【美少女】なんか知らんのだが部屋にウマ耳ウマ尻尾の美少女が現れたんやが【降臨】   作:カフェイン中毒

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常識破りの女帝、母を知る

1:他称トレーナー

やあみんな、元気してたかな?色々決まったことを報告したいと思いまする

 

2:名無しのファン

イッチ、桜花賞皐月賞最高だったぞ!

 

3:名無しのファン

おまえ馬にも好かれるのか

 

4:名無しのファン

逆に何に嫌われるんだお前は

 

5:名無しのファン

俺らでしょ

 

6:名無しのファン

そんなこと言っちゃって~実は好きなくせに

 

7:名無しのファン

イッチ!アイラブユー!

 

8:名無しのファン

ウマ娘の話になるとこれだからスレ民は

 

9:他称トレーナー

サクサク行くぞ~。まず一つ、馬主資格を取りました。放牧場も柵を設置し馬房も立ててる所だよ!一ヶ月もしないうちにできるんじゃないかな?で、前スレの厩務員さんともう一人同じ閉鎖される牧場の人を雇いました。二人体制で見てもらう予定。お給料は前の牧場より高めに設定させてもらいます

 

10:厩務員

サンキューシャッチョ。弟子も受け入れてくれるなんてありがたい話や。

 

11:名無しのファン

頼むぜベテラン!

 

12:名無しのファン

イッチがガチででっかい人になりつつある

 

13:名無しのファン

イッチ、収益的に今後どうなる?

 

14:他称トレーナー

今は俺の稼ぎを軸に入れてるんだけど今後はウマ娘関係の収益を軸にしたいね。できればウマ娘のみんなにもお小遣いじゃなくてお給料渡したいし、働いてくれた分は還元したい。あ、ぱかぷち第一陣完売ありがとうございまーす!第二陣もすぐ発売予定だよ!

 

15:名無しのファン

すげえ争奪戦だったよな

 

16:名無しのファン

当然のように全種類買い揃えるレジェンド

 

17:名無しのファン

あの人愉快な人になっちゃったなwww

 

18:他称トレーナー

そのレジェンドやけど迎える馬をきちんと走らせることになったら騎乗すると約束してくれました。走れないとか走るのが嫌とかだったら今年度は諦めて来年度のセリで新しい子を買うよ。もちろん投げ出さず飼育します。そんで装蹄師は勿論この人!

 

19:装蹄師

こんな良血を俺に任せていいんかね。やる分にはきちんとやるけど

 

20:名無しのファン

装蹄師ニキ!

 

21:名無しのファン

そうだこの人がいた!

 

22:名無しのファン

ウマ娘の蹄鉄を作る縁の下の力持ちさんではないですか

 

23:名無しのファン

なんかみんなやさしい

 

24:名無しのファン

獣医さんとかは?

 

25:他称トレーナー

うちの周りは農地オア牧場やぞ。大動物の獣医さんがいるに決まってるだろ。大丈夫だ。さて、実は今日やることがあるんだよね~

 

26:名無しのファン

なんだい?

 

27:名無しのファン

この入りは凄いことをする予感

 

28:他称トレーナー

あ、その前にこれだけ伝えておかねば。なんかゴルシちゃんが作ってた台座が完成したと思ったらいつの間にか3体の女神像が鎮座してたんだけど

【庭の片隅にある3女神の銅像】

 

29:名無しのファン

えなにこれは

 

30:名無しのファン

まじで女神像wwww

 

31:名無しのファン

しかもウマ娘の女神像www

 

32:名無しのファン

隣でもたれかかるゴルシちゃんのどや顔よ

 

33:名無しのファン

やってやった感www

 

34:名無しのファン

そういえばこの前ゴールドシップ号がいる牧場で謎の人物が目撃されてなかった?

