「僕を救ってくれたのは真人さんなんだ!」
「でもあいつ、順平のカーチャンの所に指置いて殺す予定だったじゃん! 順平も殺す予定だったじゃん!」
「君に何がわかる! 君だって宿儺さんの事を大好きなんだろ!?」
「当たり前じゃん」
「じゃあ、僕が真人さんを信じたっていいだろ!」
「お、俺真人も庇ったじゃん。メカ丸治してもらうまで死なれたら困るし」
「虎杖。メカ丸は真人に治してもらえないんだ」
「なんで!?」
「それの代価は私達だからよ。させるわけないでしょ」
「ねーちゃ……」
「無茶を言うな」
「ねーちゃぁ……」
宿儺は深い深いため息を吐いた。
「メカ丸を連れて来い」
「マジかよ」
「姉は大変なんだ。俺にはわかる。だがそれにおんぶに抱っこは良くないと思うぞ、虎杖」
「なんで? ねーちゃは俺を守るのが役目でしょ」
「虎杖……引くわ」
「全力で甘やかせて育てたからな……。叶えなかった願いはない」
「優しい虐待って言うんですよ、それ」
「知っている。嫁にやる予定はなかったからそれでいいと思っていたのだ」
「ねーちゃの嫁になる予定だったし」
虎杖はこくりと頷く。
「幼児か!」
「待って虎杖前世何歳?」
「今と同じくらい?」
「「アウト!!」幼児退行してんのかってぐらいの精神年齢だろ」
「ばかわいく育てたのだ、当たり前であろう。やりすぎてこうなっている訳だが」
「頭痛がしてきました」
七海は頭を抑える。
結局メカ丸との取引はなり、メカ丸は声を失う代わりにそれ以外は健康体となった。
メカ丸が全面的にゲロった事で、裏とりもある程度できた。出来てしまった。
この際、問題なのはメロンパンではない。元々あった上層部と呪術界の最強の亀裂がパッカーン! と割れる勢いでヒビが入った事である。
取れた裏は、交流会襲撃の準備から、渋谷事変の準備の準備、その後の死滅回遊の準備の方はしっかりと判明、北海道での儀式は阻止された。ここまで出た情報は本物だったのだ。
最強を封印した後、派閥を抹殺して呪具を奪い、復活を妨害しますよ、という言葉を信じないはずがない。たとえ裏とり出来なくてもだ。
そもそも、その予定だったとしても時期的に確固とした証拠というか段取りはまだ組まれるはずがない。
当然、五条家はそれ以外の証拠と虎杖の証言をきちっと用意した上で抗議した。上層部丸っと汚染されてるのではないかと。この場合、汚染されているらしき上層部に通達するのは対上層部ではない。アピールしているのは五条家は筋を通しましたよおおおおおっと末端までアピールするためだ。五条家が呪術界の頂点に立つのです。
上層部は当然反発する。繋がっていたのはそれはそれとして、日本壊滅までは画策してない! アウトじゃねーか!
もう当主様は上層部皆殺しにしていい? いいよね? だって呪霊と内通してるし! 内通は死罪でしょ! 日本壊滅は死罪でしょ! で、五条家はそれを抑えつつ根回しをしている状態。状態で呪術界は荒れに荒れていた。
揉めに揉めた挙げ句、最終的にメロンパンが全て悪い!
メロンパンさえ倒せば全て解決する!! ってなって、ご当主様も傑の体を取り戻したい、ということで一応の目的の一致を見た。
メロンパンも、全ての企みがバレた以上は、と暴れ出しており。
そんな状況だから、にーちゃを連れて逃げ出すのはとっても簡単だった。