【美少女】なんか知らんのだが部屋にウマ耳ウマ尻尾の美少女が現れたんやが【降臨】   作:カフェイン中毒

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ジャパンカップ

 強くなった、と男は目の前のウマ娘をそう評してみる。元から強かった、という話は置いておくとしても目の前にいるスペシャルウィークはより一層走りに磨きをかけることが出来ることが出来たのではないかと男は勝負服に身を包んだ彼女に声を掛ける。

 

 「本番だな」

 

 「はい!トレーナーさん!私、頑張って来ますね!」

 

 「うん、頑張っておいで。君ならきっと勝てるはずだ」

 

 「当然です!トレーナーさんの作ったメニューで鍛えてもらって勝てなかったことなんてありませんから!どーんと任せてくださいね!」

 

 暗い赤と白、まるで陣羽織のような勝負服を着こなしたスペシャルウィークはどん、と自分の胸に手を当てて自信に満ちた顔で宣言する。まっすぐなその瞳の輝きを見た男は破顔し、安心したよと彼女の頭を優しく撫でる。気持ちよさそうにそれを受け入れたスペシャルウィークは瞳を閉じ、深呼吸をする。

 

 彼女が再びその瞳を開けたとき、スペシャルウィークは天真爛漫なウマ娘から一人のアスリートに変わった。目指すのはターフの頂、1着のみ。いずれ必ずなる日の本一のウマ娘への一歩を踏み出した。男は頼もしい彼女の背を追って部屋を抜け出す。

 

 

 

 

 

 

 

 『レジェンドレース「ジャパンカップ」晴天に恵まれました東京競馬場にて日本の総大将の魂を継ぐウマ娘スペシャルウィークと世界の優駿たちが雌雄を決します』

 

 「ふん、やっとか」

 

 「そんなこと言ってブライアン今か今かとずっと待ってたの知ってるよ~?」

 

 「…チケット、うるさい」

 

 「ひどい!」

 

 「スぺちゃん、気合十分ね」

 

 「最後の模擬レースでも私たちを千切り飛ばしていましたから、きっと勝てますわ」

 

 「おら~!スぺ!気合い入れてけ~」

 

 「ライス、頑張って応援するね…!」

 

 ファンファーレが鳴り響き、ゲートが開きゲート入りが行われる。すでに何度も着用しており観客たちにとっても見慣れて来たであろう紫と白の勝負服ではなく新しい勝負服を身にまとったスペシャルウィークは当然注目の的であり、観客の期待と興味を一身に背負っている。だがそれでも男は一抹の不安を覚えてしまっていた。

 

 「強いな、あの馬」

 

 「だろーな、何か分かるぜ。お米と一緒だ」

 

 「うん、スペシャルウィークさんしか見てないよ、あのお馬さん」

 

 男から見ても7番ゲートに入った馬、スペシャルウィークとの対戦を熱望していたコンステラシオンは強大に映った。戦績はモンジューに劣るかもしれないがなるほど確かにあれは強い、大きな体に搭載された鋼のような筋肉に姿勢の良さがそれを物語っている。そして、スペシャルウィークに熱視線を送ろうともレースへの集中力を切らさない、いい熱の入り方だと立場を忘れて男は唸った。

 

 「だが、スペシャルウィークは負けてない、そうだろう」

 

 「ブライアンさんの言う通り。スぺちゃんは負けないわ」

 

 ナリタブライアンとサイレンススズカが言う通り、それでも男はスペシャルウィークが勝つと信じている。8番のゲートに入ったスペシャルウィークが何事かをコンステラシオンに向けて言い放ったのが見えた。騎手の口元がにんまりと弧を描いた所を見ると何かの宣戦布告でもしたのだろうか、と考えてるとメジロマックイーンがクスクスと笑った。

 

 「スペシャルウィークさん、強気ですわ」

 

 「何言ったのか分かったのか?」

 

 「La victoire est moi…勝利は私のもの、ですわ」

 

 「誰が教えたんだ……?」

 

 「多分エルじゃないかな?ほら」

 

 ウイニングチケットが指さす方を見た男はエルコンドルパサーがグラスワンダーに問い詰められて冷や汗をだらだらと流しているところだった。男は凱旋門賞の経験があるエルコンドルパサーならばフランス語をある程度知っていてもおかしくはないと思いスラングじみた挑発でなくてよかったと胸をなでおろすと同じくらいでゲート入りが完了したらしく、シンと場内が鎮まる。

