人間殴ルーラーとドチートと凡夫どもが逝くFF人理修復(夢想姉妹視点)   作:神代リナ

1 / 8
こちらは、夢想澪の過去編となっています。
本編最新話を読んでから見ることを推奨します。
ちなみに、本編とは違って聖杯戦争要素は無く、基本的に対人戦がメインとなっています(あと、本編と同じく暗い)


澪過去編 血濡れた魔女の軌跡
過去編プロローグ 朱色の悪魔


 ……眼下に広がる赤い海。

 

 いつかと同じ状況。

 

 私は、太刀で誰かの心臓部を突き刺している。

 

 でも、いつかと逆の立場。

 

 コイツは……あぁ、聖堂教会の……何だっけか? 

 まぁ、どうでも良いや。

 抹殺対象である事は変わらないのだから。

 男の身体から刀を抜く。

 

 すると、勢いよく血を吹き出し、ソレは赤い海へと倒れ込む。

 念には念を。

 ソイツの首を切り取っておく。

 魔術で生ける屍にでもされたら面倒だ。

 

 ……これで7人目。あと、一人殺せば仕事も終わりだ。

 

「ひ、ヒィッ⁈ お、お前は誰だ!!!」

 

 教会の隅へと逃げていた太った西洋人男性へと視線を向けると、そんな事を言われる。

 

「……?」

 

 誰だ、とは不思議な話だ。

 お前らが私たち夢想を潰そうとしてたのに。

 

 あ、フードしてるから見えないのか。

 忌々しい、白い髪が。

 

 私は、彼の近くへと歩み寄る。

 そして、上着のフードを取る。

 ふぁさっと私の長く伸びた白髪の髪が露わになる。

 

「……これなら分かるかな?」

 

「む、夢想の当主……貴様、何故……?」

 

「そりゃ、一年前の落とし前をつけに来たのよ。私はね、ぜーんぶ知ってるっての……この計画の事とか」

 

 ソイツの前に一枚の紙を投げてやる。

 その紙の頭には《夢想家抹殺計画》の文字がある。

 

 私から全てを奪った計画。

 私が、あの子……姫華と約束した日。

 私が、私の全てを姫華のために捧げると誓った時。

 

 それを見た男は、血相を変えて勢いよく私を見る。

 

「何処で……何処でこの情報を!」

 

「ヒント、あなた達の協力者」

 

「クソッ、薄汚い黄色い猿めぇ!!! あのナチ野郎、裏切りやがって……」

 

「……はぁ。自分にとっての悪者はなんでもナチス呼ばわり……欧州の悪い癖ね」

 

 確かに、あの人達は少々……いや、かなり過激な思想を持っているけど、ナチスよりはマシであろう。

 

「……それで、あなたはどうしたい?」

 

 彼の首筋に太刀の刃を当てる。

 薄皮が切れたのか、ツーッと少量の血が流れる。

 

「ど、どうか、命だけは!!!」

 

 そう言いながら、彼は土下座する。

 ……ふーん、まぁ戦力を失ったコイツに出来ることは無いし、ほっといてもいっか。

 

「……興が冷めたわ。今夜は、ここらで終わりにしてあげる。良い余生を」

 

 少々地面に()()()をしてから、彼に背を向け、この教会から去ろうとする。

 すると……。

 

「かかったな、クソアマァァァァァァァァァァ」

 

 と、叫ぶ声がした。

 だが、その直後に爆発音がして、それに続いて彼の悲鳴が聞こえた。

 

「はい、バーン……なんてね」

 

 爆破魔術を仕込んで置いて、正解だった。

 後処理は依頼人がやってくれるだろう。

 私は、太刀を鞘に収めて、今度こそ教会から出る。

 ふと、空を見上げる。

 

「……綺麗」

 

 私には似合わないくらい……綺麗な満月が見えた。

 その月に手を伸ばすが、すぐに止める。

 届く訳がない。

 ふと、視界がボヤける。

 

 ……何だろう? 

 目元に溜まっていたモノが地面に落ちる。

 一滴の雫……涙? 

 

 それは一滴では収まらなかった。

 ポタポタ……ポタポタ……地面へと落ちて行く。

 

「ちょっと……何これ……ハハッ、私が今更……何で」

 

 目を手で拭う。

 それでも、止まらない。

 まるで、決壊したダムのように……。

 

「止まってよ、ねぇ……ダメ、ダメなのよ……私は……あの子の姉……何だから……泣いちゃ……ダメ、な……の」

 

 これは、私が初めて自分から人を殺した日の記憶。

 私が、血塗れの魔女になった日の記憶だった。

 全ては……ここから始まったんだと思う。

 

 どうして……こうなったんだろうね。

 でも、決めたんだ。

 例え、後悔することになったとしても、そのせいで命を落とす事になっても……

 私は姫華の姉であり続ける(あの子を守り続ける)と。

 それが夢想澪という人間なんだ、きっと。




本編の更新が複数人で作っている以上、どうしても遅れるので、このように番外編を投稿する事にしました。これから、週一投稿は出来そうです。(ちなみに、こちらは100%私が作っています)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。