初戦闘から数日が過ぎ多少の余裕も生まれた頃になると今が中生代のいつ頃なのか気になってきた。
「ガゥゥ、グガァァ、ガゥゥ〜ゥ?(ここが何処か分からないが、有名どころのイグアノドンは確か白亜紀の恐竜だったはずだから、今は白亜紀だよな?)」
俺の少ない知識で何とか思い出したイグアノドンについての情報は不確かなものだが、白亜紀の恐竜だったと言うことだった。
「ガウゥ…(でも、鎧竜とかは見てないんだよな…)」
鎧竜…世に言うアンキロサウルスなどの恐竜である。
白亜紀はティラノサウルスなどの大型肉食恐竜と共に鎧を纏ったような恐竜もかなり栄えていたとされている。
要するに…この地域に住んでいないないのか、それともまだ繁栄してないのかは分からないがアンキロサウルスなどの有名な恐竜を見ていないのだ。
「ガゥガウ、ガァァァ?(確かティラノサウルスなんかは、北アメリカ大陸やアジアの方で繁栄してたんだっけ?)」
俺が思い出したのは有名なティラノサウルスの話だった。
白亜紀で繁栄したティラノサウルスはアメリカ・中国・モンゴル辺りでかなりの数が生息していたため、消去法により俺が今いる位置はアジアやアメリカじゃ無いという事になる。
「ガゥゥ?(じゃあここは何処なんだ?)」
普通に考えればヨーロッパ・アフリカ・オーストラリアのどこかなのだろうがいかんせん情報が少なすぎる。
「グオォォォ!(やっほー!)」
と言うことで海に行くことにした。
何がと言うことだよって思っただろうけど海の状況を確認すれば今が中生代のいつ頃かすぐに分かる。
簡単に言ってしまえばモササウルスが居れば白亜紀で魚竜が繁栄していれば、ジュラ紀から白亜紀の前期辺りになる。
さすがにイグアノドンや大型の肉食恐竜が居る時点で三畳紀ではないだろうからな。
「グガァァァ!(海だぁー!)」
俺は寝床から約1時間かけて近くの海岸までたどりついた。
周囲には大小様々な翼竜が俺の周りを滑空するように飛んでいる。
「グガァァ?(さて、どんな生き物がいるかな?)」
俺が海面数メートルの高さを飛んでいると水中には巨大な影がいくつも見えた。
「グオ?(亀?)」
俺が見つけたのは巨大な亀の1種であるアーケロンであった。
俺の記憶が正しければアーケロンは全長4mにもなる最大級のウミガメの1種だったはずだ。
「ガ?ガァァァ!?(ん?あの影は!?)」
ーザパーン!ー
大きな飛沫を上げながら現れたのは白亜紀の海で頂点捕食者として君臨していた生物だった。
その生物は史上最大級の水棲爬虫類の1種であり巨大な口には鋭い歯を備えていた。
その名も……。
「ガゥゥゥ!(モササウルス!)」
巨大な顎を大きく広げアーケロンを殻ごと食らう巨大な水棲爬虫類・モササウルス。
全世界に存在していた白亜紀のモンスターであり日本でも化石が発見されていることからかなり有名な生物だ。
「ガウゥ、ガァァ(つまり、今は白亜紀ってことだよな)」
俺はモササウルスの狩りを見た後周辺の海を調べた結果、首長竜らしき巨大な影はあったが魚竜らしき影は見つけることが出来なかった。
「ガウゥ…(魚竜が絶滅したのは白亜紀中期だったよな…)」
俺が恐る恐る考えていると水面にそこそこな大きさの影が見えた。
「グォォ?ガァ!(イルカ?いや、魚竜だ!)」
水面に近ずいて見るとイルカによく似た姿をした魚竜の群れを発見した。
イルカに似ているが尾の形や向きは違っており、収斂進化によって生まれたイルカとの違いを明確化していた。
「ガゥゥゥ…(良かった、まだ絶滅して無かった…)」
安堵のため息を吐きながら俺は寝床のある方向まで飛んで行った。
既に日は傾きつつあり暗くなれば寝床を見つけるのが困難になるからだ。
「ガウゥゥ(今日のところは帰ろう)」
巣に帰るであろう翼竜の群れの中を一頭の巨大な竜が内陸部に向かって海上を飛んで行く。
その様はまるで別世界のようであっただろう。