「ティムじい!ベルは無事なの!」
「無事だ。それより、次男坊の方が危険だろう。」
ガベルが気を失った後、ゼラーニはティムのところへ双子と一緒に駆け寄り、ガベルの状態を聞いた。
ガベルは、木の棒で抵抗していたので、大きな傷は見当たらない。
一方で、バレリナのけがはひどく、噛まれた右腕は痛々しく、深い傷で、白いものが少し見えてしまっている。
血はダラダラと垂れ流され、ゼラーニの服を赤く染めていた。
「急いで帰るぞ。」
「はい!ほら、バラ、ペト、行くよ。」
「「う、うん」」
ティムは一度ガベルを降ろした後、腰に付けた麻袋から清潔な麻布を取り出すと、バレリナの腕を止血してから、担ぎなおしながら指示を出す。
「そいつらも儂が担いでいく。遅れんなよゼラーニ。」
「はい!」
二人は、ベルたちが悪戦苦闘して通った道のりを軽々と走る。
空はいつの間にか赤く染まっており、地面に近づいている太陽がまぶしい。
「おじさん、リナにいはたすかるの…?」
「わからん、ティアナのやつが無理だと言ったら助からん。」
「そんな!おじさん、リナにいはバラたちを守って。」
「そこらは帰ってから話せ。今言ったってどうにもならん。ほら、もうすぐ着くぞ。」
目の前には小さく見える自分たちの村がだんだん大きく見えてくるのがわかる。
「ゼラーニはすぐに村長の家に行ってティアナを探せ、その様子を見ればすぐわかってくれるだろう。」
「はい!」
「儂はガーべの家に行ってあいつらを連れてくる。」
村につくと、ゼラーニは言われた通り、ティムと別れて村長の家に行った。
途中、悲鳴や呼び止める声が聞こえたが、無視した。
村長の家は、木でつくられたほかの家と違い、分かりやすいよう石で作られているため、場所は覚えやすい。
「ばあちゃん!ティアナばあちゃん!」
「どうしたんだい!大声出さなくても聞こえているよ!!」
「リナが、けがを負ったんだ!血が止まらない!」
「なんだって!」
ドアを蹴破る勢いそのまま、ゼラーニは、大声でティアナを呼ぶと、姿は見えないが、奥の方から反応があった。
そのままドタドタ近づき、血だらけのゼラーニとバレリナをみた。
「ついておいで!奥で見る。あんた!ガーべとベラ以外、誰もこの家に入れないで!」
「ああ、なんか知らんが、分かったー。」
ゼラーニは、ティアナが足はやに戻っていった後ろをついていく。
ティアナが入った部屋に続いてはいると、多くの雑貨の真ん中に、ベットが置いてあった。
おそらくここで夜を過ごしているのだろう。
「リナをそこに。今夜は、誰も寝かしてくれないよ。」
普段は聞かないようなティアナの怖い声に、ゼラーニは力強く頷いた。
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目をあけると、見慣れた天井が目に映った。”見慣れない天井だ。”行ってみたかったのに。
どうやら俺は、自分のベットに寝かされたらしい。まだ少し眠い。
誰も来ていないようだし、もう少し眠っているか。
寝返りを打ちながらそんなことを考えて、目を閉じた。
『ぎゃああああっ』
「ッ!」
目を閉じた瞬間、あの光景が見えた気がして、跳ね起きた。
オオカミがリナにいをその大きな体で覆いかぶさり、右腕に噛みついていた光景。
あの時俺は、助けなきゃと……リナにいを助けなきゃと考えていたはずだ。
「どこだ…リナにいはどこ行った?」
俺と同じようにベットで寝かされているんじゃないか。
そう思って、ベットから降りた俺は、少し覚束ない足で、部屋から出た。
「起きてんじゃねぇか、お前の末っ子。何がまだ寝たっきりだ、ボケ。」
「おぉ!ベル、起きたのか!心配したんだぞー!」
「起きたのね、ベル!体は大丈夫?どこかおかしなところはない?」
「うん、心配かけてごめん。それより、兄ちゃんたちは?」
リビングには、ゼラ兄がティムじいと言っていた老人、心配そうに、嬉しそうにしている父と母の姿があった。
