希死念慮   作:オコゲ

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第三話の、『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』の挿絵を描きました(唐突


【挿絵表示】



コレは、右歯噛咬を投影した時に両腕が使えない為、口で噛み相手に走り出す直前の場面ですね!!


本当ならもっと臨場感があるような作品にしたかったのですが、私の文才が無さすぎて満足に表現出来なかったので、こうして描きました!!
この挿絵(適当)をもし見てくれたのなら、この場面の雰囲気を少しでも感じてくれたら私としては万々歳です!!

あと今回はちょっと短いです。ごめんね!



大団円

ふと空を見てみると、まだ暗くはないがこれから徐々に暗くなるであろうと感じさせる微妙な空色だ。大体16、17時くらいだろうか?・・・

俺的には、もっと時間が過ぎているそうな違和感が残る。当たり前だろう。

転生してから日が過ぎて、まだ一日目なのだ。色々な事が起きて脳がバグっているのだろう。・・・さっきの件といい、俺は運が無いのだろうか?こうなる前の俺はそこそこ運があったのだが、これも転生の影響なのだろうか・・・?・・・いや、あの時(・・・)両親を失ってしまった時点で、俺と弟の運はとうに無かっただろう。

 

 

─おいおい相棒?せっかく一難去ったってのに、何湿っぽい事考えてんだよ。

 

 

(スマンな、ダメだと分かってても考えてしまうねん・・・。・・・コレだけはこれからも治りそうにないわ。)

 

 

─だからって考え過ぎは良くねぇ。人間には精神病っ?てのがあるんだろ?このままだったら、いつかそうなっちまうぜ?

 

 

(大丈夫や大丈夫や。心配させてすまんな?)

 

 

─・・・ならいいけどよ。

 

 

「オイ、あんちゃん!!ここがオラの家だ!!」

 

 

そうして顔を上げると、他の建物と同じ高床式住居の造りで大きさも広いという訳でもなく、玄関の傍に衣服を乾かしていたり、干し肉を作っていたりと、生活感を漂わせる、普通の家だった。

・・・あぁ。泣きそうだよ。

熱くなる目頭に力を入れ、堪えながらも、

 

 

「へ、へぇ。良い家ですね!」

 

 

「へへーん!!そうだろ!!なんだってオラの家だからな!!」

 

 

幸か不幸か、彼、いやカンジさんは褒められた事に浮かれて、俺の様子に気づいていない。これならまだ時間はある。()()()()()()()

 

 

─相棒・・・。

 

 

すると急に手を引っ張られて、

 

 

「良い家だからって遠慮すんな!!さっさと中に入るぞ!」

 

 

「あっ、ちょっと待って・・・!!」

 

 

そうして強制的に中に入らされる。

そこには、

 

 

「おとーちゃんおかえり!!!・・・その子はだ〜れ?」

 

 

「あらあら、家の中でそんなに走ると怪我しちゃうわよ、゛トチヨ゛。・・・あら、貴方。この子はどうしたの?」

 

 

「お〜トチヨ!!会いたかったぞ〜!!ヨーシヨシヨシ!!」

 

 

「おとーちゃんくすぐったいよ〜!!」

 

 

「ごめんごめん!!あんまりにもトチヨが可愛かったからな?・・・゛ナヨ゛。この子は今日から此処に住むことになった?・・・怒らないでくれよ?」

 

 

「別に怒りませんよ。貴方がこうしてその子を連れてきたってことは、その子、()()()()()()()でしょう?なら、断る理由なんかございません。」

 

 

「おぉ・・・!!流石はナヨ!!オラの嫁さんだ!!」

 

 

「私も貴方という夫がいて誇らしいですよ。」

 

 

そこには、俺が、俺と弟が長年経験しなかった゛家族゛のやり取りがあった。羨ましいや妬ましいなどの感情ではなく、ただ、ただ()()()。まるで太陽を直接見ているようだ。しかし、それによる不快感は無く、寧ろ大地の温まりを感じる。

 

 

(あぁ・・・。眩しいなぁ。)

 

 

泣きそうだ。今耐えれている事が奇跡に近いと、そう思ってしまうくらいには。これ以上この俺達が味わえなかった光景(壊してはならない幸せ)を直視していたら気が狂いそうだ。まるで俺達だけがこの世界では無い何処かの場所で暮らしていた錯覚を覚えてしまう。あぁ、寂しい。

 

 

そうこうしているとカンジさんから背中を押されて中央の囲炉裏へと向かわせられる。そこには、グツグツと煮込まれた米や肉などが入っているお雑炊のような料理が食欲と精神に無理矢理働かされるような匂いが漂ってくる。

 

 

「おい、あんちゃん!!座りな!!」

 

 

「え、あ、は、はい。」

 

 

「そんなに緊張しなくても大丈夫よ?・・・あっ、ご飯は逃げないから安心してね??」

 

 

「そーだぞ!!なんせこうして()()()でご飯を一緒に食べるってことは、オラたちはもう【()()】ってことだからな!!ガーハッハッハッ!!」

 

 

「おにーちゃんはワタちたちの家族!!ワーハッハッハ!!」

 

 

やばい。ダメだ・・・。もう、がま、んでぎない・・・。いやだめだだめだ・・・。ごごまでざれているのに、なぐなんであまり、にもじづれ、いだ。

 

そうは言っても、人間の生理現象は止めることは出来ず、

 

 

「あ、あ、あ・・・。ああああああああぁぁぁ・・・!!ああああああああぁぁぁァァァ・・・!!!」

 

 

俺は恥を知らず、その場で泣き出してしまった。

 

 

「あんちゃん・・・。」

 

 

「ねーねーおかーちゃん?なんでおにーちゃんは泣き出したの?」

 

 

「・・・それはねトチヨ。今のお兄ちゃんはこうして()()とご飯を食べれて泣いちゃうほど嬉しいんだからだよ。」

 

 

「そーなの?・・・じゃあトチ!!おにーちゃんをもっとうれしくさせて泣いちゃわないぐらいうれしくさせる!!」

 

 

「そうねぇ・・・。背中をさすってあげなさい。そうすればきっとお兄ちゃんは喜ぶわ。」

 

 

「わかった!!・・・おにーちゃん!!!よしよし!!」

 

 

俺は結局、涙が枯れるまで泣いてしまった。

だけど、何故か心は軽かった。




この話で一旦、二章の区切りがつきました!!



・・・この章長いからなぁ〜・・・((ボソッ…
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