雲一つない晴天、風がないため夏のじめじめとした暑さに耐えながら
「暑い…」
この季節はほんとに嫌だ、日差しは眩しいし立ち眩みしそうなほど暑いしそれに車の音がうるさいし……いやこれはいつも通りか。このまま引き返して読みかけのラノベやらゲームやりてぇなぁ。
そんなことを考えながら、車を除いて誰もいない横断歩道を渡っていたら信号無視をしながら避けようのないほどの速度で迫ってきたトラックが俺に衝突してきた。
最後に見たのは……。
そこで俺の意識は暗転した。
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「はろはろおっはよ~~いい夢見れたかな~~」
意識が暗転した後、次に感じたのは背中に感じる冷たくてかたい地面と、お気楽な声が聞こえた。
おぼろげな意識のまま、周りを確かめようとゆっくり目を開けるとそこには
「あ、おはよ~~」
二度も同じことを言う俺の顔を覗き込む美少女の顔があった。
「っうお!」
驚きのあまり離れてしまった。
「お、女の子?」
「どうしたの~~そんなに離れちゃって~~。しかも、第一声がそれ~~?」
「あ、あぁ。」
いまだ混乱の渦に飲まれている中で何とかそう返せたがどういうことだ、というかここはどこだ?
まずは状況の確認だ。そう、状況確認。周りを見渡してみると、ここは真っ白な空間で、どうにか陰でここが部屋であること、目の前にはピンクの髪を腰まで伸ばした薄ら笑いをした高校生ぐらいの少女がたっていることが分かった。
少女は何も言わずそこに突っ立っている。それ以外に、何もない。
「な、なぁここはどこなんだ?」
「お、やっと会話できるようになった~~?じゃあ、話をはじめるね~~」
こいつ、人の話に答えず話進めやがった。
「ここは死後の世界、あなたは不幸にも神の手違いによって死んでしまったのです。」
「死後の世界?……冗談だろ、俺は死んだっていうのか?」
「えぇ、あなたはトラックに轢かれて肉塊になったのです。」
こう、バラバラーっと。手でそのことを表現しようとしている少女は、先ほどまでの間延びのせりふを吐いていなかったので、本当のことなのかと信じてしまいそうになる。
もしそうなら…………最悪だ、別に死にたいだなんて常日頃から考えていたわけじゃないから、余計に
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俯き気味だった俺は、少女が指を鳴らしてでた音を聞いて、顔を上げた。
少女はは右手を顔まで挙げて人差し指を天井に向けて指していた。
「そこで、死なせてしまったお詫びとして、第二の人生をプレゼントしたいと思いまーす。」
「……はぁ?何言ってんだよ。」
これからどうなるか不安になっているとき、そんなことを少女は言ったので、怯えを隠すように、少女の桃色の瞳を見ながら、食い気味に反応してしまった。
「あなたは特典を与えられて、元いた世界とは別の世界へ転生することができま~~す。
もう一度言いますが~~、これは神が誤ってあなたを殺してしまったお詫びで~~す。」
「……俗にいう異世界転生というやつか?」
「いえーす、理解が早くていいですねぇ~~。」
笑みを深くしながら少女は答える。……確かにトラックで引かれてそのまま終わりは納得しない。だったら二度目の人生を経験するのは悪くない、いや良い。
「わかった、このままじゃあ死にきれないからな。」
「では早そk「そのまえに」ん?」
「あんたの名前は?」
「あぁ、忘れていました~~、私、ネーモロイ担当の女神、ランプスと申しまーす。あ、ネーモロイはあなたが第二の人生を歩むことになる世界の名前です。」
女神ランプスの見た目を憶えようと今一度よく見てみると、古代ローマを描いた石造によく着せられているものを羽織っており、右手手首に精緻な意匠が施されたブレスレットをつけていた。
「では続けまーす、あなたはこれから転生するにあたって~~特典を引いていただきまーす。」
後ろをご覧くださーい。ランプスが俺の後ろを指さしながら言ったため後ろを向くと、そこには周りを確認するときにはなかったてっぺんが見えないほどの大きなガシャポンが置かれていた。
「今から~~あなたにはそれを回してもらって~~,特典、スキルを獲得していただきまーす。」
あまりの大きさに驚いていると俺の正面まで歩いてきたランプスが説明を続けた。
「特典はランダムなのか?」