 

35:名無しのファン

ああ、裸馬の状態でロデオを楽しんでたらしいな

 

36:名無しのファン

白い髪で馬の耳が生えてる美少女だったんだっけ

 

37:名無しのファン

……

 

38:名無しのファン

これ、ウマ娘のゴルシじゃね?

 

39:名無しのファン

何やってんだ!?

 

40:名無しのファン

自分に乗ってロデオをするウマ娘が居るらしい

 

41:名無しのファン

なおゴールドシップ号、めっちゃ元気になってたって。食欲旺盛になって毛艶がよくなってたと

 

42:名無しのファン

やっぱウマ娘が元の馬と会うと何か元の馬が元気になったりいいことがあるのかな?

 

43:他称トレーナー

ゴルシちゃん何やってんの…向こうさんに謝らないと

 

44:名無しのファン

と思うじゃん?

 

45:名無しのファン

向こうさん来てくれて嬉しがってたみたいよ。ブログで今度は色々話したいって言ってた。厩務員の今並さんも会えなくて残念って言ってたし

 

46:名無しのファン

とりあえずイッチ問題なさそうよ

 

47:他称トレーナー

そっか、そっかあ…安心した。ウマ娘が何かやらかしたら責任とらんとダメだし

 

48:名無しのファン

まあゴルシちゃん以外は大丈夫でしょ

 

49:名無しのファン

120億円を紙屑にした馬のウマ娘よ?このくらいなら許容範囲ですわ

 

50:名無しのファン

過去があれすぎて今を諦められる馬がいるらしい

 

51:名無しのファン

そんでイッチ、今日やることって?

 

52:他称トレーナー

ウオッカ号とその子供に会いに行こうかと。ウオッカとダイワスカーレットを連れてね。正確には今移動中

 

53:名無しのファン

まーじで?

 

54:名無しのファン

北海道よな?どうやって移動するんだ?

 

55:他称トレーナー

そりゃお前、飛行機使うに決まってるだろ

 

56:名無しのファン

ファッ!?

 

57:名無しのファン

よく乗れましたね…

 

58:名無しのファン

耳と尻尾隠しようがないだろwwww

 

59:他称トレーナー

まあコスプレってことで、雑いけど。まあ桜花賞と皐月賞でテレビ放映(一部分だけ)されたし知ってる人は知っている。実際あのウマ娘の方ですか?って道中声かけられたし

 

60:名無しのファン

というかウオッカは知ってるのか?

 

61:名無しのファン

子供に会いに行くとかちょっとヤバそう

 

62:他称トレーナー

ウオッカもスカーレットもウオッカ号に会いに行くってことしか知らない。子供のことも現地で話そうかと。さぷらーいず

 

63:名無しのファン

たちわりい

 

64:名無しのファン

そういえばイッチその仔馬はもうイッチがお買い上げしたの?

 

65:名無しのファン

ウオッカとディープインパクトの掛け合わせとかすげえ値段しそう。というかそういう馬って最初から馬主が決まってるだろ普通

 

66:他称トレーナー

もうお金払ってお買い上げしました。まけてもらって2億5千万円なり。その話なんだけど、実はその通りで馬主になる予定だった人が急病で亡くなってしまったらしいんだ。親族の人に馬主資格を取る気がある人が他にいなかったらしくて宙ぶらりん、このままだったらセリに行くはずだったんだけどちょうどよく俺がいたと。まだ俺も実際には見てないから楽しみ。その人が持ってた他の馬は別の引き取ってくれる人がいたらしい。引退馬は引退馬協会に引き取られていったからちょっと支援金ぶち込んできた。

 

67:名無しのファン

あー、そういうことだったのか

 

68:名無しのファン

こいつどんどん金落とすな

 

69:名無しのファン

イッチの街だけ高度経済成長しそう

 

70:名無しのファン

そういえば他のウマ娘置いてきて大丈夫だったん?

