人間殴ルーラーとドチートと凡夫どもが逝くFF人理修復(夢想姉妹視点) 作:神代リナ
私が外に出ると、家のすぐ前に黒色の車が止まっている。
……神崎家の車、か。
わざわざご苦労なことで。
車に近づくと、車中からスーツを着込んだ男が出てくる。
「夢想澪様、こちらの車にお乗りください」
「分かったわ……ところで、神崎家は何が狙いかしら?」
そして、その京御三家内序列一位が神崎家。
ちなみに、京御三家序列二位が我ら夢想家である。
そんな神崎家が夢想家に気を遣っている現状……絶対になんかあるわね。
お母様は神崎家現当主と仲がよろしくなかったらしいし。
「……自分には分かりかねます」
ま、そりゃ答えてくれる訳もないか。
所詮下っ端だろうしなぁ、このドライバー。
とりあえず、大人しく車に乗っておくか。
「変なこと聞いて悪かったわね」
そう言いながら、彼の開けてくれたドアから車内に入り、座席に座る。
バンッという音を立てて、ドアが閉められる。
「では、これより
「えぇ、よろしく」
走り出す車。
その中から外の景色をボーっと眺める。
ふと、自由気ままに遊び回っていると思われる学生達の姿が目に止まる。
夢想家に生まれた私が唯一持てなかったもの。
……あるいは、昨日人の命を奪った代償に私が失ったもの。
「……自由、ね」
それを持っている彼らのことが、とても羨ましかった。
「……到着いたしました」
2時間ほどかけて、夢想家の邸宅がある埼玉県から東京都にある神崎家邸宅へとたどり着いた。
……大っきいなぁ、神崎の屋敷は。
夢想家のもまぁまぁ大きいけど、コッチのは夢想邸の1.5倍くらいありそう。
流石は、皇族とほぼ同格の権威を持つ
これから、私が夢想家の当主になるのよね。
……重いね、御三家の当主という地位は。
ダメね。しっかりしなさい、夢想澪!
車内から外に出た私は神崎家の屋敷の敷地内に向かう前に深く息を吸う。
うん、もう大丈夫。
「よしっ、行こうか」
「夢想澪様、私について来てください。夢想家次期当主の選定を行う会場へと案内します」
「……分かった」
私たちは、門を通り抜けて神崎邸の敷地内へと入る。
……結界をはっている気配がない。
今日は特別な日だからってことだろうけど……色々大丈夫なのかしら?
何というか、自分たちの能力への絶対的な自身が見てとれる。
「こちらにお入りください」
彼は、敷地の中央部分に位置している和風の巨大な建物の前に来るとそう言う。
……。