌日~
……あいつ、本当に死んだのか?いつもならどんな重傷を負わされようと、一日二日で完治して、いつものように「吸血鬼ー!勝負だぁー!!」と玄関をぶち破ってくるのに……って、違う!
べ、別にあの人間のことを心配しているわけではない!そうだそうだ、わざわざ敵を心配するようなバカな真似、私がするはずがない。
よぅし、もしもあいつが生きて戻ってきたときのためにお茶の準備……じゃなくて、迎撃の準備をしておこう。……この屋敷に入った瞬間から勝負開始とか、アリかしら?
~重ねて二日後~
……来ない。まさか、あの人間が来ないだけでこんなに暇だとか退屈だとか、そんなことを思うだなんて考えもしなかった。あいつ、こっちがどんなに激しく強力な攻撃を放っても、いつも楽しそうに相対してくる。その表情に、恐怖はなかった。どんな人間も、私が吸血鬼というだけで恐れ戦き、逃げ惑うばかりだというのに……。
あんな人間、初めて見た。私を吸血鬼と呼びながら、その目は「ただ一人の強者」を見る目だった。「吸血鬼という化け物」を見る目ではなく、「吸血鬼という強敵」を見ているだけだった。以前、あいつに「私は吸血鬼で、化け物なわけだが怖くはないのか」と問うた際、奴は心底不思議そうな顔でこう言ってのけた。
「なんで?生きてるなら、いつかは勝つことができるかもしれねぇってことだろ?勝ち負けで白黒つけられるなら、別に怖がることなんてねぇよ」
その言葉に思わず呆けて動きが止まったせいで、顔面に一発貰ってしまったのは本当に迂闊だった。人外とはいえ、少女の顔を何の躊躇もなくぶん殴ってきやがって……あぁー!思い出したら腹が立ってきた!!
よし、奴が生きていたら意趣返しに顔面を集中狙いしてやろう。識別も難しいくらいにぼこぼこに殴ってやる!……だから、早くここに来い、人間。存外、暇なのよ……。
~さらに重ねて三日後~
…………。…………。…………。……まさか、本当に死んじゃったの?嘘でしょ、あいつ私見だけど凄い死ににくそうな気がしてたのに、まさかあの一撃が致命傷に……?それとも、吹っ飛ばされた先で野良妖怪に……?あるいは、あるいは……考えるだけでも気分が悪くなる。
何だ、私は案外あの人間を気に入っていたみたい。他の人間連中とは一線を画して違う、あの少年。まだ三度しか戦っていないが、あの少年は諦めが悪い上に相当にしぶとくしつこい。だから、どんなことがあってもまた私に挑んでくると思っていたのに……。
……いや、あるいは。あの少年は生きていて、私に恐れをなして逃げてしまったかもしれない。
……ハハッ、なんだこれ。なんで私、こんな空しくなっているんだ……。自分で招いたことだろうに、まったく……。
…………。…………。…………。……人間、生きてるのかしら。もう……来ないのかしら……。
~三度目の対決から一週間後~
「吸血鬼ー!勝負d――」
「おっそぉぉぉぉいっ!!」
「アッハイ」
結局、あの人間は生きていた。一週間後、当たり前ように扉をぶち破って入ってきたので、何か言われる前に先に言ってやった。こっちが叫ぶとは思わなかったのか、人間は面食らった様子で固まった。
「遅い!一週間よ、一週間!いつもなら二、三日でくるところを、どこで油を売っていたのよ!?」
「いやぁ、あの時の最後の一撃さ、吸血鬼の攻撃は防げたんだけど、吹っ飛ばされた後はどうしようもできなかったんだよ。受身が取れなくて、打ち所悪く気絶してたんだ。
それをたまたま警邏の人に発見されて、介抱されてたんだよ。んで、無事に完治したんでこうして挑みに来たわけだ」
「あっそ。……よかった……」
「え、何だって?」
「な、何でもないわよ!……それで?今日も勝負するんでしょ?散々この私を待たせたんだから、さっさと始めるわよ」
「おうっ!」
相変わらず、イイ笑顔を見せてくる。……女顔なのかしら、それとも童顔?なんにせよ、笑った顔はかっこいいというより可愛らしいという言葉が似合いそうね。
……違う違う。今は勝負でしょうが。私は人間から距離を取って相対するが、人間は何処か不思議そうな顔をしてこっちを見ていた。
「……なに?やるならかかってきなさい」
「なぁ、吸血鬼。その喋り方……」
「……あ」
しまった。以前は人間を追い返すという意味も込めて、尊大且つ威圧的な喋り方をしていたのに、それもすっかりなくなってしまっていた。油断してた……この私としたことが……!