 

71:他称トレーナー

うん、みんな段々と立ち直って俺の周りにも目を向け始めたみたいなんだ。きっといい調子なんだと思うよ

 

72:名無しのファン

そういえばウマ娘が馬の血縁関係知ったらどうなるんだろう

 

73:他称トレーナー

あーそれね。スぺちゃんがマルゼンスキーのことおばあちゃんって言いかけて笑顔で併走させられたりとかまああったけど

 

74:名無しのファン

なんだそれwww

 

75:名無しのファン

スぺちゃんwww

 

76:名無しのファン

当時ニジンスキー系は強かったからなww

 

77:他称トレーナー

同じことを考えてたチケゾーが両手で自分の口をふさいでむぐむぐ言ってたりとか。今日いっしょにいるスカーレットなんかアグネスタキオンと仲が良かったらしくてタキオンさんがお父さん…って言ってたよ

 

78:名無しのファン

あんまり気にはしてないのかな?

 

79:他称トレーナー

うん、というかウマソウルがそうでもウマ娘としては普通にご両親いるわけだしさ。しいて言うなら気が合いやすいっていうのはあるかもって話。

 

80:名無しのファン

ああ、なるほどね。じゃあやっぱりスぺちゃんとマルゼンスキーとか仲がいいのか?

 

81:他称トレーナー

割と仲良しだよ?チケゾーとかもそう。というかウマ娘で不仲なのは今のところいないかなあ。

 

82:名無しのファン

そういえば今イッチ何してるの?

 

83:他称トレーナー

空港のラウンジで休憩中。ウオッカはブラックコーヒーをちびちび飲んでる。ダイワスカーレットはかっこつけるからよなんて言って空港スゴイカタイアイスをカチカチのまま金属スプーンで抉って食べてる

【失敗したという顔でコーヒーを飲む垂れ耳のウオッカとほら言わんこっちゃないという顔をしているダイワスカーレットの画像】

 

84:名無しのファン

あの小豆バーに匹敵する硬さを誇る空港スゴイカタイアイスを…?

 

85:名無しのファン

釘打てそう

 

86:名無しのファン

なんでそこまでしてブラックコーヒー飲んでんだwww砂糖とミルク入れろよwww

 

87:他称トレーナー

ウオッカさん、かっこよくなりたいらしくて。中二病、とまではいかないけどかっこつけたがるんだよ。スキットルから麦茶飲んだりとか。汚れを取りにくいから洗うの苦労してるらしいわ。ちなみにスカーレットは他人の前というか俺とウマ娘たち以外には猫被ってる。

 

88:名無しのファン

スキットルでwww麦茶www

 

89:名無しのファン

なんかかわいい

 

90:他称トレーナー

かわいいぞ~?ウオッカさんギャップがあって可愛いぞ。ボーイッシュながらもきちんと女の子してるぞ。お洒落さんだったりするぞ。耳を触ると真っ赤になって俯いちゃうぞ

【耳をふにふにされて真っ赤になっているウオッカの画像】

スカーレットは耳も髪の手入れも凄い行き届いてて触り心地がすごくいいぞ~

【髪をポニーテールにまとめて掃き掃除をしているダイワスカーレットの画像】

 

91:名無しのファン

こいつ惚気やがって!

 

92:名無しのファン

ウマ娘のかわいいポイントをたくさん知れて嬉しいがその相手がイッチなのが気にくわん

 

93:名無しのファン

でもこいつがいないとウマ娘が来ないで困るのが事実

 

94:名無しのファン

去勢しよう(提案

 

95:名無しのファン

恐ろしい脳みそをしている奴がいるものだ

 

96:他称トレーナー

そろそろ搭乗の時間だわ。行ってくるわ~。ウオッカのやつ半分も飲めてないじゃん

 

97:名無しのファン

おう、いってらっしゃい

 

98:名無しのファン

苦いコーヒーはダメだってwww

 

99:名無しのファン

ウオッカさんどんだけちびちび飲んでたんだ。すっかり冷めてるだろうに

 

100:他称トレーナー

残すのももったいないな、俺が飲むか

 

101:名無しのファン

は?

