【美少女】なんか知らんのだが部屋にウマ耳ウマ尻尾の美少女が現れたんやが【降臨】   作:カフェイン中毒

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ミスティストリームのとある1日

 ミスティストリームの朝は早い。というのも馬である彼女の睡眠時間はもともと短いうえに安心できる場所であるURAの自分の馬房の中で寝っ転がって寝ているので猶更である。さて、まず起きた彼女がすることといえば水桶の中に顔を突っ込んで目覚めの一杯の水を飲むことである。

 

 じゅこーっと水を口の中に吸い込んでゴクリゴクリと喉を鳴らしたミスティストリームは水桶から顔を出して馬房の外に顔を出す、馬房の外に誰もいないという事実を確認した彼女の耳が垂れて、ヒィンと思わず鳴き声が漏れてしまった。

 

 ミスティストリームは甘えん坊である。人間が大好きで一分の曇りもなく信頼している。ニンゲンのようなお母ちゃんやニンゲンなのに仲間に見えるお姉ちゃんたちも同様。暫くすんすんと鼻を鳴らして誰か来ないかな~と馬房の外を期待の眼差しで見つめていたミスティストリームであるが、結局誰も来ないのでシュンとしてまたふて寝することにした。なぜなら現在午前2時、ウマ娘も寝静まっている、例外はあるが。

 

 こつこつと微かに音がしてふて寝をしようと座ったミスティストリームは慌てて立ち上がって馬房の中をうろうろとしだす。この足音は聞き覚えがある!と期待満面で待っていると馬房の入り口が開き、そこからお母ちゃんたちからトレーナーと呼ばれている男が姿を現した。ミスティストリームは彼の事をお母ちゃんのパートナーだと思ってるのでお父ちゃんだ!とテンションが最高潮に上がる。

 

 「お、起きてたのか。あ、起こしちゃったのか?ごめんなミスティ。寝る前にちょっと顔を見ておこうと思ってな」

 

 ミスティストリームはウマ娘の英才教育により簡単なニンゲンの言葉を理解しているので謝られてるのは分かっている。むしろ男に構われるのが大好きなミスティストリームは全然ウェルカムなので嬉しくてたまらないのだ。誰もいない寂しい時間に会いに来てくれただけで好感度爆増である。ちょろい、将来が心配になってくる。

 

 「よーしよしよしミスティ、寂しかったのか?そっかそっか、可愛い奴め~」

 

 男は彼女の馬房の中に入ってきたのでミスティストリームは男に顔を擦り付けて甘えだす。顎の下を撫でる男の手を気持ちよさそうに受け入れてたミスティストリームは唇を器用に動かして男に毛繕いをしてあげることにした。今は離れている自分を産んでくれたお母ちゃんに教わった親愛の挨拶である。

 

 「くすぐったいぞミスティ。ありがとな、さてお待ちかねの時間だぞ~」

 

 男のその言葉にミスティストリームは待ってました!と男の服のポケットの匂いを嗅いで男の前に下がって待ちの態勢に入る。男が来ると大体おやつを貰えるのでそれを期待している節がないとは言えない。もちろんウマ娘たちからもフルーツやニンジンを貰ったりしているので何をどれだけあげたかをきちんと記録してその日にあげるエサを調整しているのは男たちだけが知っている話。ミスティストリームは毎日メニューが変わってちょっと嬉しい、でももっと食べたい。これである。

 

 「はい、JHAからもらったんだこれ。砂糖不使用で健康にいいんだってさ」

 

 そう言って男がポケットから取り出した袋は馬用のクッキーである。袋から取り出されたクッキーは男にとって石のように硬そうだなという印象であったがミスティストリームは食べていい?と男を期待の目で見つめている。ミスティストリームは男やウマ娘たちがくれるものを何の疑いもなく食べるので男たちからは俺たち以外から変なもの食わされたらどうしようかと心配しているのはここだけの話。ちなみに本馬は信頼している人間以外からは何かを貰おうと食べる気はさらさらないので杞憂である。この前、隼人少年が差し出したニンジンを一切食べなかった実績があるので安心である、なお隼人少年は若干凹んだらしい。

