「さ~てと優斗君はこの勝負、勝てるかな~」
『お前はどう思うのだ。我の使いよ』
「どうって言われてもね~……今回ばかりは分からないかな~。なんせ相手は消しても消しても人の心の闇が大復活を遂げる希望の闇のドンだしね~。そう言う貴方様だってわかってるでしょ? 私たちが生まれる遥か昔から姿形を変えて争い続けてきたんだし。今回はデュエルモンスターズってなだけ」
『やはり貴様を少し自由にさせ過ぎたな。人間らしくなった』
「そりゃ何万年と記録係として生かされていると人間らしくもなるよ。使った名前は数知らず。職業もこの世に存在するものはほとんどやったしね」
『ふん。だが今回は珍しくかぶったな。新聞記者が』
「まね~。今回はたまたまだよ……むしろこっちの方が彼に近づきやすかったし……さてと。記録を続けますか……私の心の記事に」
『LP1500vs2000』
相手の場には相変わらずトライヘキサが表側表示で存在しており、除外された永続魔法・カオスの鎖で攻撃時にライフを1000払う事で破壊を無効にする効果さえもコピーし、さらにはカオス・倹約術も除外しているからライフコストも無くなってるし……ただこっちだってチェイン・ホーリードラゴンとチェイン・カオスドラゴンを召喚してその効果でジワジワ削ってるんだ……勝機はまだある!
『我のターン。我は除外し、コピーしたカオスディメンションの効果を発動。除外されたカオスと名の付くモンスターを可能な限り、墓地へと戻す』
……いったい何をやる気なんだ。
『そして除外し、コピーした通常魔法・カオス・デストラクションの効果発動! 自分の墓地に存在するカオスと名の付くモンスターをゲームから除外することで2体につき1枚相手のデッキからカードを墓地へ送る』
「な、デッキ破壊!?」
『我が除外するカードは全部で26枚! よって13枚のカードを貴様のデッキから墓地へ送る』
13枚のカードがデッキからせりあがってきて泣く泣くカードたちを墓地へと送る。
くそっ……さっき10枚の連鎖モンスターを墓地へ送ったから残りの枚数は16枚ほど……こんな枚数であいつの勝てるのか……でもまだ切り札はある。運よく連鎖融合もまだ墓地へは送られていないしさっき伏せたカードだって条件さえ整えば一発逆転が狙える。
「……そう言えばあんたなんであの兄妹に希望の闇の力を与えたんだ」
『兄妹? あぁ、あいつらのことか……やつらに与えたのはたまたまだ。たまたま我が降り立った時に親もおらず、その日を生きることさえ難しい子供がいたのでな。幸せにしてやると言えばノコノコとついてきた……世界を支配し終えた後にはそいつらも消すことなど知らずにな』
「……利用するだけ利用しておいてそんなに簡単に捨てるのかよ!」
『この世界に生きるものすべては我の道具にしかすぎん。光を消し去り、闇だけが生き残る。これで我はターンを終了する。さあ、貴様のターンだ』
「ふざけんなよ……お前があいつらを狂わせたせいで」
『だが我の闇が無ければあの兄妹は生きることさえままならなかった。我がやったことはあながち間違いではなかろう』
「あんたがやったことはあいつらに絶望しか見せなかった! なんで……何でこの世界には光もあることをあの2人に教えてやらなかったんだよ!」
『光など無意味な存在だ。この世界は闇によってつくられ、闇によって回っている! そんな世界に光があることなど教えてどうするというのだ!』
光も闇もあってこその世界だ……そんなことを気付けないこいつなんかに俺は絶対に負けない!
「俺のターン! ドロー!」
っ! きたっ!
「俺は手札から魔法カード・連鎖融合を発動! 希望の闇と絶望の光が合わさりし時、2つの力を持ちしドラゴンが降臨し、人に希望を、人に絶望を与える! この世を平定せよ!」
光の龍と闇の龍が1つになった瞬間、凄まじい輝きが放たれて俺たちの周囲にあった闇がドラゴンに吸収されていくがそれでも部屋全体が元に戻ることは無く、まだ大部分が闇に覆われたままだ。
「生誕せよ! 連鎖魔光龍・カオス・ホーリー・チェインドラゴン!」
『ATK3500 DEF3000』
『これが噂の光と闇が1つになったドラゴンか』
「連鎖魔光龍の効果発動! このカードの効果は素材となったモンスターの効果となる! 俺は墓地の5体の連鎖モンスターを除外! さらにコピーしたチェイン・カオスの効果により、この効果で除外した連鎖モンスターの数×300ポイント攻撃力がアップする!」
5つの光の球体が連鎖魔光龍に取り込まれた瞬間、眩い光が放たれ、攻撃力が上昇するとともに辺りに咆哮が放たれる。
『連鎖魔光龍ATK3500⇒5000⇒6500』
『トライヘキサATK5000⇒3500』
この攻撃が通れば全てが終わる!
