冴えないヒロイン達が幸せになり冴えたヒロイン達になるハナシ 作:ゆーーーー
更新お待たせしました。この話を書きたくて始めた二次創作でもあるので気合い入れて書かせて頂きました。
夏休み初日。
「来週の日曜空いてたら来て!初ライブだから!」
元気よく美智留が電話をしてきた。
中間も期末もギリギリだが赤点回避した美智留は夏休みにとうとう初ライブの日程を抑えたみたいでこの前の約束通り電話してきた。日程と場所を改めて伝えられた。
今は池袋で詩羽とデート中だったのだがそんな事はおかまないなしに美智留は一方的に日時と場所を伝えてきた。デート中なのに他の女子と電話?って感じだが不在着信があるのに気が付き相手が美智留だったので詩羽が今折り返した方がいいと言われたのだ。
「って事だけど詩羽は大丈夫?」前にライブの話になった時詩羽はライブに行く事に多少ノリ気だったけどスケジュールは大丈夫かな?
「問題無いわ。次の話に向けて参考になるかもしれないし新しい文化に触れられる新しい機会になるし作家としては逃せないわね。」
「次の話はバンドの話なんですか?」俺は何となく聞いて見た。詩羽の作風に合うのかな?という疑問が大きかったのだ。
「まだそこまでは決まってないのよ。恋愛の要素さえ入れれば私の作品らしくはなると思うからそこにどんな要素をくわえようかしら、って打ち合わせをしてるとこなのよ。まだ練れてはないわね。だからかいい機会かしらね。」
「色々試行錯誤してるんですね。」俺は関心して相槌を打った。
「作家なんてそんなものよ。編集と打ち合わせて打ち合わせて出来上がった話が読者読んでくれるか分からないから色々考えるのよ。」
「大変ですね。色々と。お疲れ様です。」その労いにすかさず答える。
「だから楽しいのよ。色々ね。」
作家ってカッコイイな。俺にはなれそうも無いや。
小説とか漫画を書けなくても沢山の人に協力してもらってゲームとかなら作れるのかな?
そんな世界線の話もある気がする。
いや、俺にゲームなんて作れるだろうか?今は無理な気がするなぁ。
☆☆☆
美智留が初めてライブをやる日。
一緒に来た詩羽とライブハウス近くの喫茶店でお茶しながら待っていた。今日昼くらいからリハーサルが行われて夕方頃に迎えに来てくれるらしい。
詩羽と話しながら待っていると美智留がやって来た。
「お待たせ!リハが長引いちゃって遅れたわ。」
時刻は16時半。開場が17時半って言ってたからまだ時間はあるかな。
「ライブ前に2人の時間が楽しめて楽しかったわ。」詩羽がフォローしつつ2人で楽しかったわ、というアピールをしている。
「お疲れ様美智留。リハどうだったの?初めてのライブで緊張してるんじゃない?」
俺は初ライブという事で緊張してるんじゃないかと思い聞いてみたがその質問を聞いた美智留は勝気な笑顔を浮かべ全然!と返してきた。
「本番前にこんな事していられるし余裕なんじゃないかしら?」
詩羽はいつものように皮肉で返す。
「色んなバンドのメンバーが友達とか知り合い誘ってるからリハ終わって割と待ち合わせてる人多いの。今日は学生バンドしかいないからどこもノルマ達成してレンタル料払うのに必死なんだ〜。」
「そんな仕組みになってるのね。」詩羽が納得の相槌を打つ。俺もそれと同時に納得した。学生でライブするのって大変そうだな。
「美智留のバンドはノルマ達成できそうなの?」
「それが私達は達成できてないんだ〜。倫也が霞ヶ丘先輩を連れて来たその2人だけ〜。」
美智留は残念そうにガックリ肩を落としている。
「え!?それってヤバいんじゃない?」
「ノルマの人数集められたらその分レンタル料払わなくて済むってだけ。」
「え?じゃあ払わなきゃいけないんだ。」
「元々メンバーの4人で支払いするつもりで今日は初ライブを経験するつもりだからいいんだよね。ゆくゆくはノルマ達成できるようになってバンバンライブやりたいけど。」
「あ、じゃあ今日のノルマはファンを1人作ることから?」
「今日いきなりファン獲得できるとは思ってないけど。いずれはファンができるようにして行きたいかな。」
そんな話を色々話していたら美智留が時計を見てソワソワしだした。
そろそろ向かった方がいいのかな?と思い「そろそろ向こうおうか?」と声を掛けて3人でライブハウスに向かった。
美智留に案内された場所は地下に階段を降り受付を済ませたらそのままスペースが広がっていた。そこにはステージがあってその正面に開場となる見るフロアが広がっている作りだった。
ライブの開演まで後1時間くらいはあるらしいが沢山の人が来て賑わっていた。
美智留は俺達しか呼べてなかったらしいが他のバンドの人達は結構呼べたみたいだ。考えてみれば今日来てる人ってそれぞれファンのバンドがそれぞれある人達が来てるからその人達が美智留達のファンになるって難しいのかな?