「えぇ、ランダム、あなたの運が試されます。私としては~~あなたの望むように特典を与えたいのですが~~、それだとネーモロイのバランスが崩れかねないので~~」
「……特典には当たりはずれはあるのか?」
「それはあなたの考えしだいですねぇ~~。特典一つ一つが強力なのは認めますが使い方次第でごみにも有能にもなりますし~~。」
「(使い方次第……)例えば。」
「例えば?うーん、巨木を片手で持ち上げるほどの筋力をいつでも持つことができる『剛勇』というスキルが~~その中に入っているのですけど~~、それでは裁縫の役に立たないでしょう?そういう感じです。」
なぜそのようなことを?というような表情をしながら俺のことをランプスが見つめてくる。
「よくよく考えたら俺はお前が担当している世界のことを知らないからな。」
「あぁ、説明を忘れていましたねー。ネーモロイは~~あなたの世界でいうところの~~中世ヨーロッパの世界が広がっていまーす。
様々な種族が存在していて~~、エルフやドワーフがいますね~~。あと、魔法が使えま~~す。」
「まるで、ラノベのような世界だな。」
「えぇ~~、ですからあなたも~~第二の人生を~~楽しんでいただけると思いま~~す。
作品の中でしかなかった世界を~~過ごすのですから~~。」
もう疑問はないですか~~?俺はうなずく。
「では~~引いてもらいま~~す。よいスキルを手に入れられるといいですねぇ~~。」
ランプスが避けて出来た道を歩いてガシャポンのもとへ行く。
どのようなスキルが手に入るかワクワクしてしまう。
ガシャン!
レバーを回すと前の世界で聞いた音とともにカプセルが出てくる。
「それをあけてくださ~~い。それがあなたのスキルでーす。」
言われたとおりに開けると中にあるのは黄色い光を放つナニカだった。
「うおっ!」
光に目を取られていると、光がひとりでに浮き、俺の胸の中に入り込んでしまった。
「それで~~あなたのスキルは手に入りました~~。確認したいときは~~『ステータス』と心の中で呟いてくださ~~い。」
『ステータス』。そうつぶやくと頭の中に見慣れた文字が浮かび上がってくるのを感じた。
『不屈の光』
これが俺のスキルか、なんともくすぐられるスキルだ。
これを使いこなせれば、次の人生は楽しく過ごせるだろう。
「これで転生の手続きは完了しました~~。今から転生をおこないま~~す。」
「あぁ、ありがとう。楽しんでくるよ。」
「えぇ~~、楽しんできてくださ~~い。」
どんな世界なのか、楽しみだ。
女神ランプスが右腕を頭より上に挙げ、指を鳴らした。
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そこで俺の意識は暗転した。
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ー-----------------パチン
藤宮昌平が転生した後、白い部屋に残されたのは右腕を挙げたままの女神ランプスと彼女の後ろにある大きなガシャポン。
ランプスが腕を下した後、溜息を吐いた。
「あー疲れた。やっぱ人と話すのだるいわー」
顔に少しの疲労感を出しながら伸びをしたランプス
「さて、彼はどれぐらい楽しむのかなぁ。できれば天使に対抗できるぐらいまでつよくなってほしぃなぁ。」
いつのまにあったのか、ランプスは大きなクッションにもたれかかりながらつぶやく。
「主神へのストライキ、いつにしよう。」
彼女の名前はランプス、怠け者女神のランプス
ネーモロイを使って転生者を育て、主神へのストライキをしようとする、怠惰な女神である。
その白い部屋には、クッションにうずくまりながら世界を見る怠けた女神と大きなガシャポンがある。
「あっスキルの説明薄すぎたかも。まぁなんとかなるだろ。」
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再魔期975年
複数ある国のうちの一つ、エピルム王国にある名前もないような小さな村に一人の赤子が生まれた。
ガベルと名付けられた男の子の前世の名前は藤宮昌平。花が咲き乱れる季節のことであった。
いかがでしたか?初めて小説を書くので情景描写がスカスカ、変な文章、口調になっているとおもいますが。温かい目で見てくれると嬉しいです。今後も試行錯誤しながら、不定期で投稿すると思います。よろしくお願いします。