ゼノブレイド2 A New Future With You 作:ナマリ
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なぜだろう、パパとママに久しぶりに会えると思ったのに、まだ会えないなんて。あんな連中ばかりの世界じゃ嫌なのに。
目を開くと、青い球のようなフィールドが自分と少年を包んでいる。少年は服を脱いで、私の胸に手を当てている。少年の胸には金色のコアクリスタルが在る。
「ねぇ、それって……」
「動くな。傷が上手く治らないだろ」
次第に胸の痛みが引いてきた。いや、それどころかナイフにより空けられた穴が塞がっている。血も溢れ出ることは無くなり、完全に傷が治った。
だがしかし、傷が治ったよりも驚くことがある。確かにあのまま意識が薄れて、死んだはずなのに……
「ふぅ、今日はいい天気だね!」
二人は洞窟を出て陽の光の下に出ていた。遠くにはあのゴルドア大平原が見える、見晴らしのいい場所だ。伸びをするミントを横目に少年は剣をタオルで磨いていた。
「ところでさ、助けてくれてありがとう」
そんな彼の前に顔を出す。少年はミントとは目を合わせない。
「死にそうな人放っておけるわけないだろ。当たり前の事したまでだ」
「にしても、自分から厄介事には首突っ込みたくないとか言ってたわりには自分からさっき突っ込んでいったじゃん?」
「あのまま突っ込まなきゃドライバーさん死んでただろ。それも放っておけないってやつだ」
「なるほどねぇ……」
ミントは地面の石を蹴りながら少年と会話を続ける。
「それで、あんたのドライバーさんはどこにいるの? まさかはぐれたとか?」
「は? ドライバー?」
「いや、だってあんたの胸のそれ」
少年の胸には金色のコアクリスタルが付いている。コアクリスタル……それは人間は持ちえない、ブレイドである証のようなものだ。
「ま、不思議に思うかもしれないけど俺はブレイドじゃない。だからドライバーも居ない」
「へ? どゆこと?」
「胸のこれは確かにコアクリスタルだけど、まぁ色々複雑な事情でさ」
「あー、確かに前にお母さんとかなんとか言ってたしね。まぁあんまり詮索はしないけど」
「まぁ、旅に出てから何年も会ってないけどな」
覗き込んだ少年の目はどこか悲しい目をしている。
「旅ねぇ。……どうしてあなたは旅をしてるの?」
「――――父さんを探してるんだ。俺が幼い頃に急に消えたんだ。最後に居たのは、あの世界樹の楽園なんだってさ」
少年が指を指したのは、アルストの中心にある巨大な樹、世界樹であった。昼夜問わず常に不思議な輝きを放っている。
「だから俺は母さんと約束したんだ。必ず父さんを探して連れて帰るって」
「そうなんだ…… 会えるといいね」
「ありがとな。それじゃまた」
そう言うと少年は剣を背負い、ミントに背を向けて歩き始める。
「えっ、ちょっとどこ行くの!」
「もうお前の仲間は助けたんだし、俺の仕事は終わりだろ? 俺はオルゴールを奪ったショットって奴を追う。お前はトリゴに帰って仲間を探してこい」
「ちょちょちょちょっと待って!」
ミントは去っていく少年の腕を掴んだ。
「まだあなたにお礼してない! それに結局オルゴール盗られちゃったわけだし……」
「そんな、そこまでしなくていいって」
「いいや! こっちが落ち着かない! 命助けてもらったわけだし! だからオルゴール取り戻すの協力する!」
「だからいいっての……」
「うーん……それじゃ、世界樹まで連れていく! それじゃダメ?私前に一度行ったことがあるから! 案内できると思う!」
「マジかよ……」
「その性格じゃ、世界樹なんて行けないんじゃない? さしずめ行き方もあまり知らないとか?」
「なんだよ、だったら悪いかよ」
少年はどこか照れながら頭を掻く。
「サルベージャーの合言葉その2!“助けられたら助け返せ”だからね。私一応はサルベージャーなんだから」
「……正直助かる。一人は結構心細いし」
「ほら、正直になればいいのにっ」
ミントは握手の手を出した。
「ほら、よろしくお願いってサイン。えーと……」
ミントは少年の名を呼ぼうとしたが、そういえば名前だけはまだ聞いていない。
「名前なんだっけ?」
「リュウギだ。ってかそっちの名前ははっきりはまだ聞いてない」
「私はミント。見ての通りサルベージャーだからね!」
「ああ、よろしくなミント」
「よろしく、リュウギ!」
二人の後ろには、淡く光る世界樹が立っている。しかしそれはどこよりも遠い目標であった。
だが彼らの後ろにあったのは世界樹だけではなかった。武装した兵士が二人の下へと向かっていた。