パチ、パチと炎が燃える音が聞こえる。
炎の上には陽炎が浮かび、そこだけ世界が歪んでいるような錯覚を覚える。
もしかしたら本当に歪んでいるのかもしれない。
・・・
俺は昔から陽炎の事を鏡の様だと感じていた。みんなも一度は経験したことがあるであろう。真夏の暑い日にふと前を見ると、かなり先の景色の空間が揺れ動く様を。
俺は長年お世話になっている激安スーパーへの行き道の中に、長い登り坂があるんだが、真夏の気温が高い日にその道を通るといつも少し先の空間がボヤけている。俺はそれを見る度、そういや前もこのような景気を見たなぁと思ってしまう。そしてそれと同時に、その時の俺はどんな気分で、何を買いに、そして何を作ろうとしていたのかを考えてしまう。無駄な事とはわかっていても、どうしても気になってしまう。そのように、見る度に俺自身の事を考えてしまう様が、鏡を見て昨日の俺の方がカッコイイなとか、だけど一昨日の俺よりはカッコイイからこれで良いかとか、若い頃はもっと皺が無かったのになどと考えるのとまるで同じ様に感じてしまうのだ。そんな事考えるだけ無駄なのだ。今は今、昔は昔。だがこれは勿論個人差にもよるが、俺は少なくともそう感じてしまう。
今もそうだ。炎の上の鏡を見て、
(アカンアカン、こんな考えは忘れとけ!)
そうだ、これから
そこには、
次の刺客は
(嗚呼、こらアカン・・・。)
限界まで精神をすり減らし、リスのようにずっと木の実や果物を食べていた今の俺からしたらこれは救いの手ではなくて、もはや悪魔の手だ。
視覚と嗅覚からの余りの情報量の多さに、遂に頭の中が爆発した。
「ア、ア、ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!」
─ウッセェ・・・。
頭がクラクラする。やはり俺にはまだ
・・・
いや!そんな事は無い!!もしそうだとしても、俺はこんなにも頑張って来たんだ!だったらご褒美くらい欲しくなるのは人間として当たり前だろう!!何が悪い!!
タチの悪い妄想を否定するために勇気を振り絞り、丁度レアっぽい感じになって来た肉を手に取ると、そのまま齧り付く。
案の定、頭の中が爆発した。しかもそれはただの爆発ではない。そう、例えるなら無限に広がる宇宙で起こるビックバンの様な・・・。
「アアアアィィィィイイイイェェェェエエエ!!!!!」
─オレなんでこんなヤツを相棒と言ったんだ・・・。
アッハッハッハッハッ!!!ウメェ!!
これなら元気百倍やな!!
そう俺自身に言い聞かす。
・・・
辛い。
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暫くの間、騒いでいると、
─オイ、もう大丈夫なのか?
俺の心情に気付かれ、驚くが直ぐに納得した。
「・・・!おう、えぇで!!」
流石に
誰だって自分自身が何を考えているのか分からないなんて人は居ない。
─幾らオマエがイカれてる精神力を持っていたとしてもだ、オマエは
と真っ直ぐコチラを見て話しているような、まるで出来の悪い子供に優しく諭す様に言われる。
(そうや、俺は人間や。
彼の発言にそう自覚し直し、気合いを入れるために頬を叩く。
すると、
─
─感謝してもいいぜ?ケッケッケ!!
と笑う彼に、ただひたすらに感謝した。そして思う。
(あぁ、彼が
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─さぁて、そろそろ今後の方針を決めますかね。
彼はそう切り出した。・・・そうだ、現代まで生き抜く事に目がいっていたが、これから俺達はどうするのか、どう生活していくのか。まずそれを話し合わないと話にならない。
─オマエが
「何を見つけたんか?・・・もしかして町が!?」
─半分正解だ。正しく言うとそこは町ではなく集落だ。当然だが、人間も数百人ほど住んでいる。
さァ、どうする?
「・・・俺は、彼らと接触したい。」
─危ねぇぞ?もしかしたら死ぬかもしれねぇ。
「それでもずっとここにいる訳には行かない。」
─・・・死ぬかもしれねぇぞ?
「あぁ、それに関しては大丈夫や!」
─・・・はぁ?
「だって俺、1600年間死ぬつもりはないし!!」
─・・・クッ、クックック・・・、
ヒャーハッハッハッハ!!!
馬鹿だコイツ!!なんも確証も無いのにもう生き残った気でいやがる!!オマエ最高だなぁ!!
「なんかバカにされてる気分やわ・・・。」
─馬鹿にしているさ!生存願望の塊みてぇなオマエが危険な場所に自ら行くだと!?しかもどれだけ危険なのかまだ分からねぇのに当の本人は生き残る気満々だ!!矛盾にも程があるぜ!!ヒャッハッハー!!
「そこまで言わなくてええやん・・・。」
─・・・ふぅ〜、あァ〜面白かったわ。だが今のオマエ、
すごく
「・・・!やろ!なんたって
─じゃ〜決まりだな!いっちょ行きますか
「道案内は頼むで
そうして森を抜ける為、その方角へと走り出した。
・・・
「そーいや、ここは何処なん?俺の記憶と照らし合わせたら分かるんちゃうん?」
─あ〜、一応分かったがな、オレはよく分からんからオマエに伝えとくな。