【美少女】なんか知らんのだが部屋にウマ耳ウマ尻尾の美少女が現れたんやが【降臨】   作:カフェイン中毒

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後編デース


アグネスデジタル、コスプレイヤーと仲良くなる

 「えーっと……スイマセン、なんか……」

 

 「いやいや、アタシもなんか騒いじゃったし……」

 

 「すいません俺も釣られて大声あげちゃったりして……」

 

 いやいやいや、と3人そろって頭を下げ合う少年少女、何を隠そうアグネスデジタルの耳を見てしまった2人、喜多川海夢と五条新菜のコンビと耳を大開帳したデジことアグネスデジタルである。現在3人はとあるカラオケボックスの中にてひざを突き合わせて話をしていた。

 

 幸い二人が大声をあげたのはデジタルが帽子をかぶった後だったので何事かという顔でやってきたスタッフさんにしどろもどろな説明をしてお帰り頂き、どうかどうかこのことは内密にいいいいとお願いし、事情を話しますからというともう二人は帰るところだというのでこれ幸いと私のおごりですとカラオケ屋に駆け込んだわけである。

 

 「いやー、迂闊でした。にしても随分印象変わりますね喜多川さんは」

 

 「迂闊といいますか何といいますか……勝手に帽子をとっただけでは?」

 

 「うっ」

 

 「ごじょー君いじめちゃ可哀想だよ。私たちより年下よ?もっと慈しみをもって!」

 

 「俺が悪いんですか……?」

 

 「いえ悪いのは私なんですけども……えっと、その……私たちのことってご存知です?」

 

 指をツンツンしながら上目遣いで二人にそう尋ねるアグネスデジタル。いじらしい仕草に海夢の方はキュンときているらしいが新菜の方はそういえばと今は帽子をとっているアグネスデジタルを見て、コスプレ?と疑問符を浮かべた。こんなに感情豊かに動くだなんて凄いなあ、作ったんだろうか?それともどこかで売ってるもの?と職人魂がむくむくと起き上がってきた新菜は尋ねてみることにした。

 

 「その付け耳、凄いですね。どこかに売ってるものなんですか?」

 

 「ごじょー君、それマジで言ってる……?」

 

 「あはは、その……これ本物の私の耳で付け耳じゃないんです……」

 

 「ほらごじょー君!ニュースとかで知ってるでしょ!?ネットとかお祭りで激ヤバなんだから!」

 

 海夢はスマホを取り出して新菜の前に突き出した。おそらくその画面にはURAのホームページがあることだろう。ふむふむと読み進めていくうちにもういらないですねと丸眼鏡をはずしたデジタルを1度見て、スマホに目を戻し、もう一度見て、さらに汗をだらだらと流してスマホとデジタルを見る作業を数度繰り返した。どうしました?とデジタルが声を掛ける前に新菜が震える声で言葉を絞り出した。

 

 「つ、つまり……ウマ、娘ですか?じいちゃんが言っていたような、オグリキャップが復活したとかどうとか……」

 

 「あー、やっぱオグリさん人気ですよね。分かります分かります、ええもちろん!凄いウマ娘ちゃんなんですよー何といってもですね……」

 

 「ちょちょちょちょっと待ってください!ってことは貴方もウマ娘ってことですか!?」

 

 「はい、見えませんかこの耳?」

 

 デジタルはわざとらしいほどふぁさふぁさと自分のウマ耳を新菜に向けて動かす。目線で耳を追いかける新菜が面白くなったデジタルがクスクスと笑っていると現実に戻ってきた新菜はどう接したらいいのか分からないらしい。一方海夢の方はデジタルの耳の動きを見てカワイイ~~!とテンションをぶち上げている。というか手をわさわさしてるので触りたいのかもしれないがそこを許しているのはトレーナーさんだけなので飛びかかってきたらブロックされるのがおちである。

 

 「それでそれで!デジちゃんはなんでイベント来てたの!?もしかして好きな漫画とかアニメとかある!?だったら滅茶苦茶気になるんですけど!?」

 

 「はい!なんと今日のイベントでウマ娘ちゃんの同人誌が頒布されるということでトレーナーさんに無理を言って来たんです!それで……それで……貴方たちにバレた次第ということでありまして……」

 

 「へー!同じウマ娘なのにウマ娘の事好きなんだ~~!あはは!ってことはSNSとかで言わないでってこと?ん~!いいよおっけーおっけー!ちゃんと秘密にする!ね!ごじょー君?」

 

 「はい、俺も別にそういったものをやってるわけではないので……そもそもデジさんがあそこにいることがばれたら何かまずいのですか?」

 

 「あ、はい。実はあたし昨日レースで走ってまして……ちょうど話題になってる所なんです。イベントに迷惑をかけるのは本意ではありませんし。あ、あとでSNSにあげていただく分には大丈夫ですよ。その場で騒ぎにならなければいいとトレーナーさんも仰ってました」

 

 「レース?ごじょー君昨日そんなニュースやってたっけ?アタシ今日が楽しみ過ぎてずっとヌル女やってたから世界と隔絶されてたんよね」

 