受付で入場料とは別にワンドリンク代を1杯分別に支払っていたのでバーカウンターに行きコーラを頼んだ。
バーカウンターはフロア内にあったので会場に入りそのまま頼めたのはいい作りだな、と感じた。
これならライブ見ながらドリンク飲めるし便利な所だな。こんな感じなのかな?ライブハウスって。
詩羽は最初アルコールを頼もうと冗談を言っていたが未成年だからダメと窘めると烏龍茶を頼んでいた。
お酒は20歳になってから。19歳以下の飲酒はダメ!絶対!
2人でドリンクを飲みながらワイワイしている会場の雰囲気を楽しみつつ話していると美智留がバンドメンバーと思われる3人と一緒に挨拶をしに来てくれた。
美智留を含めた4人に「初ライブ頑張って。」と励ましていると見覚えのある女子が見知らぬ男子と一緒に歩いてきた。同じクラスの加藤恵だ。
「この前は相談にのってくれてありがとうございます。」
「いえいえこちらこそ。こちらこの前一緒に相談にのった彼女の霞ヶ丘詩羽です。」
「あらこの前の。どうも。霞ヶ丘詩羽です。」電話会議で自己紹介しあったが面と向かって会うのは初めてなので詩羽は改めて自己紹介をする。
すると「初めまして。その節はお世話になりました。蓮と言います。宜しくお願いします。」
「って事は件の加藤恵さんの相談相手の?」
「多分そうなりますね。お陰様で恵と付き合う事が出来ました。ありがとうございます。」
「あら、残念ね。玉砕して倫也が加藤恵にアタックするチャンスが無くなって。」
「またそうやって冗談言う。初対面の人に対してその冗談はキツくないですか!?」
苦し紛れのツッコミにクスクス笑ってくれる蓮と言う加藤恵の幼馴染には感謝しなくてはならないな。
「えー!蓮君と知り合いなの!?倫也。」そんなやり取りをしてると美智留は羨ましそうに言ってくる。
「会ったの初めてだし話したのも今が初めてだけど。こっちの加藤恵さんとは同じクラスだし何度か話した事はあるくらい。」
それを聞くと美智留は加藤恵の方に向き驚きの声を発する。
「えー!倫也と一緒の学校なの!?じゃあ頭良いんだ!」
「え、それ程でも。蓮君程じゃ無いし。」
「またまた〜。倫也と一緒なら結構良いとこじゃない?」
「えっと。蓮君の通ってる高校は日本一偏差値高いとこだしそこと比べるとね。」
「学校はそうでも俺はそこまでじゃないよ。上には上がいるんだよ。」
なんて言う2人のやり取りを眺めて微笑ましく思う一方こういうとこに来る人ってやっぱリア充なんだなぁ、と実感する。
美智留もそんな2人にやっかみを言ってると蓮君の元に更に2人がやって来た。
「本番前に彼女とイチャイチャとは羨ましいなぁ。」と言い蓮君の首をしめるフリをしながら首に腕を絡ませている。
「どうせならボクも混ぜろよ。後輩なのに生意気だぞ〜。」この人は男?女?性別は判断がつかない中性的な顔をしているが耳にピアスが沢山ついていて俺はこの人とは話さないでおこうとそっと決意する。
「あ、今日は誘ってくれてありがとうございます。」
美智留が3人揃った所で挨拶をする。
「いえいえ。今日はトップバッター宜しくね〜。俺達のファンが結構集まってくれたから盛り上がってくれると思うしやりやすいと思うよ。」
相変わらず蓮君の首に腕をからませたまま美智留に挨拶を返してるこの人がリーダーなのかな?と思ってると2人が挨拶をする。
「改めましてどうも。蓮と3人でバンド組んでるアキです。宜しく。」
