九月の終わりになってもマルフォイの嫌がらせは止まらなかった。まだマルフォイの腕にはきつく包帯が巻かれていたが、ハリーが近くに寄ると気絶したハリーの真似をまた始めたし、そのたびにハリーは腑が煮え繰り返るような怒りを感じていたのだ。特に昼食の時間、マクゴナガル先生の視線をかいくぐってわざとらしいハグリットの泣き真似をみた時は、危うく芽キャベツを投げつけるところだった。
「無視よ、ハリー」
ハーマイオニーがぴしゃりと言った。
「あいつらの挑発に乗ったら負けよ」
「挑発しているのは僕じゃなくてあいつらだ」
ハリーは怒りのままにフォークをソーセージに突き刺した。スリザリンと合同の魔法薬学の授業でスネイプにねちねちと嫌がらせをされたせいでハリーの機嫌は最悪だった。
「ああ、全くだよ」
ロンも肘を立ててフォークでカリフラワーを刺しながら物憂げに言った。
「本当にヒッポグリフがマルフォイの手や足の一本でも食いちぎってくれたらなあ」
「ロン!」
ハーマイオニーは怒ってロンを睨んだ。
「あんまり滅多なことを言うんじゃないわ。もしそうなっていたらハグリットはホグワーツを追い出されていたかもしれないのよ」
「マダム・ポンフリーなら大丈夫だよ。ロックハートに引っこ抜かれた僕の骨を生やしてくれたくらいさ」
ハーマイオニーは何かを言いたさそうに口を開いたが、ハリーは無視した。
「次、占い学の授業だったら僕はサボるよ」
「安心してくれ。午後は『闇の魔術に対する防衛術』だ」
「ウン……そりゃいいや」
午後は
二度目の授業の場所は職員室ではなく、『闇の魔術に対する防衛術』の教室だった。だが、そこはハリーが知っている「教室」ではなかった。一年生の時のクィレル先生は教室ににんにくの匂いがする薬草を持ち込んでいたせいで生徒は授業を受けるだけでぐったりしていたし、二年生のころのロックハート先生は天井に時折ウインクと歯を見せて笑いかけてくる巨大な自画像を貼っていたので別の意味でムカムカしたものだ。(これはマクゴナガル先生が去年の最後に魔法で綺麗さっぱり取り除いているのをハリーは目撃していた。)
ただ、ルーピン先生は違った。机の上にはかくれん防止器や謎のパイプ、震え続ける嗅ぎタバコ入れのような魔法道具が無造作に置かれていたし、「実践的防衛術と闇の魔術に対するその使用法」という面白そうな本が置かれていた。それよりも目を引いたのが呻き声や何かを引っ掻くような音が聞こえてくる、黒い布を被った水槽であった。ハリーたちは興味半分、恐怖半分で水槽を見ていると、ルーピン先生が教室へと入ってきた。
「やあ、みんな」
相変わらずルーピンはくたびれたような笑みを浮かべていた。心なしか先週よりも顔色は悪くなっていたし、ロープもツギハギだらけでみすぼらしかった。だが、グリフィンドール生はみなルーピン先生のことを期待のこもったまなざしで見つめていた。
「ああ、教科書はしまってくれ。そして杖を持ってこっちにきてくれ」
ルーピンが言うまでもなくほとんどの生徒は教科書を鞄の中にしまっていたし、黒い布がかかった水槽をワクワクとした目で見ていた。ルーピンは数人の生徒が教科書をしまうのを待つと、杖を振って机を教室の隅へ追いやった。
「今日の授業ではこの生き物を使う」
ルーピンがまた杖を振ると、水槽を覆っていた黒い布が滑り落ちた。巨大な水槽の中には小人のような生き物がいた。その生き物は生徒を見るや水槽を内からガンガン叩いたので、最前列に座っていたシェーマスはぎょっとした様子で椅子を引いた。
「誰かこいつを知っている子は……ああ、ハーマイオニー?」