だが、俺が探しているリナ兄とゼラ兄はいない。まさかと、嫌な考えがよぎる。
「ゼラはリナがここに来るのを手伝っているわ。」
「あの次男坊、結構深い傷で、歩くのも痛くてしんどいらしい。
だからゼラーニはがついているのさ。」
「そうだったんだ、よかったぁ。」
「ゼラが見に行ってしばらく経つから、そろそろ来るだろう。
ベルが元気なところを見せてやれ。」
ここにいなかったのは、そういうことだったのか。
リナ兄は怪我がひどいようだけど、生きていて本当に良かった。
そう思っていると、リナ兄が使っている部屋から、床板がきしむ音が聞こえた。
ちょうど、来たみたいだ。
「……駄目だよ、まだ遊んじゃ。ちゃんと家でおとなしくしてないと。」
「けどよぉ。ずっとじっとしていて暇で暇でしょうがないぜ。
ちょっとでいいから出してくれよ。」
「駄目よ、そんなこと。ケガがもっとひどくなったらどうするの。
それより、二人とも、ベルが起きたわ。」
リナ兄は体を動かせなくてだいぶ不満のようだ。
二人とも驚いた顔でこちらを見ている。
リナ兄の見た目は、右腕が添え木と包帯で腕が太くなっており、左手には松葉杖を持って、右足だけで立っている体を支えている。
「おはよう。リナ兄、かっこよくなったじゃん。」
「おはよう。体の方は大丈夫かい?」
「おはよ。ダサくなったの間違いじゃないのかい?
言葉が正しくないよベルクン。」
「さぁさぁ、お前たち早く席につけ。朝飯は出来ているぞ。
ティムじいも家で食べて行ってくれ。助けてくれたお礼だ。」
「では、お言葉に甘えるとしよう。」
俺の中の心配事がなくなったので、安心して食べれる。ティムさんもここで食べるみたいだし。
……終わったらあのことを頼んでみよう。
朝食を食べ終わった後、俺はティムさんにあるお願いをした。
「ティムさん、あの……」
「さんなんてつけんくてよい。気軽にティムじいでいい。」
「じゃあ、ティムじい、俺に剣を教えてくれませんか。お願いします。」
そう言ってティムじいに向かって俺は頭を下げる。顔は確認できないが、みんな一言も話さず、外から鳥のさえずりが聞こえてくる。
「……どうして儂にそんなことを頼む。」
「誰かを助けられるようになりたいからです。
リナ兄が襲われてるのを見て、俺は助けなきゃと思いました。
けど、俺も襲われて、押し倒されて、食われそうになりました。
何とか押し返して喉をつくことができたんですが、最悪、俺もみんなも殺されていたと思います。
必死に逃がそうとしてくれていたリナ兄の気持ちを、無駄にしていたかもしれません。
だから次は、そうならないためにも、俺は強くなりたいんです。
だから、どうか、お願いします。」
途中から何をしゃべっているのかわからなくなりかけても、俺は話を茶化さずに伝えた。
本当のところは、楽しくないから。
食われそうになった時、思ったことはリナ兄のことではなく、こんなところで終わってたまるか!というもの。
強くなりたいのは本当。
怖くなって逃げた弱い俺自身も、リナ兄のことをダシにしてこの話をしている卑怯な俺自身が嫌で嫌で、そんな俺を見たくも見られたくもない。
ティムじいは、そんな俺を叩き直してくれる。そう思って教えを乞いている。
この世界を楽しむために。生きるために。
少なくとも俺にとっては長い沈黙が続き、ようやっとティムじいの重い口が開いた。
「……お前がただ剣を教わりたいだけだったら、儂は今すぐここから出ていた。」
「っ……そ、それじゃあ!」
「いいだろう、儂がお前を強くしてやる。」
顔を上げるとティムじいは、鋭い目でこちらを見ながら、歯を見せるように笑っていた。
「本気かよ!ティムじい!こいつはまだ5歳だぞ!」
「それがどうした?どうせこの村の男はみんな剣を握るんだ。
少し早いだけだろう。」
「少し早すぎる気がするけど……。」
「お前ら心配しすぎだぞ。それに、さっきのこいつの話をきいてなかったのか?