「ボクは葉月。宜しくね。」
「カッコイイバンドだから倫也にはオススメだよ〜。」何故か美智留に推された。
リンコードン ティパスってバンド名だって。覚えられるかな。
☆
話してみたらアキさんも葉月さんもそして恵さんの彼氏の蓮君もいい人達だったから話が盛り上がってしまい気が付くと時間が過ぎていってしまっていた。
「じゃ、そろそろ私達は準備してくるね。」
美智留と3人が準備をしに向かっていった。
「3人は準備しなくてもいいの?」
「俺達は最終だからね〜。今日は5組出るから4組目のバンドが終わってから準備しに行くよ。」
「楽屋とか控え室みたいなとこには行かないんですか?美智留達が行きましたしそろそろライブが始まると思うんですけど。」
アニメでバンド物をちょっと見た事あるが何となくライブ前はメンバー同士で控え室にいるイメージだったから聞いてみた。
「俺達はなるべく他のバンドの演奏とか聞きたいから控え室にいる事って少ないかな〜。さすがにライブ1組前には戻るけど。」
「そ。今日はトリだからこっちでたっぷりライブを楽しめるんだ〜。」
「じゃ、2人とも今日のライブは今日しかないから楽しんでいってね。」
「恵も前で見よ!俺達の演奏も最前で見て行って!」
蓮君が加藤恵さんを誘って4人でステージの前の方へ移動し最前列を確保していた。
3人ともごく自然に、当然のようにステージの前へと移動して行き加藤恵さんを連れて行った。
それを見て思った。
「ステージの前の方が楽しいのかな?」
「どこで聞いてても一緒なんじゃない?」
詩羽が何を聞いているんだろう?とキョトンとして答える。俺も同じような表情をしている気がする。
「だよね。後ろの方で聞いてようか。」
「一緒に聞きましょうか。」
部屋の照明が落ち暗くなった中待ってると入場曲が始まり美智留達のバンドが入場してきた人影が見える。
「美智留達だ。初めてにしては堂々と入場してきたね。」音が凄く大きいので隣で一緒にいる詩羽にも大きな声じゃないと伝わらない。
詩羽もこっちを向いて話しているのは口が動いているから伝わったが何を話しているのかは伝わらなかった。代わりに俺は詩羽の手をギュッと繋いで演奏を聞きながらステージを見る為にステージの方を見た。
様々な種類の照明が入場曲の音と共に近々しだしてステージが明るくなる。
すると「icy tailです。よろしくー!」
と言う美智留の挨拶と共に演奏が始まった。
さっきライブ前の雑談で美智留が作詞作曲をしたと言っていたという曲を5曲演奏して美智留達の演奏が終了した。
初めて美智留達の曲を聞いたのになんとく懐かしい感じがした。何故だろう?
そしていざライブに来てみたら短かった。20〜30分は演奏してたと思うが体感時間だともっと短かった。それだけ良かったな。
ライブって毛嫌いしてたけどいいもんだ。美智留、誘ってくれてありがとう。
☆
icy tailのライブが終わり次のバンドが準備している間に美智留が帰ってくる。
因みにさっき聞いたがこの合間の準備の時間を『転換』と言うそうだ。成程。転換か。
美智留に「ライブ良かった。」と素直に感想を伝えたら満面の笑みだった。
「そうだろ〜?」と肘をお腹に小突いてくる。
これからも私達がライブやる時来てよ〜?と言われる。
やはりファン獲得が目標なのでは!?当たりやすい身内から当たってみよう、という作戦か!