 

 食べていいよ、と差し出されたクッキーを器用に唇でとって口の中にいれてボリボリといい音をさせて食べるミスティストリームに男が笑顔になる。ミスティストリームは美味しいクッキーに夢中で、もっと頂戴と男を期待の眼差しで見つめるのであった。

 

 

 

 

 

 

 「ミスティ~、放してくれ」

 

 そうすること1時間、クッキーを食べ終えて男もそろそろ寝るかということで馬房から出ようとするとそれを阻止しようとミスティストリームが服のすそを咥えて離さなくなってしまった。捨てられる子犬のような目で寂しい寂しいとこちらにすがるミスティストリームに男は根負けし、30分余計に構うことにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 「おはよう!ミスティ、今日も元気か?」

 

 「ミスティちゃんおはよ。うん、元気そうだね」

 

 男が去って朝5時、出勤してきた川居鉄と平井一樹にミスティストリームはブルルッと鼻を鳴らして挨拶をする。二人の厩務員はミスティストリームにとって身の回りの世話をしてくれる人だからよく懐いている、というかURAの内部の人間をミスティストリームは信頼しきっているので全員が全員好きなのではあるが。

 

 「よしよし、ご飯食べたら放牧場行こうな。カズ!ノートには何かあるか?」

 

 「あー、社長さんが3時間くらい前にクッキーあげたみたいですね。その前にはオグリキャップさんがニンジンあげたみたいです。鉄さん、量ちょっと減らしますか?」

 

 「いや、育ち盛りだからそこまで問題になる量じゃないな。減らさんでいい」

 

 馬は一度にたくさん食べることが出来ないので何か沢山あげていたら量や中身のメニューの調整が必要になるが今回はそんなことをする必要はなさそうと判断した2人は朝の分の飼料を用意し、川居が何時でも食べられるようにと置いてある乾草を補充し餌のバケツをセットするとミスティストリームは待ってましたと言わんばかりに食いついて旺盛に食べ進めていく。

 

 「糖蜜増やしてから食いつきがかなり良くなりましたね」

 

 「ああ、甘いのが好きなんだろうな。ボロはどうだ?」

 

 「悪くないッス。いい感じですよ、食べたら外に出してやりますか?」

 

 「ああ、その前にお迎えがあるだろうけどな」

 

 朝ごはん♪朝ごはん♪と耳と尻尾でご機嫌を現しているミスティストリームを眺めながら馬体やフンを確認して健康チェックを手早く済ませる二人、あっという間に食べ終えたミスティストリームが構ってもらおうと川居のポケットを唇で挟んで引っ張ろうとしている。そんなことを繰り返していると

 

 「ミスティ、起きてるかー?って川居さんに平井さん、おはようございます」

 

 「おはようございます」

 

 「ああ、ウオッカさん。毎朝ご苦労さんですな。ミスティなら元気いっぱいですよ。カズ、無口つけてやってくれ。お出かけだ」

 

 毎朝、午前6時になるとウオッカがミスティストリームを迎えに来る。朝練の時間に合わせてくるウマ娘は変わるがウオッカがダントツだ。いつもなら他のウマ娘も一緒についてきているがどうやら今日はウオッカ一人だけらしい。ミスティストリームはウオッカが姿を現した瞬間に耳を立てて目を輝かせて馬房の中をうろうろとしている。ウマ娘が訪れるとお出かけの合図だということを覚えているのと一番大好きなお母ちゃんが来てくれたという嬉しさを現しているらしい。

 

 「あー、オレが付けますよ。というかなくてもいいんじゃないスか?なあミスティ?」

 

 「そりゃまあウオッカちゃんとか社長なら無口無しで着いていくだろうけどさあ、俺らは引き綱必要だからね。管理の問題ってことで納得して頂戴」

 