逆に、こいつだけで強くなろうとしたら、何するかわからねぇだろ。」
「ベル、あれはもともと俺がバカなことをしてそうなったんだ。
別にお前がそこまで気負わなくてもいいじゃねぇか。」
「でも俺は、強くなりたい。」
「はぁ、兄貴もなんかベルにいってやれよ。」
「僕は最後の方しか見てなかったからなんとも言えないけど、別にベルが何とかしようっておもわなくてもいいんじゃないかい?
これじゃあお兄ちゃんたちの立場がないじゃないか。」
「前のことが次来るかもしれないじゃん。
それに、そう思うなら一緒にティムじいに強くさせてもらえばいいし。」
家族のみんなは、この話をあまり快くおもっていないようだ。
父さんが言ったように俺がまだ5歳なのも関係があるだろう。
「……それもそうか。ティムじい、俺からもよろしく頼む。」
「あなた!?納得するのが早すぎるわ!」
「ティムじいが言った通りだよ。
父親として情けないが、ベルを抑えることができそうにもない。」
「それでも!……もう!男っていつもこうなんだから……。」
「終わったか?それじゃあ、俺はこいつをかりてくぞ。」
「わっ」
そう言ってティムじいは俺の服の襟を引っ張り上げ、家から出て行った。
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ティムじいの後ろをついていくと、村の北にある森を少し入ったところに、小さな小屋があった。
ここで暮らしているのだろうか。
ここでまて、とティムじいが言った後、小屋に入り、あの時背中にさげていた剣を持ってきた。
鞘に入ったその剣を俺に向けてティムじいはいった。
「今からお前は毎日、昼頃にはここにこい、そしてお前はここから一年、儂を一度でも捕まえてみろ。」
「一年も!?剣は!?」
「お前がこの剣を持っても、重すぎて持ち上がらないし、けがをするだけになる。
お前にあった剣をあげようにも、急に決まったことだ、そんなものはない。
一から作り上げなければならん。
剣といっても、木でできた剣だがな。」
「木の剣なら作るのに一年もかからないだろ。どうしてそんなに長いんだ。」
「やかましい、グチグチ言わず黙って従え。」
そう言った後、ティムじいは俺を見下ろすして笑った。
「それにこれにも意味はしっかりある。
その意味をお前が理解できるわけないがな。」
「ッ上等だ、やってやんよ。クソジジイ。」
「やってみろ、クソガキ。時間はたっぷりとある。
せいぜい、儂を見失わないことだ。」
お互い睨みつけながら、最初の修行が始まった。
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ベルがティムじいに連れられた後、一人抜けてしまっても変わらず、ゼラーニは、畑仕事の手伝いをしていた。
草むしりをしている隣で、松葉杖をついて様子を見ていたバレリナはゼラーニに尋ねた。
「なあ兄貴、俺たちもティムじいにおそわるか?」
「どうしたんだい?いきなりそんなことを言い出して」
突然の質問と不思議な内容に、ゼラーニは驚いた。
「ベルが言ったように、守る力が欲しいから、かな。」
「無理だよ僕には。
僕にはベルやリナみたいな思いはないし、争いごとは不慣れだ。
こんな僕じゃ、ティムじいにお願いしても断られるだけだよ。」
「そんなんでいいのかよ、兄貴。」
「いいんだよ僕は。それに、兄弟そろって剣を教わって、手伝いをおろそかにしたら、父さんたちが大変になってしまうよ。」
弟の様子を確認して、ゼラーニは思う。
おそらくリナは、ベルのことを大事にしすぎている。
これは毎日の様子からうかがえた。
リナは、自分のことはおおざっぱになるが、周りへの気配りはしっかりしている。
ベルと外で遊ぶようになってからわかったことではあるが、かけっこやチャンバラなど激しく動くような遊びはだれかが巻き込まれてけがをしないよう離れた場所でやっていた。
誰にも言われていないのに。
特にベルのことに関して言えば、ほかの人より意識している。
この前の探検とやらも、ベルがまたつまらなさそうにしていて、何とかしようとしようとして思いついたものであったらしい。
別にそれ自体が悪いわけじゃないが、先ほどの守る力は、ベルのことだけを指していると感じた。
流石に、執着しすぎだろう。ひとりの為だけに力をつけるのは、限度を知らないこの年でやるのは、早すぎる。
これを機にベルから話したほうがいいだろう。
後で父さんにも話しておこう。
「それよりも、もうすぐきゅうけいだよ。
暑い中突っ立っているのはつらいだろう。
中で休んでればよかったのに。」
「暇なんだからしょうがないだろ。
ほら、手が止まってるぞ、兄貴。
喋ってないで草むしりに精を出したほうがいいんじゃないか?」
「話しかけたのはそっちだろうに。」
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「はぁ……はぁ……。」
「おいクソガキ、最初の威勢はどうした?
