【美少女】なんか知らんのだが部屋にウマ耳ウマ尻尾の美少女が現れたんやが【降臨】   作:カフェイン中毒

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  2.5次元の誘惑とのクロスオーバーです。それでもよいかたは楽しんでってください。


熱血コスプレ大感謝祭!

「トレちゃんトレちゃん」

 

「なんだいトランちゃんや」

 

「そのノってくれる感じ愛してるぜ~。それはそれとしてなんだけど、この漫画知ってる?」

 

「ああ、知ってる知ってる。アシュフォード戦記だろ?俺も小さいころ読んでたんだよ。今はスピンオフやってるんだっけ」

 

「さっすがトレちゃんアンテナ3本立ってるね。そんでさそんでさ、この写真見てよ」

 

 URAも軌道に乗ってきたある日のこと。炬燵に座布団スタイルでパソコンを叩いていた男にのしりと柔らかく温かい感触が襲い掛かった。その感触の正体は、当然ウマ娘。大きな眼鏡にたれ目のガジェットオタク、トランセンドであった。

 

 男の背中に抱き着くような形で顎を肩に乗せたトランセンドは手を男の前に回してスマートフォンを男に見せる。するとそこの画面にはかつて男が少年だったころの愛読書であった少年ジャンプの作品が映されていた。

 

 題してアシュフォード戦記、アッシュ戦記とも呼ばれる王道のバトルファンタジー作品で、かなり前の作品なのにもかかわらずいまだにスピンオフがネットで連載されている作品だった。ちなみに男とトランセンドの様を目の当たりにしたメジロブライトはほわ~と驚きつつそっと男の隣に陣取った。

 

「トレーナーさまの書庫にもありましたね~?その漫画。私も読んでみようかしら~」

 

「おっ、いいじゃんいいじゃん。いい作品だからさー、是非とも読んじゃいなよ。ねートレちゃん」

 

「たしかにな。いやもう、リリエルがほんとに健気でなあ……あれ?これ何トラン?」

 

「んー?いやーなんかさ。調べてたら出てきて。すごくない?ごじょーくんとかマリンみたいな」

 

「へー、これリリエル外伝のキャラだ。完成度たけーってこれ橘美花莉?」

 

「え、それマジ?」

 

 トランセンドのスマホが次に映したのはそのリリエル外伝のキャラクター、通称天使空挺隊と呼ばれるチームのキャラクターのコスプレをしていた少女たちだった。メインキャラであるリリエル、ミリエラ、ノキエルとそろったポージングをしている。

 

 その中の一人、小悪魔のようなキャラ、ミリエラのコスプレをしている少女に男は心当たりがあった。橘美花莉、テレビにも引っ張りだこになるほど大人気のモデルだったはずだ。スポーツと音楽関連が主&録画対応が多いウマ娘とはいまだに共演したことはないが。

 

「お奇麗なかたですわ~。まぁ~、素晴らしい衣装ですが、少々……その……露出が……」

 

「まぁ、大胆かもしれないな。漫画のキャラの服を実際に着たらこうなるって感じか。それで、トラン?」

 

「にひひ。こんどコスストってイベントあるらしーから、いってきていい?会ってみたいし、新調したガジェットで写真撮りたいなって」

 

「いいぞ。よしデジタルカモン」

 

「呼ばれて飛び出て勇者アグネスデジタル参上です!話は聞かせてもらいましたとも!」

 

 ミリエラのかなり露出の激しい大胆な衣装を誉めるブライトが、段階的に自分が着た時のことを考えたのか真っ赤になっていって、最終的には男の腕に自分の顔を押し付けて湯気をあげてしまった。

 

 よしよし、とメジロブライトを撫でながら男はもう片手でぱちんとスナップ。そうするとにゅっと誰もいない炬燵の一面からアグネスデジタルが姿を現した。まあアグネスデジタルだし、と自分で呼びつけておいてすべてを棚に上げた男は引率をイベント慣れしているアグネスデジタルに任すことにする。

