悪魔と契約した俺は仮面ライダーになりました?   作:カグ槌

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まさかの2話目です…やばいデモンズ愛が止まらない!


食べ物の恨みは恐ろしい 

イメージBGM liveDevil

 

 

瓦礫で埋もれた図書館で、拳を交える2人がいる

 

「!!!」

 

片方は、人の身から外れた異形の怪人。

そして、もう1人

 

筋肉的な赤い装甲を纏う蜘蛛の戦士、仮面ライダーデモンズ

 

「らぁ!ふっ…」

 

変身し強化された身体能力から放たれるパンチと蹴りのラッシュにより、怪人は思わず距離を取る。しかし、やられっぱなしでいる筈も無い。次々と光弾で攻撃するが

 

「ハハハ!見える!見えるぞ!俺にも攻撃が見える!」

 

デモンズの眼は、顔の正面一対だけでは無い。コメカミから側頭部に並んで全方位を視界に収めており、攻撃の軌道が丸見えだ。ドッチボールで磨いた回避技術を輝かせ、身軽に攻撃を回避する。その動きが気を逆撫でたのか、怪人は業を煮やして一際大きな光弾を叩き込む

 

「っ!」

 

着弾と同時にナパームのように弾け、デモンズを爆炎が覆い隠す

 

「…………っ!」

 

勝利を確信した怪人だったが、炎が消えると其所にデモンズの痕跡は無い。跡形も無く消し飛ばす気は無かったのか、何処だ、何所だと見渡している

 

「ァァァァァアアアア!ダァ!」

 

「っ!」

 

小さい声が段々と大きく膨れ上がり、衝撃を伴って怪人を襲ったのはデモンズ。彼は糸を伸ばして天井に飛び上がり、そのまま振り子運動で全体重を乗せたキックを叩き込んだのであった

 

その勢いで怪人を図書館の外に叩き出して尚、デモンズの猛攻は終わらない

 

「っらぁ!」

 

掛け声と共に繰り出される、濁流の滝の如きパンチ。流石の怪人も怯み、片膝を着いてしまう。

 

ートドメダー

 

「おう!ライダーと言えば、必殺技だな!」

 

ベイルのアドバイスに従うが、ふと手が止まる

 

ードウシタ?ー

 

「そう言えば……どう使うの?」

 

ー・・・アァ、イッテナカッタナー

 

「だよね…で、どう使うんだよ?」

 

ーマズハ…ー

 

「シャアッ!!」

 

「うるせぇ!」

 

「ギッ!?」

 

その隙に怪人は立ち上がり、仕返しとばかりに襲い掛かる。が、怒りに任せた雑な突貫に合わせた、的確なカウンターキックが腹に炸裂。再度崩れ落ちる羽目になる

 

ースタンプヲ…ドライバーニ…オセー

 

「こうか?」

 

『SPIDER!』

 

再度スパイダーバイスタンプを起動。ドライバーの液晶に押印する

 

『CHARGE』

 

待機音と共に、液晶画面の両端から指示の矢印が表示された

 

ーコレナラ…ワカルカ?ー

 

「ありがとよ!」

 

その矢印に従い、ドライバーの両端にあるデモンズノックを押し込む。そして高く飛び上がり、糸で怪人を拘束。そのまま落下しながらキックを叩き込んだ

 

「はあああああ!せやあああああ!!!」

 

悲鳴を上げる怪人に、ダメ押しとばかりに背中から生えた赤い蜘蛛脚。その先端が容赦無く、怪人の体を掴むように刺し貫く

 

『DEMONS FINISH!』

 

「!!!!!!」

 

断末魔を上げて爆散した怪人をバックに、格好付けたポーズを決める。コレばっかりは、男の子に生まれた者のサガってやつだ

 

「決まったぜ」

 

初変身で初勝利!と喜ぶ。ふと怪人がいた場所を見ると、赤い粒子のようなモノが漂っていた

 

「何じゃアリャ?」

 

