希死念慮   作:オコゲ

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遅れてごめんね?

ではどうぞ!


投影術式

─さっきので呪力の感覚を掴んだな?ならその感じでオマエの術式に呪力を通すんだ。

(分かったで!)

 

術式についてはあまり詳しくないが、俺の()()()()だったか?取り敢えず右歯噛咬と左歯噛咬を呼び出す事だったら何となくだが出来る。そうして頭の中で想像し、呼び出す。

 

(・・・これでええか?)

─おーどれどれ?・・・確かに右歯噛咬(ザリチェ)左歯噛咬(タルウィ)は投影出来ているが、これじゃダメだな。

 

両手に右歯噛咬(ザリチェ)左歯噛咬(タルウィ)を呼び出す。だが、アンリマユにそれを見せると急にダメ出しを喰らってしまった。いやなんで?

 

コイツら(右歯噛咬と左歯噛咬)は外見は上手くできているが、中身がスカスカだ。これだったらこの先持たねえよ。

(中身がスカスカやって?)

─あぁ、オマエ、あの芋虫野郎の事を覚えているか?

(そら覚えてるよ。・・・誰だって殺されかけた記憶なんて忘れたくても忘れられへんやろ。)

─あの時、オマエは芋虫野郎の体当たりをくらってコイツら(右歯噛咬と左歯噛咬)が砕けたよな?本来ならコイツら(右歯噛咬と左歯噛咬)は砕けなかった。・・・ああ、別にオマエが悪いって言ってるんじゃない。オマエはオレ(アンリマユ)になったばかりだったし、今もそうだ。だが、もうそんな事は言ってられねえんだ。

 

真剣な表情で俺に向き合う。確かにその通りだと思った。あんな化け物が跋扈するこの世の中で、『まだ大丈夫。』なんて四の五の言ってられない。いつ、何が起こるのか分からないから。

 

(・・・どうすればいいん?)

コイツら(右歯噛咬と左歯噛咬)を投影する時、頭ん中で形だけを想像するだけじゃなく、コイツら(右歯噛咬と左歯噛咬)が何で出来て、そしてどうやって造られたのかを想像し、オマエ自身で()()()()()()

(俺自身で、コレ(右歯噛咬と左歯噛咬))を創造する・・・か。)

 

言っている意味がよく分からないと諦める訳にはいかず、再び意識を己の内側へと向ける。右歯噛咬と左歯噛咬の構造、中身ってどんな感じなんだろうか?一応神の名前を冠しているとダチが言っていた。そんなモノの構造を理解しろというのが難しい。・・・取り敢えずコレ(右歯噛咬と左歯噛咬)の中身に呪力を注ぐか。でもそれだけではダメな気がする、ただ呪力を注ぐのではなくて圧縮しながらにしよう。外見は、今のままでいいか。ただ今はより硬く、そして壊れないように創造しよう。

さて、設計図はこれぐらいでいいか・・・。よし、やるぞ。

 

投影、開始(トレース・オン)・・・!」

 

頭によぎった言葉を口にし、投影を開始する。呪力を己の内側へと流し、そのまま両手に集める。先ずは右歯噛咬と左歯噛咬の骨子を創る。いつもよりも少し丁寧に、一つ一つの密度を高める様に。そうしてできた仮初の骨子へ呪力を注ぎ始める。それも溢れるゴミ箱を上から押し潰す感覚で圧縮する。溢れないように、ギリギリまでに詰め込む。限界まで詰め込むと、そのまま現実へと()()させる。

すると両手に右歯噛咬(ザリチェ)左歯噛咬(タルウィ)を投影される。両腕に伝わるズッシリとした重みが今までの投影とは違う事が直感的に感じられた。なんというか、模造刀ではなく本物の日本刀を持った時のような物理的な重さだけでは無い、これを振るわなければならないという()()()()()()が良く感じられる。

 

─おぉ、さっきのとは比べ物にならない程の完成度だな。これなら大抵のことじゃ壊れねえし、コイツら本来の能力もまだ不完全だが引き出せているな。

(たしか、右歯噛咬(ザリチェ)が相手武器を絡め取り、左歯噛咬(タルウィ)はそれを破壊する・・・やんな?)

─そうだ、まァ、不完全とは言ったが今でも余程の物じゃあ無い限り受け止められるし、破壊出来るぜ。

(充分すぎやな。)

 

並大抵の武器なら受け止められ、そして破壊出来るのは強い。相手を殺さずに無力化出来るし、これからも重宝するだろう。それに破壊されたとしても呪力さえあれば幾らでも投影出来るし、まずこの程度の呪力消費量なら俺達の呪力回復量で補える・・・、いや余裕で溢れるな。俺もしかして強い?

