冴えないヒロイン達が幸せになり冴えたヒロイン達になるハナシ 作:ゆーーーー
次の話も1週間後に出来ないかもしれませんがなるべく早く投稿出来るよう頑張ります!
冴えない
2章
バイト開始そして澤村×上郷の邂逅
それはある日の昼休み。
上郷 喜彦と話していた。
「この前話した2大女神が1人澤村スペンサー英梨々を紹介してくれる件どうなった!?」
いきなり勢い込んでくるから何事かと思った。
そういえばそんな話したっけな。
「そう簡単に行くかよ。俺らが小学生の頃に決定的な決別をしたんだ。幼馴染とは言えそう気安く話しかけれる間柄じゃないんだ。」
そうかよ、と流す上郷。
しかしここで俺がここで英梨々と話さざるを得ない話をされたのだった。
「ところで、この前お前が澤村スペンサー英梨々の事を柏木エリって言ってたけどあれってあの同人作家の!?Egoistic-lilyの作家なのか!?」
「あ…しっ!!」
慌てて人差し指に指をあて上郷を黙らせる。
「その件に関しては黙っててくれ。それと、その事を俺が言ったことは内密にしてくれ。」
俺の気持ちを察した上郷は分かったと素直に応じてくれた。
午後の授業は冷や汗が止まらなかった。
☆
その夜俺は早速行動へ移した。
小学生時代に決定的な絶交をした英梨々だが高校に入ってから同人誌の手伝いをする為夏前に英梨々の所へ通った時に連絡先を交換していたのが活きた。
プルルルと呼出音が耳に響く。
ワンコールもせずに英梨々は通話に出た。
「何。」
そこに喜びのようなプラスの感情は込められていない。マイナスで怒りに似た感情がおそらく込められている。
邪魔をしないでくれ、そんなルビを振られてそうな一言だ。
俺は恐る恐る話を切り出す。
「実は同級生の友達に英梨々を紹介してくれというやつがいてな。」
「はぁ?却下。あんたのヲタ友になんか興味無い。以上。話はそれだけ?」
冷たくあしらわれたが俺は食い下がる。
「実はだな。その時にものの弾みでお前が柏木エリだという事を言ってしまってだな…なんとか口止めはしたから口外はしないと思うが。」
ただでさえ冷たかった声が更に冷たくなる。そこに怒気も孕んでいく。
「はぁ!?信じらんない!私がどれだけヲタバレを気にしているか知っている癖に。はぁ…まぁいいわ。条件は何?」
怒気を孕んだと思ったが少しの間が空きそれは無くなっていったように思えた。
「いいのか!?」「もう言ってしまったものはしょうがないでしょう。それよりその友達が口を開かないようにしなきゃいけないでしょ?何、その弱みで私を脅して性奴隷にでもするつもり?」
「それはお前の同人誌お得意の展開だろ。そんなんじゃないだろ、さすがに。俺の友達を紹介させてくれればいい。後は英梨々が好きにしろよ。ヲタ友になれるならそれでいい。ダメならまたフェードアウトすればいいだろ。」
小学の俺達のように。それは口には出さなかったがそれを察したのか英梨々はしばし黙る。
そして「そんなんでいいの?なら早くして?ヲタバレ防ぎたいから学校で、とかはやめて欲しいわ。」
すんなり許可が下りて俺は意表を突かれた。これから土下座をして何とか許しを貰わねば、と思っていたのだがその苦労はしなくて済んだようだ。
「私も興味あるわ。倫也が育てたヲタ友とやらに。」
英梨々が某赤い彗星が白いモビルスーツに挑んで行きそうな気概を見せて通話は終了した。
☆☆☆
着信を終えると不在着信が来てる事に気付く。
霞ヶ丘先輩からの着信だった。直ぐに折り返しの電話をかけると先輩はワンコールもせずに電話を取った。
「話し中だけど忙しかった?それなら日を改めるけど。」
「いえいえ、すいません。友達と少し電話してまして。今は大丈夫です。どうしたんですか?」
「この前の事を詳しく聞きたくて電話をしたんだけど。」
霞ヶ丘先輩がいつもの調子ではなく少し下手に聞いてくる。
「あぁ、この前の不死川書店の件ですよね。すみません。まだ正式な答えを貰ってなくてですね。まだ言えないんですよ。」