ーチカクニヨレ、ケントー

 

首を傾げていると、ベイルが催促する。それに従い近付くと、謎の赤い粒子はドライバーに吸収された

 

ーゴチソウサマー

 

「食べたの?」

 

ーチガウ…アレハオレノチカラダー

 

「力?どう言う事?」

 

ーセツメイハ…アトダー

 

「何で?」

 

ーニゲルゾー

 

「逃げる?………あっ」

 

周りを見ると崩壊した建物に鳴り響くサイレン。間も無く消防や警察が到着するだろう事は想像に難くない

 

「賛成!今すぐ逃げろ!」

 

両手から糸を飛ばし、柱に接着。そのまま親愛なる隣人の如く、スウィング運動で退散するのであった

 

その光景を、カメラに収めていた人間がいた

 

「こりゃスクープだな」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

かなり現場から離れた廃墟。変身解除し、壁に凭れ座り込む

 

「さすがに疲れた〜」

 

そうボヤくが、その心中は爽やかに晴れ渡っている。ここまで気が晴れたのは、一体何時以来であろうか

 

「さて、と・・・説明して貰うぞ、ベイル」

 

デモンズドライバーの液晶を覗き込むと、機械仕掛けの双眸が答える

 

ーイイダロウ。ヤクソクダー

 

 

 

それからはベイルの説明があった。要約すると

 

 

元々ベイルは、あの世界で最強を誇る悪魔だった。しかし、ある戦いにおいて力を喪失し封印されてたらしい

 

その戦いの余波でベイルの力は細かく分かれ、様々な世界に散らばったとの事。あの怪人はベイルの力に当てられた生き物が怪人化したものらしい

 

つまり、あの赤い粒子は無くしたベイルの力と生命エネルギーの集合体らしく、それを取り込む事で少しずつだが力を取り戻すようだ

 

また、生命エネルギーを取り戻す事で、俺自身に掛かる何らかの負担を無くしているらしい

 

「まさか、助けるってそう言う事?散り散りになったお前の欠片を集めるのを手伝えって?」

 

ーソンナトコロダ。オレ、チカラトリモドス…テツダエー

 

成る程、そんなの決まってる

 

「勿論、約束だからな」

 

笑顔で答えるも一蹴された

 

ーヘンナヤツー

 

「うるせぇ…宜しく頼むぜ、ベイル」

 

ま、予期せぬ第二の人生だが何とかなるだろうと楽観的に考えているが

 

「あ…飯とかどうしよう」

 

割と現実的な問題に直面し困っていると

 

 

 

 

 

 

 

「困ってるなら、力貸してあげようか?」

 

「っ!」

 

背後から知らない声。慌ててデモンズドライバーを着け、スパイダーバイスタンプを構える

 

「いや待って!ちょっと待ってくれ!!君と戦う気なんてないから!」

 

と両手を上げながら現れたのは、1人の小柄な男性?だ

 

「誰だ…それと、どうして此処が分かった?」

 

警戒は切らさないまま、心の中でベイルに指示を出す。糸で拘束準備

 

ーマカセロー

 

「ぼ、僕は灰原悠木…宜しく」

 

「よろしく…したいかはこれから決める」

 

声を低めに、ジト目で答える。警戒心を崩してないのを理解したのか、灰原は潔く本題を切り出した

 

「お願いだ!君を取材させてくれ!!」

 

「はい?」

 

突拍子も無い申し出に、思わずキョトンとしてしまったのは、責められるような事でも無いだろう

 

 

そして取り敢えず話し合いに、と案内されたのは、小さなアパートの一室だった

 

「ささ、狭いけど座ってよ」

 

「どうも」

 

促されるまま座る。向かい合った悠木は説明を始めた

 

「えっと、これ君なんだよね?」

 

とスマホに映るのはデモンズの戦闘シーンである

 

「動画はあるの?」

 

「う、うん…けど投稿はしてないよ!誓って!」

 

