「私の先行デス! ドロー! 私は永続魔法・縮退回路を発動デス!
フィールド上からモンスターが離れる時、すべてが除外デス!
さらに私はモンスターを裏側守備表示でセットし、カードを一枚伏せてターンエンド!」
…………もしかしたら先生のデッキは非常に面倒くさいデッキかもな。
「私のターン! ドロー! 私は森の騎士・フォレスト・ウォリアーを攻撃表示で召喚!」
『ATK;1500 DEF;200』
フィールド上から光が溢れ出し、その光の中から緑色の甲冑に身を包み、
長い槍を手に持った騎士が姿を現し、俺のことをちらっとだけ見た後にワイト先生の方を向き、
いつでも戦闘できるような雰囲気を醸し出した。
やっぱ、俺のこれって……おかしいのか?
「森の騎士・フォレスト・ウォリアーの効果発動! このカードが召喚・反転召喚・特殊召喚に、
成功した時、デッキからフィールド魔法・大森林を手札に加えることができる。
そして手札から大森林を発動!」
ディスクからフィールド魔法専用のスペースが出てきてそこへカードを乗せると、
一度出てきたスペースが再びディスク内に戻って行ったかと思えば、
周囲の地面から大量の大木が生え、俺たちの身長を大きく超えると上のほうで、
大木の枝から葉っぱが次々に生まれていき、あっという間に周りは深い森と化した。
「カードを一枚伏せてターンエンド」
「俺のターン! ドロー!」
手札に連鎖の剣、それでシルバーナイト……他に通常召喚できるモンスターがないから、
こいつを召喚して装備させておくか。
「俺は連鎖―――――シルバーナイトを特殊召喚!」
『ATK;2000 DEF;200』
「このモンスターは相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上に、
カードがなければ生贄なしで特殊召喚できる。そして装備魔法・連鎖の剣を発動!
その効果により、シルバーナイトの攻撃力がアップ!」
『ATK;2000→2500』
「カードを三枚伏せてターンエンド」
「私のターン! ドロー! 縮退回路の維持コストである500ポイントのライフを払いマス」
『LP 4000vs4000vs7500』
「私はセットした番兵ゴーレムを反転召喚! その効果により、
森サンの森の騎士を手札に戻しますが永続魔法の効果により、モンスターは除外サレマス!」
フィールド上のモンスターが消滅し、手札へ向かうところへ永続魔法のカードから、
電撃が発せられ、カードが俺たちの後ろの地面に吹き飛ばされた。
やっぱり、先生のデッキはバウンス・コントロールデッキ!
「私は番兵ゴーレムを生贄に捧げ、モンスターをセット。そしてカードを3枚伏せてターンエンド」
「くっ! 私のターン! ドロー!」
「この瞬間! 私は永続罠・グラビティ・バインド――――超重力の網を発動!
レベル4以上のモンスターの攻撃を封じマス!」
伏せられていたカードが発動し、カードの絵から緑色の光輝く線のようなものが、
ネットのように網目状に重なった状態で射出され、
モンスターの上から被さるようにしてフィールド上に展開された。
「私はカードを2枚伏せてターンエンド」
すると先輩は何やら目で何かを訴えるように俺の方チラッと見てきた。
………確かにトライアングルデュエルならチェーンは組みやすい。だったら!
「俺のターン、ドロー! 俺は手札から強欲な壺を発動し、チェーンしてチェーンヒーリングを発動!」
「私はそれにチェーンして森の呼び声を発動!」
「さらにそれにチェーンしてチェーンブラスト、そしてチェーンストライクを発動!