 

102:名無しのファン

おいアホ

 

103:名無しのファン

ちょ待てよ

 

104:他称トレーナー

あ、これ間接キスか。もう遅いけど、スマンなウオッカ。妹にしてたみたいにしちまった

【真っ赤になってフリーズするウオッカとどことなく羨まし気なダイワスカーレットの画像】

 

105:名無しのファン

そらそうよ、とりあえず現実で謝れ

 

106:名無しのファン

こいつやりやがったぞ

 

107:名無しのファン

ウオッカちゃんかわいそう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よし、ついたな。ここがウオッカ号が飼育されている牧場、ついでに俺たちの所に来る仔馬がいるところでもある」

 

 「俺じゃない俺かぁ…こっちだと女がダービーとったのはすげえ記録なんだよな?なんだか嬉しいぜ」

 

 「牝馬よ、ひ・ん・ば。全くなんであんたが先なのよ…」

 

 「あ?いいじゃねえかお呼びがかかっただけだし丁度良くトレーナーが契約した仔馬がいるんだからよ」

 

 「分かってるわよ。でもアタシだってまだいるんでしょ?会いたいに決まってるじゃない」

 

 「はいはい口喧嘩はそこまで。先にウオッカ号に会いに来たのはちゃんと理由があるから」

 

 「「理由??」」

 

 さっきまで二人でいがみ合っていたウオッカとダイワスカーレットは男の言葉に二人シンクロして頭をかしげる。今現在3人がいるのは試される大地北海道のとある場所。ウオッカを含む繁殖馬を飼養している生産牧場である。なぜ今ここにいるかと言えば男は馬主の資格を取ったと同時にとある競走馬の幼駒を庭先取引で購入したので実際に会いにいこうかということでウオッカとダイワスカーレットを連れ立ってきたという話だ。

 

 「あのな、俺が買った仔馬…ウオッカ号の子供なんだよ」

 

 そう、それである。ウオッカ号の産駒、まだ名前も付いていないその馬を購入したのであれば母親に挨拶をするのが筋であろうという話、なのだがその母親のウマ娘が男のそばにはいてついでにライバルのウマ娘もいる。もともとウオッカもダイワスカーレットも自分に会いたいという話を兼ねてから男にしていたのでこれ幸いと連れてきたのである。

 

 なんでそのことを秘密にしていたのかというとウマ娘が沢山いるところで話してしまうとウオッカの精神衛生上よろしくない、なので二人きりでとなるが先に話した場合ウオッカが、特にダイワスカーレット相手に隠しきれるとは男は思えずウオッカ号に会いに行く直前にネタバラシすることになってしまったのだ。

 

 申し訳なさそうに頭を掻く男を前に二人のポカンとした顔がみるみる赤く染まっていく、ウオッカははく、はくと口を動かしダイワスカーレットはウオッカと男の顔を交互に首を振ってみつめる。

 

 「ちょ、ま、え?ワ、ワタじゃなかった。俺の子供!?俺まだ子供なんて産んでないぞ!?」

 

 「お、落ち着きなさいウオッカ。アンタじゃな、いんじゃないんだったわ!?そうよね、アンタよね!?」

 

 「だよな!?俺なんだよな!?あれあれでも俺まだトレーナーと、キ、キ、キス……も、してないし」

 

 「あ、アンタ何言ってんのよ!キスぐらいで子供ができるわけないでしょ!?そ、そういうのは…~~~~~~っ!バカッ!」

 

 「いや、ウオッカ号の子供だからね?ウオッカが産んだわけじゃないからね?今言ったのは家でそうなったら困るからだから、ごめんな?」

 

