旧作メカ大リストラ祭をリストラした宇宙戦艦ヤマト2202   作:旭日提督

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 あらすじの通り、宇宙戦艦ヤマト2202から旧作メカ大リストラ祭をリストラし、デザインラインを遵守した場合どうなるかをシミュレートしたものです。
 一発ネタのため、冒頭のみとなりますがそれでも構わないという方はどうぞお付き合い下さい。


八番浮遊大陸奪還戦

~地球防衛軍 特別混成艦隊 シュガーローフ級重巡洋艦”タイコンデロガ ”~

 

「全艦、ワープアウト確認」

 

 青い虚空に、氷塊を散らしながら現れる艦影。

 地球連邦防衛軍特別混成艦隊───ある任務を前に、各地から稼働艦を集めて臨時に編成された機動艦隊だ。

 その内情は、宇宙戦艦ヤマトの竣工以降に設計された少数の新型艦を中心に、ガミラス戦役時代の艦艇に波動エンジンを載せただけの間に合わせの急造艦を組み合わせたという寒い懐事情を思わせるもの。

 未だに復興の途上にある地球にとっては、この艦隊だけでもやっとの思いで揃えたものだ。

 

「前方に艦影多数、捕捉!」

 

「IFF識別完了、ガミラス共和国軍辺境警備第38任務部隊と確認しました」

 

「全艦、取り舵一杯。ガミラス艦隊と合流する」

 

 その地球艦隊の眼前に、かつての仇敵、ガミラス艦隊が現れる。

 大きくその国旗を描いた不恰好な盾を構えた超弩級戦艦───ゼルグート級3隻を中心に、デストリア、ケルカピア、クリピテラ級といった所謂標準的な”ガミラス艦”で構成された艦隊だ。

 

 ガミラス艦隊に合流するべく、大きく左に舵を切る地球艦隊。

 その向かう先には、小惑星帯に鎮座する扁平な形に潰れたガス惑星と、それを取り巻くガトランティス機動部隊の姿があった。

 

 惑星の名は、第8ガミラシア。

 

 かつてガミラスの開拓拠点だったこの惑星はガトランティスにより奪取され既に60日余りが経過、惑星内に位置する浮遊大陸に築かれた基地はガトランティス軍の牙城となり日に日にその勢力を増している。

 地球・ガミラス連合艦隊の任務とは、この惑星を奪還、ないし基地の破壊であった。

 捕虜となった基地要員の救出は、ガトランティスによる奪取から経過した日数が日数なだけにガミラス側も既に諦めており、攻城戦に不可欠な揚陸艦の姿は両軍共に見ることはできない。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「データリンク開始。各艦はグリッドの表示位置に注意されたし」

 

「先遣艦〈ゆうだち〉より発光信号、”我敵艦隊見ユ”!」

 

「…………敵の規模は?」

 

「ハッ!! ウシュマル型戦艦2、カラコルム型戦艦3、ナスカⅠ型空母4、同Ⅱ型3、ラスコーⅡ型ミサイル巡洋艦1、クノッソス型重巡洋艦5、ラスコーⅠ型巡洋艦13、ククルカンⅠ型乃至同Ⅱ型駆逐艦53隻を確認との事です!」

 

 オペレーターの報告とともに、敵戦力の詳細な情報が戦況を報せるモニターに続々と表示される。

 奪還または破壊対象である第8ガミラシア要塞周辺に展開するガトランティス軍機動戦力は確認できただけでも戦艦5、空母7、ミサイル巡洋艦1、巡洋艦18、駆逐艦53隻と非常に有力なものであり、ガミラス軍に先んじて敵陣への突撃を請け負う地球艦隊司令の緊張は増す。

 戦艦級の艦艇複数を擁するガトランティスに対し、地球側の戦力は重巡洋艦5、巡洋艦4、重フリゲート2、駆逐艦16、フリゲート11、コルベット3隻と劣ったものであった。これにガミラス軍第38任務部隊の超弩級戦艦3、巡洋艦20、駆逐艦31隻を加えてようやく敵をやや上回る艦数となる。しかし、地球・ガミラスともに空母が編成になく航空戦力が心許ないことは大きな懸念材料であった。

 

「敵艦隊より艦載機隊、来ます!」

 