「こ、これは……」
「いや、そのままでいいよ。俺、そっちの方が好きだ」
「す、すすす好きぃっ!?」
「うん、接しやすい」
一瞬、人間が放った言葉に大きく動揺するが、すぐさま明かされた理由で脱力した。
好き……なんて。意味はともかく、異性相手に簡単に口にする言葉じゃないでしょうが!
「……よし、冷静になった。殺すわ」
「あれ……吸血鬼、なんか怒ってる?」
「怒ってないわ。……えぇ、怒っていないわ。だからとっとと死になさい!!」
「いや、絶対怒ってるじゃねえか……うわっ、あぶねっ!?」
よけんなー!!
こうして、四度目の対決も私が勝った。彼には、当たり前のように逃げられた。まぁ……予定通りにあいつの顔面に一発入れたし、少しだけすっきりしたわ。
「また負けたー!」なんて笑いながら逃げていったけど……負けた割には結構ぴんぴんしてたわね……。
さて、次にあいつが来るのは何時かしら。明日?明後日?まぁ、いいわ。次からは一週間以内に一度は来るように約束させたし、当分は退屈しないで済みそうね。
……あいつ、強くなってた。私には及ばないものの、過去三度の対決時よりも明らかに強くなっている。成長速度は微々たるものだが、強くなっているのは確かだ、私が保証する。ただ……あいつ、自分が強くなってるって自覚があるのかしら?いや、あの様子だときっとないでしょうね。だからこそ、勝てるその日まで挑み続ける。何度負けても、立ち上がり続ける。
……本当、人間ってこういうところが強いのよね。
挑んできては返り討ち、挑んできては返り討ち、たまに小休止でお茶会をして、また戦って返り討ち。何度負けても、あいつは悔しげではあるがそれでやさぐれることはない。
「いつか、勝つ」。そのことを信じて、一切疑わないで、何度も私に挑み続ける。正直、何度か見ていて可哀想だと思ったことがある。だから、何度か「もうやめろ」と言ったのだけど、あいつはただ笑って
「あぁ、吸血鬼に勝ったらもう勝負はしないよ。一度だけでいい……一度だけ勝てたなら、俺はそれで満足さ」
わざわざ吸血鬼の私に聞かせるようなことではないと思うのだけれど……。けれど、彼もまた何度も戦うことで私の力量を把握できるようになったようで、気まぐれで手を抜こうとした際に、彼が怒気を纏ってきつく睨みつけてきたのだ。
「手加減無用だ、吸血鬼」
それ以上は何も言わず、再び向かってきた。その時、彼はただ私に挑んできているのではなく、一人の戦士としてここに立ち、私と相対しているのだと理解した。礼を失したお詫びに、私が得意とする神槍を叩きこんでやった。……結構自信があったんだけど、貫けぬまま吹っ飛んでいくとは思わなかったわ。
その日の勝負は、それでお開きになった。……貫いた壁を私が直すのはおかしい……おかしくない?今度はあいつに直させよう。
それにしても、彼の吸血鬼への執着っぷりはすさまじい。以前、別の妖怪の話を振ってみたんだけど、全く興味を示さなかった。吸血鬼一筋と言わんばかりに、むしろ私の身の上話を聞いて来ようとする始末。そのことで興味を持った私は、都合二十七度目の対決の後、当然のごとく逃げ出した彼を呼び止めて、少しだけ話をした。「今日はもう戦わない」と散々粘って説明を続けたら、何とか首を縦に振ってもらえた。……なんであんなに必死になったのかしら、私。
紅茶を用意して、プチお茶会となった。私が紅茶を淹れているところをじっと見ていたんだけど……興味あるのかしら。後で仕込んでみよう。
「それで、話って?」
「どうして貴方、そんなにも吸血鬼にしか興味ないの?私よりも強い妖怪なんて、ごまんといるわよ」
「いや、吸血鬼じゃないとダメなんだ」
「……なぜ?」
踏み込んで聞けば、彼はわずかに視線を伏せた。
「……俺の父さん、俺の知る限りでは一番強い人だったんだよ。世界中を巡って、人間人外問わず、強い奴と戦う……そんな戦い大好き人間だったんだよ、俺の父さん」
「そういう意味では、貴方たちは立派に親子ね」
「ありがとな。……けど、俺も父さんも、世間が狭いことを思い知らされた。父さんが初めて負けたんだ。そして、そのまま殺された。……それが、吸血鬼だったんだ」
「……貴方と吸血鬼に、そんな因縁が……」
「あぁ。それも、とんでもなく強い吸血鬼っぽくってさ。たしか、その吸血鬼は
『スカーレット』
って呼ばれていたんだっけか」
「!?」
「もううろ覚えなんだけどな……その『スカーレット』って吸血鬼に、父さんは殺された。あんなに強かった父さんが、だ」
彼の口から紡がれた名前に、私は戦慄した。『スカーレット』……なぜならそれは、私の家名だからだ。おそらく、彼の父を殺したのは私の父か祖父だろう。つまり、彼が吸血鬼に挑むのは……。
「もしかして、復讐……?」
「え?」
「え?」
尋ねたはずなのに、なぜか疑問を返された。え、何?どういうこと?