 混乱し、ぐるぐると目が回っているような二人がいささかおかしいことどころか聞かれたら男が逮捕されてしまうような言葉を大声で言いだした。二人に困った男はどうどうとまるで馬にする様に落ち着かせにかかる。5分ほど時間をかけてウマ娘の高い体温と北海道の低い気温が合わさったせいか顔からホントに湯気が出ている二人がようやく落ち着いた。

 

 「うん、言い方悪かったけど。牝馬は次の代へバトンを渡すために子供を産むんだ。ダイワスカーレット号もウオッカ号もそう。今回そのバトンを奇跡的に俺たちが受け取れることになった。だけど、お母さんに何も言わず子供を遠くにやってハイさよならはちょっと、ね。だから、ウオッカ号に約束しに行こう」

 

 「……お前の子供を立派に育ててやるって?トレーナーらしいな。でももうちょっと心の準備が欲しいぜ…」

 

 「…何よ、いいじゃない。どうせならアタシ…ダイワスカーレット号の子供も育ててあげたいところだわ」

 

 「…かもな。ヨシ!トレーナー!気を使ってくれてサンキュな!俺…ワタシに会いに行こうぜ!」

 

 顔が赤いながらもようやく後ろにある牧場に向き直ったウオッカがそういったので男は二人を連れて牧場の事務所まで足を進めるのだった。

 

 

 

 牧場関係者の案内でウオッカ号が放牧されているという放牧場まで歩くことになった。ウオッカ号の子供はもう離乳まで行っているらしく別の場所で生活しているそうなのでまずはウオッカ号に会いに行こうと話がまとまったからである。

 

 「いや、しかしウオッカがもう一人いるなんて変な気分ですね。ダイワスカーレットまでも、不思議なものです」

 

 「俺からすりゃ動物の自分がいるっていうのも変な気分なんだけどな~」

 

 「いいじゃない。私は悪くないと思うわよ?アタシの魂の元になった(ひと)と出会えるなんて素敵だわ」

 

 ウオッカを担当する厩務員だという壮年の男性が優しげかつ穏やかな顔で案内してくれている。猫を被り切れずウオッカに雑に当たるダイワスカーレットとそれを腕を頭の後ろに組んで聞き流すウオッカと春の芽が出始めた放牧場を歩く。ややもして大きな嘶きが聞こえてきた。男はこれはハルウララ号の時と同じだと気づく。ウオッカが佇まいを直し

 

 「呼んでやがるな」

 

 「…アンタね、間違いなく」

 

 「分かるものなのですか。あそこです。あそこにウオッカがいます」

 

 「わり、トレーナー!先いくぜ!」

 

 「あ!待ちなさいよ!」

 

 ウオッカがそう言って駆け出し、それを追いかけてダイワスカーレットも走りだした。尻尾を翻してウマ娘ならではの人に出せない速度で静かに駆ける二人はすぐにウオッカ号のいる柵にたどり着く。遅れてたどり着いた男と厩務員の前で、特徴的な流星をした馬…ウオッカの前髪にあるそれとそっくりな形のそれが付いた頭を振りながら大きく嘶いた馬が近づいてくるところだった。ウオッカも柵に手をかけ身を乗り出す。そして、ウオッカ号とウオッカは言葉を交わした。

 

 「よう!初めまして…っつったらなんかアレだけどな!俺、だよな。ああ、うん、俺だよ。俺はお前、お前は俺。あ?何でそんながさつなんだって?んなこと言われてもなあ」

 

 「…こっちのウオッカかなり落ち着いてるわね。代えて欲しいくらいだわ」

 

 「んだとスカーレットぉ!」

 

 ウオッカ号はしきりにウオッカの匂いを嗅ぎ、挨拶をする様に柵越しにグルーミングを始めた。ウオッカもくすぐったそうではあるがそれを受け入れウオッカ号の頭を強めにガシガシと掻いてやる。どうやら力加減的に一番好きな塩梅らしくウオッカ号は気持ちよさげに目を閉じた。ダイワスカーレットが言うにはウオッカ号は大人びた話し方をしているらしい、馬の言葉がとんと分からない男は理解できないが、ウオッカ号はどうやら歓迎してくれているらしい。