「所でさっきの蓮君達のバンドの3人は前に言っちゃったけど、美智留達はどうする?」
「え!?最前列いいな〜。私は勿論前の方に行く〜!」と意気込んだ美智留はステージの前の方へ移動して行った。
icy tailの残り3人が残った。ライブ前に皆で話していた時に紹介はされたけどあまり話はしていなかったな。
「ところで、icy tailの曲って何となく懐かしさを感じたけどicy tailってアニソンとか普段練習してたりする?」
その質問を聞いた3人が目を輝かせながら答える。
「そうなんですよ。実は…」
と、icy tailのメンバーの内の時乃ちゃんが答えようとした時に会場の照明が落ち暗くなった。
2組目のバンドのライブが始まるようだ。
☆
3組目のバンドが終了した。一旦会場が明るくなり4組目のバンドの転換に入る。
何となくだが懐かしさを感じた美智留達のバンドが良かったな〜と思い美智留に話しかけるとicy tailのメンバーの3人が話しかけて来た。
「だと思いますよ。私達は元々オタクなんでそういう音楽をコピーしてたんです。そこに美智留が加わって、最初は美智留も何の曲か知らないまま演奏してたんですけど。そこに影響されてると思うんで。」
「それで懐かしさを感じたんだ。オタク嫌いの気がある美智留にそんな事するなんて3人とも凄いな!」と素直に褒めると3人とも勝ち誇った顔をしていた。
「ところでその話を美智留にして良かったの?」
3人のカミングアウトに驚愕の顔をしている美智留の顔をチラッと見ながら3人に話しかける。
「全然。とうせずっと隠しておけると思っていませんでしたし。いつかは言おうと思ってたので。初ライブをするって事だったのでいい機会かと。」
「3人とも〜。隠してないで教えてくれれば良かったのに〜。」美智留は3人に事実を隠されていたのがショックだったようだ。
「でもお陰で今もこうしてバンド続けていれる訳だし初ライブもできたし良かったんじゃない?」
「倫也の言う通りだけど〜。」美智留は不満げだった。
もしかして、バンド解散の危機!?
「これからもこういう曲作っていくなら秋葉原をまず主戦場にしてみたらどう?俺も今日曲聞いて感動したし、そういう人達多そうだからそっちの方がファン取れそうじゃない?」
「はい。ありがとうございます。次は是非ともそっちで行ってみる事検討してみます!」
「え〜!ホントにこの路線で行くの〜!?」
まだ美智留は不満げな感じだった。
そうか曲作って会場で披露して。
ファンを獲得できるように会場回ったり。宣伝したり。なんかこれって創作してる、って感じだな。
☆
会場の照明が落ちた。
次はいよいよ蓮君達の演奏か。話してた雰囲気3人とも面白い感じだったし蓮君が彼女出来たことにブーブー言ってる2人には似た空気すら感じた。
もしかしたらバンドやってる人って事で毛嫌いしてただけで実は話し合うのかもしれない。
入場曲が始まった瞬間ステージの前の方で見ている人達は曲に合わせて飛び跳ねながら声を出し始めた。
会場の雰囲気がさっきの4組目までの雰囲気と一変する。ステージ前方は勿論こっちの後方の人達もちらほら曲にのってジャンプしたりし始めた。
暗いステージに3人の人影が集いステージが照明に照らされた瞬間曲に合わせてジャンプしていた人達が更に発狂したように声を上げたり奇声を発している人達。
手が吹っ飛んでしまうかのような勢いで周りは拍手している。
こんなに熱狂しているファンが多いなら最初のicy tailのライブやその後の3組のバンドのライブなんて記憶から吹っ飛んでしまうのでは無いか。
それだけのっけから会場の勢いが違った。素人目にもそれは明らかだった。
3人のライブが始まったら衝撃だった。
激しい曲にステージの前方でガンガン頭を振っている人達。そしてステージの前の方で頭振っている人達の肩を叩いてその上へと飛んで行った美智留にも驚いた。
ライブ前はあんなに面白く話をしていたのにステージの3人はまるで別人のようだった。
何だろう。このエネルギーは。
激しい曲にドンドンと迫り来る衝撃に高まる胸の鼓動。
最終組という事で8曲の曲を演奏した。
