モンハン世界で産業革命だなんてバカげているにも程がある 作:H.K.416
全てはロマンのために。
設定ガバいところは許してちょ。
更新は超絶不定期ナリ。
「──あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛~~~~~ッッッ!!!産業革命してぇ~~~~~ッッッ!!!」
「まーた発作起こしてるニャご主人」
やぁ皆(一般通過日本兵並挨拶)、一般通過準中堅ハンター(雄20)のハッランド君だよ。ちなみに名前は欧駆だけど好きなのは日駆だよ。んで転生者(FROM JAPAN)だよ。
ほんでこっちはオトモのアキヅキ。雷駆をシバけるよ!やったねたえちゃん(違う)!ちなみに女の子。kawaii。
なお準中堅と言っても私はまだまだ駆け出しに毛が生えた程度で、受注できる依頼も駆け出し向けのヤツの割合が高い。今もこうして採取クエストついでに食用アプトノスを捜索しているが、捜索範囲は拠点としている自分の出身村からはそう遠くはない。
「大体今の生活で十分ニャ。これ以上を求めるのは罰当たり、烏滸がましいにも程があるのニャ」
「しかし欲しいものは欲しいのだ!仕方ないだろう!?それに達成すれば、この世界は格段に便利かつ安全に──」
「そもそも!ハンターの領分は生態系の把握と各生物の個体数の維持管理、そしてそれを以て自然と文明の調和を図ることニャ。何度も言ってるけど、モンスターの乱獲も勿論だけど自然を破壊するようなことは絶対やってはいけないニャ。逆に何をどうしたらそんな森を切り開くような生活をしたいと思えるニャ、全く・・・」
「ぐぬぬぬぬ・・・」
私がここまで産業革命を望んでいるのには深い訳がある・・・訳ではない。言うなればただのロマンである。
具体的に言うなれば、私は前世にて幾度となく『古代樹の森上空を飛行するオスプレイ』やら『近SAMやVADSを撃ち込まれるレウスのアニキ』やら『バルファルクと二機編隊を組むF-35B』などを妄想していた。もうちょっとファンタジー寄りなヤツだと『古代樹の森に眠るB-29』とか『両肩にレールガンを装備したジンオウガ』とか。ほんでまぁ、せっかくこうしてモンハン世界に生まれ落ちたからには是非ともそれを実現したい訳で・・・
「せめてまずはハーバー・ボッシュ法やオストワルト法だけでも」
「水と空気から肥料や火薬の原料を作るのは普通にチートニャ!大体石鹸ですらバランスブレイカーになりうるというのに・・・」
「でも使ってみて、すごく便利だったろう?」
「・・・それは否定できニャいけど」
実際、私が発明した、というか前世から持ち込んだ『風呂』と『石鹸』はこのモンハン世界でも大いにウケた。風呂はさすがにユクモ村のような温泉には敵わないけど、石鹸についてはやはり偉大だったと言えよう。
製造法*1を村人に伝授してしまえばその便利さは瞬く間に村中に広まり、今ではうちの村は「石鹸発祥の地」「石鹸の特産地」として周辺の村や一部の街で有名になっている。
とはいえ石鹸が完全な外来物だったかというとそいうわけではなく、後程噂で聞いた限りでは王都やらギルド本部が置かれている街やらでは富裕層を中心にそこそこ出回ってはいるらしいが。
「とにかく!今はクエストと食肉集めに専念するのニャ」
「それもそーだな、っと。お、手頃なの居ったで、あそこに」
そうして私が指し示した先には、小川で水を飲んでる三匹のアプトノスがいた。
「アンブッシュに丁度いい岩場もあるし、ここで狩るとするか」
「わかったニャ。どこで待機すればいいニャ?」
「んー・・・左手前方のあそこ辺りかな。私はその隣の岩陰にいるよ。・・・いつも通り、合図でフラッシュバンね」
「了解ニャ」
気付かれないように、草地で姿勢を低くして前進し、岩陰に張り付く。途中何度か振り向かれたが、立ち止まって息を潜めていたら気のせいにしてくれた。
「残弾数よし、チャンバーにも弾が入っている、セーフティは掛かってない。・・・アキヅキ」
「・・・」コクリ
「・・・フラッシュ!」
「ニャ!」
一つ言い忘れてたが、私はライトボウガン、もとい銃をメインに使っている。前世ではそこそこのミリオタだったのでね。フラッシュバン(=閃光玉兼音爆弾)を使うこの奇襲戦法もただの私のロマンである。これがこの世界でもある程度通用すると分かったときはなんというか、良い意味で心に来るものがあったよ。
さて、フラッシュバンで相手の視覚聴覚を一時的に奪ったところでその隙に榴弾を正確に頭部に撃ち込む。ほんで大ダメージ喰らわせて怯ませたところにトドメをゼロ距離で叩き込んで息の根を止める。これが我々の常套手段だ。
アプトノスにヘッドショットする意味ェ・・・て思ってる輩もいると思うけど、一応アプトノスにだって小脳や脳幹は存在するし、そいつらはちゃんと頭蓋に収まってるんだからな!
