それぞれの基地の百合物話   作:狼黒

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サディア帝国
リットリオと俺


「仕事が多いぃぃ‥‥‥‥‥‥」

 

そう呟きながらひたすらに書類を捌いていく

大体軍の連中なんなんだよ、俺のところしかKANーSENができないからって嫌がらせみたいに任務だの書類だの文句だの送ってきやがって‥

おまけに会ったら会ったで嫌味しか言わねぇし

おかげ様でもう二週間連続で徹夜だよ馬鹿野郎このやろう

強いて言うなら元老院のお爺ちゃんたちと軍の一部の人たちのおかげで若干減ったけども

 

「今日も徹夜じゃ‥糞がよ‥」

 

そう言いながら最早お供になりつつある栄養ドリンク‥エナドリに手を伸ばす

が、その栄養ドリンクが何者かによって持ち上げられ、伸ばした手は宙を舞った

 

「やぁ指揮官、大変そうだな」

 

何が起きたのかと思ったら、次の瞬間上から声を掛けられる

その方向を見てみれば、私が取ろうとしていたエナドリを片手に笑顔を向けてくるイケメン女性がいた

 

「おうリットリオ‥おかえり」

 

「ただいま、愛しのシニョリーナ」

 

恥ずかしげもなくそういうのはこの基地のKAN-SENであり、サディア帝国総旗艦であるヴィットリオ・ヴェネットの妹でもあるリットリオ

同時に俺と永遠の愛を誓った伴侶でもある

 

「帰ってきたならノックしてくれよ‥」

 

「したさ、けど返事がないから入ってきたんだ」

 

「そうか、そりゃごめん」

 

そう言いながら書類にペンを走らせる

本当はやっと帰ってきたから滅茶苦茶イチャイチャしたいけど仕事が終わってない

 

「で、指揮官、聞きたいことがあるのだが構わないかな?」

 

「どうぞ」

 

「私がいない間ちゃんと寝てたかな?」

 

「‥‥ネテタヨ?」

 

嘘だ、この二週間全然と言っていいほど寝ていない

まぁ何でかって言うとこの二週間の間元老院のお爺ちゃんたちとさっき言った軍の一部の人たちがほかの国のお偉いさんと会談しに行ってて、護衛にリットリオ達を派遣してたから、あの糞ったれどもそれを良いことにこれでもかと仕事を押し付けてきてさ

しかも全部期限付き、しかも短いと来たから寝てる暇もなくて徹夜でやってた

そう言うとリットリオが顔を覗き込んでくる

 

「本当かな?その可愛らしい顔に似合わないものが出来てるけど?」

 

それに、と言って机の上に山積みになっている空き缶の一つを手に取り

 

「私の記憶が間違ってなければこれはエナドリと呼ばれるものじゃないかな?しかもこれだけの量があるということはこれがある分寝てないんじゃないかな?」

 

「‥オッシャルトオリデス」

 

片言でそう返すと、「全く‥」と言いながらリットリオは呆れたように首を左右に振る

 

「で、いったい何日徹夜してたのかな?」

 

「‥二週間」

 

大量の書類を見つめながらそう答えるとため息をつくリットリオ

それを見ながら次の書類を捌こうと手を伸ばすが

 

「‥リットリオ?どうした?」

 

伸ばそうとした手をリットリオに掴まれて困惑してしまう

 

「指揮官、休むんだ」

 

「いやでもこれ期限が明日‥」

 

「休むんだ」

 

「うい‥」

 

普段のリットリオらしくない強い語気に押され、やむを得ずペンを置く

こういう時のリットリオはこちらが折れるまで譲らないからな‥

 

「全く‥仕事熱心なのは良いことだけどたまには休まないと駄目じゃないか、貴女に倒れてほしくないんだ」

 

「すまん‥」

 

そう言うとリットリオに手を引かれるかと思うと、次の瞬間リットリオに抱えられていた

所謂お姫様抱っこって言う奴だ

 

「り、リットリオ?こりゃ一体‥?」

 

「少し揺れるけど我慢してくれよ?」

 

「え、ちょ」

 

何かを言う暇もなくそのままの体勢で俺とリットリオの部屋に運ばれた

結構恥ずかしかったけど、唯一の救いは誰にも遭遇しなかった事だろうな

 

 

「何であんな形で運んだ?」

 

「歩く途中で倒れてしまったら大変だろう?それにそんな状態で歩かせるわけにはいかないよ」

 

部屋についてからリットリオにそう抗議すると、そんな答えが返ってくる

まぁ確かに集中力とかが落ちてるだろうからリットリオの判断も間違ってはいない‥のか?