チェーンストライクの効果により先生には2000のダメージを受けてもらうぜ!」
チェーンストライクの魔法カードの絵柄から幾重にも重なった鎖が放出され、
先生めがけてまっすぐ飛んで行き、先生を貫くと先生のライフを一気に2000も削った。
「そしてチェーンブラストの効果により、さらに先生に500のダメージ、
そしてチェーン4以降で発動したことにより、このカードは手札に戻る!」
赤い壺のようなものがカードから出てきたかと思えばそこから赤い光が弾丸のように放たれ、
先生に直撃するとさらにライフを削った。
「森の呼び声の効果発動! このカードは大森林が発動した状態で、
フィールド上にモンスターが存在しない場合のみ発動可能。デッキから、
レベル4以上の森獣族モンスターを選択し、特殊召喚する! 来て、フォレストガードナー!」
デッキからカードが一枚射出され、それを受取って先輩がディスクにセットすると、
フィールド上に光が溢れ出し、その光の中から緑色の大きな盾を持ったモンスターが召喚された。
『ATK;700。DEF;2500』
「チェーンヒーリングの効果により、俺はライフを500回復。
そして強欲な壺により、俺はカードを二枚ドローする」
手札はこれで6枚にまで増えた……でもグラヴィティ・バインドの効果で、
レベル4以上のモンスターは攻撃することができない……ここはあいつが来る時間を稼ぐために、
どうにかしてダメージを最小限に抑えないと。
「俺は2枚カードを伏せて連鎖の剣の効果を発動! 1ターンに一度だけ、
カウンターを三つ取り除くことで相手に500ポイントのダメージを与える!」
「ぐぬぬ!」
「ターンエンド」
『LP4500vs4000vs4500』
「私のターン! ドロー! 私は縮退回路の維持コストを支払い、
ガーディアンスフィンクスを反転召喚デス! その効果により、
貴方達のモンスターは全て、手札に戻りますが、永続魔法によりすべて除外デス!」
反転召喚されたモンスターはまるでエジプトのスフィンクスのようなモンスターで、
そのモンスターの両目が赤く光りだしたかと思えば俺達のモンスターが突然カードに戻った直後、
俺達の後ろの方へ飛ばされ、シルバーナイトの装備してた剣は墓地へと送られた。
「さらに私はドリル・バーニカルを召喚! このカードは相手に直接攻撃ができ、
直接攻撃でダメージを相手に与えたとき、攻撃力を1000ポイント上げマス!」
「「っっ!」」
俺と森先輩は同時に顔を驚きの色に染めた。
最悪だ……グラヴィティバインドの効果の影響を受けないレベル3、しかもダメージを与える度に、
攻撃力が1000上がるなんて……3回攻撃されたら3300まで攻撃力が上がる!
「バトルデス! ドリル・バーニクルでレッドの落ちこぼれにダイレクトアタックデス!」
「がぁっ!」
先生の宣言と同時にモンスターがシルバーナイトを飛び越えて俺の目の前に降り立ち、
手に持っているドリルを俺の腹部に突き刺すとまるで本当に腹を殴られたような衝撃が走り、
不意にそんな衝撃が走ったので腹を抱えて俺は膝をついてしまった。
な、なん…………ソリッドビジョンでなんで本当に痛みが。
「何をしてるンデスカ? 私はガーディアン・スフィンクスの効果を発動し、
再びこのモンスターを裏側表示にし、これでターン終了シマス」
『ATK;300→1300』
『LP4200vs4000vs4000』
「だ、大丈夫?」
「え、ええ。続けてください」
俺は未だに痛む部分を押さえながら何とか立ち上がった。
こんなの毎回毎回、食らっていたら失神するかもな……そうなる前に勝たねえと。
「私のターン! ドロー! 私はカードを二枚伏せてターンエンド」
カードを二枚伏せて……森先輩のデッキには効果でダメージを与えるカードがほとんどないのか、
それともただ単に手札にモンスターカードがなかったのか。
でもどっちにしろこのデュエルではチェーンはためやすいんだ……さっさとためて、
連鎖龍・チェイン・ドラゴンを呼び出すか……でも、その前にガーディアンスフィンクスと、ドリル・バーニクル、そして永続罠をなんとかしねえと。
「俺のターン、ドロー!」
デッキからカードをドローし、それを確認すると連鎖・シルバー・ガンマンだった。
よしっ! これであの面倒な罠カードを潰すことができる!
「俺は連鎖・シルバー・ガンマンを召喚!」
『ATK;1500 DEF;500』
「そしてモンスター効果を発動! 連鎖モンスターを手札から一体、
墓地に送ることで相手フィールドにある罠・魔法カードを破壊することができる!