 ミスティストリームの鼻面をよしよしと撫でまわしながらウオッカがそう言うがミスティストリームが自分から後ろについていくのは男とウオッカだけなので他の人やウマ娘にとっては引き綱と無口が必要なのだ。まあウマ娘ならば離れないようにと言い含められるのであまり問題ではないが。

 

 ウオッカが平井から無口を受け取りミスティストリームの前に広げる。ミスティストリームはその無口に自分から顔を突っ込んでつけてと催促する。よくしつけされた犬のような動作をしているがまだ馴致途中の馬なのである。何だったら賢さだけなら現役競走馬並みかそれ以上にあるかもしれない。

 

 「じゃ、ミスティ連れていきます。朝メシの時間になったら放牧場に入れておくんで」

 

 「はいよ。良かったなミスティちゃん。お母さんと一緒だぞ」

 

 「だー!それもう言わなくていいですよ!」

 

 

 

 

 

 「おーい、ミスティ連れてきたぞ~~」

 

 「お疲れお母さん!」

 

 「おっはよ~ミスティ!」

 

 「ウオッカ、アンタも早起きが板についてきたわね」

 

 「うっせ」

 

 馬房を開けたウオッカの後ろを引き綱無しで大人しくついていったミスティストリームはウマ娘たちが朝練を行っているトレーニング場に連れてこられた。そこには朝練を行うウマ娘たちが揃っている。全員というわけではなくハードワークをしすぎてトレーナーに怒られたりして休まされてるウマ娘や休息をとる予定のウマ娘はまだベッドの中だ。

 

 「み~すてぃ~~!!」

 

 ぼふっ!と加減をしながらであるがトウカイテイオーが勢いよくミスティストリームに抱き着いて挨拶をする。このお姉ちゃんはよく遊んでくれるのでミスティストリームも激しく挨拶をする。もみくちゃにされたトウカイテイオーが離れるとスペシャルウィークやマヤノトップガン、ウイニングチケットなどもミスティストリームを撫でまわしてトレーニングに入る。

 

 「「「「「「トレセーン!ファイ!オー!ファイ!オー!」」」」」」

 

 「ミスティさん、ついてきてらしたのね」

 

 「おー、軽くとはいえついてこれてるんだ!えらいよミスティ!」

 

 「ミスティちゃん、走るの楽しそ~」

 

 ロードワーク代わりに何周もコースを走るウマ娘たちに併走するミスティストリームにメジロマックイーンが感心しながらそう漏らした。まだ未成熟な体であれど走る機能は十分ある。流石に鍛えに鍛え上げられているウマ娘たちには及ばないが軽めのロードワークならついてくること自体は可能らしい。

 

 もちろんミスティストリームは自主的についてきており、これがトレーニングだとは微塵も思ってない。お母ちゃんやお姉ちゃんたちと遊んでいるという感覚である。それでも2000mのコースを何周かすれば結構な運動量になる、競走馬の幼駒としては破格なほどその馬体は完成されつつあった。

 

 

 

 「じゃ、ミスティ体洗いにいこっか」

 

 朝練を終えたフジキセキの前には体中砂まみれのミスティストリームの姿があった。あの後ウマ娘たちが各々別のトレーニングを始めてしまったので走ることがなくなったミスティストリームはハルウララと一緒に寝転んでみたりメイショウドトウの髪を食んでみたり、キングヘイローのメンコをとったりして遊んでいたずらし放題していたわけであるが、それにも飽きて最終的に内周のダートで砂浴びを始めてしまったのである。

 

 実はミスティストリームの体を洗う作業はウマ娘たちの持ち回り、そしてやってあげたいというウマ娘が多い人気作業なのだ。今回はそれがフジキセキだったのではあるが引き綱を付けたミスティストリームを引いて洗い場に行こうとするともっと遊びたいのかフジキセキの肩に顎を乗せてウルウルとした瞳で説得を開始したミスティストリームにキュンときてしまったらしいフジキセキは

