希死念慮   作:オコゲ

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少し書き方を変えました!!

・・・

それともし、昨日私が間違えて投稿してしまった物を見てしまった人は忘れてください!!お願いします!m(_ _)m


縛り

 

─よし、ここら辺にするか。

(分かったわ。)

 

それは集落の外へ出て、月明かりがあってもまともに前が見えない程闇が充満している中、簡易的な松明を右手に持ち15分くらい進んでいた時だ。アンリマユがそう提案したのでそれに従い、せっせと焚き火の準備をし始める。

・・・ここまでボーイスカウトしてて良かったと思える場面が来るとは思わなかったな。そう考えている間も手は勝手に動き、ふと目の前を見ると周囲を照らすことが出来る程度の焚き火が完成していた。それからそこらにある枯れ木を見つけると焚き火の近くに置き、そして座る。

 

(準備完了やで!)

─分かった、じゃあ早速呪力について話していくんだが、それについては前回話したから、今回は実際に呪力を使っていこうと思う。

(おぉ!やっとか!)

 

遂に呪力を使うことが出来る。俺はまだ呪力についてはあまり分かっていないが、化け物の時にその力の恐ろしさを経験している。そしてこの力があれば生存能力が上がることも。それに、俺も男の子だ。俗に言う魔法の様なモノを使うのにはやはりテンションが上がる。

 

─じゃあ先ずは、オマエの中から湧き上がる呪力を感じるとこからだな。目を閉じて集中してみろ。

 

その言葉を聞き、俺は目を閉じ、俺自身の内側に意識を向ける。・・・それっぽいのはあるな。心臓の辺りから全身にドクドクと血液のように流れているのが今更ながら気付く。

 

─そうだ、それが呪力だ。

(これが呪力・・・。)

─・・・しかし、呪力を掴むのが速いな、オマエ。

(そーか?)

─次は、その呪力を身体の一部に纏ってもらう。先ずは手に呪力を集めるようにしろよ?簡単だからな。

 

俺はアンリマユの言葉を聞きつつ、湧き出る呪力を右手へと集める為に頭の中でイメージする。するとゆっくりとだが、右手に呪力が伝わっていくのが分かる。それから数秒もすると身体から溢れ出た呪力の殆どを右手へと集めることが出来た。確かに、なにか集まっているなとは分かるが、何が変わったのかはあまり実感できない。

 

(ん〜?・・・よっと。)

─あ、おいコラバカ!

 

どう変わったのかを知るために右手に呪力を込めたままで軽く、近くにあった木を殴ってみた。すると、耳が潰れるほどの爆音が発生する。目を開けようとしても突風と砂煙によって前が見えない。だがそれも束の間、少し経つと砂煙も晴れ始め、一体何が起きたのかを見ることが出来た。

 

(一体なに・・・が、・・・は?)

 

何が起こったのかを知る為に目を開けて見ると、そこには木の株だけが残った無残な姿が映っていた。俺が殴った箇所は跡形もなく消えさり、少し先には樹冠の部分が転がっていた。

俺はその光景を見て()()()()()()()()()に陥った。軽い力でこの有様だ。そんな力をもし、もし呪霊ではなく()に向けて使ってしまったらどうなるのか、と。木でこの惨状なんだ、人に使ってしまったら肉片しか残らないだろう。それ故に思ってしまう。こんな力を持っているのは果たして人なのか。それだけでは無い。仮にだが、この様な力を持っていたとしてもその人はこの力を同じ人間に向かって使うだろうか、いや、使わないだろう(殺さないだろう)。だが、襲われているのが俺だとしたら、俺は迷わず使うだろう(殺すだろう)。そこの考えは普通の人が当たり前のように考える事なのだろうか。否だ、普通の人は襲われたからといって戸惑い無く殺そうとはしない。俺は人として生きる事に決めたんだ。そんな俺がもし人を殺してしまったら、決してまだ正気(倫理観)がある今の俺には戻れないという事が嫌でも分かってしまう。・・・俺自身の事だから。

俺はそんなことで正気(倫理観)を失いたくない。失ってしまったら、両親と弟にどんな顔で接しれば良いのかが分からないから。しかし、この力が無いと次また別の化け物と遭遇した時に今度こそ死ぬかもしれない。自衛ぐらいはできないと生きていけない。・・・ならどうするか、答えは決まっている。

 

(俺が人として生き続ける為に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()。)

 

馬鹿みたいに単純だが、これ以外に方法は無いと思った。ただ、決めるだけでは拘束力が無い。俺が死にそうになったら人を殺してしまうかもしれない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(もし、この契約を破った時、()()()()()()。)

 

これはこれからも絶対に死ぬつもりは無い。生存本能の塊と言われた俺がこんなリスクを背負うんだ。これぐらいの覚悟がないと俺はこの先、必ず破ってしまうと()()()()()()。俺は決して人は殺したくない。だが死にたくもない。なら、必死にこの契約を守るしかないだろう。

すると突然、俺の中の呪力がまるで洪水の様に押し流れてきた。今までとは比較にならないほどの呪力量。抑え切るのもやっとだ。そうしていると、

 

─オマエ、今もしかして【縛り】を結んだのか・・・?

 

とアンリマユは今まで見た事がないほどに驚愕した表情で俺にそう問いてきた。

 

 

_________________________

 

 

(縛り?)

─その様子だと、無意識に縛りを結んだのか、・・・いや、気付いてはいたが、末恐ろしいなぁホント。

(何、そんなヤバいヤツなん?)

─それは内容によるが、見た限り゛生き続ける間、人間に対して呪力を使わない・殺さない事で呪力量が大幅に上がる゛代わりに、゛もしそれを破ったら死ぬ゛ってとこかな。

 

それに関しては問題ないが、俺はそれよりも気になったことについて聞いてみる。

 

(そんなん上等やわ!寧ろ余計に守らなあかんなって良かったわ。・・・てか怒ってないん?)

 

そう、それは勝手に契約をした事だ。それも破ったら死ぬ云わば諸刃の剣だ。俺が死んでしまったらアンリマユも死んでしまう。怒られてしまうだろうなと気弱げに聞いたのだが、

 

─別に怒らねーよ。オマエがそうしたいと決めた事なら何も文句は言わねぇ、()()()()を否定しようとは思わねぇよ。

 

とまるで気にも止めていない様子でそう言ってきた。・・・理解者が1人でも居るのってこんなにも救われる事なんだなぁと思った。ほんとに彼には感謝してもし切れない。

 

(・・・あんがとな。)

─まァ気にすんな、・・・予想外の事があったり、湿っぼくなったりしたが、次は術式についてやっていくか。

 

そう言い、アンリマユは話し始めた。

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