デート・ア・ライブ~破戒~   作:Kyontyu

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投稿が遅れてしまい。申し訳ありません!


第10話

「起、責任」

 

 どれだけの時間、どれだけの方法を試したとしても、失われたものは戻ってこない。出来ることは、ただ、嘆き悲しむだけ。それが、残された者の責任だ。

 それを俺はこの身を以てそれを体感し、二度と自分の一番親しい者にこの悲しみを味わいさせたくないがために、この命を賭している。しかし、それを拒む者も出始めた。それでも、俺は戦い続けなければならない。

 

 それが、残された者の責任だからだ。

 

 

 フラクシナス級二番艦〈ミズガルズ〉後方大型コンテナ中層部、第二格納庫。ここでは先ほど回収した『精霊』の死体を解析していた。

『……解析が完了した』エレミヤが眼を点滅させながら言う。

「結果はどうだ?」

 天話は精霊の死体が浮かぶ防腐液で満たされた大きな水槽の前に立って言った。

『細胞、DNA、全ての結果はOZが出した精霊の特徴と一致する。しかし、死んだあとにも発せられる霊波――死後霊波が強い。まるで何かに伝えようとしているみたいに』

 イザヤが続ける。

『左様、この霊波をたどってみたが、世界中のあらゆる場所に繋がっていて完璧にたどることは不可能だった。それに、これは生命体として何かしらの欠損がある』

「欠損? どういうことだ」

『我々は結果から、これは何かしらのクローンではないかと見ている』

「クローン……では、今回の個体は誰かの操り人形だったという訳か」

 すると格納庫の入り口から立花の声。

「ああ、それに、異常に弱かった」

 天話は振り向く。

「ん、来ていたのか」

 立花は歩きながら言葉を放つ。

「死体の解析をしていると聞いたからな。何故今回はOZに委託しなかった? その方が楽だろうに」

「最近、OZの動きがおかしいと監視官から連絡があった。上層部ではこの状態がしばらく続くなら契約を切ると言っているからな」

「信用できなくなっているわけか」

 天話は何回か細かく首肯する。

「まぁ、そういうことだ」

「あと、αユニットのことだが――」

「――ああ、分かってる。外しておいた。使いにくかったのだろう?」

「良く分かったな」

「それは、見ていたからな」

 立花はフッ、と小さく笑った。

「確かに、そうかもな」

 そして立花は格納庫から出て行った。

「……ッ!」

 天話は急に胸を押さえて苦しそうにうずくまった。

『……大丈夫か』

「あ、ああ……」天話は机に手をついてよろよろと立ち上がる。

「勝手に『扉』を開けようとするとは……あいつら、かなり強引だな」

 机の上に置いてあった錠剤の瓶を取って一粒飲み込んだ。

 荒かった呼吸が、普段のペースに戻っていく。

『やはり、『笛』は我々が――』

「――余計な、お世話だ」

 天話はイザヤ=エレミヤを睨みつける。

「責任は、自分で果たす」

 

 士道は歩きながら考えていた。今日あったことを。

(狂三を……守れなかった)

 そう考えた瞬間、どうしようもない自責の念に襲われ、胸が締まる。

「また、一人、俺の前で死んだ……クッ……!」

 士道は俯いた。

 その瞬間、周りが一気に静かになった。

「えっ……」

 士道は周りを見渡す。

 風はやみ、木の葉は揺れるのを止め、飛び立とうとした鳥は空中に固定された。

 

 時が、止まっていた。

 

 すると、後ろからコツコツと足音が聞こえた。

「やぁ、君がシドウ、だね」

 士道が振り返ると、そこには『何か』が立っていた。その姿は何かの靄のようなもので隠され、かろうじて存在していることを示す霧しか視覚情報として伝達されない。しかし、その声音から女性であることだけは分かる。

「……あなたは? それに何故俺の名を?」

「私の名前は、君達で言うところで〈ファントム〉。まぁ、今は言えないことが多いんだけれど、あなたの協力者だってことは言えるわ」

「〈ファントム〉?」

「そう。そして私は今、贖罪する為にここにいるの。あなたがいるセカイとはまた別のセカイから来たの。あなたを救うためにね」

 すると霧から黒い立方体(キューブ)が飛んできた。それは冷たく、ずっしりと重い。

「これは……?」

「大丈夫。それは出番が来れば自動的に作動する仕組みになってるから。チャオ」

 そして再び時間が動き始めた。

 女性の姿は消えており、士道の手には黒い立方体(キューブ)が残っていた。

 

「兄様……?」

 

「へ?」

 目の前には青い髪をポニーテールにした利発そうな女の子が傷だらけの状態で立っていた。

 

「あーあ。全く、わたくしの体に酷い事してくれますわね」

 とあるビルの屋上。黒いドレスを身に纏う少女が避雷針の上に器用に立っていた。風が彼女の不均等に括った髪を揺らす。

「あらあら。別にいいじゃないですの。どうせ『木偶』ですわ」

 すると少女の下にいつ現れたのか、少女と瓜二つのもう一人の腕を組んだ少女がそう言った。

「そうはいいますけど、あなたも同じ『木偶』ですわよ?」

「……知ってますわ」つまんなそうに呟いた後、もう一人の少女は影の中に飲み込まれていった。

「さて、士道さん。また明日」

 少女――時崎狂三の口が三日月に変わった。




そういえば、トランスフォーマー4がやるということなので、久しぶりに第一作目を見てたら、無性にクロスオーバーしてみたくなりました。
オプティマスと立花が力を合わせてキューブを奪還! なんてどうでしょう?
まぁ、やるかどうかは別として、次回も頑張っていきます!
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