 

─強いぜ?人間以外にはな。しかもオマエにはまだ伸び代がある。将来は最強になるかもな?

(ホンマに!?おぉお、ちょっと自信湧いてきたわ!)

 

この世で俺より強い存在はごまんといる事は知っていた。今もそうだろう。だが今の俺の強さは上の方であり、しかも俺にはまだまだ強くなる可能性があると言われたら、誰だって少なからず自信がつくであろう。

 

(・・・俺、現代になるまでに最強目指そっかな〜?)

─オマエ、調子に乗りすぎだろ・・・。

(別にいーやんいーやん!!でも確かに、最強は言い過ぎやな。・・・せや!゛現代までに俺の呪術を極める゛ってのはどうや!?)

─あんま変わらんだろそれ・・・。

 

最強、つまりこの世界で一番強い存在にはならなくても、俺の呪術を極めることぐらいだったら出来ると思う。それにあと約1600年あるんだ、時間は幾らでもある。

 

(よっしゃー!!そうと決まれば早速練習するで〜!!)

─・・・時間まであと5、6時間くらいあるな。おい、やるのはいいがあんまし騒がないようにしろよな。音に呼び寄せられて呪霊がよってくるかもしれねえ。

(マジで!?そーっとやるわ!!そっーとな、そーっと・・・。)

─・・・なんで動きがゆっくりになってるんだよ。

 

 

 

_________________________

 

 

 

 

 

─おい、もうそろそろ時間だぞ。

(もうそんなだったんか、早いな〜。)

 

もう呪力の扱いに大分慣れてきて、全身に呪力を纏わせ(|右歯噛咬と左歯噛咬にも)、シャドーボクシング的な事をやっていると時間だとアンリマユから止められた。・・・今良いとこだったのに。この数時間で分かった事だが、呪術は思っていた以上に奥が深い。もしかしたら1600年もの膨大な時間があっても呪術を極めることが出来ないかもしれないと思ってしまうぐらいには。呪力を身体に渡らせるまでの速さ、攻撃と呪力を同時に行う事の複雑さ、呪力をムラなく均一に流し続ける精密さ、挙げればキリが無い。しかし今は俺がどんどん成長しているのを感じられ、学ぶことが楽しくて堪らなくなっている。約束なんか放ったらかしにして続きをやりたいくらいだ。だがそんな事は出来ない。それを分かっている為、渋々中断した。辺りは真っ暗、完全に見えない。仕方なくまた丁度いい長さの枯れた木の棒に焚き火の火を灯し、松明を作る。

 

─少し急ぐぞ。

(りょーかいりょーかい。)

 

未練に足を掬われながらも、軽く走りながら集落へと向かった。

 

 

 




・これから先やりたい事メモ

New!! ゛現代までに呪術を極める゛




・Level UP!


自己回復(呪力):A

この世全ての悪アンリマユとしての存在が無くなる、もしくはこの世界から人間が居なくならない限り、その膨大な呪力は延々と湧き続ける。


自己回復(呪力):A+

この世全ての悪アンリマユとしての存在が無くなる、もしくはこの世界から人間が居なくならない限り、その膨大な呪力は延々と湧き続ける。もはや彼を越すほどの呪力回復量を持つ呪術師・呪霊は出現しないだろう。今も、そしてこれからも・・・。



右歯噛咬:D

悪神の名を冠した武器。相手の攻撃を受け、絡め取る。しかしまだその存在アンリマユに馴染んでいないからか、その有様は威を欠いている。



右歯噛咬:C~C+

悪神の名を冠した武器。相手の攻撃を受け、絡め取る。未だ完全に馴染んではいないが、彼のほぼ無限に湧き続ける呪力による力技で本来とほぼ同格の存在へと至った。これは彼の小さな偉業だろう。



左歯噛咬:D

悪神の名を冠した武器。受け止めた相手の武器を破壊する。しかしまだその存在アンリマユに馴染んでいないからか、その有様は威を欠いている。

左歯噛咬:C~C+

悪神の名を冠した武器。受け止めた相手の武器を破壊する。未だ完全に馴染んではいないが、彼のほぼ無限に湧き続ける呪力による力技で本来とほぼ同格の存在へと至った。これは彼の小さな偉業だろう。




New!! 呪力放出:D−

身体強化(呪力)と武器強化(呪力)が合わさった複合スキル。低ランクな為、武器や身体に呪力を纏わせるのが精一杯だが、数時間でこれ程までにこのスキルを昇華させたのは、彼が天性の呪術師である事の証明となるだろう。





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