ゼノブレイド2 A New Future With You   作:ナマリ

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前書き、書くことが無くなってきました……


“野盗のアジトへ”

 

焼かれたキャンプへと戻ってきた。ところどころに血が垂れているのが見える。しかし死体は無いことから、野盗に攫われたものだと推測できる。

「ヤツら、サルベージのアイテムまで盗んでいってる…… というか、テント以外ほとんど何も残ってない。フライパンすら」

「奴らの狙いはサルベージセットか? だったとしたら最近噂のヤツかもしれないな……」

「最近噂のヤツって?」

「トリゴの町で聞いた事があるんだよ。又聞きだけど、どうも嘘のサルベージスポットを貼りだして、そこに現れたサルベージャーを襲うとか……」

「まさか私たちまんまと嘘の情報に騙されたってわけ!?」

「どうだろうな、だったとしたら初犯じゃない。きっと何か証拠が残ってるはずだ」

「くーっ! あんな奴らに騙されて悔しい! というか、第一そのサルベージスポットの情報を最初に知ったのが私だから…… 私のせいじゃん!」

ミントは頭を抱えながら地団駄を踏む。少年はそれを見てやれやれと頭を振りながら、黄色い花をミントに渡す。

「……いきなり花貰っても……ありがと」

「何言ってんだ、そういう意味で渡したんじゃない」

「……ああーっ! 変に勘違いしちゃったじゃないの!」

ミントは顔を赤くしながら花を少年に戻す。

「ヒマワリローグ。この花はこの辺りでは咲かないんだ。おそらく野盗が持ってたヤツだろう。とにかくこれで大体のヤツらの居場所は掴めた」

「えっ、花一本で分かるもんなの?」

「ま、俺はグーラにはそこそこ詳しいからな。ついてこい」

少年は花を胸にしまって、焼けたキャンプ地を後にする。ミントは最後に何か残っていないか確認してから少年の後に続いていく。

 

グーラ奥地、つまりは下層。巨神獣の下半身はなにかと複雑な地形をしている。ここまで来るときは安定した道を選んで進んでいたが、それは遠回り。今は時間が惜しいので高低差のある近道を進んでいかなければならない。ミントはその途中で3回ほど下に落ちかけたが、少年に何度も助けられる。

「ごめん、これで3回目……」

「助けた分ちゃんと後でお礼してくれよ」

「覚えてたらね」

「何だよそれ……」

「でももう落ちる心配は無いって。ほら、もうすぐ大平原」

ミントが少年の後ろに指をさす。そこからは奥地では感じられないほどの鮮やかな光に照らされている大きな平原があった。その名はゴルドア大平原。

「なんだか久しぶりに陽の光浴びたって感じ! ずっと暗いと生活リズムおかしくなる」

ミントは伸びをして、この光を全身で受け止める。

「そんなことしてる場合か?進まなきゃいけないんだろ」

「ああごめんごめん! ところでどこに向かうの?」

「この花がよく咲いてる花畑があるんだ。平原を横切って、小さな洞窟の中に入る。その洞窟の中にこの花が群生してる場所があってな。そこの可能性が高いと思う」

少年は花を手に平原を進み始める。ミントも遅れないように進んでいく。しかしどうしても足を怪我しているために早く進むことができない。

「ちょっと待ってよ、足が痛くて全然進めないの!」

少年はため息をついてミントの方へと振り返る。

「無理すんなよ、助けに行くのにお前が居ないんじゃ話にならない」

「じゃあもうちょっと遅く歩いてよ」

「しょうがないな」

少年は剣を置いてミントの方へと歩み寄る。

「危ない!」

ミントの後ろには獣のモンスターが迫っていた。少年は再び剣を持ってミントの後ろのモンスターに斬りかかった。

「怪我してんだから後ろに下がってろ!」

「わ、ごめん!」

ミントは後ろに倒れ込んで姿勢を低くする。少年はそれを確認した後、剣に力を込めて思いきりモンスターに突き刺した。刺したところから炎が流れ込み、獣は苦しみながら息絶えた。

