入学試験である!
ワクワクしすぎて眠れなかったのと、あちこちキョロキョロ見てて注意威力散漫だった俺は、やってしまった。
「お前は何しにこの学校へ来た」
その言葉に、俺は自信満々に告げた。
「メロンパンを食べに来ました!!」
「……そうか。腹が減ってるか」
「あっ 違くて! 間違えたもう一回答えさせて」
「いい俺が代弁する。この男は生きる意味を果たしに来た」
ねーちゃ!
「うん、そう! 生きる意味って何だっけ?」
「呪いによる被害を減らし、大勢に囲まれた正しき死を迎えることだ」
「え? 違うよ。そだ。俺の生きる意味は、母なる……? とにかくお星様になること! だった気がする!」
「今それを思い出すか! いいか! リピートアフターミー! 呪いによる被害を減らし!」
「呪いによる被害を減らし!」
「はあ、いうまでも無いことだが、カンニングは失格だ。呪霊の操り人形なんぞもってのほかだ」
「まあ、そういうな。こいつは馬鹿だが、悪い子ではない。馬鹿だが。俺がちゃんとサポートするゆえ、しばし様子を見てやってくれ」
「呪いに言われてもな……」
「まあ、待ってよ学長。やけに悠仁の肩持つじゃん。お星様になるってどういうことかな?」
「んー。(前世の)かーちゃんが、尊い犠牲となるのが俺のお仕事って、言ってた……よう……な……。ねーちゃは王様で、俺がお星様」
「ああああああorz」
「ふぅん? 一般人じゃないわけね。宿儺の器が自然発生する方が考え難いか。ちょっと調査を入れてみようか。お姉さんもいるってこと? 一人っ子って聞いてたけど。それで、様子見したら宿儺はどんなサポートを悠仁にしてくれるのかな? 呪霊から悠仁を守ってくれるとか?」
「おい、勝手に話を進めるな、悟」
「それは当たり前だろう」
「「!??」」
「それ、縛る? そうだね。こっちが秘匿死刑を実行していない期間だけ、悠仁を守り人を傷つけず、呪霊を倒す。どう?」
「そちらの罰則はなしか。それに人に襲われたらどうするのだ。許容できぬ」
「当たり前のことなんでしょ? じゃあ、いいじゃない。どうせ監視が必要だし、護衛も兼ねて人をつけるよ。それに、悠仁を縛るわけじゃない。悠仁が自分で身を守る分には問題ないよ」
「む……」
「それとも、宿儺は悠仁を守る自信がないのかなぁ?」
「黙れ呪術師風情が我が妹の何を知るというのだ」
「あっ ねーちゃ、前世の事言っていいの?」
「へぇ。宿儺が妹を探してたのを利用して封印したって文献で見たけど」
「えっ……」
「グっ 黙れ黙れ! ようは人を襲わなければいいのだろう! 悠仁に危害を加えぬ限り、他人を襲わないでやるわ糞が! 妹を守るのは姉の義務なのだからな!!」
「ただし任務と訓練を除く」
「ただし! 「適正な」任務と「適正な」訓練を除く!!」
「ということです。これはもう様子見一択なのでは?」
「はあ。お前はどう思うんだ、悠仁」
「戦うのねーちゃだし、ねーちゃがいいならいいんじゃねーかな」
「それはそれでどうなんだ」
「ねーちゃに勝てない奴に俺が勝てるわけないし。でも、そうだな。メロンパンは食べたい」
「……後で購買で存分に食べなさい。宿儺の依代として合格としてやる」
「やったー⭐︎」
「よかったね、悠仁。前世のこと覚えてる?」
「んー。あんまり。前世じゃなくても俺、物覚えわりーし。でもねーちゃは強くて優しくて賢かった! 俺が殺される時、最後まで庇ってくれた!」
「なるほど。それで悠仁だけ特別なんだね。じゃー悠仁。色々教えてあげるよ。あっ 男子寮で大丈夫? 悠仁は自分が男と女どっちだと思う?」
「わかんない! なんかねーちゃに会う数日前に急に死んだ時の事とか思い出してさ。でも男としてここまで育ってきたし。なんか別々に飲みたいミックスジュースって感じ!」
「なるほど。宿儺もおんなじ感じなのかな」
「ねーちゃも半端に転生したって言ってた」
「じゃーお部屋は一応男子寮にはするけど、少し離れた場所にしよっか」
「そーして!」
「でも何かあった時、動けるように監視装置はつけるよ♡」
「えー」
そうして、俺は無事呪専に潜入したのだった!