 「俺も昨日は衣装の調整をやっててテレビや新聞は見てないですね……」

 

 「それは……あたしの事情に巻き込んでしまってごめんなさい。楽しみにしてたイベントに面倒事を持ち込んでしまってまことに」

 

 「いやいやいや!むしろアタシはデジちゃんと会えてよかったって思ってるから!というかレースってあれだよね!?馬と走るやつ!滅茶苦茶気になるんですけど!?」

 

 「それでしたら……アグネスデジタルで検索すると出てくると思います。私の名前です」

 

 二人がどれだけイベントを楽しみにしていたかを知ったデジタルは申し訳なさでいっぱいになり謝ろうとしたが海夢に止められた。新菜も頷いているのでほっと息を吐いたデジタルは海夢が気になっているらしいレースの動画を見せることにした。行われたのは東京競馬場芝の1600m芝マイル、安田記念と同じ条件のレースだ。そこに写された勝負服のアグネスデジタルを見た二人が揃って声をあげる。

 

 「腹筋ヤバッ!?スタイルパねえ!?どうなってんのこれ!?モデル!?デジちゃんモデルだったりする!?」

 

 「服、すごいですねこれ。こんな服を作れる人がいるなんて……誰が作ったんだろう」

 

 モデルは一人今URAにいますけど、なんて思いつつ嬉しい感想を言ってくれますねとほっこりしたアグネスデジタルである。何せ勝負服のことも、レースに向けて必死に絞って鍛えた体のことも自分を構成する一つなのだ。褒められて嬉しくないわけはない。えへへ、少々締まらない顔になっているデジタルをよそにゲートインしたデジタルを見た二人はごくりと息をのんだ。ゲートに入った瞬間に雰囲気が変わったからだ。というのも昨日のレースでデジタルはこの時点で領域に入っていたのでそう見えて当然というだけであるが。

 

 アグネスデジタルはマイルから中距離まで走れるが、デジタルの領域は少し特殊で短距離ウマ娘のゲートイン時から領域に入るのと中長距離ウマ娘のレース終盤に領域に入り規格外の末脚を発揮する両方の領域を扱うことが出来る珍しいタイプのウマ娘なのだ。他にもできるウマ娘自体はいるが珍しいことには変わりないのである。

 

 「やっば……なにこれ……」

 

 「すごい、ですね……早くて強くて……カッコイイです……」

 

 「あの~そんなに褒められると少々お恥ずかしいと言いますか……」

 

 「すっご、勝っちゃった!デジちゃんマジヤバいよこれ!どうやったらそんな速く走れるん!?つーか腹筋どうなってるの!?えっ硬っ!?鉄板!?ごじょー君も触ってみてほら!」

 

 「えっいや俺は……おしが強い……」

 

 直接面と向かって褒められててれてれしていたデジタルではあるが目を皿のようにしてデジタルが勝利したレースの動画を見てテンションが振り切れたらしい海夢ががばっと立ち上がってデジタルに思いっきりハグをした。その際ちょうど腹に手を回す形になった時に触れた感触に海夢が驚きの声をあげて新菜の手を無理やり引っ張ってデジタルのお腹に当てた。

 

 硬いのである。うっすら脂肪はあるにしろガチガチに硬い、それは当然でデジタルはトレーニングをしていつもより体重を絞ったうえで筋肉量をあげている。従って薄い脂肪の下には鍛え上げられた筋肉がこんにちはしてるのだ。さらにレース後すぐということもあって体内の残量エネルギーは枯渇しているのだ。そりゃあ筋肉の感触がよくわかるだろう。新菜はすぐに慌てて手を放したが海夢はその感触に夢中になっている。面白い人ですね~と割と大らかに考えているデジタルではあるが絵面がすごいことになっている。

 

 「あの、それよりもお聞きしたいことがあるのですけど」

 

 「はい?なんでしょう?私で答えられることであれば」

 

 「その、レースの時に着ていらっしゃった服のことなんですけど……」

 

 「あ、勝負服のことですね。レースの時だけに着る特別な衣装で、そのウマ娘だけのデザインで作られる服のことです。気になりますか?」

 

 「はい!特にこことかですね。どうやって作ってるんだろう……実物見て見たいです」

 

 「じゃあ来ますか?残念ですけど流石にいま勝負服は持ってないのでURAの方に遊びに来ていただいたらたくさん見れると思いますよ?」

 

 「え?」「え?」

 

 「いえ、ちょうど夏も近いですし何だったらURAに来てみればいいと思います。夏合宿の時は公開トレーニングもあるのでちょうどいいかと。旅行代なら私が払いますよ?お二人とお話していて楽しいので、またお話したいです」

 

 あっさりと見たいならくればいいじゃないですかと言い放ったデジタルに新菜は「行動力……!」と戦慄する。さらには旅行代を支払うという太っ腹っぷりに常識が違うとくらくらしている新菜といまにも行きたいと言いだしそうな海夢の対比にオペラオーさんとドトウさんみたいですと思ったデジタルはトレーナーに電話をかけてこれこれこうでどっかのタイミングでふたりくらい連れていってもいいかと尋ねるといいよと予想通りの答えが返ってきたのでピッと通話を切ったデジタルが