「私にも言えないって事?」
「そうなんです。すみません。必ず1番に報告するので答えが出るまで待ってもらっていいですか?」
「分かったわ。楽しみにしてるわね。」
「必ずしもいい返事とは限らないので期待はしないでいてもらえますか?学生の、しかも高校生のアルバイト採用なんて前例がない事ですから。」
「そこはあなたの主人公パワーで何とかなるでしょう?」
「漫画やラノベならそれで上手く行くんでしょうけど。きっとそんな甘い世界では無いですよ。」
そうだ。俺は面接へ行って会社の人と話して実感してしまった。社会に出る、仕事をするという事がそんなに甘くないという事を。
「兎に角返事を待つ事にするわ。それじゃ。」
俺はそれでもいい返事を期待していたかった。
その返事を貰ったのはこの通話をしてすぐだった。
☆
1週間後、不死川書店。俺は遂にアルバイトとして入社してオフィスにいる。
「安芸君、これから宜しく頼むよ。」
面接でお会いした右隣さんに紹介された。勿論左隣に立たされ挨拶した。
「安芸倫也です。高校生ですが宜しくお願いします!」
簡素に自己紹介をしてお辞儀をすると「お願いしま~す」「宜しく~」と社員から挨拶されるが目線をチラリと見せてくれた社員もいたが目線を自分のデスクのPCに目を離さずに挨拶をしてる人もいた。
右隣さんはすぐに仕事の説明に移る。
「高校生のアルバイトを雇うのが初めてだからね。仕事内容は変わる可能性はあるが。ホームページの作成の補助の仕事が基本になる。当面は社員の高尾君に付いて仕事してもらう。」
「高尾山に行くんですか?」
「初日から冗談を返すとは君もなかなかだね〜。そういう空気を求めてたんだよ。後、退勤時間は基本的には20時か21時までになるけど宜しくね。」
「はい。こちらこそ宜しくお願いします。」
そういうと右隣さんは席へ案内してくれた。
「ここがこれから安芸君の席になるよ。出勤したらまずはタイムカードに出勤記録をつけてからここでPCを立ち上げてくれ。帰りはPCをシャットダウンしてからタイムカードを切る事。」
と、最初の注意事項を言われタイムカードの押し方を教わった後に隣の席の高尾山…ではなく高尾さんを紹介された。
「こちらが高尾君だ。」
すると高尾さんは椅子を近付けて挨拶をしてくれた。
「高尾 広だ。宜しく。漢字だとひろしと読み間違えられることが多いけどひろって読むから宜しく。広報部の広で覚えてくれ。」
「安芸倫也です。宜しくお願いします。」
「あぁ、話は聞いてるよ。TAKI君…だよね。あのホームページの集客力は凄かった。打ち切りの危機を救ったと言っても過言じゃないからな。その力、是非ともうちにも宜しく!」
「そんな、我流で組んだホームページですから。そんな私の力でも良ければいくらでも。」
固くなって一人称を私と言ったら笑われてしまった。あのビジネス派アニメだと皆当然のように一人称私だからてっきりそうだと思った。
「上司の方とか他部署の人と話す時はそれくらい固くてもいいかもしれないが俺と話す時はそんな固くなくて大丈夫だよ。」
良かった。思ったより働きやすそうだ。
バイト初日はあっという間に過ぎた。
☆☆☆
バイトを初めて1週間が経った。最初の週末を迎える。今日は世間的には『華の金曜日』という夜だがパリピイベントに縁が無い俺は部屋に篭り学校とバイトで忙しく見れずに溜まっていたアニメの消化をしている。
「バイト始めたらアニメ見る時間作るのも一苦労だな……。」1週間のバイト疲れが溜まりウトウトしながらもアニメを見進めていく。
するとスマホに上郷からの着信の知らせが鳴り響く。アニメを停止し通話に出る。
「もしもし倫也?今大丈夫か?」上郷は俺が出るとすぐに電話に出た時の定型句で電話先の確認をしてきた。声が多少上擦っている。上郷は明日のことで緊張しているようだった。
「おいおい。まだ明日の話だ。時間はあるんだから今から緊張してどうするんだ?」
俺は上郷の緊張を解すように冗談混じりに揶揄う。