「
ハーマイオニーは淀みなく答えた。
「小人に似た生き物で、古戦場の穴やヒトの血が流れるところに住み着きます」
「素晴らしい。グリフィンドールに五点をあげよう」
穏やかな声でルーピンは言った。
「ハーマイオニーの言う通りだ。こいつらは古戦場や城の地下に住んでいてね。夜中に迷い込んでしまった哀れなマグルが集団のレッドキャップに殴り殺されるという事件も起こっている。今回は授業のためということで、ダンブルドア先生の許可を得て城の地下をねぐらにしていた奴らを捕まえてきた」
ハリーは水槽の奥で暴れるレッドキャップを見た。ひげのないバーノン叔父さんにそっくりだ──ハリーは吹き出しそうになり、慌てて咳払いでごまかした。
「さて、今日は君たちに一対一でレッドキャップと戦ってもらいたい」
ルーピンはさも生徒を散歩に連れ出すかのような気楽な口調でいったが、教室は水を打ったようにしんと静まり返った。おずおずとパーパティが手をあげた。
「ルーピン先生。レッドキャップと戦って怪我はしないんですか?」
「大丈夫だ。しかし、油断しないでくれよ。私はまだマダム・ポンフリーを怒らせたくないんだ」
何人かの生徒は笑った。ハリーは笑わなかった。レッドキャップは本当に生徒に怪我をさせたりしないだろうか?
「安心してくれ。連中の棍棒にはあらかじめ魔法をかけてある。殴られてもクッションで叩かれたような衝撃だよ。もっとも悪戯雲の呪文をかけているから、ちょっとビリっとはするがね」
茶目っ気たっぷりにルーピンが言うと、今度はつられてハリーも笑った。だが、まだ何人かは不安そうな表情を浮かべていた。
「君たちが不安に思うのはわかる。だけど、闇の魔術を使う奴は待ってくれないんだ。いいね?」
ルーピン先生は少し厳しい声で言った。ハリーは冷水を浴びせられたかのようにはっとした。吸魂鬼やシリウス・ブラックは待ってくれないのだ──自分を殺すまで、絶対に。ハリーは目を閉じた。母さんの乞うような叫び声が聞こえてくる。ぎゅっとハリーは杖を握った。
「さて、こいつらは基本的に魔法に対して耐性がない。君たちがこれまで授業で習った得意な呪文を使ってくれても構わない。こいつを追い払うことを目的とする」
ルーピンは袖の下から杖を取り出すと、水槽のほうに近づいて行った。そして、生徒の方に振り返った。
「じゃあみんな。念のため後ろに下がってくれ……ああネビル、もう少しだ」
ネビルは飛び退くように後ろに下がった。ルーピンはもう一度生徒が前に出過ぎていないかを確認すると、水槽に近づいた。
「それじゃあいくよ。いち、にの、さん!」
ルーピンが杖を振ると、レッドキャップを囲んでいた水槽が消え去った。レッドキャップは最初こそ不思議そうな表情をしていたが、鼻を鳴らすとルーピンの方に猛然と走り始めた。ルーピンは杖をまっすぐ構えると、レッドキャップと向き合った。
「ペトリフィカス・トタルス 石になれ!」
ルーピンの杖から呪文が飛び出すと、レッドキャップはキーッと悲鳴を上げて倒れた。
「簡単だ」
ルーピンは淡白な声で言って杖を振った。気絶したレッドキャップは浮き上がってまた現れた水槽の中へと戻っていく。
「レッドキャップは基本的な呪いや呪文なら、何でも効く。ただし、こいつらは本気で私たちを攻撃しようとしてくる。ただし、授業外の決闘と違って明確な敵意がある」
レッドキャップは起き上がるとまたキーっと耳障りな声を上げて棍棒で水槽を叩き始めた。また教室が静まり返った。だが、さっきまでと違い、期待に満ちた沈黙だった。
「今日は
