ゼノブレイド2 A New Future With You   作:ナマリ

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最近は進撃の巨人を見てます。
コニーの声が下野さんなんですね。色んな作品を見ていると「あっ、●●の声優だ」ってなるから楽しいですよね



"謎の少年"

 

「誰ぇ?」

ミントが威嚇のため、少年に聞こえる程度で声を上げた。少年は驚いて飛び上がる。しかし、なんとかテントの外に出ていたことから姿は見られてないと思い

「にゃ、にゃ~ん……」

猫の声マネをした。

「なんだー、猫か……」

少年は胸を撫でおろし、そのまま去ろうとする。

「――――猫がこんなところにいるわけないやろがい!」

声を張り上げ、ミントはテントから飛び出て少年へと飛び掛かった。

「うわぁっ!? 起きてたのかよ!?」

その姿を見て少年は即座に逃げ出す。

「こら待てドロボー!」

逃げる少年を逃がすまいと、靴をしっかり履いてから追いかける。

 

深夜の森の中はとても不安定だ。ところどころに木の根っこが飛び出し、しっかりと目を凝らさなければつまづいて逃がしてしまう。どちらも転ばないよう集中しながら走っているからか、追跡と逃走のスピードはどちらも遅いようだった。

「はぁはぁ、待てーい!」

段々とミントはスピードを上げ、ようやく少年へと追い付いた。腕を掴んで、大きく後ろに投げる。

「どりゃー!」

「ぐふぉっ!?」

少年は背中に背負っていた剣が、投げ飛ばされた勢いで強く背中に叩きつけられたせいか、少し息ができないほど苦しんでいるようであった。

「い、いきなり何すんだよ……っ!」

わずかな月明かりが少年を照らす。銀色の髪の毛。背中の剣は赤色をしていた。

「私のオルゴール盗ったからでしょ! まったくなんでこんなものを盗むの?」

少年が手から落としたオルゴールを拾い上げる。

「第一、それ俺のなんだよ」

「どういうこと?」

「いや、アヴァリティアで落としたら、変な商人が拾い上げてさ。それを売るもんだから……」

「買いなおせばいいじゃん」

「いや、その金が無くて……」

「だから買われた後に奪えばいいと? 全く……。私はちゃんとお金払って買ったんだからね!」

「とにかく! それは俺のだ! どっちかというとドロボーはそっちのだろ、返してくれよ」

「ちゃんとお金出してくれるなら返してあげてもいいよ、サルベージャーの合言葉その2、買ったものは自分のもの!」

「嘘つけ、“助けられたら助け返せ”だろ」

「ありゃ?そうだった……っけ?」

少年は一瞬の隙をつき、ミントの手からオルゴールを奪い取り、そのまま走り闇の中へと消えていった。

「ああっ、逃げんなドロボー!」

しかし時すでに遅し。彼が走り去る音だけが聞こえるものの、姿はもう完全に見えなくなってしまった。

「あーあ、逃げられちゃった……。まぁ、こうなったら仕方ないか、早く戻って寝よ……」

もはや追いかける気力も失くし、そのままテントへと帰ることとなった。

 

キャンプへと帰るミント。しかしどうにも様子がおかしい。キャンプから何かが聞こえてくる。うっすらと、明かりも見える。

不思議に思うが、さきほど出て行った騒ぎでパニックにでもなっているのだろうか。しかし不審に思いながら、キャンプへとだんだん近づいていく。やがてそれが仲間のサルベージャー達の者ではないことに気が付いた。さきほどから見えたこの明かりは、キャンプが燃えていることによるものだった。

「どういうこと……?」

更に近づくと、聞こえてきた音が次第に喧噪へと変わっていった。その中で、仲間のサルベージャー達の叫び声が聞こえてくる。物陰からそっと見ると、そこには赤いブレイドを連れた一人のドライバーと、3人ほどの野盗、そして10匹ほどのターキンが仲間たちを襲っていた。

 

「野盗に……ターキン!? ど、どうして……」

見つからない様に隠れるミント。気づかれてはいない。襲われるサルベージャーの前に、クロヒョウと共にリリオが立ちはだかる。ツインリングを手に謎のドライバーに斬りかかるが、軽くあしらわれ、転んだ隙に背後に忍び寄っていたターキンに頭を叩かれて気絶してしまう。クロヒョウも野盗に捕まえられ、簀巻きのようにされてしまう。

「ど、どうしよう……!?」

慌てるミント。今の自分にできることは何もない。すると、捕まっていたリストがミントの方に気が付いた。

「ミント……!? 逃げろ!」

「あぁ……?」

リストが声をかけてしまったことで、おそらくこの野盗のリーダー格であろうドライバーの男がミントの方に気が付いた。

「俺たちの事はいい! 早く逃げろ!」

「チッ、まだ一人残ってたか。ターキンども、あいつを追え」

「いや…っ! 来ないで!」

ドライバーの男がターキンに命令。ターキンたちは弓矢や剣を手にミントの方へ近づいていく。ミントも来た方向とは逆に逃げていく。ターキンたちの足は速くないが、弓を持っているのが厄介だ。