 

「トレーナーさま、私も同行してもいいでしょうか?」

 

「いいぞ~」

 

 まだほんのり紅い頬をしているメジロブライトがほんわりと同行を希望する。デジタルとトランが入れば大概大丈夫だと思っている男にパタパタパタッと元気な足音が聞こえてきて、ドアがパァンッと開いた。

 

「トレーナー!聞いて聞いて!さっきね!ミスティがウオッカちゃんにすごく甘えてたんだ!それでね……あれ?……どうしたの?」

 

「今日もウララは元気だなって思ってるだけだよ。よし決めた!ウララ、コスプレに興味ないか?」

 

「コスプレ!?コスプレってあのマリンちゃんとか!ごじょーくんがやってるやつだよね!?やりたいな!」

 

「そうか、そうだよな。よしやるぞ。というわけで……ウララも同行で」

 

 何かとてもいいことがあったらしいハルウララが桜色の瞳を輝かせて闖入してきた。男はギラッと目を輝かせて高速でシュババババとpcを操作しだした。ざららっとpcに代表的なコスプレ服の画像を並べ立てると……ハルウララはある一つの画像を指さした。

 

 男はそれをもとに発注をかけに席を立つ。なんのこっちゃわかっていないハルウララと、ケタケタ笑うトランセンド、ゆったりほわほわメジロブライト、コスプレを想像しただけで昇天したアグネスデジタルと、接点があるようなないような4人で、お出かけが決まったのだった。

 

 

 

 

 

 

「きたぜ~コススト!にひひ、トレちゃんが来れないのが残念だな~」

 

「仕方がありませんよ。いちいち私たちにお出かけについてきてもらうわけにはいきませんから」

 

「そうですわね~。トレーナー様はサマーライブの準備で大忙しですし、むしろ私たちが外出できるようにしてくれたんですもの。ありがたい話です」

 

「わ~~!すごーい!こみっくまーけっとみたい!」

 

「まあ実際アレのスケールダウン版ですからね」

 

 幾日か時間がたち、ウマ娘4人の姿はコスストの会場の近くにあった。いわゆる開場待ちの状況ではあるが、ウマ娘たちの更衣室の順番は後ろの方なのでしばらく待機である。尻尾も耳も隠しているし、何なら伊達眼鏡もかけている。いつも通りの変身だ。

 

「あ!みてみて!みかりんいるよ!」

 

「ちょ!ウララさん!そういうのはわかってても言わないものです!私たちと一緒ですよ!」

 

「はぷっ!もごもごもご……」

 

「バカな!?美花莉のドッキリテクスチャーが通用しないだと……!?」

 

「先輩、私そんな能力ないよ!?」

 

「いやしかし先輩、美花莉ちゃんの発はどちらかといえばメロメロボディかと……!」

 

「ややこしいからアンタは入ってくるな!」

 

 ハルウララが前方で同じく待っている集団の中からぴっと一人の女の子を差してテンションをあげる。その声が予想以上に大きかったものだからあわててデジタルが囁き声で注意するも時すでに遅し、向こうにも聞こえてしまっていた。

 

 こういうのはわかっても言わないもの、お互い様であるということを思い出したハルウララは自分の口を両手で押さえてもごもごとしながらもごめんなさいと謝る。むしろばれた美花莉の方が何でばれたのという顔になっていた。

 

 それもそうなのだが、むしろばれた当人よりも周りの方が盛り上がっているように見える。集団の中の黒一転、唯一の男子の少年や、ボブカットの眼鏡の少女などが余計に盛り上がっているせいで逆に目立っていた。

 

「あーごめん、間違ってたらアレなんだけどもしかしてさ……ウマ娘?」

 

「はあい、そうですよ~。私はメジロブライトです~」

 

