このすば ハード?モード 番外編   作:ひなたさん

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後書きの方にアニメ三期の感想とか書いちゃってるから長めです。興味ない人は後書き飛ばしてください。

元々このお話はずっと前から考えてたんですけど、本編に入れる隙間無いやん。って断念してたやつです。
アニメで見たら、やっぱり書きたくなっちゃったので、無理矢理こっちで投稿することにしました。

さあ、いってみよう。



それゆけ銀髪盗賊団 いち

 

 

 そう、それはある日のこと。

 王都のとある宿屋で。

 

「断る」

 

 俺は二人にキッパリと告げた。

 

「そ、そこをなんとか……」

 

「まあ、俺もぶっちゃけやりたくないんだけどなぁ」

 

「ちょっと! カズマ君もやるって決めたなら説得してよ!」

 

 あーだこーだ言い始める二人。

 カズマとクリスを前に、俺は数日前のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

 何か特別でも無い普通の日常。

 それでも敢えて何かあるとするのなら、俺以外全員用事があって家にはいなかったことぐらい。

 朝食を食べ終わり、今日は何をしようかとのんびり考えていたところ、来客を告げる声とノックが家に響き渡った。

 俺は少し面倒に思いながら扉を開けた。

 

「……シロガネヒカル様、でございますか?」

 

 年老いてはいるが貫禄を感じさせるスーツ姿の男とローブを着た魔法使いのような男が扉の先にいた。

 話しかけてきたのはスーツの方だ。

 

「そうですが、何でしょうか?」

 

 見覚えは無い二人だ。

 一目見てアクセルの住人ではないことは分かる。

 身なりが綺麗すぎる。

 ダスティネス家の使用人の可能性もあるが、何か用事があるならダクネスが直接来るはずだ。

 そんなことを考えていると、スーツの男がおもむろに懐に手を入れ、何かを取り出した。

 

「ジャティス第一王子殿下からお手紙です」

 

「えっ、まさ……ごほん、ありがとうございます」

 

 まさよし呼びを王家の使いの前でやらかすところだった。

 ジャティスとアイリスも金ピカというか、そんなイメージがあったのだが、送られてきた洋封筒は暗めの紫色であった。

 封には、王家の紋章……らしきものがあるが、本当にこんな感じだったかはあまり覚えてない。

 

「…………」

 

 スーツと魔法使いの二人は手紙を渡した後もそのまま去ることなく動かない。

 俺の返事待ちだろうか。

 とりあえず俺は手紙を読むことにした。

 

『ヒカルへ

 面倒なことは抜きに率直に言おう。

 余は悲しい。

 そなたは王都に何度か訪れているのに、なぜ余のところに来ないのか。

 そなたは余の親友だというのに。

 だが、そなた達の事情を考えない余ではない。

 忙しかったのであろう、余もそうだ。分かる。

 

 そこでお互いに日々の疲れを癒すべく、王城へ招待したい。

 そなた達の予定が合わない場合は全員でなくとも構わない。

 でも、ヒナギクだけは来て欲しい。

 ヒナギクだけ来て欲しい。

 いや、冗談だ。全員来て欲しい。

 良き返事を待っている。

 

 ベルゼルグ王国第一王子、ベルゼルグ・スタイリッシュ・ソード・ジャティスより親愛を込めて』

 

 …………。

 いろいろと言いたいことはあったが、全てを飲み込んだ。

 俺はジャティスの使いに招待に応じることを伝えて、お帰りいただいた後、俺は思案する。

 

 よし、まあとりあえず────。

 

 ヒナだけは連れてかない方針でいこう。

 

 

 

 

 