 

 

 

 

 

 

 

 『スタートしました!きれいなスタートです!1番人気コンステラシオン3番手、迎え撃つスペシャルウィークは7番手後方についています!』

 

 「…まずい、のまれたぞ」

 

 「ッチ、コンステラシオンとかいうのと上のやつ、うまいぞ。スペシャルウィークのスタートに被せて後ろに追いやった」

 

 ナリタブライアンが唸った。スペシャルウィークの隣のゲートから飛び出したコンステラシオンはスペシャルウィークが目指すコースを予想していたかのように先に前に進み道をふさいだのだ。大きな馬体に邪魔をされたスペシャルウィークは下がらざるを得なくなり結果後発の馬たちの馬群にのまれてしまう。

 

 『スペシャルウィークは馬群にのまれた!脱出は絶望的か?コンステラシオン悠々とコーナーを曲がります!』

 

 「でもスぺちゃんなら問題ないと思うよ~!」

 

 「そうね、あの程度で負けるなら…私たちに勝てるはずがないもの」

 

 馬群にのまれたスペシャルウィークを前にしてウイニングチケットとサイレンススズカ、その他のウマ娘は全く慌てる様子はない。サイレンススズカの言葉のように自らの実力を疑わず、そして己に勝てるウマ娘であるスペシャルウィークの実力ならば前後左右を馬に囲まれても全く問題ないと断言する。

 

 「確かに、コンステラシオンさん…うまいし強いとライスも思うけど、スペシャルウィークさんならきっと」

 

 「ああ、スぺの目は死んでねえ。やらかしてくれるんじゃねえか?」

 

 『さあ半分を過ぎました現在1位はトライスワロウ、アマギハレルヤに続いてコンステラシオン、スペシャルウィークは動けないか!?』

 

 スペシャルウィークは馬群の中でじっと動かずに待っている。観客はこれはもうダメかと半分諦めムードだが男はそうではない。男の目はスペシャルウィークの走りからあることを読み取っていた。それは

 

 「脚をためているのか。そうすると狙っているのは…」

 

 「ええ、スペシャルウィークさん十八番、最後の直線での末脚勝負ですわ。一番得意なもので勝負したいということでしょう」

 

 

 

 コンステラシオンの騎手は焦っていた。背中にはじっとりと運動でかいたものとは別の汗が存在を主張している。スタートを被せてのコースの奪い合いに勝利し優位なはずの自分たちがなぜか追い詰められているようにすら思える。その理由は明白、ちらりと後ろを見てそれと目があった。赤々と燃えるその瞳を見た瞬間に心臓を掴まれるような錯覚を覚える。

 

 人の形をした馬、人の賢さと馬の速さを併せ持つ存在、ウマ娘。自らが騎乗するコンステラシオンの祖を打ち破った馬の生まれ変わり。この馬ならば勝てるはずだ、と信じレースに参加した。ゲート前での可愛らしいともいえる挑発には思わず笑って返すことが出来たが走り出した瞬間にまるで別の生き物に変わってしまったかのように見えるほど面影がなくなる。

 

 馬群にのまれているがそんなのは関係ない、絶対に抜けてくる。勝負には勝つ、仕掛けどころは最後の直線。くしくもその思考はスペシャルウィークと合致していた。

 

 

 強い、とスペシャルウィークは獰猛に笑う。スタートを被せてきたのも、コース取りの巧みさも。全てが高いレベルでまとまっている。まるでモンジューさんと走った時みたい、と考えたところで相手を見ていないようで失礼だったと考え直した。スペシャルウィークは今前後左右を大きな競走馬に囲まれて身動きが取れない状況にある、が抜け出す隙間はできる。仕掛けるまでは脚をためるんだ。とはやる心を落ち着かせる。焦るな、焦るな。トレーナーさんに一着を贈るんだ。貴方が育てたウマ娘は世界に通用するんだと胸を張れるように。だから、そこを、のけ。

 

 『さあ最終局面です。スペシャルウィークはいまだ動けず、最終コーナーに入ります』

 

 「仕掛けるなら、ここだ」

 

 「あああああああああああああああああああああああっ!!!!!」

 

 『スペシャルウィークが動いた!コンステラシオンもしかける!』

 