 

 「もう、ダメだよ?きれいになったら遊んであげるから、ね?」

 

 「なんやフジが手間取るなんて珍しオアアアアーーーッ!?何すんねんミスティコラァ!!!」

 

 タマモクロスが面白そうに声を掛けるとミスティストリームは標的を変更してタマモクロスのなが~~~いヘアバンドを咥えて引っ張り首がガクッとなってしまったタマモクロスが素っ頓狂な声を上げた後怒って両手を上げてミスティストリームを追いかけ始める。遊んでくれる!と調子を上げて逃げるミスティを追いかけるタマモクロスに笑いのツボを刺激されたのかフジキセキは仲裁することを忘れて大笑いしてしまうのであった。

 

 

 

 

 

 「ほーいミスティ、馴致の時間だぞ~。じゃ、ハミな。ほい鞍乗せるぞ~、ベルト締めるから動くなよ~」

 

 「ホントに、調教師泣かせな馬だな…」

 

 お昼を挟んで午後、馴致の様子を見に来た斗馬の下ウオッカによって馴致が行われている。斗馬曰く「教えることがなさ過ぎて調教師の出番がない」というくらいに素直で頭がいいミスティストリームは何週間もかかる馴致を一足飛びのペースで進んでいる。

 

 無口を外してハミを見せると自分から咥え、鞍を乗せる為にウオッカが腹の下に潜り込んでも微動だにせず、ストラップを止められても知らん顔で余裕の表情。何だったら斗馬のポケットから美味しいものが出てこないか探す余裕すらある。だがまあ、ここから先は調教師の仕事なので、必要なのは間違いないのだが。

 

 「あー、コマンドの意味は教えてあるんだけどそれじゃまずいんだっけか?」

 

 「そうだね、乗るのは君たちウマ娘と違って言葉が通じない豊騎だし、私もだから。ちゃんということを聞くようにしておかないとお互い危ないんだよ」

 

 「そっかー、じゃミスティ?オレは見てるから斗馬先生の言うことよく聞くんだぞ?」

 

 「じゃ、引き綱もらうよ。ミスティストリーム、ランジングだ。WALK!」

 

 ランジングとは、調馬索を用いてウマをぐるっと円運動させる馴致だ。コマンドを用いて馬を操り人間とのコミュニケーション力の向上などを行う、屋内で行われる馴致で、斗馬の合図でミスティストリームは歩き出し、斗馬は助手と一緒にミスティストリームにコマンドを根気強く教えていく。常歩、速歩、停止などを素直に聞くミスティストリームにご褒美の黒糖を上げると美味しそうに味わって食べている。特に1歳馬となればペンと呼ばれる丸型の馬場を使用することも間々あるがミスティストリームは斗馬の巧みな操作によってきれいに調馬索に沿って円運動をしている。

 

 「どっすか?ミスティは?」

 

 「順調だよ。私が担当した中でトップクラスに頭がいい。君たちのお世話のたまものだね」

 

 「へへっ!当然だな!なんたってオレたちが教えてるしトレーナーが面倒見てるからな!」

 

 ミスティストリームが褒められると我がことのように嬉しがるウオッカになになに!?と頬を寄せるミスティストリーム、顔を抱きしめてやるウオッカを見た斗馬と助手の顔がほころんだのはここだけの話。




 掲示板を期待した皆さんごめんなさい、どうでもいい話でした!マジでなに書いてんだろうな。でもミスティストリームを書きたいと思ってしまったのでミスティのとある1日を書かせてもらいました。

 こんな馬いるか!というくらい頭がいいミスティストリームですが中身は幼女です。女の子だしね。ウマ娘との絡みすくね~~…

 と、とりあえず次回は掲示板ですのでご安心を。感想評価よろしくお願いします。ではまた次回で会いましょう!

K2編少し続けていい?

  • ええで
  • あかん
  • 掲示板やれ

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