次章予告
――――そして、地球は崩壊した。
十一番目の精霊、五河士道の暴走により、世界中で天変地異が発生し、人口の半分以上が死滅した。
大地は灰色に変わり、草木は消え、生き物は地上に姿を見せない。
世界は、滅びの時を迎えようとしていた。
精霊を巡る最終決戦が、今、始まろうとしていた。
World's End/Spirit's End
執筆中の本編の一部を公開!
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DATE・A・LIVE~再成~
『天ノ幕』
『作戦、第二段階(セカンドフェイズ)突入』
『第一宇宙速度維持、第二ブースター、点火。燃焼開始』
黒い宇宙に赤い炎が映る。
『ブースター燃焼終了、分離』
黒い宇宙船のような物から両端のブースターが分離する。
『月の裏側(ダークサイド・ムーン)を抜けた。外殻分離』
そして卵が割れるように外殻が外れ、30メートルはある巨大な人型の人形が姿を現す。
『ティーターン一号機、降下開始』
背中のスラスターを吹かしながら月面に降りていく。目の前には、青と、灰色の大地が広がる地球が見える。
『目標地点まで、残り、三、二、一』
黒い機械の巨人(ティーターン)が着地した。それと同時に月の砂が舞い上がる。
ティーターンの中、円球型のコックピットの中に黒いトレーススーツを着た人物がいた。顔はヘルメットに隠れて見えない。
「着地を確認、操作系統をマニュアルに変更。第三段階(サードフェイズ)に入る」
ティーターンの目が赤く発光する。そしてパイロットと同じ動きで月面を歩き始めた。一歩踏みしめるごとに砂煙が舞う。
ついに目標地点に到着した。そこには月面を大きく抉るようにクレーターが存在していた。
その中心には黒い巨大な十字架が立っていた。パイロットはそこを拡大して目標物を確認した。
「目標を確認した。これより回収作業に入る。〈イェーガーシステム〉起動」
その文言を口にすると、ティーターンの装甲がスライドして紅い内部が露わになった。そしてクレーターを覆うようにして存在する結界――自動随意領域(オート・テリトリー)をすり抜ける。
ティーターンは十字架の前に立ち止まる。十字架のちょうどティーターンの頭部の辺りには〈クリフォト〉のマーク――大きな樹を逆さまにした絵――が描かれている。
「また会ったな。『士道』」
パイロット――立花一未が呟くと、レーダーに何かの反応が映った。
「シグナルパターン緑……天使か!」
レーダーの下に赤い文字で『精霊反応No.7』と表示される。反応の位置を拡大させると細長い正八面体のような結晶が三つ、こちらに接近してきていた。
「まさか、あれが鈴木達を……ッ!? 本部、何故気付かなかった!」
画面の右上に「SOUND ONLY」の表示が現れる。
『お、恐らく周りのデブリに紛れていたと思われます!』
「ちっ……イザヤ、エレミヤ、回路接続! 重力中和、慣性制御システム起動!」
―――キィィィィィィィャャャャャッッッ!
放出される霊波が鼓膜を震わせ、奇妙な不協和音を響かせる。
ティーターンが飛ぶと方向を天使は変え、こちらに向かってきた。一未は右手を高周波振動させ、一つに突き刺した。そして手を広げると、天使は血を吹き出しながらバラバラに四散した。噴出した血糊がベタリと黒いボディに付着する。
しかし、残り二つがしつこくこちらを追い掛けて来る。一未は出力速度ギリギリでティーターンを操る。触れかけるところを間一髪で避ける。二つの天使は行動パターンを変え、コンビネーションするように攻め立てる。
「くっ……厄介な……」
気づくと、前と後ろを天使に取られていた。二つの天使はきりもみ回転しながらこちらに向かってくる。それを一未は激突の寸前で上方向に上がる。二つの天使が激突した。
「鈴木と蒼副艦長の仇ィィィッ!」
ティーターンの両腕を天使に向け、腕部に搭載された大口径機関銃を発射する。放たれた対天使弾は二つの天使を貫いた。そして爆発して何も残らず消え去った。
「……よし」
慣性を制御して再び月面に降りた。そして十字架を引き抜いた。
「目標を確保。これより第四段階(フォースフェイズ)に入る」
頭上には灰色と青の地球が見えた。
はい。という訳で、十月五日より更新予定です!