珍しくロンの手が上がった。ロン自身も自分が手を挙げたことに驚いているようだった。
「じゃあ、ロンにやってもらおうか」
ロンは大したことないさと言わんばかりに不安そうなハリーとハーマイオニーに向けて肩を軽くすくめて
みせると、杖をしっかりと握りしめてルーピンのもたれかかっている机へと歩いて行った。
「さあロン、君はどんな魔法を使うつもりだ?」
「浮遊呪文、かなあ」
モゴモゴとロンは言った。
「でも、僕そんなにすごい魔法使えないし……」
「いや、いい考えだと思うよ。ロン」
ルーピンは微笑みながら言った。
「優れた魔法使いほど初歩的な魔法を使いこなす。私の知っている最高の魔法使いは誰よりも素晴らしく髭を整える魔法がうまい……そんな魔法なんて誰でもできると馬鹿にした魔法使いが、自分の髭をエメラルドグリーン色に変えてしまってね。おかげでその魔法使いは一週間外に出られなかった」
ルーピンが茶目っ気たっぷりに言うととクラスの何人かが吹き出した。ロンもまだ緊張している様子だったが、無理にニヤッと笑って見せた。
「みんなも杖を構えておいてくれ。そしてどんな魔法を使うかも考えておいてくれ」
ルーピンが合図をすると、生徒たちは不安そうに顔を見合わせながら立ち上がった。ハリーも(ハーマイオニーが小声で呪文の復習をしているのを聞こえないふりをしながら)折れそうなくらい強くヒイラギの杖を握りしめた。
「いち、に、さんだ。よし、ロン。いくぞ」
ルーピンはポンポンと勇気づけるようにロンの肩を叩くと、水槽へ杖を向けた。
「いーち、に、さん、それ!」
ルーピンの一振りで水槽が消え去った。レッドキャップは突然の自由に戸惑っているようだったが、ロンを見つけると一直線に走り始めた。ロンは蒼白な表情をしていたが、決意したように杖腕を前に突き出した。
「ウィンガーディアム レヴィオーサ!」
ロンが放った呪文は棍棒に見事にぶつかった。レッドキャップの持っていた棍棒は高く浮き上がると、そのままレッドキャップの頭に嫌というほどぶつかった。クラスのみんなが歓声を上げた。ハリーとハーマイオニーもトロールを思い出し、顔を見合わせてニヤッと笑うと、まわりのグリフィンドール生に負けないくらいに大きな拍手をした。
「うまいぞ、ロン!」
ルーピンが声を上げた。レッドキャップは頭を振ると、棍棒を構えなおしてディーンの方へ走った。
「次だ、ディーン!」
「タラントアレグラ! 踊れ!」
ディーンが呪いを放つと、レッドキャップはその場で見事なタップダンスを披露し始めた。これにはクラスのみんなが大爆笑した。シェーマスもくすぐり呪文でひっくり返したし、(不用意に近づいたせいで棍棒で二、三度殴られた。)ネビルですら青い顔をしながらも見事な足縛りの呪いを放ち、やんやの喝采を浴びた。生徒が呪いをかけるたびにルーピンがレッドキャップの呪いを解いた。レッドキャップはあまり頭がよくないのか、そのたびに生徒を狙って棍棒を振り回した。だが、今や怖気つく生徒はいなかった。全員が目を輝かせてこれまで習ってきた呪文の成果を見せていた。
「仕上げだ、ハーマイオニー!」
ハーマイオニーが決然とした表情で前に出た。
「ペトリフィカス・トタルス! 石になれ!」
完璧だった。ハーマイオニーの全身金縛り呪文は見事にレッドキャップの額に命中すると、ビシッと石のように固まってその場で倒れた。盛大な拍手が沸き起こり、誰もがほっと肩から力を抜いた──その時だ。
「危ない!」
ラベンダーが悲鳴を上げた。レッドキャップは棍棒を振り回してこっちに向かってきていた。