 

「まぁ良いや‥風呂入ってくる‥」

 

「あぁ、いってくるといい」

 

正直アホみたいに眠いしな‥

二週間徹夜して疲れきった体に、風呂のちょうど良い湯加減が染み渡った

 

 

「あがったぞ~‥‥」

 

シャワーからあがると、いつの間にか私服に着替えていたリットリオがドライヤーを持ってスタンバイしていた

 

「髪を乾かしてあげよう、ほら」

 

「うい‥」

 

そう言いながらリットリオの前まで行って座ると、リットリオがドライヤーのスイッチを押すと、ドライヤーが唸り始め、髪を乾かし始めた

 

 

「あぁ、気持ち良い‥‥」

 

「それは良かった」

 

声も手つきも何処か安心させてくるような感じで気持ちいい

前までは仕事が急がしてくて髪の手入れなんてほったらかしにしてたんだけど、リットリオとケッコンしてからは

 

 

「そんな美しい髪を持ってるのに手入れしないなんて勿体ないよ」

 

って言われて以来、リットリオが手入れしてくれてる

 

「はい、乾かし終わったよ」

 

「うー‥」

 

リットリオにそう言われても立ち上がる気になれず、そのまま後ろにいるリットリオに凭れかかると、リットリオの胸に俺の頭を預けるような形になる

 

「よしよし、頑張ってるね」

 

「うー‥」

 

そう言いながら後ろから抱き締めて、頭を撫でてくるリットリオ

それが気持ち良くて、暫くそうしていたいと思ったが

 

「でも寝なきゃ駄目だ指揮官、甘えるのはベットの上でも出来るだろう?」

 

「うー‥」

 

「全く、しょうがないな」

 

リットリオがそう言うと俺を抱き抱えて、ベットまで運ぶと二人揃って横になる形になる

 

「うー‥リットリオー‥」

 

「よしよし、頑張ってるね」

 

リットリオに抱き着いて、顔を擦り付けてグリグリするとリットリオが優しく撫でながらあやしてくる

暫くそうしていると

 

「指揮官、暫くはゆっくり休むと良い」

 

とリットリオが言ってきた

 

「いや、でもな‥」

 

軍の連中が押し付けてきた仕事が大量、いやもう文字通り山ほどというレベルで積み重なっている

おまけにその殆どが明日の夜には提出しなきゃいけないんだが‥

 

「貴女はもう十分に頑張っている、この私が認めるのだから心配することは何もない、だから自信を持って休むべきだ」

 

「‥じゃあそうしようかな‥」

 

「あぁ、そうするといい」

 

あの仕事を明日までに終わらせなきゃいけないという重りから解放されたせいか、途端に眠たくなってくる

 

「お休み‥リットリオ‥」

 

リットリオにそう告げると、目蓋を閉じる

 

「Buona note、指揮官、Songi d'oro,」

 

リットリオのその言葉と唇に柔らかい感触を感じながら、私は意識を手放した

 

 

なお溜まりに溜まっていた仕事についてだが、何か知らんけど提出期限が滅茶苦茶伸びていた上に、この仕事を押し付けてきた連中が軒並み予備役にされるか、不正やってたとかで軍法会議にかけられてた

何かあったのかと思ったけど

 

「良かったじゃないか、これでのんびりやっても大丈夫だ」

 

というリットリオの言葉に、それもそうかと思ってそれ以上気にしないことにした

正直あのくそったれ共が居なくなって困ることなんて無いしなぁ




因みに建造で最初に出てきたSSRがリットリオでした
後指揮官は俺っ娘です
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