「んで、俺の取材云々ってのはどう言う意味だ?」

 

「えっと…」

 

そこから悠木の説明を纏めると

 

悠木は出版社で念願だった記者として働いているが、中々スクープを取れない。芳しくない出来に異動の危機らしく、そのスクープを探していた所に、デモンズの戦いを見た。

 

つまり俺を新聞のネタにしたい訳か

 

「どうしたものか…」

 

考え込んでしまうな、俺の正体がバレるとか避けたいし、ベイルの安全のこともある

 

「も、勿論タダとは言わないよ!此処に住んでも良いし、君の事に関しては絶対に秘密だ!漏洩させない!戦ってる写真や、動画を撮ることはあるけど…」

 

なるほど、痛い所を突くな…ベイル

 

ーオマエニ…マカセル…オレハ…ツカレター

 

おいコラ、お前の問題でもあんだよと内心でツッコミを入れると

 

「た、頼むよ!もう後ないんだ!人を助けると思って!!」

 

縋り付かれた!や、やめろ!何か俺が悪人みたいじゃないか!

 

「………ダメなら…正体をバラすよ」

 

こ、こいつ!

 

「清々しい程に開き直りやがった。けど、俺の正体がバレない範囲で頼むよ。そこは絶対に!」

 

「勿論!WIN-WINの関係で行こうよ!」

 

「WIN-WIN、ねぇ。バラす前にこの場で始末…まされる可能性に思い至らない奴の頭脳にゃ期待は薄いが・・・まぁ良いか。宜しく」

 

まぁ…宿と協力者確保だぜ!

 

ーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「つー訳だ」

 

とまぁ、自分が此処にいる経緯を大事な点は省いて簡単に説明した。信じられないと言う顔をしているが、そりゃそうだろう。そんな話されても怪しさしかない。だが、どうやらデモンズの異質さを見て信じて貰えてるようだ

 

「ふむふむ…何か小説みたいだね」

 

「俺も思ったよ」

 

笑いながら会話する2人である。

 

「しかし王様を決める選挙ねぇ…」

 

と健斗が見たテレビ画面には、次代の王様を決める選挙中とのニュースが映されている。映像に出る顔は自分と同じか少し下の少年少女達…つか幼い子供も出とるんかい!

 

「王様なのに城にはいないんだ」

 

「何でも今の王様の方針らしいよ?」

 

「ふーん…変わってるな」

 

「そうだけど、親しみやすい王族で助かるね。僕達もこうやって選挙に参加しやすいし」

 

「そう言うものか」

 

よくわからん、と思うのは元々王様の元にいなかったからだろうな、と何となく考える。帰属意識が弱いな俺

 

 

取り敢えず悠木から軍資金を貰ったので、買物に出かける。目的は当面の日用品だ。

 

「この辺は変わらないんだな」

 

ーケント…アレハ…ナンダ?ー

 

ベイルがアレと呼んで気にしたものに目線を向けると、それはドーナツの移動販売だった。どうやら店主は、少し離れて休憩しているようだが

 

「食べたいのか?」

 

ーオレトオマエ・・・ミカク…キョウユウー

 

「味はわかるって事ね、えーと」

 

自分の必要な物リストと軍資金分を差し引いても余裕はある。何より、久々にドーナツが食べたい気分だ。

 

「すみませーん!」

 

エプロン姿でベンチに座る店主に声を掛けた、その時

 

盛大な爆発と共に、ドーナツの移動販売の車は巨大な火柱となった。しかも中にある油が飛び散り、大規模なナパーム火災になっている

 

その下手人は近くにいた

 

「ギシャシャシャシャッ!」

 

サソリのような尻尾を生やした怪人だ。暴れているが俺としてはそんな事よりも許せない事がある

 

「よくも…」ーオレノ…オヤツヲ…ー

 

両手が怒りに震えている、ベイルも同じだろう、その感情は一つ

 

「絶対に許さねぇ!(ーユルサン!ー)」

 

良くもドーナツを!と言う怒りであった

 

