デート・ア・ライブ~破戒~   作:Kyontyu

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夏休みに入って、たくさん話を投稿することが出来るようになりました!(短いですが……)
ですが、濃い話をたくさん考えていきますので、よろしくお願いします!


第12話

「起、狂う」

 

 黒い精霊を殺した次の日、『ありえない』ものが目の前にいた。

 タマちゃんが出席を取っていた時の事である。

「れ、時崎さんお休みですか。欠席ならちゃんと連絡しなきゃダメですよ……」

 と、頬を膨らませながら『時崎狂三』の所に斜線を入れようとした時、後ろの戸が開いた。

「―――はい」

 透き通るような声、真夏だというのに黒いブレザー。

 正にこれは……

「あの時の精霊……?」

 士道の方に向くと案の定士道も驚いていたようだ。

「狂三……? 何でここに……」

 士道は立ち上がって訊ねる。

「あら? ここにいては駄目ですの?」

 狂三は『普通』ならば至極真っ当な答えを返した。

「いや……駄目じゃないが……」士道は驚愕の面持ちのまま席に着いた。

「ほらほら、出席を続けますよー」

 タマちゃんが手を叩く。

 そしていつも通りの出席を再開した。

(〈ミズガルズ〉に問い合わせてみるか……)

 

 その日の昼休み、屋上に上った立花は携帯を取り出して〈ミズガルズ〉に通信を入れた。

「こちら立花、鉾田主任はいるか?」

 応答したのはイーガンだ。気の抜けた声が帰って来た。

『お~う。タチバナか。主任ね……お、今そっちに繋ぐぞ』

 と、通信が切り替わった。

『立花か。どうした』

「ああ、昨日仕留めたはずの〈ナイトメア〉が学校に来ていた」

『ふむ……実は解析結果からあれはクローンではないかとの情報を得た』

「クローン。そんなことが可能なのか?」

『いや、分からない。もしかしたらOZが一枚噛んでいるかも知れない。精霊の能力というのもありえるが……詳細はこちらで調査する。しばらくの観察を頼む』

「了解した」

『頼んだぞ……通信終了』

 立花は携帯を仕舞って空を見上げた。

 

「私設部隊、ですか?」

 DEM本社地下特設戦闘場で、エレンとウェストコットは歩きながら話をしていた。

「ああ、最近ミナヅキから再び新しい兵器が届いてね……それを使って私設部隊を立ち上げるつもりだ。もちろん、君が隊長だ。エレン。アデプタスなどもう不要だ」

「はっ」

 エレンはピシッと敬礼した。

「クククッ……さぁ、主よ。あなた様の望む終焉の時代がやってきますよ……」

 ウェストコットの目の前には銀髪の少女と十人の仮面を被った同じ身長の少女たちが並んでいた。

 

~次の日~

 

 立花は天宮クインテットと呼ばれる大型商業施設の前でとある人物を待っていた。

「あ、すいませーん。遅れました?」

「いや、時刻ピッタリだ」

 立花は時計を見た。正直三十分くらい遅れている。

 走って来たのは立花より少し背が低い男子で、眼鏡を掛けており、首からは一眼レフを提げている。

「確か名前は……黒乃鈴木……だったか」

「ええ、そうですよ。今は士道さんの家の屋根裏部屋に居候させてもらってますけど、これでも立派な『クリフォト』諜報部員なんですから」

「ああ、この前の映像を作ってくれたことに感謝する。助かった」

 実はあの折紙と十香に見せていた写真を撮り、映像を作成したのは彼なのだ。

「いや~それほどでもないですよ。正直士道さんの痴態を収めるのは楽しかったですし。さぁ、今日はどんな姿を……」

「……それは正直引くぞ」

 

 士道のタイムスケジュールは既にこちらで押さえてあるので、後は追跡しつつ精霊の情報を収集する。それが今回与えられたミッションだ。要するにストーカーしろ、ということだ。

「最初は水族館ですか……中々場所選びがうまいですねぇ」

 鈴木はニヤニヤとファインダーをのぞきながらそんな事を呟いている。とりあえず見失わない事だけを念頭に置きながら追尾というストーカーまがいの事を続けること五時間。特に有力な情報を掴む事もなく、水族館、ランジェリーショップ(危うく店員に質問攻めになるところだった)、映画館と巡り、士道のデートは最終局面を迎えようとしていた。

「……士道はお前が見張っていろ。俺は〈ナイトメア〉の所へ行く」

「りょーかい」

 鈴木は敬礼した。

 

 公園に向かってみるとベンチに腰掛けている狂三の姿が見えたので、茂みに隠れた。

「立花さん……でしたっけ? 隠れても無駄ですわよ?」

(バレていたのか……)

「どうです? 士道さんが来るまでお話しませんこと?」

 立花は狂三の前に立った。

「今、デートしているんじゃないのか」

「よくもまぁ、『わたくし』を一人殺してくださりましたね」

「……いいだろう。話を聞こう」

 立花は狂三の隣に腰かけた。

「あなたは、ASTですの?」

「いいや、違う」

「じゃあ一体何故、精霊を?」

 これだけ近くにいるのに奴を殺すことは出来ないかもしれない。もし、ここで殺せばめでたく俺は殺人を犯す事になる。

「……別に精霊に特段の恨みがある訳じゃないが、命の恩人への恩返しだ。いつかお前の『本体』も、殺す」

「あらあら、恐ろしい方……でも、わたくしとあなたは、似てますわ」

 狂三はゆっくりと立ち上がる。

「どこへ行く」

「ちょっと、士道さんの所へ」

 そう言って狂三は立ち去って行った。

 

――その後、叫び声と銃声が響いたのは狂三が立ち去ってすぐのことだった。




前話に出てきた〈シュルムカッツェ〉や、〈イェーガー〉などオリジナルCRユニットの設定も上げますので、そちらも見てみて下さい!
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