 そんなこんなで、俺は結局一人で王都に来た。

 ヒナだけ連れてかないのも角が立ちそうだったし、誰を連れて行くかとかいちいち悩むのも面倒になったので俺一人で行くことにしたのだ。

 そして、王城に向かう途中でクリスとカズマに出会った、というか捕まった。

 めちゃくちゃ抵抗したが、大事な話があると二人に言われて仕方なく二人が泊まってる宿屋の一室に入り、話を聞いていた。

 『銀髪盗賊団の出番だよ』みたいなことを言い始めたので、それを一蹴したところで現在に戻る。

 

「ジャティスのやつに招待されてる俺がいる状態でお前らが盗みに入ったら、まず間違いなく俺が疑われるじゃねえか。俺がアクセルに帰って数日経ってからとかにしてくれ」

 

 だから王都にいたのか、招待なんて羨ましい奴め……などと嫉妬の視線を送ってくるカズマを無視してクリスは言いづらそうに口を開く。

 

「それがそうも言ってられなくてさ……。ほら、前に潜入した時に神器は二つあるって話したでしょ?」

 

「ああ、そんな話だったな。そのもう一つの神器を宝庫で探してる途中にカズマが……」

 

「いやあ、卑劣で強力な罠だったなあれは!」

 

 こいつ……。

 今更だが、あんなアラート状態でよく神器が回収出来たな。

 

「それで話を戻すんだけど、そのもう一つの神器の回収を急ぎたいんだ」

 

「しばらく回収に行かなかったのに、なんで今なんだ?」

 

「ヒカルのタイミングが悪いのは本当に申し訳ないなって思うんだけど、神器の特性に問題があってね」

 

 

 

 そう言ってクリスはもう一つの神器について語り出した。

 王城の宝庫にある神器は元々二つが一つで機能するものだったらしい。

 一つは周りの魔力を吸収し続けて溜め込む役割を持ち、もう一つはその溜め込んだ魔力を操作する、リモコンやコントローラーのような役割。

 操作といってもいくつかの操作しかないらしい。

 魔力の吸収の範囲と吸収の強弱の変更、そして吸収した魔力の解放。

 魔力の解放とは、つまり────。

 

 

 

 

「さて、王城にあると困るのはどちらでしょう?」

 

「はあ……」

 

 なんでこんな物騒なものばっかりあるんだよ、と思わずため息が出る。

 いや、前回の入れ替わりの神器は確かアルダープとかいうクソ貴族が自身と王族の身体を入れ替えるために送ったものだったか。

 

「なあ、そのリモコンの方はもう確保してるのか?」

 

 カズマの問いにクリスは静かに首を横に振る。

 

「じゃあ……」

 

 そう言いかけて、カズマは口を閉じた。

 なんだかカズマらしくない。

 

「なんだ、どうした?」

 

「……いや、考えすぎかなって思ってな」

 

「なんだよ、気になるだろ」

 

「いや、ほら前回がアルダープとかいうおっさんがあの神器を送りつけてただろ? 今回もそうなんじゃないかと思ったんだよ」

 

 アルダープみたいな奴がこの状況を意図的に作り上げたってのか。

 カズマの考えにクリスは頷いて続ける。

 

「その可能性もあるし、もしかしたら何も知らない人がリモコンを王城の近くで手に入れちゃって、カチッ、ドン! てなることもなくはないかな」

 

「流石にそれは……」

 

「確実に無いとは言えないでしょ? どちらにせよ、回収は急ぎたい。放置された年月をざっくり計算しても吸収した魔力量は相当なものになるはずだよ」

 

 確かに危険なのは変わりない。

 だが、なんでそんな分かりきった危険な神器を放置しといたんだ、と尋ねると、クリスは頬を掻いて気まずそうに答えた。

 

「その、神器の数は多いからさ。神器の危険度ももちろん考えるんだけど、回収の優先度はどこにあるか、誰が持ってるかも重要でさ。そっちを先に片付けてたんだよね。しかも今回のはこの国で一番安全な場所にあるからっていう油断もあって……。最近ようやくこの神器の回収に行けるなぁって調べてたらコレでしょ?」