 

 「え?アタシ?そうよ、ダイワスカーレット。何しに来たって?そんな当たり強くしなくてもいいじゃない。そっちの付き添いよ。アンタとは戦わないわ、あたしのライバルはそこにいるソレだもの」

 

 「おう、お前に代わって俺がコテンパンにしてやるよ。にしてもお前かっけえなあ!」

 

 当然だ、と言わんばかりにウオッカ号が鼻を鳴らす。その馬体は現役時代よりも多少の衰えは見られるものの姿勢もよく筋肉質で男から見てもかっこいいと言わざるを得ないものだった。ウオッカ号が前掻きをしてブルルッ!と鳴いた。

 

 「こっちに来いってよ。なあ、中入ってもいいか?」

 

 「え、ええ。構いませんよ」

 

 「んじゃ、お邪魔しますっと」

 

 厩務員に許可を取りウオッカはヒトの身長程度はあろうかという柵を軽々と飛び越えて向こう側に着地する。ダイワスカーレットは呆れながらも柵をくぐり男と厩務員も中に続いた。直接相対したウオッカに体を触られているウオッカ号はじっと男を見つめる。それに気づいたウオッカが男を紹介した。

 

 「ん、ああこいつ?俺のトレーナー。まあ、その…大事な人ってやつだ。つがいぃぃ!?そんなんじゃねーよ!ああ、トレーナー、話があるんだろ」

 

 ウオッカ号に何を言われたのか瞬間湯沸かし器のように頭から湯気を出す程真っ赤になったウオッカが慌てて否定をする。そして彼女はそのまま男に話を促した。男はウオッカ号にゆっくりと近づきウオッカ号も男を受け入れるように動かず耳と顔を向けてじっと待っている。

 

 「初めましてウオッカ号。俺はこの子たち、ウマ娘のトレーナーをやっているものだ。今日君に会いに来たのは…俺が君の子供を引き取ることになったから挨拶をしたかったんだ」

 

 『律儀なニンゲンね。ワタシの周りのニンゲンはワタシの子を持っていくとき挨拶なんてしやしないし、まだかわいい時に引き離すんだもの。それで、どうしたの?』

 

 ウオッカがウオッカ号の言葉を翻訳して男に伝える。ウオッカ号にとっては子供を取りに来たという襲うには十分な理由があるにもかかわらず怒ることも興奮することもなく理性的な光を讃えた瞳でじっと男を見つめるままだ。

 

 「母親から子供を引き取るんだ。きちんと挨拶をしたかった。だからウオッカ号、約束させてくれ。君の子供は俺が責任をもって天寿を全うするまで面倒を見る。もし俺が死んでも必ず信用できる人に預けて面倒を見てもらう。そして、いい競走馬に育ててみせる」

 

 ウオッカ号は男のその言葉を聞くと、ゆっくりと男に近づく。男は後ろに下がることもなくそのままの姿勢でウオッカを待った。ウオッカ号は顎を男の肩にやりグイッと引いて男を馬体にくっつける。まるで抱きしめるかのような体勢のまま、しばらくたつ。

 

『『俺が信頼してる人だもの。否とは言わないわ。私の可愛い娘を、よろしくね』』

 

 その言葉は男にとって2重の声で聞こえた。一つはウオッカの声ともう一つはウオッカ号自身の声、聞こえるハズのないその声を聞いた男は深く頷き礼を言った。ウオッカ号はそれを受け取ると一歩下がって男を鼻で押し始める。ウオッカがハハッ!と笑って告げた。

 

 「私の娘に会ってきなさいだってさ!行こうぜトレーナー!」

 

 

 

 

