楽しい楽しい料理人修行生活 作:食戟のソーマはいいぞぉ
「……んぁ」
目が覚めて欠伸をする。
たしか俺は鍵もらって部屋に来て……そうだ、疲れからかベッドにヘッドスライディングかましてそのまま寝てたんだっけ?
もう窓の外も暗い、けどまだ眠いしな。
そうして俺はそのまま二度寝へと洒落こもうと━━
「やぁ」
「っ!」
ベッドの中に裸エプロンの顔のいい男が居た。
俺の絶叫が寮中に響いた。
「はー…、はー…!」
「いやーごめんごめん。ちょっとしたイタズラ心だったんだよ」
心臓がまだバクバクいってる。
なるほど、これが恋か…。なわけあるかバカヤロウ。
女の子にモテなさすぎてついに男に走ってしまったかと一瞬思ったじゃねーか。
爽やかなイケメンだろうが男は嫌だ。
「やっていいイタズラとそうじゃないイタズラを区別してくださいな……で、なんか用で?」
「ああ、そうそう。君たち編入生の歓迎会を今からやるからおいでよ」
君"たち"?俺以外に編入生……、
「そーまくんもこの寮に?」
「そうだよ。2人の編入生、その両方がこの極星寮へ……僕は感激だよ…!」
感情豊かですね。
「……まあ、分かったけど…とりあえず風呂入りたいんで入ってからでいいですかね?」
「ん?ああ、分かったよ。それじゃあ205号室に集まるから準備できたら来てね」
「はーい」
そう言うと裸エプロン先輩……通称ホモ先輩は天井のタイルをあけそのまま天井裏へと入っていった。
……ゴキブリ?ゴキブリホモ先輩?属性値たけーなオイ。
……とりあえず風呂入ってこよ。
女子の寮生と鉢合わせるラッキースケベは起きなかったです。
……ホッとしたのか残念なのかよく分からない感情。
◆
さっぱりした体で廊下を急ぎ足で歩いていた。
風呂場で寝てしまってだいぶ時間が経ってしまったからちょっと急ごう。
「205……205……」
確か205号室でやってたはず、俺の部屋は204号室なのでいわば隣だ。
そんなことを思いつつついには部屋の前まで来た。が、中からは特に何も聞こえない。
もしかしてここじゃない?いやでも205って書いてるし…。もしかしてもうお開きに?……ありえない?いやアリエールでしょ。
頭に疑問符を浮かべつつ恐る恐る扉を開く。
「お邪魔しまーす」
小声で、でもしっかり聞こえるような声で中を覗いた。
すると、
「あ、ようやく来たね」
「お、よお」
そーまくんと、ホモ先輩が座っているのが見えた。
それを確認できた俺はほっと胸をなでおろしつつ中へ。
「うえ?」
なんかみんな横たわってる。
なんだ?リアル大乱闘でもやってたか?
「ああ、みんな騒ぎ疲れちゃってね……」
「あぁ……」
テンション上げ上げだったわけだ。なるほどね。
「さて、奏くんも来たことで食べるものが何も無いというのは寂しいからね。確か……鰆の切り身があったはずだ。僕が何か作ってこよう」
「ああ、どうも…」
「……その格好で料理するんすね」
そう言ってホモ先輩は裸エプロンで台所へ向かった。
……引き締まったケツが目に入ってしまった。やめて頂きたい。
「さ、2人とも出来たよ」
両手に皿を持ち登場したホモ先輩。
……にこやかスマイルを見る度に嫌にケツが引き締まるようになってしまった。助けてくれ。
「さ、どうぞ召し上がれ」
渡される皿。それを手に取りよく見てみる。
鰆の山椒焼き、横にはキャベツのピューレ。……なるほど、これは美味いな。授業で見ていた生徒たちと比べて段違いの出来。
何度が首を縦に振り、箸を伸ばす。
身がホロホロで柔らかい。崩れた身をまとめて掴み取り、そのまま口の中へ。
「……うん」
「っ!」
横で驚きの表情を浮かべるそーまくん。
「美味いね、先輩」
「あはは、ありがとね奏くん。……ところで創真くんさぁ、始業式で面白いこと言ったらしいじゃないか。遠月の頂点を目指すっていうことは君が思ってるほど簡単なことじゃないかもしれないよ━━」
遠月十傑第七席
「……」
頭に巻いた手拭いをとり、堂々と名乗ったホモ先輩。
十傑……親から聞いていた、教師たち以上の権限を持った遠月で料理のうまい10人。その1人ということなわけだ。
さらに七席。単純に遠月で七番目に料理が上手い人ってことだろう。
「あんたが……十傑…!」
「さあ、お次は創真君の料理を食べてみたいな。君はいったいどんな皿を出してくれるんだろうか…」
ホモ先輩の言葉に冷や汗を垂らしながら笑うそーまくん。
……燃えてるねぇ。
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