 最終コーナーを曲がった瞬間呟いた男と同時にスペシャルウィークが吠える。抑えていた本能を全開にして全力の末脚でスパートをかける。全てを砕かんと振り上げる両脚でターフを踏みしめ馬群からロケットのように飛び出した。余りの速さに馬群を形成していた馬は妨害することすら出来ずに素通りされてしまう。

 

 応援していたウマ娘と男はきたっ!とそれぞれ大声で応援をあげる。発動された領域、スペシャルウィークの軌跡が残光となってターフに残る様にすら見える。数瞬おくれてまずいと判断したコンステラシオンに鞭が入り猛追するスペシャルウィークから逃げるようにスパートに入った。

 

 『スペシャルウィーク上がってきた!スペシャルウィーク上がってきた!コンステラシオン逃げ切れるか!?順位入れ替わって1番手コンステラシオンをスペシャルウィーク猛追!』

 

 コンステラシオンとスペシャルウィークの我慢比べ、何とかして逃げようとするコンステラシオンに対しスペシャルウィークのためにためた末脚が距離を削っていく。そして、並ぶ。男がいる関係者席の前を風が通過した。通り過ぎる教え子と目があった、気がした。とっさに出たのは2文字。

 

 「勝て」

 

 スペシャルウィークは男のそんな声を聞いた気がした。こんな全部を削るレースの中、そんなわけないのに。でも、嬉しかった。私を、今だけは私だけを見てくれてるんだ。そう思えて。見てて、トレーナーさん。これが、貴方が育ててくれたウマ娘の、全力です。スペシャルウィークは思いっきり前傾姿勢をとって、壊れそうな足にさらに力を注いだ。

 

 『スペシャルウィークまだ上がる!スペシャルウィークが加速する!見たか世界!これが日の本一の総大将~~~!!』

 

 コンステラシオンに並んでいたスペシャルウィークがさらに加速をかけ、じりじりと前へ出る。鞭を入れ続けてももう追いつけない、そう思っても鞭を入れざるを得ないコンステラシオンの騎手。ゴール板の前を駆け抜ける。

 

 『ゴ―――ル!!!スペシャルウィークが強豪コンステラシオンを破りました!スペシャルウィークが日本の強さを証明しました!』

 

 男はたまらず関係者席を飛び出した。サイレンススズカ、メジロマックイーン、ライスシャワー、ウイニングチケット、ナリタブライアン、ゴールドシップもそれに続き、他のウマ娘も我先にと飛び出した。競走馬たちが通り過ぎる中一人止まったスペシャルウィークが膝に手をついて息を整えている。男はスぺ、と声を掛ける。

 

 「トレーナーさん!!私!勝ちました!!!」

 

 そう言いながらスペシャルウィークは男に思いっきり飛びついた。男も、全てを出し尽くしたスペシャルウィークを優しく受け止めて、よくやってくれたと思いっきり抱きしめてやる。えへへ、と花が咲くように笑う笑顔のスペシャルウィークを男は地面におろして、観客席を指さした。スペシャルウィークには手を一つ、上に伸ばし指を一本出した。一着の宣言に会場が爆発するように沸く。

 

 男はチームシリウスにもみくちゃにされるスペシャルウィークを眩しそうに眺めた後パン、と手を叩く。こっちを見るウマ娘たちを促すように男は言う

 

 「ウイニングライブ、最高のを頼むよ」

 

 はいっ!と元気な声が帰ってきて、男はまた、破顔するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

780:日本総大将応援団

うおおおおおおスぺちゃああん!!!

 

781:日本総大将応援団

かっけええええ!

 

782:日本総大将応援団

コンステラシオンに勝っちまった…

 

783:日本総大将応援団

ウイニングライブ最高なんだけど。3曲メドレーとかやばい

 

784:日本総大将応援団

代わる代わるウマ娘が出てくるけどスぺちゃんが全部センターなのいいわあ~~

 

785:日本総大将応援団

一曲目のメイクデビューでマジでもう涙腺がヤバい

 

786:日本総大将応援団

なんだかんだ初めて世に出た曲だしな、しかもその時踊ってたのもスぺちゃん

 

787:日本総大将応援団

両脇を固めてるのがエルコンドルパサーとキングヘイローなのもうヤバい

 

788:日本総大将応援団

黄金世代…!