立ち止まってないで儂を捕まえてみろよ。」
「はぁ……ぐっ限度があるだろッ。こっちはまだ五歳だぞ!」
「それがどうした?五歳のクソガキでもこのおいぼれジジイを捕まえて見せることは出来るだろう。」
「適当言うな!」
あれからずっと、ティムじいを森の中で追いかけ続けていた。
いつも広場や公園とは違って整備されていない場所でかけっこをしているので、森の中でもいつものように走れると思っていた。
だが、子供たちにある程度慣らされているわけではない、手が付けられていない森は、俺が想像していたよりはるかに走りずらく、足を取られ続け、昼頃には疲労困憊だった。
ティムじいが時々煽り、俺の気を散らしていたのも原因の一つだった。
搦手を使っても、ティムじいは俺から一定の距離を必ず取り続けているので、意味がない。
むしろ、それをしようとすると、追いつくのが大変になるほど離れる。
「これを毎日とかっ、ホントに意味あんのかよっ。」
「やればわかる。お前はなかなかどうして、すじがいいからすぐわかる。
儂の見立てだと9……いや半年でわかるだろう。」
「何がだよ。」
「これを続ける意味に決まっている。
何度もいわせるな。
……少し休憩だ。終わったら、すぐ始めるぞ。」
そう言ってティムじいは近くにある木の根に腰を下ろした。
俺は、激しいほどなる心臓が、だいぶ落ち着いてきたところで、足元に座り込んだ。
ティムじいが言う意味というのが本当にわからない。
なので、どうやって近づくかを酸素の足りない頭で精一杯考える。
ー-----------------
このようなことを、半年続けていると、それは起こった。
始めた当初は緑が一面に広がっていた追いかけっこの舞台は、茶色や黄色に彩られて、落ち葉で滑りやすくなって別のやりづらさがある。
体が成長し、緩急が激しいこの場所に慣れても、あの時と変わらない姿のティムじい
追いつける気がしない今日も、愚直に追いかけていると、頭の中から聞き覚えのある声が響いた。
《『足軽』を獲得しました。》
「ッ!?なんだ!声が!」
「……やっとこさ手に入れたか。」
「手に入れた?これを?」
「そうだ、今までの追いかけっこは、それを手に入れるためにやっていた。」
こちらに近づきながらティムじいはそう言った。
「ティムじい、これはなんだ?」
「それは『スキル』と呼ばれるものだ?」
「スキル?」
「スキルは獲得すると、自身の能力を上昇させることのできる、祝福だ。」
ティムじいか言うには、この世界には神が与えてくださった祝福が存在するらしい。
その祝福の中で、俺たちの最も身近に存在するのがスキルだそうだ。
「スキルには先天性のものと、後天性のものの2種類存在している。」
「先天性のスキルを持つ人は稀だ。
そしてそのスキルは極めて強力なものが多い。」
「逆に後天性のスキルは努力すれば誰でも手に入れられる。
手に1れるのに早い遅いがあるし、人によってはだいぶ格差ができるがな。」
「心の中で『ステータス』とつぶやいてみろ。
お前の持っているスキルが見えるはずだ。」
ティムじいのステータスの説明に、引っ掛かりを覚えた。
どこかで聞いたことのある説明だ。
……あぁ。思い出した、あの部屋だ、前世で死んで、女神とあった場所。
あの無機質な声は女神の声だったのか、道理で聞き覚えがあるわけだ。
それで、何だったか……。そうだった、ステータスを開かないといけなかったな。
ステータスとつぶやくと、自分の名前と、二つのスキルがあった。
ガベル
『不屈の光 lv2』
『足軽 lv1』
「『足軽』って新しく出てる。」
「そのスキルに今度は集中してみろ。詳しい説明が出るはずだ。」
『足軽 lv1』
1.走行速度+10%
2.移動が困難な場所での移動速度+5%
熟練度 100/250
条件:移動が困難な場所での走行距離が45,000㎞を超える。 15,000/45,000
