世界会議は四年に一度行われる、世界の行く末を決める会議。そしてそれが行われる聖地、マリージョアは厳重な警戒態勢が取られている。
そして海軍に属している者は世界貴族の護衛に回されている。唯一、大将がマリージョアを離れることがないぐらい。僕を含めた、中将クラスはそれぞれが護衛に当たっている。
それは僕も同じこと。
「ネフェルタリ・コブラ国王、ビビ王女、足元にお気を付けてください」
僕が護衛に割り当てられたのは…アラバスタ国王第十二代国王とその王女様の護衛。アラバスタという地名は知っていましたが、そこまで多くの知識がある訳ではなかった。行ってみて感じましたが、本当に一面砂漠。あんまり停泊したなかったので観光する時間も取れなかったんですよね。折角、こんな遠くまで来たんだから観光ぐらいしたかったんですけど。
「ここまで色々と本当にすまないね」
「いえ、僕の任務はお二人を安全に聖地マリージョアにまで送り届けることですので」
もし、怪我などをさせたら僕は海軍を辞めることになるだろう。それぐらいの人たちなのだ。
「いや、本当にうちに娘がすまない」
「いえ、本当に大丈夫です。でも、そろそろ離れて頂けると有難いのですが…ビビ様」
「え~~私は中将さんと離れたくないです」
僕の腕を掴んで抱き寄せて来る、ビビ様。
どうやら僕はビビ様に気に入られてしまったようだ。もちろん、最初は面識もなかったですし、初めてみた。船内でお話をする機会が何度かあってそこで僕のこれまでのお話などをしたりしていると予想以上に打ち解けてしまった。
それが今の状況を作り出している。
「いや、ここからは王族の方しか入れないので」
僕の仕事はここまで。ここから先は専用の案内人が本会場とお連れ様が待つ場所まで案内してくれるはず。
「どうしてもダメですか?」
「はい。ここまでなので」
「じゃあ…私はここに残りたい!」
「いや、それはダメです。さすがに一国の王女様が話すためだけに残るなんて前例ありませんし」
それにそんなことになったら僕にどんな処罰が待っているのか分からないですし。
「え~~」
「ビビ、困らせるんじゃない」
「…う~~わかった。じゃあ、世界会議が終わったらまたお話してくれますか?」
「あ、はい。それであれば…」
「絶対に約束ですよ」
「はい」
そしてコブラ王とビビ王女を見送って、次の警備の場所へと向かおうと思った矢先にポケットの電電虫から呼び出し音が聞こえて来る。
「アーベルです」
すると相手は…場所だけ伝えて切れた。
「ちょっとぐらい話してくれてもいいのに…」
だけど時間的なことを考えれば世界会議が終わってコブラ王たちを送り届けた後かな。さすがに世界会議の間は過密日程でほぼ毎日分単位で持ち場が決まっている。
まあ、何よりも海軍にこの通信が傍受されていることも考えれば変なことは喋らない方が正解かもしれないけどね。
「はぁ…なんでこういう時に限って色々と…って言ってもしょうがないですね」
まずは世界会議が無事に終わるようにしないと…。