ラブライブ!~たった一人の男子とスクールアイドル~(凍結)   作:TRcrant

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こんばんは、TRcrantです。
さっそく、本篇が始まります。
短いですがどうぞ


序章
プロローグ


「ん……」

 

カーテンからうっすらと差し込む日の光が今が朝であることを告げていた。

 

「新たな一日が始まる……か」

 

ぼんやりとした頭で、僕は起き上がりながら呟いた。

時刻は朝の5時40分。

まだ起きるのに早いと言われる時間に起きるのが僕の日課だった。

 

「洗濯機を動かして、朝食を作らないと」

 

家事をやる関係上、どうしても起きる時間は早くなってしまうのだ。

僕はカーテンを急いで着替えると、急いで自室を後にした。

 

 

 

 

 

僕の名前は、香月 高輔(こうつきたかすけ)。

どこにでもいる高校二年生だ。

今僕はある事情で一人暮らしをしている。

だが両親はちゃんと生きており、元気に暮らしているはずだ。

 

「よし、これでいいだろう」

 

洗濯が終わり、洗濯物を竿にかけて干し始めた僕はそうつぶやく。

時刻は朝の6時30分。

これから朝食を食べて、片づけをすれば大体いい時間帯になる。

家事をして、家を出て、学校で勉強をしたり色々したりするのがいつもの僕の日常だった。

それが別にいやだとは思っていない。

逆にこの日常が好きで好きでたまらないのだ。

なぜならば、これが僕の望んていたことなのだから。

朝食はテレビを見ながら食べるのが、僕の習慣だ。

見るのはもちろんニュース番組。

食事をとりながら、その日の時事問題を知ることができるという一石二鳥だ。

 

(そろそろ特集かな)

 

『さて、特集です』

 

予想していた段階でニュースキャスターが特集を告げた。

 

『本日はスクールアイドルについてです』

「ん?」

 

キャスターの告げた特集内容に、僕はいったん手を止めてテレビの方に視線を向ける。

 

『スクールアイドルというのは、学校で形成されたアイドルグループの総称です。これは新たなアイドル形式として現在注目を集めております』

 

そして話は解説の方へと移っていく。

スクールアイドル。

それは突然出てきた新たなアイドル活動のことだ。

これまでアイドルと言えば、学校名などを明かすようなことはしなかった。

だが、この活動形式は学校名を明かして活動をしているのだ。

風格と言うものが損なわれるという意見もあるが、それよりもメリットの方が大きい。

それが、”人気取り”だ。

誤解がないように言うと、その学校の魅力的な看板にするということだ。

実際、そううまくいくのかと思うが、僕はスクールアイドルによって大成功を収めているグループを知っている。

 

「ふぅ。ごちそう様」

 

食事をとり終えた僕は、それまで点けていたテレビの電源を切って食器を洗う。

それもすぐに終わってしまった。

時刻は午前7時15分。

 

(あと15分程度あるか……メールのチェックでもするか)

 

学校は徒歩10分の場所にあるので、いつも7時30分に出るようにしている。

その時間までまだ余裕があった僕は、メールのチェックをするべく、PCが置いてある自室へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわ、よくもまあこれだけ来るよな」

 

パソコンの電源を入れ、メールソフトを立ち上げた僕は、次々に受信するメールの数に驚きというよりは呆れながら見ていた。

ほとんどのメールがお礼状やら問い合わせのメールといった仕事関連のメールだ。

そもそも、パソコンで使っているメール自体が仕事用で、携帯の方がプライベート用なので、当然なのだが。

僕の仕事、それは一言では言い切れない。

あえて語弊のある言い方で言うのであれば、事務所に所属する芸能人兼プロデューサーみたいなものだろうか?

つまりは、僕はとある事務所と契約を結んだ演奏者なのだ。

担当楽器はギター。

僕はギターリストとして契約を結んだ際に他の三人と結成したバンド『hyper-prominence(通称H&P)』で腕を振るっているのだ。

当初は無名だったが、結成後数年で僕たちは音楽界ではそこそこ有名なコピーバンドの地位を築くことができた。

そして、それは事務所にとってもプラスとなった。

それは当時事務所の方で結成されていたアイドルグループが光り輝くのに一役買ったからだ。

今ではコピーバンド”H&P”と、アイドルグループ”Green,Mint”を知らない者はいないと言えないほどにまで有名になった。

社長も『最近は寝る時間がなくて大変だ』と、嬉しい悲鳴を上げていた。

そして気づけば僕は、”プロデューサー”の任を兼任していた。

だからこそ”芸能人兼プロデューサー”なのだ。

そんな僕は、演奏をしたり考えたりする以外にも、作曲とアレンジの仕事を引き受けている。

料金は割高だが、僕の作曲やアレンジをした曲のヒット率は7~8割と高いので、それほど部の悪い額ではないらしい。

そして、スクールアイドルにはこれらの料金は免除されるため、新規の依頼者はほとんどがスクールアイドルのグループからだ。

その後も継続して依頼をしてくるグループがあったりする。

ちなみに現在抱えている仕事は、作曲の依頼が2つ、アレンジ依頼が3つほどだ。

とはいえ、これは完成しているので、今日中にクライアントに渡すつもりだが。

閑話休題。

 

「お礼状は無視して依頼の方だけを見るか」

 

お礼状は帰ってから目を通せばいいので、それ以外のメールを見ていくことにした。

 

「ん? これは知らない名前だ」

 

仕事の依頼用に設定したフォームサービスからのメールに明記されていた依頼者の名前は、これまで僕が請け負ってきた人たちの物ではなかった。

しかも、依頼者のアドレスも全く知らないので、新たなお客だろう。

 

「名前は……『T-princess』……Tの姫?」

 

全く意味が分からなかった。

内容は、添付した曲をアレンジしてほしいという依頼だった。

 

「これが、その曲か」

 

僕は添付されていた音楽ファイルを開いて、確認してみることにした。

曲名は『START:DASH!!』となっていた。

 

(なかなかいい曲だ)

 

クールで力強い歌声に、僕は一気に引かれた。

 

(アップテンポっぽいし、ピアノだけは寂しいな……ドラムにギターやベースを入れてみるか)

 

「ん?」

 

アレンジの構成をまとめているとき、僕はあることに気付いた。

 

「これ、作曲者や作詞に関する情報がない」

 

依頼文にも曲のデータにもそれらしき情報が書かれてはいなかった。

唯一書かれているのは、その楽曲を使用する団体名だけだった。

ちなみに、名前は”μ's”だった。

 

(石鹸? まあ、インパクトはあるけど)

 

おそらく別の理由で命名されたグループ名だと思い、それ以上考えるのをやめた。

 

「これじゃ、アレンジするわけにはいかないな」

 

それが僕の結論だった。

アレンジの依頼をする際は、必ずその曲の作曲者名と作詞をした人物、およびそれを使用する団体名を明記するように規定がある。

これは、著作権関連のトラブルを防ぐための物であるが、それがないために僕はこの仕事を引き受けることはできないのだ。

 

「かなりいい曲だけど、仕方がないか」

 

久々に出会えた、アレンジのし甲斐のある曲だったが故に、さらに悔しさが込み上げる。

 

「って、そろそろ出ないとまずい?!」

 

依頼却下の連絡をしようとしたが、家を出る時間が迫っていたため、パソコンの電源を落としてから僕は慌てて家を飛び出した。

これが、僕の最後の日常になるとも知らずに。




今回、登場した下記の楽曲は実在する物です

1:『START:DASH!!』 ラブライブ!劇中歌より
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