 

789:日本総大将応援団

次二つが新曲なのもエモい

 

790:日本総大将応援団

ユメヲカケル!いい曲だあ…

 

791:日本総大将応援団

スぺちゃんも思いっきり夢をかけてくれたんやな

 

792:日本総大将応援団

俺らの夢も駆けてくれたんや…!

 

793:日本総大将応援団

次がセイウンスカイとグラスワンダーだっただよね。サブが

 

794:日本総大将応援団

友達以上仲間でライバルの所でスぺちゃんとグラスちゃんがこつんってグータッチするので心臓止まった

 

795:日本総大将応援団

俺は勝った瞬間に心臓ないなったぞ

 

796:日本総大将応援団

纏めて成仏してクレメンス

 

797:日本総大将応援団

最後の直線でコンステラシオンと並んだあとさらに加速したのがマジでヤバい

 

798:日本総大将応援団

勝負の時のスぺちゃんの顔がイケメン過ぎる

 

799:日本総大将応援団

あんなすぺっとした笑顔なのにのめり込んだ時歯むき出しで笑うのヤバい、イケメン

 

800:日本総大将応援団

元のスペシャルウィーク号もグッドルッキングホースだったからまあわからんでもない

 

801:日本総大将応援団

ラストの曲がチーム全員で歌う曲なのがね、もうね…!

 

802:日本総大将応援団

チームシリウス、いいチームじゃん…!

 

803:日本総大将応援団

新しい勝負服のスぺちゃんかっこよすぎぃ!

 

804:日本総大将応援団

マジでカッコいい衣装だよな。威風堂々というかそんな感じ

 

805:日本総大将応援団

ところどころ前の勝負服っぽいところあるのマジで最高、色違いのブーツとか

 

806:日本総大将応援団

笑顔の宝物かあ、確かにスぺちゃんの笑顔は宝物と言っても過言ではないが

 

807:日本総大将応援団

ウマ娘全員宝物だろいい加減にしろ

 

808:日本総大将応援団

ド正論

 

809:日本総大将応援団

途中のピアノ調の間奏パートの振り付け可愛らしいんだが?

 

810:日本総大将応援団

振付でSIRIUSを表現してるの最高

 

811:日本総大将応援団

そういえばゴルシちゃんがレースとかウイニングライブ出るの初じゃん

 

812:日本総大将応援団

ゴルシちゃん歌も歌えておどれるんだなあ

 

813:日本総大将応援団

ナリタブライアンのtwoの指の出し方がイケメン過ぎる

 

814:日本総大将応援団

フランスでコンステラシオンが負けたことが話題になってるな

 

815:日本総大将応援団

そりゃそうだ

 

816:日本総大将応援団

ウマ娘ブーム海外伝播くる~~?

 

817:日本総大将応援団

イッチが過労死しちゃう

 

818:日本総大将応援団

コンステラシオンがスぺちゃんを認めるように背中を鼻で押したの好き

 

819:日本総大将応援団

騎手はイッチとがっつり握手と

 

820:他称トレーナー

やっほ

 

821:日本総大将応援団

いっちぃ!

 

822:日本総大将応援団

ウマ娘のところに居なくてええんか?

 

823:他称トレーナー

まあ、ちょっとな。とりあえず俺の話を聞いてくれ

 

824:日本総大将応援団

おう、聞くぞ聞く聞く

 

825:日本総大将応援団

そのあと盛大に祝わせてくれ

 

826:日本総大将応援団

イッチもスぺちゃんもお疲れ様だーい!

 

827:他称トレーナー

なんか知らんのだが部屋にウマ耳ウマ尻尾の美少女が現れたんでいろいろ世話したらいつの間にかとんでもないことになってたんやが?

 

828:日本総大将応援団

いまさらそれかよ!

 

829:日本総大将応援団

そんな人生歩んでるのお前くらいやぞ

 

830:日本総大将応援団

おまえの世話のレベルはおかしい

 

831:日本総大将応援団

頑張ったな!

 

832:日本総大将応援団

これからもよろしくだ!イッチ!ウマ娘を世話してやれよ!

 

833:他称トレーナー

勿論!おまいらこれからもよろしくな!

 

 




 これにて完結です。詳しい話は活動報告の後書きにでも載せておきます。

 今までありがとうございました。

 後書きはこちらへ

https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=284619&uid=88429

K2編少し続けていい?

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