「まったく、後ろには気を付けろよ……」

剣を再び背中に装備し、そそくさと歩き始める。

「ありがと……ってだから待ってって!」

怪我をしている足を掴みながら、少年に追い付けと続く。

「アイツの剣、一体何なんだろう」

ミントの興味は少年の持つ赤い剣にあった。今のモンスターを倒した時、そして自分をターキンから助けた時、どうして炎を出したのだろうか。何らかの属性攻撃を出せるのはブレイドだけ。もしかしたら彼はブレイドなのだろうか。いや、彼は「母さん」と言っていたはずだ。ならばブレイドではない? 謎は深まるばかりだが、今は唯一頼りになる存在。不思議な少年に付いていき、ようやくお目当ての洞窟へとたどり着く。

 

「ここがその洞窟だ。この先を進むとコイツの咲いてるところに出るはずだ」

「そこに野盗とうちの仲間がいる?」

「だと思う。アジトにするならこの洞窟はちょうどいい場所だしな……隠れろ」

そう言われてすぐさま物陰に隠れる。洞窟の奥から二人の野盗が現れた。

「アイツらの顔、確かに昨日襲ってきたヤツらだ……」

「静かに」

野盗は話をしているらしい。耳を澄ましてよく聞く。

「しかし、これで本当に金貰えんのか? 前回はドライバー居なくて役にも立たねぇサルベージセット手に入れただけだぜ?」

「けど今回は一人だがドライバーがいる。少なくとも報酬は前回よりはあるだろう」

「しかしもっと効率的な方法あると思うんだけどなぁ、コアクリスタル手に入れるだけなら街のドライバーでも襲えばいいってのに」

「それじゃ目に付いちまうだろうが。ともかく俺たちは雇われなんだ。黙って従ってりゃ悪いようにはされねぇさ」

 

「アイツらの目的はサルベージャーじゃない……?」

「本当の狙いはドライバーってことか…… 用心棒に雇われたドライバー狙いなんて回りくどいヤツらだな」

「それでどうする? 戦う?」

「もう少しだけ話を聞こう」

 

「そんで、お前ボトル持ってきたか?」

「ああもちろん。水汲んで雇い主サマに献上しないとなぁ」

二人の野盗はそのまま洞窟を去っていく。

「この隙に奥に進もう。足音に注意しろよ」

「そのぐらい分かってるって」

 

洞窟の中の壁にはところどころ松明が設置されていた。やはり野盗たちはここをアジトにしているのだろう。それもかなり前から。

「良い雰囲気の洞窟だったのに、今じゃ悪党の汚いアジトか……」

洞窟のあちらこちらには木の破片などが転がっている。古びたコップなども散らばっている。薄明りの中を進んでいくと、野盗とおぼしき話し声が聞こえてきた。

「ドライバー捕まえたんだからとっとと始末すればいいのによ、雇い主はどうしてまだ殺してないんだ?」

「ソレハキット ドライバーカラ ドコノショゾクカキクタメ」

「聞いてどうする?」

「キイテ ソイツラヲ ワナニハメテ コアクリスタルガッポリダ」

ターキンと話しているようだ。こちらには気づいていない。しかもちょうどこちら側は相手の背だ。少年はチャンスと見て、剣で思いきり野盗とターキンの頭を叩く。一人と一体はそのまま地面に倒れ込んだ。

「えっ、まさか殺した!?」

「峰打ちだよ。母さんに習った」

野盗は倒れる時に鍵を落とした。恐らくサルベージャー達が捕まっているところのものだろう。

「なるべく戦わずに逃げたい。行くぞ……ってまた何やってんだ」

ミントは落ちていた木の棒で倒れたターキンをつんつん付いていた。

「ほんとに気絶してるだけだ」

「いいから行くぞ」

少年はミントを無理やり連れてさらに先へと進んでいく。

洞窟のさらに先は少し開けた場所だ。そこでは何人かの野盗とターキンが輪になって何かを囲んでいる。その中にはあのドライバーも居た。

「それで、獣型のドライバーさん、あんたはどこの所属だ?」

「それを聞いてどうするつもりだ?」

輪の中心にいたのはリリオとクロヒョウであった。既に殴られているようで、頬には痣が見える。

「お前一人のコアクリスタルじゃあ、金をかけた意味が無くなってしまうんでねぇ。お前傭兵団のヤツだろ? 教えてくれりゃあ命は助けてやる。お前の傭兵団のドライバー達のコアクリスタルと引き換えにな」