ハリーには全てがスローモーションに見えた。ハーマイオニーが何かを叫んだ──ルーピンは動いていない。だらりと杖腕を下げてレッドキャップを見ている。ハリーは迷わずに走り始めた。クィディッチと同じだ──かわして当てる。それだけだ。ハリーはブラッジャーをかわすように身を屈めると、杖をまっすぐレッドキャップの方に向けた。
「エクスペリアームス! 武器よ去れ!」
赤い閃光が走ってレッドキャップが持っていた棍棒が高々と宙を飛ぶ。武器を失って呆然としているレッドキャップにルーピンが杖を向けた。
「ステューピファイ! 麻痺せよ!」
もう一度赤い閃光が走ると、レッドキャップが倒れた。
「見事だ、ハリー。グリフィンドールに十点をあげよう」
ハリーはにっこりと笑った。今度こそレッドキャップはルーピンの唱えた呪文によって水槽の中へ押し戻されていった。ルーピンはまだ慄いている生徒たちの顔をゆっくりと見渡すと、ぱんぱんと机を叩いた。
「驚かせて申し訳ないね。だけど危険な魔法生物は油断した瞬間を狙ってくる……レッドキャップだってそうだ。こいつらは頭が悪いが執念深い。油断大敵だ、いいね?」
いつになく真剣なルーピンの声に全員が頷いた。ルーピンはにっこり笑うと、手をぱんぱんと叩いた。
「さて、来週までにレッドキャップのレポートを提出するように。怪我した人がいたら、殴られたところに痣があったらハナハッカ・エキスに漬けていきなさい。それでは、今日はここまで!」
ルーピンが教室から出ると、堰を切ったように喋り始めた。誰もがレッドキャップと戦ったことで興奮していたし、自分がかけた呪いの自慢をすることに夢中だった。ハリーもロンも話したくてたまらなかったのだが、ハーマイオニーがあっという間に教室から飛び出していくものだから追いかけるので精いっぱいだった。
「ハーマイオニー、君、どこにいくんだい?」
「私はこっちよ、ロン」
後ろからいきなり声をかけられたものだから、ハリーとロンは腰を抜かしそうになった。ハーマイオニーは息を弾ませて鞄を両手でぎゅっと握りしめていた。
「びっくりした。どこから来たの?」
ハリーは驚いてハーマイオニーに問いかけたが、ハーマイオニーは曖昧に笑った。
「次の授業はなんだったかしら?『闇の魔術に対する防衛術』?」
「勉強のし過ぎで頭がおかしくなったのかい?『闇の魔術に対する防衛術』はさっき受けてきたじゃないか」
「え、ええ。そうだったわね。じゃあ、またあとでね。ハリー、ロン」
慌ただしくハーマイオニーは手を振ると、あっという間に走り去った。
「ハーマイオニー、何か僕たちに隠し事をしていると思わないかい?」
「うん……だけど僕たちに秘密にしなくてもいいのに」
ハリーは肩をすくめてみた。何かを隠していそうだったが、ハリーには皆目見当がつかなかった。二人が『闇の魔術に対する防衛術』の話に花を咲かせながら談話室に戻ると、肘掛け椅子にはハーマイオニーが座っていて『闇の魔術に対する必須の防衛法』を開きながら羽ペンを走らせていた。
「遅かったじゃない」
ハーマイオニーは羊皮紙から目を上げようともせずきびきびと言った。
「おったまげー。君、いつの間に『姿くらまし』をいつの間に取得したの?」
「ホグワーツ内では『姿くらまし』も『姿現わし』もできないわ。あなたはいつになったら『ホグワーツの歴史』を読むのかしら?」
ハーマイオニーは宿題から顔も上げずにぴしゃりと言った。ハーマイオニーの膝元に陣取っていたクルックシャンクスは目を開けると、じっとロンの方を見た。
「おい、その猫なんとかしろよ。スキャバーズが怯えるだろ」