 またあとで来る、とウオッカ号に言葉を残してまた厩務員の案内で今度はウオッカ号の子供が他の幼駒と共に放牧されている放牧場にやってきた男たち。厩務員が入り口を開けて男たちを中に招き入れると幼駒たちがなになにと寄ってくる。大人になり切れていないその成長途中の幼い馬たちを見たダイワスカーレットとウオッカは可愛いと漏らした。

 

 「ライは…ああ、いました。あそこです」

 

 「ライ?もう名前付いてるんですか?」

 

 「いえ、幼名です。馬主が付くまで馬に名前はないですから、あだ名みたいなものですね。なんでそうなのかは見れば分かりますよ」

 

 ダイワスカーレットの疑問の声に厩務員が答えると遠くでこちらを見ていた一頭の幼駒が速足でこちらに駆け寄ってくるところだった。あれが、ウオッカの娘のライですという厩務員の言葉の理由を男たちはすぐに理解した。そのライと呼ばれた母親譲りの鹿毛の仔馬、その流星はまるで雷のようにギザギザとしていたからだ。雷みたいだから、ライか。と男が理解すると同時にウオッカがぽつりとつぶやく。

 

 「……ミスティストリーム」

 

 「えっ…ウオッカ、「降りて」きたの?」

 

 「うん。母ちゃんはこんな気分だったのかあ…あ~~~~、俺の娘なんだな…おっ、よしよし。お母さん?いや、まあそうだけどさ…なんか、恥ずかしいな」

 

 ひゅんひゅんと母に甘えるような声を出した仔馬がウオッカに顔を擦り付ける。お母さんだよね?でも全然違う…と困惑と愛情が入り混じって混乱しているその仔馬と優しい顔で受け入れされるがままにしているウオッカをそっとしておいてやることにした男はダイワスカーレットに尋ねる。

 

 「降りてきたってどういうことなんだ?」

 

 「アタシたちウマ娘が産まれた時に、お父さんかお母さんのどっちかに名前が降りてくるの。アタシだったらお父さん、ウオッカだったらお母さんに降りてきたんだけど。さっきウオッカがつぶやいた言葉覚えてるかしら?」

 

 「…ミスティストリーム…ってことはもしかして」

 

 「そ、ウマ娘だったらそれがあの子の名前ってことになるわ。でも馬の名前は馬主が決めるのよね?だったらトレーナーが決めればいいんじゃないかしら」

 

 「いや、それでいこう。ミスティストリーム、いい名前じゃないか。きっと、そのほうがいい」

 

 だってほら、と男はウオッカを指さす。仔馬にじゃれつかれてはいるが、その顔は優しく微笑み、瞳は愛しい子供を見る母の眼差しをしていた。母親が決めた名前が一番いい、男はそう言って触れ合う娘と母を見つめるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

373:他称トレーナー

とまあそんなことがあったんすよ

 

374:名無しのファン

ええ話や…

 

375:名無しのファン

涙が止まらへん…

 

376:名無しのファン

ウオッカーチャン…

 

377:名無しのファン

カーチャン…

 

378:名無しのファン

J( 'ー`)し

 

379:名無しのファン

それじゃねえ!

 

380:名無しのファン

ウオッカがウオッカ号と会えたのもよかったしイッチがウオッカ号に認められてよかったしウオッカに娘ちゃんができたのもよかったし…!あーもうどういったらいいか!

 

381:名無しのファン

ミスティストリーム、いい名前じゃないか

 

382:名無しのファン

女の子らしくもありかっこよくもある

 

383:他称トレーナー

愛称はミスティ、かな。うん、あの後俺もミスティストリームと触れ合ったけど凄い甘えん坊のいい子だよ。あとこれ重要だと思うんだけど、走るよあの子。根拠はないけどそう思う

 

384:名無しのファン

娘さんってことは牝馬レース、ティアラに行くのかな?