「全艦、対艦対空戦闘用意。陣形はソリッド5を維持しつつ敵艦隊に接近する。艦隊各艦は第三戦速まで加速せよ」

 

 先鋒を務める地球艦隊は対空戦を重視したソリッド陣形を維持したまま、ガトランティス艦隊への肉薄を試みる。

 この陣形は敵艦載機隊を効果的に撃滅するため立体的な艦列を構成する点が特徴なのだが、それ故に艦首衝撃砲の射界が非常に制限されるという欠点があった。

 しかし、地球艦隊司令は先ず目前に迫る敵爆撃隊の撃退が最優先だと判断し、陣形転換を命じなかった。

 

 艦隊最前列に位置するO.H.ペリー級パトロール重フリゲート〈ゆうだち〉〈うずしお〉の2隻が隊列から離れ、艦隊後方に離脱する。突出する独行のピケット艦ほど狙われやすい存在など無く、加えて効果な波動電子機器を多数有する本級は非常に高価なのだ。撃沈された場合の損害は計り知れない。故に司令は本格的な戦闘になる前に両艦の戦線離脱を事前に命じていた。

 だが、後方に退避したとしても本級の広範囲なレーダー性能を以てすれば戦域の俯瞰など朝飯前。地球側のデータリンクや敵情は途切れること無く更新され、艦隊の”目”として存分にその働きを見せている。

 

「敵編隊、射程内です」

 

「迎撃せよ」

 

「ハッ! 主砲、パルスレーザー照準始め、撃て!!」

 

「迎撃ミサイルVLS、1番から8番までハッチ開放」

 

 地球艦隊に迫る敵爆撃編隊───甲殻攻撃機デスバテーター106機、艦上戦闘機イーターⅡ35機からなる戦爆連合は、地球艦隊よりもその後方に位置するガミラス軍の主力、ゼルグート級戦艦3隻に向かって殺到する。

 ガトランティス側にとっては、弱兵でしかない先鋒の地球艦隊如き、艦隊戦力だけで容易に叩き潰せるという判断なのだろう。事実として、地球側の戦力はガトランティス側に対して大きく劣っているのだから。

 

「敵陣、ウシュマル型戦艦に高エネルギー反応!」

 

「全艦、散開だ! 回避機動プログラムに従いランダムパターンでの機動戦に移る!」

 

 ガトランティス艦隊中央の戦艦、UNCFコードネーム”ウシュマル・クラス”───メダルーサ級殲滅型重戦艦の主砲、火焔直撃砲が遂に火を吹いたのだ。

 メダルーサ級から放たれた火焔直撃砲はその弾道を隠すこと無く、真っ直ぐに破壊を撒き散らす槍と化して地球・ガミラス連合艦隊に迫る。

 

 地球側は先のシャンブロウ星域会戦で宇宙戦艦ヤマトが得た火焔直撃砲の回避パターンを発展させた回避機動プログラムに従って、鈍重な重巡洋艦から軽快な駆逐艦、コルベットまでが一斉にその舳先を変える。

 しかし、如何に地球最高峰の頭脳と一部では伝えられる旧ヤマト技士長の開発したプログラムといえど、それなりの規模の艦隊ともなれば勝手が違う。ましてやベテランクルー多数を擁するヤマトと促成の練り上げ卒業させられた宇宙戦士が艦隊乗員の大多数を占める現在の地球艦隊では全く同じ機動などできる筈もなく、発達した自動航法システムの補助があっても尚、4隻の艨艟が還らぬ人となった。

 

「重巡洋艦〈ハバードトン〉、駆逐艦〈グネフヌイ〉、フリゲート〈パターソン〉〈リーヒ〉轟沈!!」

 

「重巡〈シュガーローフ〉より発光信号”我機関損傷ニツキ操舵不能”、隊列より落伍します」

 

「なんて威力だ。蛮族と聞いていたが奴さん、壊すことにかけては一流と見える…………このままではジリ貧か。──少々早いが、やるしかないな。第2駆逐戦隊に通信だ」

 

 ガトランティスの放った火焔直撃砲は地球艦隊を越え、ゼルグート級の構える不恰好な新型装甲を前に弾かれる。話によれば跳躍阻害機能も有していると噂されるが、火焔直撃砲の”直撃ち”を前にしては気休めにもならない。