ロンは胸ポケットをぎゅっと抑えてクルックシャンクスを睨んだ。クルックシャンクスはロンを馬鹿にしたような黄色い目でロンのほうを見ると、ひらりとハーマイオニーの膝に飛び乗ってゴロゴロと喉を鳴らした。
「それより、あなたたちさっきマルフォイが何をしていたか見ていないの?」
ロンが片眉を上げてハリーの方を見ると、ハリーも知らないとばかりに首を振った。ハーマイオニーは鞄を投げ出した。
「クラップとゴイルに父親のことを自慢しながらふくろう小屋に何度か行く姿が見えたわ……きっとハグリットのことを訴えるつもりよ」
「なんだって?」
ハリーが急に大声を出したのでクルックシャンクスがシャーッと威嚇するように鳴いた。ハリーは胃がひっくり返るような思いがした。ハグリットが二度もホグワーツを去るようなことがあるなんて考えたくもなかった。
「本当よ。マルフォイは難癖をつけてハグリットを追い出すつもりよ」
「そんなことダンブルドアが許すものか」
ロンがきっぱりと言った。
「ロックハートだってピクシーを解き放ったけどクビにはされなかっただろ?」
「でもロックハート先生は生徒を怪我させなかったのよ」
「僕はロックハートに骨を抜かれたけどね」
ハリーが訂正するように言った。ハーマイオニーはため息をついた。
「事の重大さが違うのよ。あなたは果敢にもロックハート先生のことを世の中には訴えなかったわ……マルフォイは違うわ。きっとルシウス・マルフォイにあることないこと吹き込んでいるのよ」
ロンが小さくうめき声を上げた。ハリーは窓からハグリットの小屋を見た。『禁じられた森』の近くに建てられているハグリットの小屋は心細そうな灯りが付いていた。ハグリットは一人で酒を飲んでいるだろうし、ファングは小屋の外で悲しそうに鳴いているに違いない……。
ハリーはすっと立ち上がった。
「ハリー、どこに行くの?」
「僕、ハグリットのところに行ってくる」
自然と言葉がハリーの口から突いて出た。
「行きがけにマルフォイがいたらついでにぶん殴ってやる」
「だめよ!暗くなってから外に出ないって約束したじゃない」
「透明マントをかぶっていくよ。君たちがいかないなら僕一人で行く」
ハリーはハーマイオニーを睨んだ。ハーマイオニーは何かを訴えかけるような目で見た。
「お願い、ハリー。シリウス・ブラックが校舎内に入っていないという保証はできないのよ。ロンのお父様との約束はどうするつもり?」
「ハリー、やめた方がいいんじゃないかなあ」
ロンもハーマイオニーに同調するようにモゴモゴと言った。
「ハーマイオニーの言うとおりだよ……さすがに今行くのはまずいぜ」
ハリーは二人を睨みつけた。どうしてわかってくれないんだろう? ロンは気まずそうにハリーから目を逸らすと窓の外を見た。
「心配するなよ、ハリー。マルフォイだってそうホイホイと教師を辞めさせるということはできないさ。ハグリットは、ウン、ちょっと心配だけど……」
モゴモゴとロンは言った。ハグリットに怒られてから、小屋を夜に訪問することはなかった。『魔法動物学』の授業ですら、スリザリンの目を気にして話すことができていなかった。
「僕、先に寝るよ。お休み」
ハリーはぶっきらぼうに言うと、寝室へ向かった。途中でネビルにすれ違ったが、目も合わせずに寝室に急いだ。
「ハリー──おまえは魔法使いだ」
ハグリットが古びた船の中で自分の正体について教えてくれたことを、ハリーは昨日のことのように思い出していた。そして、去年冤罪をかけられて連れていかれた時の怯えた目も……。
ホグワーツから追い出される恐怖は、誰よりもハリーがわかっていた。