サトノダイヤモンドの独白
私たちのトレーナーさんはとてもカッコいい。どんな男性よりも圧倒的にカッコいい。いつも私とキタちゃんは一緒だけどまさか一目惚れをするのも一緒だとは思わなかった。私は暫くボーっとしてしまったけどキタちゃんはすぐにトレーナーさんを勧誘した。あの行動力はやっぱりすごいなと思ってしまう。私はキタちゃんみたいに感情で行動することが出来ない。
だから少し遅くなってしまったけど自分の気持ちを伝えた。「わ、わたしもトレーナーさんの担当になりたいです…」と。言わないと一生後悔することになると感じて口にした。
そしてそのお陰で私はトレーナーさんの担当になれた。担当になって一番感じたのはトレーナーさんにはトレーナーとしての才能がある。いや…才能と言ってしまうのはどうなんでしょう。どういえば分かりませんが、トレーナーさんの練習メニューは完璧。やっている私自身でさえも自分の成長を感じ取れてしまうほど。まだ担当になってから一週間しか経っていませんが、これからの自分の成長が楽しみだと感じてしまいます。
キタちゃんもトレーナーさんのことを好きなのは分かってるけど…私はトレーナーさんのことを手に入れたい。トレーナーさんの心も体も全てを……。
キタちゃんがライバルだから勝つのは難しいかもしれない。だけど、譲る気は毛頭ない。
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二人のの担当になってから一週間の月日が流れた。二人の態度は変化を見せず、隙あらば膝の上に座ってきたり、撫でて欲しいと言ってきたりする。何で彼女たちが僕なんかに興味を示したのかは未だに理解は出来ないけど、どんな形であれ、トレーナーになって欲しいと言われた以上は自分が彼女たちに与えられることは与えたい。
だけど、さすがにこれからがとても楽しみな二人のウマ娘をこのままにしておく訳にもいかない。しっかりとしたトレーナーを早い内に見つけてあげたい。周りのトレーナーに聞いたところは意欲のある人はいない訳でもないんだけど……本人たちが――――――――
「あなたじゃないといやです!」
「あなた以外のトレーナーさんの元では走りません!!」
とこんな感じなので彼女たちは受け入れてくれそうにない。さすがに無理矢理に誰かに押し付けるのは彼女たちに失礼な気もするし、どんな形であれ一度はトレーナーになると口にしたのだから、そんな無責任な真似はできない。
だから彼女たちが自分に合ったトレーナーを見つけて来るまでは自分のやるべきことをやり通すしかないね。
仮のトレーナーだけど、しっかりと練習メニューを作らないと彼女たちの今後にも大きな影響を与える。これからが有望な彼女たちなら余計にだ。
「お疲れ」
自分が立てた練習メニューは今年入学したウマ娘にはそれなりにキツイと感じていた。だから、キタサンブラックにしてもサトノダイヤモンドにしても値を上げる可能性が極めて高いと思っていたが結果はそうならなかった。
キタサンブラックはまだ笑顔を浮かべながら普通にしているし、サトノダイヤモンドもキタサンほどではないにしてもキツそうな顔をしていない。ここ一週間ずっとトレーニングを一緒にしているけど、この二人の潜在能力の高さを改めて感じる。
「まだ全然いけますよ」
「わ、わたしも全然いけますよ」
意欲は本当に凄いが一応、自分もトレーナーの端くれだから練習メニューはしっかりと考えている。一日に必要なトレーニングの量も計算している。だから、それ以上されると怪我のリスクも伴う。そしてまだ彼女たちの本物のトレーナーじゃない自分が彼女たちを怪我させたなんてことになれば自分は学園を去る結末になるのは目に見えている。
「だけど、もうダメだよ。過度なトレーニングは体を壊す原因を作るかもしれないからね」
なるべく子供を諭すような優しい声色で言った。
自分がそう言うと二人は何故か…自分の方を向いたまんま固まってしまっている。自分が言ったことがそんなにおかしかったことだろうか。
「……かっこいい…」
「…………すきです……」
二人は何かを呟いているけど、こっちまで聞こえてこない。まあ、そんなことはどちらでもいい。彼女たちほどの逸材なら担当したいトレーナーは多いだろう。だけど、今のところ彼女たちのお眼鏡にかなうトレーナーは居ないようだから見つかるまでしっかりと練習メニューを考えて、彼女たちをサポートしていかなくてはならないな。