その声を聞いた上郷は相変わらず緊張したような話し声で反論してくる。
「いやいや、お前は幼馴染だから勝手知ったる仲なんだろうけどあの学園の二大女神の1人と会うんだ。緊張はするだろ!」
幼馴染だから、というのをやや強調しながら言われたもんだから俺は多少ムッとしながら答える。
「おいおい。前も言ったけど1時冷戦状態を経験したんだ。俺も勝手は知らない仲だよ。この前ちょっとバイトして事務的な連絡をするようになったくらいの関係値だ。お前とそう変わらないよ。」
以前話したように俺と英梨々には昔仲良く話していたからと言って今仲の良いというような気持ちのいい間柄では無いのだ。
「それより英梨々と少し話したが上郷に興味ありげな雰囲気は感じたぞ。」
そんな事を話したな、と某赤い彗星が連邦の実力を確めようとする意気揚々とした台詞を思い出しながら上郷をリラックスするよう色々話をして明日の集合場所と集合時間を確認しあって電話を切った。
「さてと……。」俺は先程停止したアニメの画面を睨みながら明日起きないといけないから寝ないといけないがアニメを見たい気持ちの間で葛藤したが明日に備え寝ることにした。
「結局今日見てたアニメ頭に入ってこなかったな……。」また1週間溜まりそうな感じするな。
☆☆☆
翌日上郷と英梨々が自己紹介し合ったのを確認して俺は待ち合わせ場所に指定したファミレスを後にした。
2人が初対面でまだお互い緊張しコミュ障を発揮してる状態で『まだ帰らないでくれ』という2人の目線を感じたがそれを半ば無視するように席を立つ。
「悪いが週末と言っても俺も暇じゃないんだ。俺が言い出した事じゃないし2人の間を取り持つ義務は無いはずだ。」
そして止めとばかりに「じゃ、忙しいからじゃあな。」と言ってファミレスを後にした。
今はその帰り道。家に帰りながら先週不死川書店でバイトをした際に高尾さんとの会話を思い出す。
☆
「それにしても高校生でこんな所でバイトか〜。将来有望だな。正社員になる気はあるのか?」
仕事内容の基礎として様々なホームページを見せてもらった時に唐突に尋ねられた。
「できれば、と思ってます。流石にそのまま入社という訳にはいかないですよね?」あわよくば、という思いで聞いたが思った通りの返答が返ってきた。
「だなぁ。大卒入社が基本だしな〜。しかもそれなりの学歴の奴がほとんどだからな。異例中の異例で高校生バイトとしては雇う事になったが流石にそのまま入社とは行かねえんじゃねえの?」
「ですよね…。」と仕事の事を覚える為必死にメモを取っている為心の籠らない相槌を打つ。
「最低でも早応大だろうな。そういえば霞詩子先生も推薦で受けるような話を聞いたな。
早応大に合格し霞ヶ丘先輩と共に早応大生になる未来に思いを馳せながらこの日1日を終えたが帰り際に高尾さんから提案された。
「確実に入社したいなら今は早応大と言わずに国立の東田大学や西羽大学を目指してもいいと思うぞ。そこを目指せば最悪受からなくても早応大を楽にパス出来るようになると思うしな。バイトで忙しいと思うがそこを目指すくらいにならないとうちの仕事は勤まらなくなるかもしれないしな。バイトとしては充分なら本気で入社したいならな。」
物凄い目力で国内最高峰の大学への受験を打診されたのだった。
☆
「東田大学に西羽大学か……今となっては高校の成績も真ん中辺りにいる俺にそんな所目指せるくらいレベルアップできるのかな?」
弱気になりネガティブなイメージに襲われそうになったので頭を左右に何度か振りイメージを拭おうとする。
俺なら目指せる。同じ大学を通うよりも霞ヶ丘先輩を支える仕事をした方が将来どれだけ霞ヶ丘先輩と過ごせるかを思ったら絶対に後者だ。
職場の先輩の打診通りの進路を目指す為努力を開始する決意を固めて家路に着いた。
原作とは違うカップリングをお楽しみください。
加藤恵・氷堂美智留・波島出海はまだ登場すらしていませんが…。
もしも安芸倫也がゲーム制作をしなかった場合のif世界を引き続きお楽しみください。