 

『デモンズドライバー』

 

「我が命をかけて……ドーナツの恨みを晴らす!」

 

一切の迷いも無く、デモンズドライバーを装着。スパイダーバイスタンプを起動しデモンズレッドパッドに押印する

 

『SPIDER!……DEAL…』

 

蜘蛛が虚空から糸を垂らして降りてくる。それを確認し、健斗は中指と人差し指で挟んだスタンプに刻まれている蜘蛛を相手に見せて宣言した

 

「変身!」

 

『DECIDE UP』

 

彼の体に蜘蛛が糸を放ち、グルグルと旋回する事で巻き付ける

 

『DEEP(深く)!DROP(落ちる)!DANGER(危機)!(仮面)RIDER!DEMONS!』

 

「行くぞベイル、食べ物を粗末にしたサソリ野郎を地獄に落としてやる!」

 

ーイクゾ、ケント!ー

 

「っしゃあ!」

 

サソリ怪人を倒す為に駆け出すデモンズ。ジャンプしながら近くの電柱に糸を伸ばし、怪人の顔面にスウィングキックを叩き込んだ

 

「どらぁ!」

 

「ガギャィッ!」

 

不意打ちの一撃に容易く蹴り飛ばされ、転がるサソリ怪人。デモンズはダメ押しとばかりに糸で拘束する

 

「とっとと終わらせる」

 

必殺技に移行しようとした時、サソリ怪人は糸を引きちぎった。デモンズには敵わないと思ったのか、身を翻して向けて逃走を図る

 

「は?逃すと思ってんの?」

 

そのまま追撃に移行しようとした時、ドライバーにいるベイルから声をかけられた

 

ーコレヲ……ツカエ…ー

 

ベイルの声と共にドライバーから何かが現れる。手に取ってみれば、緑色のバッタが刻印されたバイスタンプであった

 

「これは?」

 

ーカイジンカラ…セイセイシタ…ツカエ…ケントー

 

「しゃあ!」

 

取り敢えず指示に従い、デモンズノックを一度、ディケイドライバーを閉じるように両手で思い切り押し込む

 

『ADD』

 

新たな待機音が鳴り、未知の機能を起動した

 

『バッタ!』

 

スタンプをデモンズレッドパッドで読み込み、液晶画面に押印し直す

 

『DOMINATE UP』

 

液晶にはDNAの螺旋が現れ、継いでバッタが飛び跳ねる絵柄となる

 

『バッタ…GENOMIX!』

 

同時にデモンズの両脚にゲノムが覚醒。バッタのような脚へと変わった

 

「おぉ!これなら行けるぜ!」

 

ーイクゾー

 

「大ジャンプ!!」

 

その脚力は先に逃げたサソリ怪人に瞬時に追いつくと

 

「ドラドラドラ!」

 

ローキックで足元を薙ぎ払う。足払いにあったサソリ怪人を、今度は腹を蹴り上げて宙へと打ち上げた

 

「ゴガギャッ~!?」

 

「今度こそ…終わりだ」

 

憎き敵を屠らんと、デモンズノックを二度押し込む

 

『MORE』

 

新たな待機音をバックに、再度叩きつけるように押し込んだ

 

『バッタ!DEMONS REQUIEM!』

 

落下してくるサソリ怪人を目掛け、下からの飛び蹴りでサソリ怪人の胴体を貫く。忌まわしきサソリ怪人は、断末魔をあげて爆散したのであった

 

「ドーナツの恨み…思い知ったか」

 

ーシマラナイナー

 

「うるせぇ、ほらさっさと食え」

 

ーアァ…ー

 

呆れ気味に呟き、ベイルは赤い粒子をドライバーに吸い込む

 

ーアラタナ…スタンプ…デキソウダー

 

「そっか、んじゃ楽しみにしてるよ」

 

わくわくした様子で近くの電柱に糸を伸ばし、デモンズは現場から逃走したのであった。

 

 

 

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