会場が盛り上がるような曲もあり。静かに聞く曲もあった。
曲だけで来ている人を熱狂させるというライブの雰囲気を味わった。歌うだけで来た人を感動させ熱狂させるバンドという存在を知ってしまった。
俺はどんな面白いアニメを見た衝動よりも大きかった。霞歌子先生のラノベに出会った時の衝撃とはまた違った種類のものだった。
その後手拍子を鳴らすステージの前の方の人達。
暫くすると3人が着替えて戻ってきた。アンコールありがとう。って言っていたから手拍子はアンコールだったみたいだ。
アンコールって手拍子だけでいいんだ。
更にそこから2曲歌って今日のライブは終わった。
誘われて嫌々で行ったライブだったけど終わったらなんかしんみりした。
終わってしまったのか。あっという間だったな。
☆
カルチャーショック。今まで毛嫌いして遠ざけて来たがこんな世界があったんだ。それがライブが終わって改めて感じた感想だった。
まるで会場が1つになった一体感は今まで感じた事が無かった。好きなアニメやラノベを読んでる人と話をして意気投合する事はあった。
でもその意気投合とは違った一体感を感じた。
言葉には言い表せない感動だった。
☆
ライブが終わって合流した美智留と3人のメンバーに感謝し、ライブを終えた蓮君達3人に感動した事を伝えた。言葉にはできなかったし「凄かった。」という事しか伝えられなかったけど。
「ありがとう。」演奏を終えた3人は満足気に答えてくれた。
「ところで恵から聞いたけど君も東田大学目指してるんだって?」
『ところで』の振り幅が大きくて俺はビックリした。なんで知っているんだろう!?って衝撃もあったけど。
「も!?って事は蓮君も!?」
「最高峰の高校には受かったし周りの流れもあるし。何より先輩達の誘いもあるしね。」とアキさんと葉月さんをチラッと見る蓮君。
「え!?お2人とも!?」俺は更に衝撃を受ける。
「あれ?言ってなかったっけ?2人とも東田大学に在学中だよ。」
「あれ?今日のライブって高校生だけって聞いたような。」
薄らといつかの教室で話した加藤恵さんとの会話を思い出しながら聞いてみた。
あれ?そんな話ホントにしたっけ?してなかったっけな〜。確かに大学生いるしそんな会話そもそもして無かったのかもしれない。
「俺達は大学生だけどね〜。蓮は高校生だから高校生限定のライブにしてみようかな、と思って今日のライブを主催したんだ。蓮から聞いたと思っていたよ。そっか。蓮とは今日が初対面だったもんね。そっか〜。倫也君もボク達の後輩になるかい?」
なんかアキさん饒舌?普段はこういうお兄さんキャラなのかな?
「先輩になれるよう頑張りたいですね。まだまだ模試でC判定からB判定になったばかりなので頑張らないと。」
「勉強はやるだけ力になるし成績上がる時は一気に上がるから我慢してコツコツな。ストレス溜まった時はまたライブ来いよ。勉強の息抜きになるだろ?」
アキさんに直接誘われてしまった。嬉しいかも。
「いいんですか!?是非誘ってください。なんか今日のライブ感動しちゃって。」
「おー!じゃ連絡先交換しようぜ。」
アキさんと連絡先を交換した。流れで葉月さんや蓮君とも交換し、icy tailとのメンバー達とも交換した。
新しい扉を開いてしまったかもしれない。
そんな予感がした。
この予感は本当に当たってしまった。
俺はこの日の衝動を忘れる事は無いだろう。
アキさんが去り際に振り返って俺に一言。
「あ、でもリア充ってのは頂け無いな〜。」
葉月さんがその言葉を聞き歩みを止めた。そして葉月さんからも振り返って一言。
「非リアになる事を祈ってるよ。」
2人ともイタズラっ子のような最高の笑顔を見せて去っていったなぁ。
☆☆☆
衝撃の1日だったな〜。密度の濃い1日だった。ライブ終わりに詩羽と2人でお泊まりしながら今日という1日を噛み締めた。
「ね。時間もあるしもう1回。」
最後は詩羽のアンコールが朝まで続いたのだった。
創作要素は冴えない彼女の育てかたにとって必要な要素なので自分の趣味を絡めながら本編とは別の世界線という事で足させて頂きました。
引き続き亀更新になるかと思いますが引き続き宜しくお願いします。