「行け! 連鎖魔光龍・カオス・ホーリー・チェインドラゴン! トライヘキサを攻撃!」
漆黒の鎖と光輝く鎖が解き放たれ、大きく開かれた口元からトライヘキサまでの道のりを指し示すように筒状に絡みつく。
「カオス・ホーリー・ブラスト!」
大きく開かれた口から光と闇が1つになった破壊光線が放たれ、相手が放ってきた球体とぶつかり合うが一瞬にして相手が放った球体が消滅し、破壊光線が一瞬にしてトライヘキサを包み込み、部屋の天井を大きく吹き飛ばすほどの大爆発を上げた!
…………どうだ……っ!?。
爆炎の中に立つ人影が写り、どこからともなく暴風が吹き荒れたかと思えば一瞬にして爆炎を掻き消し、ローブが暴風で払われ、顔がない人型の闇が立っていた。
『我はカオス・ドローコロシアムの効果を発動。このカードを破壊し、さらに自らのライフを1にすることでバトルを一度だけ無効にする』
「お、お前顔」
「それが闇の正体なのよ」
「どういう」
「闇は形を持たない。時代によってその形を変えることはあっても本質自体は変わらない……奴は人の闇そのものなのよ」
人の闇そのもの…………だったらこの世界に人間がいる限りこいつは消えないってことか!?
『左様。我は闇そのもの。たとえ我をデュエルで打倒したとしても何百年後かに再び復活し、この世界を闇で支配する。我を完全に消したくば人間を絶滅させることだ』
「ターンエンド!」
「あ~あ。ペラペラ喋っちゃった。良いんですか~? 絶望の光そのものの存在様~」
『構わんさ。何故、光が絶望なのか、何故闇が希望なのか……それを彼ら彼女らが知るいいチャンスだ』
「前々から思ってたんですけど何でそうなんですか? 普通逆じゃないですか?」
『本来はそうだった。希望の光、絶望の闇……だがいつしか光が闇を圧し、世界を平定した時、光を悪用する輩が現れてな。ほんの一度だけ……歴史上で一度だけ闇が光を倒したことがあってな』
「なるほど。それ以来、光が絶望に、闇が希望になったというわけですか~…………さて。このデュエル、一体どちらが勝つのかな……光かな? 闇かな?」
『LP1500vs1』
『我はこれでターンエンド』
特に何もすることがない奴は自分のターンが回ってくるや否やすぐにターンを終わらせ、俺に回してきた。
……奴は闇そのもので奴を根本から抹消するには……闇を生み出す原因である俺たち人類を抹殺しなければ根本から奴を倒せないってわけか…………
「………………たとえ」
『ん?』
「たとえこのデュエルでお前に勝ったとしてもお前は消せないのは分かった…………でもな、何百年後にお前が復活したとしても俺みたいに希望の闇と絶望の光の2つを宿した人間が現れて必ずまたお前をぶっ潰す!」
『なんだと?』
「俺の想いは……いや、俺達の想いはこのカードの様に連鎖していくんだ! 罠カード発動! 終わらぬ連鎖<エターナルチェイン>!」
『終わらぬ……連鎖だと!?』
「このカードは自分フィールド上に連鎖魔光龍、墓地に連鎖光龍と連鎖邪龍が存在する場合にのみ発動可能! 連鎖と名の付く全てのモンスターをデッキ・手札・墓地からそれぞれ1種類ずつ除外し、融合素材とすることができる!」
直後、俺のエクストラデッキを収納するスペースから眩いほどの輝きが放たれる。
「手札から魔法カード・融合を発動! フィールドの連鎖魔光龍、墓地の連鎖光龍と連鎖邪龍、そして全ての連鎖モンスターで融合!」
デッキ・手札・墓地のあらゆるところから光の球体となった連鎖モンスターたちが上空へと駆け上っていき、遥か高いところで一つになった瞬間、眩い輝きを放つ雨が降り注ぎ、天井に穴が開いた部屋全体を覆っていた闇を全てきれいに洗い流していく。
「終わらぬ連鎖は未来への想いをつなぐ架け橋! 希望の闇と絶望の光をその架け橋に乗せ、未来へと連鎖させる! その手で未来を掴みとれ! 融合召喚! 現れろ! 連鎖神龍・チェイン・ゴッドドラゴン!」