 

385:名無しのファン

まだ気が早いんだよねえ

 

386:名無しのファン

イッチが走るって言ってるってことはホンマに走るんやなきっと

 

387:名無しのファン

来年が楽しみ…!

 

388:名無しのファン

で、イッチこれからどうするん?

 

389:他称トレーナー

とりあえずはうちの方で引き取るよ。移動の時は俺とウオッカ、それから何人か移動に付き合おうと思う。ウオッカがいればとりあえず安心だし今10か月らしいから馴致は俺たちの方でやることになりそう

 

390:名無しのファン

おかーちゃんが一緒なのはいいな

 

391:名無しのファン

産んだ本人公認おかーちゃん

 

392:名無しのファン

魂が一緒なだけなんだよなあ

 

393:名無しのファン

十分だろ

 

394:他称トレーナー

とりあえずは仲は良さげだよと

【ウオッカ、ミスティストリーム、ウオッカ号の順番で並んだ写真 ミスティストリームは両側に母親がいて混乱しているようだ】

 

395:名無しのファン

そらそうなるわwww

 

396:名無しのファン

ダスカはどうなんだ?

 

397:名無しのファン

あ、ウオッカが近づけないとかww

 

398:名無しのファン

早々に親ばか?www

 

399:他称トレーナー

いや?普通に触れ合ってたよ。お姉ちゃんポジに収まったらしい。

【ミスティストリームに頬をすりすりされてキュンキュンしているダイワスカーレットの画像】

 

400:名無しのファン

骨抜きじゃん 

 

401:名無しのファン

ダイワスカーレット号って子煩悩らしいしダスカちゃんももしかしたら子供好きなのかね?

 

402:名無しのファン

いい光景じゃないか

 

403:名無しのファン

もうウオッカちゃんの方は平気なの?

 

404:他称トレーナー

うん、というか本当にお母さんみたいだよ。ほらこの画像みてよ

【座ったミスティストリームが横座りしたウオッカの膝の上に顎を置いている画像 ウオッカはミスティストリームを慈しむように撫でている】

 

405:名無しのファン

なんちゅう画像じゃ…!

 

406:名無しのファン

あかん、浄化される

 

407:名無しのファン

汚かったとかお前

 

408:名無しのファン

えんがちょ!

 

409:名無しのファン

言葉の比喩だろうがぁ!!!

 

410:名無しのファン

芝生えるわ

 

411:他称トレーナー

では、一か月後を楽しみにしてここで今日の報告を終了しようと思いまする!

 

412:名無しのファン

おっつイッチ!

 

413:名無しのファン

いい話をありがとうな!

 

414:名無しのファン

ミスティストリームが走る日を楽しみにしてるぜ!

 

415:他称トレーナー

ではまた今度!

【海鮮丼を頬張っているウオッカとダイワスカーレットの画像 からのどんぶりが何杯も置いてある】

 

416:名無しのファン

満喫してんなあ!

 

417:名無しのファン

食いすぎwwww

 

418:名無しのファン

後ろの大将の口があんぐり開いてるの笑うwwww

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 よしっ!ちょっと長いけどこれでウオッカとウオッカが会う話をかけましたね!いやー思いついてからここまで一気に駆け抜けることが出来ました。次回からは通常通りのペースで投稿しようかな。

 ではここでうちの架空馬ことウオッカーチャンの娘ミスティストリームの名前の由来を説明したいと思います。

 ミスティア、というお酒がありましてそのお酒を使ったカクテルにミスティアストリームというものがあります。ミスティア、ですと東方プロジェクトのキャラクターと被る&馬名の文字数制限に引っかかるのでミスティアからアをとってミスティストリームとなりました。

 個人的にはかっこよくもかわいくもあるんじゃないかと思います。どうしてもお酒の名前からとりたかったので個人的には大満足です!

 ではまた次回でお会いしましょう!感想評価よろしくお願いします!

K2編少し続けていい?

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  • あかん
  • 掲示板やれ

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