俺はグラヴィティバインドを選択し、手札からシルバー・ディフェンダーを墓地へ送ることで効果を発動!」
手札からシルバー・ディフェンダーを墓地へと送るとディフェンダーの幻影のようなものが、カードから抜け出るとシルバー・ガンマンが持っている大きなスナイパーの装填口へと入り、銃口が光輝きだすと当時にガンマンが引き金を引き、弾丸を放つと永続罠に直撃し、カードに風穴を開け、消滅させた。
それにより、モンスターたちに覆いかぶさっていた光の網も消え去った。
「グヌヌヌヌ! 落ちこぼれのくせに!」
「落ちこぼれは関係ねえよ! バトル! シルバー・ガンマンでドリル・バーニクルを攻撃!」
その宣言の直後、ガンマンが持っているスナイパーの銃口から一発の鉛の弾丸が放たれ、その鉛の弾丸がドリル・バーニクルに直撃した瞬間、小さな爆発が起き、
ドリル・バーニクルが消滅すると同時に先生のライフも削られた。
「俺は1枚伏せてターンエンド」
『LP4200vs4000vs3800』
「私のターン、ドロー! 私は縮退回路の維持コストを支払わず、破壊シマス!
そして岩投げアタックを発動し、それにチェーンしてもう一枚の岩投げアタックを発動デス!
墓地から岩石族モンスターを墓地へ送り、二人にそれぞれ500ポイントのダメージデス!」
カードから巨大な岩石が吐き出されたかと思えば俺達の目の前にまで飛んでくると、
地面に着弾して破裂し、いくつもの破片が俺達に襲い掛かった。
「500程…………な、なんで」
ふと、手を見たときに薄く切れて血が出ているのが見えた。
ソリッドビジョンで表現されているはずなのになんで本物みたいに痛みを感じたり、
岩石の破片で薄く皮が切れるんだよ!
体感したことのない恐怖を一日に二回も経験し、未知の恐怖に俺の腕が震えはじめた。
「そして私はガーディアン・スフィンクスを生贄に捧げて偉大魔獣・ガーゼットを召喚デス! このカードの攻撃力は生贄にしたモンスターの攻撃力の二倍!
よってガーゼットの攻撃力は3400とナリマス!
さらに墓地の4体の地属性モンスターを除外し、
手札からメガロックドラゴンを特殊召喚シマス!」
『ガーゼットATK;3400 DEF;0』
『メガロックATK;2800 DEF;2800』
「落ちこぼれレッドがグラヴィティ・バインドを破壊してくれたおかげで出せマシタ。
このカードでとどめを刺すのデス! メガロックドラゴンでシルバー・ガンマンを攻撃!」
「させない! カウンタートラップ・攻撃の無力化を発動!
メガロックドラゴンの攻撃を無効にし、バトルフェイズをスキップさせる!」
「ヌヌヌヌ! 貴方は一体、どこまで邪魔をするノデスカ! 貴方だってブルーでしょう!」
「ブルーなんかよりも私はこの森の方が大事です!」
「この落ちこぼれレッドに触発されたのデスネ。1枚伏せてターンエンド」
「私のターン! ドロー! カードを一枚伏せてターンエンド」
先生のフィールドには攻撃力2800のモンスターと3400のモンスターがいる。
俺のフィールドはシルバー・ガンマンだけ……またか。
デッキトップのカードを見てみるとそのカードから黒い何かが大量に噴き出しており、
カードを引くのをためらわすくらいに嫌な雰囲気を放っていた。
でも、ここで引かないとこの森がなくなる……やるしかない。
「俺のターン! ドロー!」
デッキトップのカードをドローした瞬間、そのカードから噴き出していた黒い何かが、
まるで水のように俺の腕を伝ってきて俺の腕の周りを回転し始めた。
二人には見えていないようだし……いったいこれは何なんだよ!
「俺はシルバー・ディフェンダーを守備表示で召喚!」
『ATK;300.DEF;2000』
「ディフェンダーの効果により、俺はカードを一枚ドロー!
そして2体の連鎖モンスターを墓地へ送り、
手札から連鎖邪龍・チェイン・カオス・ドラゴンを特殊召喚する!」
2体の連鎖モンスターを墓地へ送り、チェイン・カオス・ドラゴンをディスクにセットした瞬間、カードから噴き出されていた黒い何かがさらに勢いを増して黒い何かを噴き出し始め、さらに俺の目の前のフィールドから光ではなく、闇が溢れ出し、
その中からチェイン・カオス・ドラゴンが鎖にギュウギュウに締め付けられた状態で現れた。
「チェイン・カオスの効果発動! デッキからチェーン数が10になるように、
連鎖モンスターを墓地へ送ることでこのターンのみ、チェーン数を10にすることができる! 俺の組んだチェーン数は5。
俺はデッキから5枚の連鎖モンスターを墓地へ送る!