ドライバーでもなく、戦いに長けているわけではない。しかもターキンを数体相手にするのは無理である。ミントは今逃げるしかなかったのだ。

しかし、ターキンの放った矢の一本がミントの足に直撃してしまい、ミントはその場に倒れこむ。

「……っ! 痛……」

刺さったところから、血がだんだんと溢れてくる。痛さのあまり、立ち上がることもできない。しかしこのままではターキンに襲われてしまう。腰につけているダガーを手にし、とにかく追い払うように振り回す。

「来るなっ! 来るなっ!」

しかし、ターキンたちは意にも介さない。むしろミントのダガーを弾き飛ばした。

「こんなところで……」

ターキンの一体が短剣をミントに向けて大きく振り上げた。もうおしまいだ―――――

 

その時、突然どこから舞い上がった炎がミントを狙うターキンを包みこんだ。燃え上がったターキンは、近場の水で消化し、どこかへと逃げる。

一体何が……? そこには、赤い剣を持つ銀髪の少年、さきほどオルゴールを奪った彼が目の前に立っていたのだ。

「あ、あんたなんで……?」

「おい、大丈夫かよ!」

「い、いや、ちょっと大丈夫じゃなくて……」

「ったく、仕方ねぇな……」

少年の前にはまだターキンが何体か残っており、弓矢や剣で襲い掛かる。少年は攻撃を避けながら、剣を大きく振りかざしてターキンたちを倒していく。

「数が多くてめんどくせぇ、なら!」

赤い剣の刀身と柄の間の炎上の部位に「転」という文字が浮かび上がる。そして剣を投げ飛ばす。投げられた剣はターキンたちの前で回転しながら炎を纏っている。

「フレイムノヴァ!」

炎がターキンたちを喰らうように襲う。この攻撃に怯えたのか、ターキンたちは次々と逃げていく。

「また来ると厄介だ、逃げるぞ!」

「え? 逃げるってどこに?」

「どこでもいいだろ! このままじゃまた奴ら来るぞ!」

 

少年はミントの手を掴んで走り出す。目指すのはとにかく奴らが追っては来れない場所。木々をかいくぐりながら、時に枝を切って道を開けながら逃げていく。後ろを振り返ると、次第に燃えるキャンプの光が薄くなっていく。3分は逃げた後、少年に連れられミントは小さな岩場へと隠れる。

「ここまで来れば奴らは追って来ない」

「ちょ、ちょっと待って…… ちょっと待ってよ!」

いまだミントの手を握る少年の手を振りほどいた。

「助けに行かないと、このまま逃げるなんてできない!」

「嫌だって、厄介事には巻き込まれたくない」

「そんなこと言わないで! みんなは私の大事な仲間で、師匠だって居るの! このまま逃げるなんてできない!」

「そんなこと言われても…… 俺には関係ない」

少年はその場に座り込んで、剣を置く。

「まぁ、確かにそうなんだけどさ、でもさっきあんたの戦い見てたけど、随分強いじゃん? だからお願い! 一緒に助けに行ってくれない?」

ミントが手を合わせ、頭を下げて頼み込む。

「そんな風に頼まれたって……」

「はぁ、しょうがないな…… じゃ、これは返さないけどいいの?」

そう言うと、ミントは懐に入ったポケットからあのオルゴールを取り出した。

「にゃっ!? なんでそれお前が持ってるんだよ!?」

「さっきターキンとの戦いで落としてたから、拾ってあげたの」

「お前、サルベージャーの前職は盗人か?」

「うっさい。とりあえず返してほしかったら一緒に助けに行くこと。いい?」

「横暴だなぁ。分かったよ。助けに行けばいいんだろ、助けに行けば」

少年は苦い顔をしながら返答する。

「そりゃもちろん! 話が分かっていらっしゃる!」

ミントはオルゴールをポケットに入れ、握手のために手を伸ばす。

「ただし、助けに行く以上の事はしないからな。護衛とかは自分でちゃんとしろ」

「分かってるって! 案外優しいんだね?」

「脅されただけだっての。母さんの大事なオルゴール捨てるわけにはいかないしな」

そう言うと少年は不貞腐れながらも、ミントと握手を交わした。

 

「よし! それじゃさっきのキャンプまで戻って…… 痛ッ!」

歩き出そうとした瞬間、足に強い痛みが襲った。さきほどターキンの矢が刺さったところだ。

「お前怪我してたのかよ…… ちょっと見せてみろ」

少年はしゃがみこみ、怪我をした足をまじまじと見つめる。

「こりゃ随分な怪我だな……」

そう言うと、持っていた布で怪我部分を巻いた。

「あ、ありがと……」

「それで、今からあのキャンプに戻るか? いくらなんでも正面から突っ込んでいくのは得策じゃないと思うけど」

「うーん…… いや、夜が明けるまで一旦待ってから行こう。きっと奴らの跡がまだ残ってるだろうし」

夜の闇の中での戦いは勝算が薄い。もうすぐ日が明けるのを待ってキャンプへ戻ることとした。

 

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