「やっぱり。そんな顔面プロポーション立ち姿完璧な女が雁首揃えて4人もいるからおかしいと思ったわよ。ご察しの通り、私は橘美花莉」

 

「ごめんね!私ハルウララ!会えてうれしいな!」

 

「顔面と言われましても……橘さんも相当整われてると思いますよ……?あ、アグネスデジタルです」

 

「ま、プロポーションについては否定しないけどね~。鍛えてるから、全力で。トランセンドだよ、よろよろ~」

 

「これはこれはご丁寧に……まって奥村これマジ?」

 

「十中八九現実ですよまゆり先生」

 

 ばれてしまってはしょうがないとお互いに自己紹介をした一行であるが、あとからやってきた女性……美花莉一行こと漫画研究部の顧問、羽生まゆりは社会人の性をだしつつも唯一の男子生徒である奥村正宗に確認をとった。残念ながら現実である、目の前の顔面偏差値が限界突破した美少女は紛れもなくウマ娘なのだ。

 

「でもちょーどよかったよ。会いたかったんだよね~、ん~~……わかった!君がリリエルだ!」

 

「へ!?私ですか!?いや、確かにリリエルは私の天使ですけど……」

 

「これこれ、この写真だよ。ビビッときてさ、探しに来たんだ。良ければ写真撮らせてもらえない?」

 

「あ、これ去年の夏コミのときの……」

 

 トランセンドがこれこれと見せたスマホの画面には、去年の夏コミの時の写真、今漫研の新入部員、華翼貴と話しているリリエル外伝の作者であり外部部員の喜咲アリアの父を探していた時の写真だった。

 

「いいよね、これ。原作の再現っていうんじゃなくてさ。伝わってくるんだよ」

 

「伝わる……?」

 

「心。コスプレしてる君たちはさ、走ってる私たちみたいな目をしてるんだ。だから、気になった」

 

「ええっ!?いやいやそんな恐れ多い!?」

 

 おお、デジたんみたいと引率のアグネスデジタルを見ながらトランセンドはふふふと笑った。走ってる私たち、ウマ娘のような目……端的に言えばいっそ狂気を覚えるほどそれに打ち込んでいる燃える瞳だ。限界の先を疾駆するウマ娘とよく似た目……一足先に知り合ったコスプレイヤーの海夢や、若菜も時折同じ目をしていた。冬コミの時が顕著だ。

 

「でも~、トレーナー様が教えてくださいましたが……コスプレ衣装というのは普通の服とはまるで違う作り方をするとおっしゃっていましたわ」

 

「うんうん!キングちゃんが言ってたんだけど、すっごい難しいんだって!それで、イベントのたびに作って着てるんでしょ!?すっごいよ!」

 

「あの……少々よろしいでしょうか?」

 

「はぇ?なんでしょう?」

 

「華翼貴と申します。その……ウマ娘の方々のことはメディアでよく見かけました。よろしければ、一つ質問してもよろしいでしょうか?」

 

「いーよ!なに~!?」

 

 漫画家キサキヨウとの話し合いを終えた金髪のショートヘアの少女、翼貴はまさか直接目にすることができるとは思わなかったと言わんばかりの表情で足早にこちらにやってきた。

 

 自らが本当に、心から好きになれるものを探すという目的な漫研に入部した彼女にとっては、ウマ娘たちはまさに「好き」を「価値」に変えているように見えているからだ。

 

 今の翼貴にとっては、熱中できる趣味とは生産的であること。ただ好きであるだけではならず、そこには価値が付随して然るべきであるという観念を持っている。最終的には両親のように「好き」を仕事にしたいという目標をもって臨むべきであるという見えない鎖を、彼女は引きづっていた。

 

「あなたたちは、なぜ走られるのでしょう?いえ……なぜ、どうしてあそこまで……必死に走ることができるのですか?」

 

「走りたいから、では浅いですかね。むーん、難しいことをお聞きになりますねぇ……私たちウマ娘にとっては、走ることは本能なので……」

 