「えっと……吸血鬼に復讐をするために、戦いを挑んでいるんじゃないの?」
「復讐?誰が?」
「貴方が。吸血鬼……あるいは、『スカーレット』に」
「ないない」
「嘘よっ!!」
私はテーブルを叩きつつ叫んだ。信じられない、人間は怒りや憎しみはかなり根深く抱くものよ。執念と言い換えてもいい。事実、私が彼以外で倒してきた人間の中には、吸血鬼への復讐心で動いている人間もいたから。なのに、彼は……。
「……そうだなぁ、恨み辛みがまったく無いって言ったら嘘かもな。俺の大好きで憧れだった父さんを殺されたわけだし」
「ほら見なさい。貴方だって、吸血鬼憎しと思う心が……」
「いや、それは肯定するけど……でも、それがすべてじゃないんだ。俺も父さんも、間違いなく吸血鬼を恨んでないよ」
「……どうして」
「だって、父さんは死ぬまで笑っていたからな」
「……え?」
信じられなかった。身内を殺されたというのに、恨んでいないと言い切れる彼が。私だって妹を殺されようものなら、人間への怒りと憎しみで気が狂ってしまうだろうに……。
「父さんはさ、死ぬ直前までこう言ってたんだ。
……『あぁ、クソッタレ。俺はここで死ぬのかよ!あんな強い奴にやっと出会えたのに、出会った瞬間にオサラバとかふざけんな!もっと吸血鬼と戦いてぇ……!おい、クソガキ!お前、ちょっと俺に代わって吸血鬼に勝ってこい!お前は俺の名代だ、だから吸血鬼と戦って勝って来い!別にいいだろ?あいつは俺より強いんだ。つまり、吸血鬼に勝つってことは、俺に勝つってことと同義だ。わかったな?わかったら『はい』か『任せろ』といえ。お前は俺より強くなれよ、クソガキ』
って。
あの時は……俺はあまり深くは考えていなかったな。強者と戦う楽しみも知らなかったし、勝つ喜びだって知らなかった。だけど、父さんを超えるって目標だけは、ずっと持っていたからかな……『吸血鬼に勝つ=父さんを超える』って算式だけが、頭に強く残っていたよ。
それに……父さんは終始、楽しそうに死んでいった。そんな父さんが、自分を殺した吸血鬼を恨んでいるとは思えなかったし、父さんが恨んでいない吸血鬼を俺が恨むのも、その……なんか、違う気がして」
狂ってるかもな、俺。なんて言いながら笑う彼。
……えぇ、端的に言って狂ってる。父を殺された恨みや憎しみよりも父を超えること、そしてまだ見ぬ強者との戦いに想いを馳せるなど……。
でも、それすら彼らしいと思えるようになった私も、きっとどこか狂っている。
「だからさ、俺は吸血鬼に勝つ!そしていつか、父さんを殺した『スカーレット』にも勝つ!
『スカーレット』に勝つことで、父さんを超えたという証を立てる!……それがひとまずの目標かな。そのためにも、吸血鬼!まずはお前に勝つぜ!!」
そう言って拳を突き出してくる彼。夢に向かって勇猛邁進する彼の姿は、とても好ましく思える。もしも戦う相手が私でなければ、応援していたところだ。
……もしも、私がその『スカーレット』の吸血鬼だと明かせば、彼は一体どんな顔をするだろうか。いつも以上に喜び勇んで挑んでくること請け合いだろう。ただ……一つだけ、懸念がある。それは、彼が私に勝ってしまった場合のことだ。
この関係は、いわば私が彼に勝っているからこそ成立しているわけで……万が一、私が彼に負けた場合、この関係はその瞬間に終了する。そして、私が『スカーレット』だと知れば、彼は二度とその拳を振るうことをしなくなるかもしれない。それは……いやだ。
FAQに掲載されてた「一話当たりの最低文字数」を意識して、今日はここまで。
読了していただき、ありがとうございました。