「射撃武器はダメージが出にくいとはよく言われるけど、こういう装甲の柔い弱小モンスターにゃ効果
「それを可能にしてるのがそのヘンテコリンな形のライトボウガン、ニャ。ことあるごとに言ってるからセリフ大体覚えちゃったニャ」
「そんなに我言ってたか・・・?」
「言ってたニャ!これができる前はやれ肩付け頬付けができないだのやれ照星照門が無いだの、弾速がどうたら弾道特性がこうたら。いろいろ不満があったのは分かったけど、逆にそれ以外は全然わからなかったのニャ!今は悔しいことに大体分かるようになっちゃったけど、ご主人のオトモになりたての頃は毎日宇宙猫だったニャ」
「ん゛ッ・・・それはホントすまんかった・・・!」
「そしたらさっさと剥ぎ取りを済ませるニャ」
確かに、この銃ができるまでは私は既存のボウガンに対してかなりの不満をもっていた。唯一「使えるな」と思えたのは村の鍛冶屋のおっちゃんが所有していた鬼ヶ島シリーズくらいだろうか。
そもそもの話、弾薬どころか設計思想の段階からして前世の銃火器とモンハンのボウガンは全くの別物だった。前世の銃火器は規格の統一された金属薬莢に火薬と弾を込め、火薬の燃焼ガスで弾を押し出すとともにそのガスの一部なり反動なりを利用して機関部を動かして次弾を装填していたが*2、ボウガンの方は・・・なんかよく分からん。弓とその弦の部分はコイルスプリングの代わりかと思いきやそいつも発射に寄与しているというし、火薬というよりは爆薬だし。唯一の救いは『速射/超速射』やら『圧縮リロード』『弾薬節約術』といった所謂『アタリハンテイ力学』に基づいた機能が軒並みオミットされていることだろうか。
というか先輩ハンター達ってどうやってボウガンのエイミングしてるの?ヘビィボウガンとかどうしたら腰だめ撃ちでそんな精度出るの?普通腰だめ撃ちって機関銃とかで着弾位置を見てから徐々に偏差を合わせていく撃ち方だと思うんだけど。
っと、話を戻してこいつの紹介に移ろうか。
こいつの名は『試製ハ式特大型半自動対物小銃一型』。そのまんまなネーミングだけど、ホントにそのまんまなんだから仕方ない。
全体的なシルエットはHKG3とかFN FALのようなバトルライフルを全体的に太く・ゴツく・分厚くした感じで、作動機構としてはせめてショートリコイルにはしたかったけど工作精度や強度の観点から断念してシンプルブローバックにしている。ほんでコイルスプリングの代わりにボウガン用の弓を使っている。
弾薬は村の鍛冶屋のおっちゃんに協力してもらって開発したオリジナルの20×75㎜弾を使い*3、装弾数は10+1だ。勿論マカライト弾殻に鉄薬莢、火薬も従来の火薬草:ニトロダケ=1:1のほぼ爆薬なヤツじゃなくて火薬草とニトロダケと木炭の粉を丁度いい割合で混ぜた特製の黒色火薬を使用、雷管には発火性の高いニトロダケの粉と燃石炭の粉を混合して起爆薬としたものを粘土に練り込んだペレットを使っている。金属部分の製造法は鋳造で大まかな形を作ってから旋盤で整形していく感じ。いずれは加圧絞り加工で大量生産したいところ。ちなみにこれまた工作難度の観点から薬莢にはボトルネックを設けていない。
弾頭のバリエーションも豊富で、前述の榴弾の他に通常弾(フルメタルジャケット)、徹甲弾(APFSDS式)、散弾、ホローポイント弾など様々な弾頭を開発している。将来的には機関砲用にそれらの曳光弾タイプも開発したいところ。
加えて弾切れ対策として、現地で調合した弾薬も使えるようにアンダーバレルに脱着式の40㎜グレラン風バレルを設けている。てかライトボウガンの通常弾で40㎜って冷静に考えてどうなのよ。ヘビィボウガンに至ってはデフォルトで5インチ=127㎜はあるし。
「まぁいいや。とりあえず剥ぎ取りはこんなもんかな」
「何か考え事してたニャ?」
「うむ。この世界における銃火器の理不尽について脳内で愚痴ってた」
「し っ て た」
「そんじゃさっさとクエストターゲット見つけて帰還しましょーぜ~」
「了解ニャ。・・・ちょっと待つニャ、この気配」
「ん?なんか居るん?」
そう言ってアキヅキが空を睨むので私もその方を見ていると・・・
「ってあぁ、アイツか。お~い!」
「──がるるお~~~っ!!!」
空の彼方より、赤い影がやって来た。緑の影も連れて。