さらに墓地へ送られたシルバーベビーの効果により、2体のベビーがフィールド上に特殊召喚される!」
『ATK/DEF=0』
「そんな雑魚モンスターを出してなんにナルノデス?」
「雑魚じゃねえよ! この2体を墓地へと送り、俺はエクストラデッキから、
連鎖龍・チェイン・ドラゴンを特殊召喚する! 来い!」
目の前から先ほどとはま逆の大量の光が溢れ出したかと思えばその光に交じって、
鎖が体に軽く巻きつけられている光輝くドラゴンが出現し、空に向かって大きく咆哮をあげた。
……ちょっと待て。チェイン・ドラゴンってこんなに輝いていたか?
まあ、良い。今はこのデュエルに勝つことだけを考えるんだ!
「連鎖龍・チェイン・ドラゴンの効果発動! 墓地から連鎖モンスターを5体まで除外でき、除外した連鎖モンスターの数だけ相手の攻撃力を数×300下げると同時に、
チェインドラゴンの攻撃力をバトルフェイズ中のみ上昇させる!
俺は5体の連鎖モンスターを除外!」
『ガーゼットATK;3400→1900 DEF;0』
『メガロックATK;2800→1300 DEF;2800』
『チェインATK;2500→4000』
「わ、私のモンスターの攻撃力が!」
「さらに! チェイン・カオスの効果を発動し、自分の罠・魔法カードをすべて破壊することで、バトル中に先生は魔法・罠カードの発動できない!」
「NOー!」
「バトル! チェイン・ドラゴンでガーゼットを攻撃!」
チェイン・ドラゴンの大きな口が開き、そこに光が凝縮されて光球が生み出されるや否や、口から放たれ、ガーゼットに直撃すると相手を一瞬で破壊し、先生のライフを大きく削った。
「トドメだ! チェイン・カオスでメガロックドラゴンを攻撃!」
チェイン・カオス・ドラゴンの全身にぎゅうぎゅうに巻き付いている鎖が解き放たれ、
地面に突き刺さってチェイン・カオスの体を支えるとドラゴンの口が大きく開かれ、
そこに闇が集まって行き、吐き出されるとメガロックドラゴンを一瞬にして飲み込むや否や、炸裂してあたりに闇がまき散らされ、先生のライフが0となった。
「そ、そんな……私が落ちこぼれレッドなんかニ!」
「先生。さっきの発言……覚えていますよね?」
森先輩は冷たい笑みを浮かべながら先生の両手を取ってそう尋ねると、
先生はヒクヒクと口角を悔しそうに動かしながら重機を持っている人たちとともに、
森から出て行こうとした。
「イタ! イダダダダダ!」
先生や重機を持ったおっちゃんたちめがけていつの間にか集まっていた大量の猿たちが、木の実を思いっきり全力で投げつけて、ぶつけていた。
「うぅぅぅ! 覚えてルノデス!」
そんな捨て台詞を吐きながら先生と重機は森から一目散に逃げて行った。
「……でも、本当に守りますかね」
「守わよ。デュエルアカデミアの教師は名誉あるもの。少なくとも、
その名誉を汚すようなことをするような教師じゃないわ。まあ、
度が過ぎたエリート思考の持ち主っていうところね」
でも確かにあの先生と一対一でデュエルをしていたらおそらく俺は負けていた。
トライアングルデュエルだったからあれだけチェーンも組みやすかったし、
森先輩のサポートも受けることができた。
「ここの先生ってみんな強いんですね」
「一定水準以上はね。ていうか君がデュエルした教師が悪いのよ。ミッシェル先生、
用務員のおじさん。みんなプロリーグからの誘いを受けるくらいの人なんだから」
「ハハハ。ま、まあいい経験っすよ」
「ハァ。君はいったい何をしているのかね」
「うぅ。すみまセン。鍋腹校長」
「今回は君が主導した計画でしたから影響も少ないですがこれが、
私や理事長主導の計画だったら少なくとも貴方の首は吹き飛んでいましたよ」
「面目ナイノデス」
「まぁ、この計画はなかったことにしましょう。アカデミア創設以来の活性期になるかもしれませんな」
「んふふふ♪。良い具合に染まってるな~」