 

 「問題ないそうなのでよかったら是非いらしてください。他にも連れてこられたいお友達とかいたら私に言ってくれれば大丈夫です」

 

 「マジ!?ホントにいいの!?ねえごじょー君いこーよ!コスプレの参考になるかもだし!」

 

 「服飾のことでしたら詳しいウマ娘ちゃんもいらっしゃいますし、プロの方も定期的にいらっしゃいますので勉強にはなると思います。どうでしょう?」

 

 「プロ……というとあの服を作った……?」

 

 「それとはまた別ですがウイニングライブの衣装を制作してたりはしてます。クレーンゲームの景品のぱかぷちをデザインした方ですね」

 

 「あーーーっ!?そうじゃんレース勝ったらライブやるんだよね!?めっちゃ気になるんだけど見ていい!?」

 

 「いいですけど、なんだったらここで歌いましょうか?せっかくカラオケの大部屋に通されたんですし。せめてものお詫びってことで歌いますよ?」

 

 「マジ!?!?!?!?」

 

 「はい、勿論です!不肖アグネスデジタル、心を込めて歌わせてもらいますっ!」

 

 何度目か分からない海夢の驚きの声に答えるようにデジタルはデンモクを操作して曲を入力する。残念ながら昨日歌った曲はまだカラオケに入っていないのだが、トレーナーである男のごり押しによりいくつかのウイニングライブ用の曲はカラオケの中に入っている。その中からマイルで使うものを選んだ。ティアラを被るものにふさわしい曲「彩 Phantasia」を。

 

 「あっマイク!」

 

 「この部屋の大きさなら要らないです。壊れちゃいますよ?」

 

 「うえっマジ!?」

 

 「屋外で歌うのが基本ですからね、声も大きくなります。じゃ、楽しんでくださいね!」

 

 デジタルが立ち上がってオーバーオールを脱ぎ捨てる。思わず新菜は両手で顔を隠したがホットパンツを履いていたらしくすらりとした脚線美と尻から生える尻尾、足元でカツカツなる蹄鉄の音に釘付けになった。ウマ娘にとっては蹄鉄シューズは常に共にあるものなので音をさせずに歩くというのは嗜みとされている。だが、ライブとなれば話は別だ。タップダンスのシューズのようにステップで奏でる音もライブのうちなのである。前奏が流れ出した。

 

 『day by day 憧れて step by step 積み重ね 君と紡ぐ未来』

 

 歌いだした瞬間、部屋をアグネスデジタルが支配した。少なくとも二人はそう感じた、柔らかな動きのダンスの一挙手一投足が洗練されていて、見る相手を楽しませようとする心遣いに満ちていた。声量も大音量のカラオケ音源にマイクなしで張り合っている。わぁ、と海夢が笑顔になった。

 

 『舞い散る花びらを従えて いま羽ばたこう 時空とんで次元も越えて 空が落ちてく fragrance 神様惑わせたい このまま 離さない 譲れない 渡さない』

 

 踊り歌うデジタルをみた新菜は昔のことを思い出していた。祖父が作ったひな人形を初めて見た時に感じた気持ち。それと数時間前のコスプレをしてイベントを目いっぱい楽しむ海夢を見た時と同じ気持ち、即ち……キレイだ、と。

 

 『ドキドキってもっとphantasia 手を伸ばし 掴もう ぎゅんとぎゅっと鼓動がこんなにいとしい ねえやっと逢えたこの瞬間 素直にありがとう ずっとずっと待っていた 私は 彩 phantasia』

 

 蹄鉄が奏でる軽やかな音とダンス、歌が二人を魅了した。気づけば海夢はアンコールと連呼してたし、新菜は拍手をしていた。デジタルはそれに応えてもう一曲デンモクに入力するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにカラオケ屋に迎えに来た男はデジタルがこちらの世界で友達を作ったことを盛大に喜んだし来てくれるなら是非ともとバックアップを約束した。ちなみに海夢はカラオケでデジタルと撮ったツーショットをSNSにアップしてフォロワーが爆増したり、新菜は雨の日風呂場で知らないJKに相対して服を作ることになったりしたがそれはまた別の話である。なお、デジタルにその話を聞いたニシノフラワーはこちらで放送されていた「フラワープリンセス烈‼」というアニメにはまったらしくそのコスプレをすると聞いて見学したいと押し掛けるのもまたまた別の話である。

 




 未定といったな、あれは嘘だ。というわけでこれで後編です。次は新菜と海夢がURAにくる話とか面白いかなあと思っています。

 プラスしてジュジュサマとか入れられたらなあって思いましたけど来る性格じゃなさそうなきがする。ではでは次回はあるかどうかわかりませんがあったらお会いしましょう

 感想評価くれると筆が加速しますのでよろしくお願いいたします。ガソリンください

K2編少し続けていい?

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