「悪いが教えない、いくら拷問されても、殴られても、絶対に教えない!」

「ったく頭かてぇヤツだなぁ」

「私はコアクリスタルに戻ったってアンタたちには従わないから!」

「なんだ猫ちゃん、ブレイドは同調したドライバーに従うってルール知らないのか?」

野盗のドライバーのブレイドがクロヒョウを煽る。

「よせよバクエン、相手にしなくたって時期にコイツは俺たちの道具になるんだからな」

「ならとっとと殺してコアクリスタルに戻してやろうショット。これ以上問い詰めたってコイツは何も出さないだろうしな」

 

「ショット、バクエン……」

「お前知ってるのか?」

「知ってる、と思う」

物陰からこの様子を見ている二人。ミントは気づかれない様にこの二人の名前を思い出そうとする。

「分かった、コイツらペルフィキオのヤツらだよ」

「ペルフィキオ?」

「それは知らないんだ…… 最近あちこちでコアクリスタルを狙ってるっていうテロリストの連中だよ。まさか雇い主ってのがそれだったなんて……てか、早く助けないとアイツ殺されちゃう!」

「随分ヤバい連中に喧嘩売ることになるな……この鍵はお前に渡す、捕まってるサルベージャー達を助けて逃げろ!」

少年は鍵を手渡し、剣を構えて野盗たちのもとへと突っ込んでいく。

「えっ、まさか一人で行く気!?」

 

「うおおおおおっ!!」

その赤い剣に炎を纏わせ、思いきり敵のドライバーへと斬りつけようとする。しかし既に相手の体は反応していた。

「なんだてめぇ、どこから来やがった!?」

ショットと呼ばれたドライバーは、腰から刀を取り出して攻撃を防ぐ。

「そいつを離せ!」

「気を付けろショット! そのガキ、奇妙な感じだ」

「なんだって?」

バクエンは頭を抱えて、少年から感じる不思議な気を訝しむ。

「ブレイド……いや、にしては人の臭いが強い」

「ともかく邪魔するんなら容赦しねぇぞォ! ガキィ!」

刀を鞘に戻し、思いきり振りかざして今度は少年へと攻撃を繰り出す。周辺の野盗とターキンも戦いに入る。

「さすがにこの数はキツいな……」

「おい野盗ども、助けに入らなくたっていいぜ、お前らは牢屋に行ってろ、コイツは俺一人でもなんとかなる」

それを聞いて野盗たちは戦いから離れ、牢屋のあるところへと向かっていく。

「マズい、牢屋のある方向にはアイツが……」

「何よそ見してんだぁ!?」

ショットはさらに刀を三回連続で振りかざす。少年の持つ剣はショットの刀よりも大きいため、合間を縫って攻撃を放つことが難しい。

「スラッシュブレイズ!」

ショットから刀を受け取ったバクエンが、炎の刃を大きく振りかざす。ブレイドの攻撃はドライバーの攻撃よりも強力。この攻撃で思いきり壁に叩きつけられてしまった。

「背中をやられた…… だがこの程度すぐに治る!」

今度はこちらの反撃だ。剣にエネルギーを込め、炎の弾をショットへと放つ。刀でそれを弾くが、そのうちの一発は肩に喰らってしまう。

「くっ…… 今の一撃はなかなか手痛いな」

「けどこっちは炎属性、相手も炎属性。同じ属性ならば受けるダメージは軽減される」

「ああ、それは相手も同じだ」

「なら勝負を分けるのは?」

「経験ってヤツだ!」

 

 

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