やぁ、ヨーロッパ中を飛び回ることになった翔鶴さんだぞ…。
いやはや寝床の場所が全く分からなくなるなんてな…正直めちゃくちゃ焦った。
「ガァァ…(疲れた…)」
肉体的な疲れではなく精神的な疲れだがそれも立派な疲労の一つだ。
さらに悩ましい問題がある。
それは俺に群がる恐竜が増えたことである。
より正確に話すと元々はチビ達と1部の草食恐竜だけだったのが大型の肉食恐竜も俺の周りをうろつき始めた。
理由はハッキリしてないがおそらく俺の魔術の影響だろう。
最近はチビ達も食事の回数がどんどんと減ってるし徐々に大きくなってる気がする。
それに何か神聖な雰囲気をまとい出したし…あれ?何か翼っぽい物も生えてるぞ?おかしいな…。
…うん…疲れてるんだな。
俺は周りの恐竜達の変化を気にしないことにした。
だって気にしだしたらキリがないもん。
それよりも今やるべき事は恐竜を絶滅させない為の行動だ。
結構、あの後考えてオーストラリア大陸が恐竜を生活させるには適していると思った。
だが、これから人類が発展してくることを考えれば、オーストラリア大陸に恐竜達を連れていくのも最適とは言い難い。
だがら俺は新しい大地を作ってしまうことにした。
「ガァァァ(とりあえず、移動するか)」
俺は早速、新しい魔術を試してみることにした。
「ガゥ(転移)」
ーシュッー
あっという間に風景が変わり俺は現代で言うところの太平洋のタヒチ島の辺りに転移した。
まぁ、白亜紀のここら辺は島なんてひとつもないからだだっ広い大海が広がっているだけだがな。
「ガゥゥゥ(行くぞぉ)」
俺は自分に言い聞かせるように声を出した。
多少、声が震えている気がするが仕方の無いことだろう。
何せこれからやることは今までやってきた海洋生物の虐殺なんかとは比較にならないほどの影響を及ぼすであろう行為だからだ。
「ガォォォ!(アースメイク!)」
覚悟を決めた俺は世界を大幅に変える呪文を叫んだ。
声の限り叫んだ俺の咆哮は巨大なうねりとなりながら呪文の効果を確実な物としていく。
ーゴゴゴゴゴー
次の瞬間、巨大な轟音を轟かせながら巨大な大地が海中より姿を表した。
次々と海面より姿を表す広大な大地その表面はゴツゴツしており原始的な島を作り出して行った。
「ガゥゥ……(おぉ…凄いな…)」
俺自身もあっけにとらわれ呆然としていたが、次の瞬間には一転して慌てることになった。
「ガウ?(あれ?)」
俺は気づいてしまったのだ。
この魔術が何時になったら終わるのか一切分かっていないことに……そしてどうやって終了させるかも分からないとこに。
「ガァァァ!?(やばァァァ!?)」
止める方法が分からないためこの魔術は完全に暴走していた。
初めの段階では半径500メートル程の島を作るはずが今や半径1キロを優に超える大きさの島になりつつある。
「ガ、ガゥゥゥ!!(と、止まって!ストップ!)」
いくら叫ぼうと『アースメイク』の効果は一向に止まる気配がない。
その後、俺は何度も止めようと様々な手を尽くしたが島の形成は止まることが無かった。
何せ光線を放とうとも関係ないとばかりに次々と島が形作られていくのだから…。
それこそ本気で止めようと思ったら『エクスプロージョン』でも撃ち込まないと止めることは出来ないだろう。
「ガァ、ガァァァ…(やっと、やっと終わった…)」
結局、島の形成が完全に止まったのは次の日になってからだった。
その頃には直径千キロを優に超える程の巨大な大地が形成されており、最初想定していた大きさの島を大きくオーバーしていた。
「ガウゥゥゥ…(デカすぎだろ…)」
もう、作ってしまったものは仕方ないとしてもいくらなんでも大きすぎる。
俺はそんな事を考えながら出来たばかりの島に上陸した。
「ガァァ…(アースメイク…)」
俺は自分の周囲数百メートル範囲を肥沃な大地に変更しながらこれからどうするか必死に考えて行った。
その思考はさならがら大人に怒られないように割ってしまった皿を隠蔽する子供のようだった。
「ガァァァ!!(もう寝てやるぅぅ!!)」
結局はふて寝することになるのだが……まぁ、いつもの事だ。