焼け爛れた手記   作:サンサソー

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最近はもろもろ落ち着いてきて、筆が乗ってきました。



墓場の主は

瘴気の谷、その下層にて大型の牙竜種オドガロンが寝床を立った。

 

今日の食事を得るため、中層の死体溜りへと向かっていた時のことである。

歩きながら寝起きの身体を伸ばしていた彼は、奇妙なものを見た。

 

そこかしこにギルオスやバルノスの死体が落ちているのである。

皆が白目を向き、その身体には瘴気の侵食の跡がある。一斉に限界を迎えて死にでもしたかと、オドガロンは首を傾げた。

 

とりあえず食事だ。ここには手頃な肉が沢山落ちている。手近にあったバルノスの死体を咥え上げると、彼は寝床へと足を進めた。

 

オドガロンは獲物の肉を切り取り、肉塊にして巣に持ち帰る習性を持つ。大型のためそれで腹が膨れることはほとんど無いが、その慎重さこそ彼を生態系の強者たらしめている所以だ。無論、内包する力も上位の彼は慎重にならずとも生きてはいけるだろうが。

 

バルノスの大きさはせいぜい彼の口から多少はみ出る程度。その程度の大きさであれば、携帯食にする以外にわざわざ肉塊にする事は無い。

 

ギルオスも同じだ。彼にとっては小型の竜種は丁度よい大きさなのだ。

 

下層深くへ帰ってきたオドガロン。少々気分が良くなっていた彼は、足元にある大きなものに気付かず引っ掛けて転んでしまった。

 

「ガウウッ!?」

 

驚いて危うくバルノスを離しそうになった彼は、その場で跳躍し転ぶ原因となったものから素早く離れた。

 

「ガ……」

 

それはドスギルオスだった。これもまた白目を向き瘴気に侵されていた。

 

おかしい。ギルオスたちは瘴気に多少耐性を有しており、ドスギルオスともなれば侵食に対しかなりの抵抗ができるはずだ。瘴気に侵される個体すら発見されていないというのに、ましてや死に至るなど。

 

そこで、オドガロンの背後から音がした。素早く振り返ると同時に、彼めがけて大量の瘴気が襲いかかった。

 

「ガウウゥアッ!?」

 

自慢の俊敏さで瘴気の壁を躱し、そして突き破ったオドガロン。瘴気が噴出した通路へと目をやった彼はすぐさま直感した。

 

何かがいる。

 

濃密な瘴気によって通路の様子は窺えない。しかし、その中にある自身よりも大きな巨大な影。それがゆっくりと近付いてきていた。

 

牙を剥き威嚇の咆哮を放つオドガロン。対して、相手は気にもとめず歩を進め、その姿を現した。

 

 

まず目に付くのは臭気を放つ屍肉。その合間からは絶えず瘴気が吹き出している。その下から銀色に光る甲殻が覗き、唾液滴る顎は二重になっているなどかなりのグロテスクな外見だ。

 

彼の名はヴァルハザク。瘴気を自由自在に操る古龍の一角にして、死肉を纏う『屍套龍』である。

 

「ギュルルル…」

 

ヴァルハザクは本来、好戦的な性格ではない。無謀に挑みかかってくる者を瘴気で追い払うことはあれど、戦うことに関しては消極的な性格の持ち主である。

 

しかし、今回は違った。

 

気が立っているのかしきりに地面を踏みつけ、唸り声を上げている。オドガロンを見つけたヴァルハザクは、咆哮を上げて威嚇した。

 

「ガァアウァアッ!!」

 

オドガロンも咥えていたバルノスを投げ捨て咆哮する。互いに向き合い、様子を伺い始めた。

 

先に動いたのはヴァルハザク。地を蹴りオドガロンへと突進を繰り出した。

対してオドガロンは持ち前の俊敏性でヒラリと躱すと、ヴァルハザクの背に体当たりをかました。ヴァルハザクはオドガロンとの衝突に耐えられず壁にぶつかり、姿勢を崩してしまった。

 

そこへオドガロンが追撃せんと躍りかかるが、ヴァルハザクが口から瘴気のブレスを吐き出し逆方向の壁へと叩き付けた。

 

「ガウゥゥアアッ!!」

 

オドガロンはすぐさま立ち上がり、同じく立ち上がったヴァルハザクへと駆けた。ヴァルハザクは前足による叩き付け攻撃を行うが、オドガロンは寸前で急停止し、後ろへ跳びながら尻尾を一閃。

 

強力な一撃がヴァルハザクの頭部を打ちつけた。よろめいたヴァルハザク、その隙を突いてオドガロンが飛びかかり背に張り付いた。

 

「ガウゥゥアアッ!!」

 

オドガロンはその身体能力で相手を撹乱し、武器である牙と爪で仕留めることを得意とする。その中でも凶悪なのが、四肢に上段下段に別れて生える凶悪な10本爪だ。それこそ彼の最大の武器であり、『惨爪竜』と呼称される所以である。

 

「ギュルルァァアアアンンッ!!」

 

10本爪で屍肉を切り裂き、甲殻を削るオドガロン。対してヴァルハザクは振り落とそうとするのではなく、その場で踏ん張り咆哮した。

 

その瞬間、ヴァルハザクから瘴気が噴出しオドガロンを襲った。エネルギーを吸われたオドガロンはヴァルハザクから落ちてしまい、追撃の突進を避けることが出来なかった。

 

吹き飛ばされたオドガロンは壁に叩きつけられ、ついで尻尾の一撃を受け再び吹き飛ばされる。フラフラと立ち上がったオドガロンは悟った。

 

流石にこれ以上は危ない。このままでは確実に殺される。

 

「ガウウゥアアアアッ!!」

 

大きく咆哮し、ヴァルハザクへと駆ける。迎撃の姿勢をとるヴァルハザク。しかしオドガロンは大きく跳躍するとヴァルハザクを飛び越え、投げ捨てていたバルノスを咥え直し逃走した。

 

ヴァルハザクはすぐさま追うが、オドガロンのスピードには追いつけない。やがてオドガロンは寝床に帰ることができ、必死の思いで得た食料に口をつけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オドガロンを見失ったヴァルハザクは、酸の水が溜まる空間()()()場所に辿り着いた。

 

ここだ。ここに全ての元凶がいるのだ。

 

ヴァルハザクは溜め込んだ怒りと殺意を露わにして歩を進める。

 

眼前には暗い光が漂っていた。

 

 

 




オドガロンvsヴァルハザク。

本来の縄張り争いではヴァルハザクがオドガロンを瘴気で振り落とすのみ。今回はガチの殺し合いを書いてみた。
この話のために何度かヴァルハザクへオドガロンをぶつけました。何度も振り落とされててちょっと可哀想でした、スマヌ。

主人公の武器どれにする?

  • 片手剣
  • 双剣
  • 大剣
  • 太刀
  • ハンマー
  • ランス
  • ガンランス
  • スラッシュアックス
  • チャージアックス
  • ライトボウガン
  • ヘビィボウガン
  • 操虫棍
  • 狩猟笛
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