速度を維持した状態で、移動が困難な場所を500m以上走る
言われたとおりにすると、『足軽』のスキルの内容と、熟練度、条件があった。
「三つぐらい増えたんだけど。」
「出てきたやつを順に教えろ。説明してやる。」
「走行速度とか移動速度。」
「見ての通り、スキルの効果だ。スキルの内容が書いてある。
効果の中には、特定の場所以外に、力を籠める、息を大きく吸い込むなどの特定の行動をすると、発動するものもある。」
「熟練度」
「スキルを使えば使うほど上がるものだ。
ただ、人によって上がり方は違いがある。
熟練度はスキルのレベルを上げるために必要な二つの条件の一つだ。
だが中には、熟練度がないスキルもある。」
「条件」
「スキルのレベルを上げるために必要な二つの条件のうちの二つ目だ。
レベルが上がるたびに条件が難しくなる。
熟練度と違って、レベルを上げるのに絶対に必要なものだ。」
「……さっきから言ってるレベルって?」
「スキルのレベルが上がれば上がるほど、スキルの効果が大きなものになったり、数が増えたりする。」
これで最後か?
ティムじいの言葉にうなずく。
本当にこの世界は創作物のようだな。
スキルなんて、ゲームそのものではないか。
だが、自分が強くなっているのを実感できるのは良いと感じた。
「つまりは、俺が強くなるにはスキルを育てて、数を増やせればいいんだな。
簡単じゃないか。」
「言葉にするのは簡単だが、道は険しいぞ。
儂の知人の中には、スキルを手に入れるにも、レベルを上げるにも、十年はかかったやつがいるぞ。」
「けど俺は、すじがいいんだろ?
だったら、すぐにできるだろ。」
そういいながら俺は、もう片方の、女神からもらったスキルを詳しくみることにした。
『不屈の光 lv2』
1.自身が生命の危機にさらされているかつ、諦念に至らなかったとき 攻撃力、思考加速、抵抗力、身体能力、防御力+500%
2.光属性魔法 威力、範囲、速度、熟練度+50%
3.スキル熟練度+10%
条件:第一スキルを発動させたうえで、戦いに勝利する。 達成済み
:スキルを3つ獲得する。 1/3
魔法能力を向上させることと、スキルの熟練度が上がりやすくなる効果は、ありがたい能力だと単純に思った。
ただまあ、一つ目のスキルが使いづらい。
強力なのは強力だが、使いどころが少ない。
そう何度も危険にさらされることはないだろう。
『条件』の中にその効果を使う文言があるから、レベルを上げるのにも一苦労しそうだ。
本当に、なんともまあ、使いづらいスキルだ。
「急にしかめ面になったな、何かあったか。」
「いや、別に。それよりも、これが手に入ったなら、剣を教えてくれよ。」
「そうだな、いいだろう。
これをやっていたのはスキルを取らせるためだったから、やる必要はなくなった。」
「剣も今やったみたいに、スキルをとって、育てればいいんだろう?」
それならすぐに済みそうだ。
どれくらいかかるかわからないが、思っていたよりも短い修行になりそうだ。
「そうだな。だが、ただ剣を振るだけでは意味がない。
剣を扱う技術は、スキルは補ってくれない。
つまりは、実力も必要。長い道のりだ、根を上げてくれるなよ。」
「そんな簡単なわけないかあ。」
残念に思いながらも、そりゃそうだと思う。
背を向けて帰り始めたティムじいの後を追いながら、俺は考える。
ならば地道に、実力を上げるか。
一先ずの目標は、ティムじいを倒すことだな。
「さて、お前さんは儂に一発あてることができるか。」
「そういうのはやってから言えよ。」
「ああ、期待しておこう。」
いかがでしたか?前後がつながらなくて読みずらいかもしれませんが、勘弁してください。
スキルは増加量を明確にしてみました。HP,MP,STR等の数値がないにもかかわらずこうしてしまいましたが、大目に見てください。