全てが黄金色に輝く1体の龍が降臨し、奴の周囲にある闇を消し去っていく。
『ATK4000』
『くっ! だが攻撃力はこちらの方が上!』
「連鎖神龍は素材としたモンスターの効果を得ることができ、さらに素材にしたモンスターの数×100ポイント攻撃力をアップさせる。俺が素材にしたモンスターの数は9体! よって攻撃力は900ポイントアップ! さらに素材としたチェイン・ホーリー、チェイン・カオスの効果発動!」
墓地から5個の光の球体が放たれ、連鎖神龍に取り込まれるとその体から光の刃が出現し、一斉に放たれて次々とトライヘキサに突き刺さっていく。
『トライヘキサATK5000⇒3500』
『連鎖神龍ATK4000⇒4900⇒6400⇒7900』
『こ、攻撃力7900だと!?』
「行け! 連鎖神龍・チェイン・ゴッドドラゴン! カオス・ナンバー6・トライヘキサを攻撃! 希望を未来へ! これが俺達の終わらない想いの連鎖だ! ゴッド・ブラスト!」
チェイン・ゴッドドラゴンが大きく体勢を後ろへ倒し、元に戻した瞬間! 大きく開かれた口から超巨大な光輝く球体が放たれ、トライヘキサに直撃した瞬間、部屋を覆い隠していた闇を一瞬にしてすべて吹き飛ばすほどの爆風が発生した。
「きゃっ!」
「くっ!」
爆風によって天井はおろか部屋の壁すら吹き飛ばされ、太陽の光が部屋の中に降り注ぐ。
『ぐあぁ…………お、おのれ……我の邪魔ばかりしおって……まぁいい……また数百年後、我は復活し、この世界を今度こそ闇に落とす』
「言ったはずだろ。俺みたいなやつがまたお前をぶっ倒すってな……お前は永遠に俺たちの終わらない想いの連鎖の前に消え去るだけだ!」
『ハハ……フハハハハハハハハハハ!』
奴は高笑いをあげながら細かい粒子となって俺たちの前から消滅した。
「…………終わったのね」
「ええ……終わった」
部屋に降り注ぐ太陽の光がいつもよりも眩しく感じた。
「闇の存在そのものとの戦いにおいて光と闇の2つを宿している高槻優斗は自らの力で創造したカード・連鎖神龍・チェイン・ゴッド・ドラゴンを使用して戦いに勝利。これにより闇の存在力は急激に衰え、また元の光と闇が拮抗したいい具合の平和な世界が数百年間続くことが決定した。高槻優斗の憑依する形で彼を支え続けた青いドレスの少女は同じくデュエルアカデミアに編入し、彼と同じ女子勢で初めてのレッド寮に入寮。クリスタルモンスターに変わる新たなデッキで頭角を現した。高槻優斗はアカデミアからエリートコースの証であるブルー寮への入寮を持ち掛けられたんだけどレッド寮が良いってことでそれを辞退。もうレッド寮だからと言う事で彼をバカにするような輩は現れず1年生最強の座を守り続けた。今泉咲は相変わらず高槻優斗にゾッコンで一緒にお昼ご飯を食べるだけでは飽き足らず、ちょくちょく彼の部屋に行っている。ここから先はR18指定しておこっと……それで無事に3年生が卒業し、2年生になったんだけど下級生でレッド寮に入った人はおらず、さらに2年生に上がったところで青いドレスの少女がブルー寮に上がったから実質、優斗君だけがレッド寮になっちゃったと。あ、古谷君もいたっけ。忘れてた……………いや~やっぱり長い間自分の記事を見ていないと流石に忘れちゃうよね~。結局卒業した後、優斗君はプロに行っちゃったし、咲さんは優斗君と結婚しちゃったし…………まぁ、これはこれでまた一つの歴史を観測し終えたからいいか…………さ~て。今度の観測対象者は優斗君のような存在になるのかな?」
だ、誰だ! 打ち切り臭半端ないとか思った奴……はい、私です。
すみません。こんな形で終わります……学びました。やっぱり遊戯王はアニメを弄った2次創作の方が良いって……こんどはARC-Vで逢いましょう。それでは