 

 参っちゃうね、なんて少し冗談めかした言い方をするクリスにはなんとなく疲労の色が見えた。

 クリスのことをそれなりに知っている身としては見過ごせるはずもない。

 とはいえ……いや、そうだ。

 

「わかった。協力する」

 

「え、ほんと!?」

 

「いいのか? 疑われる可能性が……」

 

「俺が疑われることなく、協力する方法がある」

 

 おお、と小さな感嘆とともに二人は俺をじっと見てくる。

 

「前回と違うのはジャティスの野郎がいることだ。あいつは王城に盗賊が入ったことを相当気にしてたからな。お前らが見つかっちまった時のために俺がジャティスの気を引いておく」

 

 そう言うと、カズマが怪訝な顔で尋ねてくる。

 

「んん? それって、結局ヒカルは何もしてな……」

 

「何言ってんだ馬鹿野郎! ジャティスはな、円卓の騎士を二人同時に相手にしても生きてたぐらいのバケモンレベルの強さだ! そいつが自分のテリトリーで盗賊なんて見つけてみろ、いくらお前らとはいえタダで済むわけない! 最悪死ぬぞ!」

 

「そ、そうだね。ヒカルには彼をなるべく宝庫から引き離してもらって……」

 

「あと、これなら俺が楽だし、アリバイも作れるから最高だろうが!」

 

「おい、本音出てんぞ!」

 

 

 こうして作戦は決まった。

 まあ、アレでも二人は有能というか、凄腕なのは間違いない。

 俺も直接は関われないが、重要な役目を担っている。

 そう、よくわからん盗賊団からの脱却とジャティスの近くにいるという最強のアリバイ作りに同時に成功したのだ。

 しかもそれだけじゃなく、ちゃんと気を引く役として、昼間のうちにジャティスに剣技を教わって、そのまま王都の近くでモンスターの討伐なども行い、ジャティスの疲れが溜まるように仕向けておいた。

 協力すると言った以上、これぐらいはしとかないとな。

 

 これで二人が見つからずに回収出来れば完璧である。

 後日、なくなった神器で騒ぎになったとしても『でも、俺はジャティスと一緒にいたし』でどうとでもなるはず。

 そして無事に帰ってきた二人にはこう言えばいい。

 『王城で誰にも気付かれずに神器を回収する最強の二人にはもう俺はいらないな』と。

 おいおい、どうしたんだ俺。

 こんなに頭の回るヤツだったか。

 正直上手くいきすぎていて怖いぐらいだ。

 ここまでやったんだ、まさか見つかるなんてこと────

 

 

 

 

「侵入者だ!!」

「侵入者は二人だ! 向こうに逃げたぞ!」

「HQ! HQ! こちらパトロール、敵襲だ!」

「了解! 増援を送る、敵を殲滅せよ!」

 

 

 な、何してやがんだアイツらァァァァァァァ!!!! 

 





アニメは良い。
三期は無くなりかけた情熱を呼び覚ましてくれる。
原作六巻の内容はこのすばの中でトップクラスに好きな内容だから、本当に嬉しい。
原作のミツルギの倒し方やっぱりエグすぎたのか、ちょっと優しくなってましたね(水責めもどうかと思うけど)
まあアニメの世界観というか雰囲気的にも、あまり合ってなかったから、変えて正解だと思います。
あとドレインタッチからのバインドは入れて欲しかったな。
バインドは魔力の消費が激しいからドレインタッチが輝くのに。
あと例の本は、まあ、どっちでもよかったので……。


『それゆけ銀髪盗賊団』は多分3話ぐらいの構成になると思います。
ヒカルくんは盗賊団の脱却とかなんとか言ってますけど、努力してる人に弱いので多分また何かあれば手伝うことになるでしょう。
という小話をしたところで、また今度。
出来れば感想欲しいです(小声)
久しぶりの番外編だしね?
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