 地球艦隊司令は敵軍ガトランティスへの悪態を吐きつつも、戦局を打開するべく隷下の一部隊へある命令を下した。

 

 

~地球連邦防衛軍 フォレスト・シャーマン級フリゲート”ゆうなぎ ”~

 

 フォレスト・シャーマン級フリゲートは、地球がヤマトに続いて完成させた一から波動エンジンを搭載する前提で設計された艦、リアンダー級フリゲートをベースに発展、改良された艦級だ。

 同時期に竣工したリヴァモア級突撃駆逐艦と船殻を共にする本級は、フリゲートと銘打たれているもののその実態は突撃戦も可能な重武装駆逐艦であり、全長113.3mの小柄な艦体には16インチ軸線陽電子衝撃砲や127mm連装衝撃砲、533mm三連装空間魚雷発車管などの兵装がこれでもかとばかりに敷き詰められている。

 太陽系内で資源輸送船団の護衛任務に就く姿から巷では”護衛艦”などとも呼ばれているが、本級のその攻撃的性格を知る者からすれば最早笑い話ですらあった。

 それほどまでに重火力を満載し、地球艦隊有数の快速を誇るこの艦級のうちの一隻、第47番艦〈ゆうなぎ〉を預かる或る男は、旗艦からの命令を一瞥するとその鋭い眼光を軍帽の鍔から覗かせつつ隷下の戦隊に下命する。

 

「これより敵艦隊中央の敵戦艦群に対して統制宙雷撃戦を試みる。相原、戦隊の各艦に報せてくれ」

 

「ハッ!! …………こちら旗艦〈ゆうなぎ〉。第2駆逐戦隊各艦に達する。此より本隊は敵中央に突撃する。各艦突撃用意!」

 

 〈ゆうなぎ〉以下8隻の新型駆逐艦はノズルを爛々と輝かせ、ガトランティス艦隊中央に鎮座するメダルーサ級目掛けて疾走する。

 バラバラだった戦隊は瞬く間に一列の梯形陣を構成し、今か今かとその身に秘めた破壊力を発揮する瞬間を待ち侘びる。

 

「全艦、最大戦速!!」

 

 全 艦 突 撃 セ ヨ

 

 戦隊旗艦〈ゆうなぎ〉から放たれた信号は、内惑星戦争時代から続く防衛軍伝統の決戦戦術───空間魚雷複数を搭載した突撃艦複数による掃討戦、その幕開けを高らかに告げていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 




 ガトランティス側艦艇の呼称については、本作では2199流の命名基準を参考とした独自のUNCFコードネームが設定されています。NATOコードネームようなものとお考え下さい。
 ちなみに対照は以下の通りです。


ウシュマル型戦艦→メダルーサ級殲滅型重戦艦

カラコルム型戦艦→カラクルム級戦闘艦

ナスカⅠ型航宙母艦→ナスカ級打撃型航宙母艦

ナスカⅡ型航宙母艦→「さらば/2」ナスカ級

クノッソス型重巡洋艦→PS版彗星帝国巡洋艦

ラスコーⅠ型巡洋艦→ラスコー級突撃型巡洋艦

ラスコーⅡ型ミサイル巡洋艦→前期ゴストーク級ミサイル戦艦

ククルカンⅠ型駆逐艦→ククルカン級襲撃型駆逐艦

ククルカンⅡ型駆逐艦→「さらば/2」彗星帝国駆逐艦




 ちなみに、艦種記号「D」とは駆逐艦を意味するNATOペナント・ナンバーです。戦艦には大人しく「BB」を充てましょう。
 ついでですが以下のメカについては艦級名を新たに設定しています。


金剛改型宇宙戦艦→シュガーローフ級重巡洋艦

村雨改型宇宙巡洋艦→イロコイⅠ級フリゲート

磯風改型突撃駆逐艦→ヴィスビュー級突撃宙雷艇

「さらば/2」巡洋艦→アオバ級巡洋艦

パトロール艦→O.H.ペリー級重フリゲート
       (※駆逐艦主砲を搭載した前期型)
       エンケラドゥス級哨戒巡洋艦

「さらば/2」駆逐艦→リヴァモア級突撃駆逐艦

護衛艦→リアンダー級フリゲート(最初期建造艦)
    フォレスト・シャーマン級フリゲート

輸送艦→リオグランデ級大型輸送艦
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