焼け爛れた手記   作:サンサソー

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燃ゆる陸珊瑚の台地

新大陸には複数のエリアが存在する。

 

独自の特色と、そこに生息するモンスターの種類。環境も違うため、新大陸はあらゆる種類のモンスターが住む楽園となっているのだ。

 

そんな新大陸の中央付近にあるのは『陸珊瑚の台地』。陸生の巨大な珊瑚が群生する幻想的なエリアだ。モンスターだけに限らず、あらゆる動物が緩やかに生息している。

 

そんな陸珊瑚の台地に、来訪者があった。

 

 

 

下層の珊瑚の影で、シャムオスたちが狩猟の成果であるケルビを貪っていた。

 

まだ日が高いため、夜行性のシャムオスたちは寝ているべき時間帯。こんな時間でも狩りをしなければならないのは、とある鳥竜が原因だった。

 

何かを感じ取ったのか、一匹のシャムオスが坂道へと振り返った。

 

何かが歩く音がする。ハッキリと聞こえるということは、その足音の主は相応の大きさを持っているらしい。

 

次々に異変に気づくシャムオスたち。ご馳走から口を離し、姿勢を低くして音のする方へと構えた。

 

ぬるりと現れたのは、シャムオスたちがこんな時間でも狩りをしなければならなくさせた原因、鳥竜のツィツィヤック。

 

シャムオスたちは狩りで仕留めた獲物を、毎度ツィツィヤックに奪われていた。ゆえにツィツィヤックは彼らにとって憎むべき敵である。

 

「グルルル……」

「ガアッ!ガアッ!」

 

シャムオスたちが威嚇しながら近づいていく。対し、ツィツィヤックは頭にある触角を開き、皮膜を広げた。

 

「ギルッ、ギルルアァッ!」

 

咆哮と共に閃光がシャムオスたちを襲う。これがシャムオスたちがツィツィヤックを天敵としている理由だ。

 

ツィツィヤックは頭部にある触角を開き、発光膜と呼ばれる皮膜を用いて鼻上の発光器官から生じる閃光を反射、前方広範囲に強烈な閃光を放つことができる。

 

それを用いて敵の目を眩ませ、その隙をついて攻撃するのがツィツィヤックの戦闘法。それゆえに『眩鳥』という別名がギルドから付けられている。

 

夜行性のために眼球がとても発達しているシャムオスたちは、この閃光を浴びせられると他のモンスターたちよりも激しいダメージを負ってしまうのだ。眩むならまだしも、気絶してしまうこともありうる。

 

しかし、ここで引き下がるわけにはいかない。このままでは久しぶりのご馳走がまた取られてしまう。

 

目がまだ眩んでいる中、果敢にもツィツィヤックへと飛びかかろうとするシャムオスたち。しかし、それは新たな乱入者によって中断させられた。

 

自分たちが背にしている珊瑚の上から、何かが飛び出した。巨大な龍の頭だ。それは凄まじいスピードでツィツィヤックの喉元へと食らいつき、勢い余って珊瑚へと激突した。

 

「ガ…」

「グル……」

 

いったい何がどうなっているのか分からないが、憎き敵を横取りされたことだけは分かる。

 

シャムオスたちは乱入者へと牙を剥くが、ふと気づく。周囲が暖かい……どころか暑い。

 

「ギャッ!?」

 

後方にいたシャムオスが悲鳴をあげながら前へと滑り込んできた。何事かと見ると、そのシッポには焦げ跡があった。

影になっていた珊瑚が燃えている。見回すと、辺りの珊瑚からも強い火の手が上がっていた。

 

シャムオスの悲鳴に反応したのか、龍がシャムオスたちへと顔を向けた。咥られているツィツィヤックはすでにグッタリと動かず、その身体からは暗い光が放出され龍へと吸い込まれていっていた。

 

龍の口の端から炎が顔を出す。少々間を溜めた龍は、その口を大きく開きシャムオスたちへと火炎を吐き出した。

咥えていたツィツィヤックの死体は一瞬で炭化し、炎はシャムオスたちを飲み込んでも勢い衰えず、まるで粘着性を持っているかのように珊瑚へ燃え広がっていった。

 

瞬く間にいくつもの命を奪った龍の名はミディール。新大陸につくなり、生命溢れる陸珊瑚の台地に下り立ち虐殺を始めた来訪者である。

 

吐き出した独特な特性を持つ炎は、地を舐めるように珊瑚や生命を飲み込み焼き尽くしていく。その死体を喰らうわけでもなく、彼は暗い光をただただ集め吸収していた。

 

生命を叩き潰す毎に出血が止まる。炎を吐く度に傷口が塞がる。闇を喰らう龍は、より多くを殺し傷を癒そうとしていた。

 

 

そんな悪逆非道を前に、ついに台地の主が出る。

 

「ギュアアアンッ!」

 

ミディールの上から迫る巨大な影。完全な意識外から強襲するのは、生態系の頂点に立つ飛竜種、『風漂竜』レイギエナ。後脚でミディールの頭部を掴むと、翼をはためかせることで少しばかり持ち上げ地面へと叩きつけた。

 

突然のことに反応できなかったミディールは、頭を掴むレイギエナを振り落とそうと頭を勢いよく振るが、レイギエナはあっさりと頭部を離し冷気をミディールへ撃ち込んだ。

 

レイギエナは全身に分泌腺と呼ばれる器官があり、そこから氷結物質を体外へ放出してできた冷気を翼や尾を振るうことで放つことができる。冷気によって凍りつき動きの鈍った相手を、後脚の鋭利な爪で攻撃するのがレイギエナの闘法だ。

 

身体能力と強烈な冷気、それがレイギエナを台地の主たらしめている大きな理由だった。

 

 

しかし、今回は相手が悪かった。

 

「ゴアアアアアッ!!」

 

まだ傷が治りきっていないために気を荒くしていたミディールは、レイギエナの一撃によって完全にブチ切れた。

 

後脚で立ち上がり、冷気へと突っ込む。冷気に耐性があるモンスターにとっても、レイギエナの放つ冷気の威力は脅威だ。それを知らないミディールはたちまち凍ってしまうかに見えた……が、ミディールは難なく冷気を突破しレイギエナへと右前足を叩きつけた。

 

「ギュアアアンッ!?」

 

ミディールの前足はレイギエナごと地面を叩きつけ、巨大なヒビを入れていく。たまらず叫ぶレイギエナだが、ミディールは攻撃の手を休めない。全体重をかけて両前足をレイギエナへと叩きつけ、完全に珊瑚の地面を破壊した。

 

レイギエナはもはや飛ぶための力すら入れられない様子で、台地の下へとまっ逆さまに落ちていく。しかし、まだミディールの怒りは収まらない。炎を吐き、珊瑚を破壊しながらレイギエナを追って下へと降りていくのであった。

 

 




ミディールは冷気に対して完全耐性を持っています。レイギエナにとって、頑強で耐性が優秀なミディールは天敵です。

モンハンワールドの主人公どうする?

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