「動機っていう意味なら、私はゾクゾクしたい。身も心も震え上がるようなあの気持ちを味わいたい。だから私は走る。多分、あなたが聞きたいのはこういうことじゃないんだろうけど」

 

「???……えっとね、わたしは、楽しいから!」

 

「……何か意味を持って、目的をもって走っているかと聞かれたら、違いますわ。もちろん、目指すのは一着です。ですが、レースのあとに何かを起こすために、見返りを求めているわけではありませんの」

 

「……走ることが手段ではなくて、目的。それでどうしてあんな、あそこまで……」

 

「あー、たぶん生産とか消費とかの話?さっき向こうでしてたやつ。多分それ、価値の求め方が違うんだと思う。私たちが走りたいだけで、そこに価値なんてないんじゃないかな~」

 

「いえ、それでは……あの熱狂が、あの経済効果が、あの価値が……説明付きません」

 

 翼貴はトランセンドの言葉に愕然とした。オリンピック、プロ野球、サッカー……スポーツが生み出す経済効果、あるいは価値は計り知れないことは自らもよく知っている。今現在、それに並ぶ巨大な金、人、物を動かすウマ娘が、自らが走ることに価値はないと言い切ったことに。

 

 走りたいから走るだけで、そこにそれ以上のものはない。求めているのは金ではない、名声ではない、観客の絶賛ではない。ただ、手強いライバルたちをねじ伏せて最速であると証明することだ。

 

「あー、そうかもですね。私たちの走りに価値を見出しているのは……ウマ娘(あたしたち)じゃなくて人間(あなたたち)ですもの。私もなんですが!」

 

「確かに、そうなりますわ。最初はかけっこで比べていただけでした。それを見た人間さんたちが、レースを作り、夢を抱き、応援してくださる。ただただ、どっちが速いか比べたいというお話なのに、です。そうしているうちにウマ娘(私たち)も自らの走りに、あなた様の言う価値を見出したのですわ。私たちメジロのウマ娘の悲願、天皇賞の盾のように」

 

「よくわかんないけど、ツバキちゃんの言う……せいさんせい?価値っていうのは自分の中で決める方?それともみんなが決めてくれる方?どっち?」

 

 難しい話になるとすぐに頭がエンストするハルウララが指を口元に当てながら必死に考えて言葉をひねり出す。翼貴が欲しいのは、求めているのは、どっちの価値なのかと。

 

 翼貴は全く無邪気なハルウララの指摘に言葉を詰まらせた。自らが求めているのはどちらの価値なのか、即答できない。私が求めているのはどっち?と翼貴は顔を曇らせるのだった。

  




 誰だろう、私です。なんか書きてえなあと思ったんですがそこで募集していたネタを閲覧していたんですが、にごリリのクロス書いてって声があったので書かせてもらいました。次話に続きます。

 翼貴さんvsウマ娘の構図ですね。何着るかは次回お楽しみにどうぞ。

 弊ウマ娘たちなんですが、ぶっちゃけレースは大事ですけど速さ比べしてるだけなんだよスタイルです。誰かが、自らの脚にユメを抱いてくれる。だから大レースで走る。自分の中の走る理由はただ走りたいからというだけです、あとトレーナー(超重要)のため。

 多分最初はただただかけっこしてただけなんですよね。それで、人間がそこに何かを見出して結果レースになったみたいなイメージをしてます。ハイ。言い訳終了。

 一応予定を説明しますが、次回にごリリ後半を投降後、もう一話今度は掲示板のやつを投稿します、これもネタ提供から拾います。予定は未定です、いつ出るかもうわかんねえ。ではまた。

どれ読みたい?

  • ジェンティルドンナとゴンくん(ウマ娘)
  • ミスティとゴンの初めてのお使い
  • 海外掲示板シリーズ
  • 全国ドサ回りウマ娘
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