いや、怖いですね。
これ以上シリーズ増やさないようにと思ってるのに勝手に手が動くんですよ・・・
これで駄文じゃなかったらいいんですけど、そういう訳にも行きませんからね。文才が欲しいです・・・
私の妄想キャラ付けされたカズマさんのお父さんや幼馴染ちゃん(準オリキャラ)が出てくるので要注意です。
俺は佐藤和真十六歳。
私立高校に通う一般的な男子高校生だ。
部活はゲーム部に入っているが、ゲーム部は帰宅後のオンラインゲームが主な活動内容だから基本的には帰宅部と変わらない暮らしと言える。
そんな俺の普通の生活にある日突然終止符が打たれた。
「和真、話がある」
お父さんから急に呼び出された。
そう、これが全ての始まり。
「来月には引っ越すことになった」
「引っ越す?何のために?それに急過ぎないか?」
「実は転勤が決まってな。和真には悪いが今から転学先を決めて欲しい」
転勤か。
少し前に転勤の話が出たけど、徹底抗戦してると言ってたけど、どうやら負けたらしい。
「・・・急に言われても引っ越し先の学校のこと分からねよ」
「ここにパンフレットがある。あと、お前の幼馴染の咲希ちゃんはアクセル学園に通ってるらしいぞ」
咲希というのは数年前に転校した俺の幼馴染。
今回の家と同様に転勤で引っ越すことになった。
引っ越し当時には、俺も咲希も話していないし、疎遠だったが、親同士の付き合いはあったのか、引っ越しの時も手伝ってたらしい。
「はい?」
「向こうでの取引先の人に会いに行ったら咲希ちゃんの親父さんでな。この前の日曜帰らなかったの二人で飲んでだからなんだ」
家族で久々のプチ旅行だと聞かされていたのに、前日に帰れないと家族LANEで一言だけ送信されて、家族全員で抗議の電話を入れたが全く出ない所か、途中で家族全員を着信拒否すると言う荒業に出た。
月曜日が修羅場であったことは言うまでもない。
ただ、お母さんが随分と早く許していたのが不思議だったけど、咲希の家族と会ってたと聞いていたとすれば、納得だ。
「その時に通ってる学校の話も聞いたと?」
「ああ、それに、他にも知り合いがいると思うぞ」
「知り合い?」
アクセル学園なんて聞いたこともないし、パンフを見る限り知らない地名だ。
知り合いがいるとは思えない。
「ほら、和真と父さんの二人で夏休み過ごしてたろ?」
「長男誘拐事件」
「人聞きの悪いこと言うな。元はと言えばお前が旅したいって言うから連れていったんだろうが」
「言ったけども、急にちょっとドライブ行かないかって言われてついて行ったら、全く知らない土地で二週間過ごすとか意味わからねえよ」
小学生だった頃、夏休みに突然全く知らない土地に連れていかれて、その地でお父さんと二人で生活してた。
お母さんに会いたいと大泣きしたのに、二週間はこっちで過ごすと聞いて貰えなかった。
そして、俺が嫌がってるのを見た周りの人が誘拐と勘違いし、通報して警察のお世話にもなったと言う・・・
「でも楽しかったろ?」
「・・・それはまあ」
警察沙汰になったことで、俺も諦めて父子二人旅を楽しむことにした。
今思えば貴重な経験だったなあとは思う。
弟はそんなことしてないし。
「でだ。その滞在先が引っ越し先なんだ。お前仲良くしてた子何人かいたろ?咲希ちゃんも含めて全く知らない人ばかりって訳じゃないから安心しろ」
「居たけど、そんなの忘れられてるだろ絶対。咲希も中学から全く話してねえし、誰もいないのと同義だって」
そう、現地でそれなりの数の友達が出来た。
とは言え、当時は連絡先の交換とか頭にないし、もう相手の名前と遊んだ時の顔しか分からない。
あの頃にLANEがあれば良かったのに。
「・・・ほら、お前の入ってるゲーム部だっけか?あれ、家に居ても遊べるんだろう?急に一人にはならないだろう?」
確かに高校の友達とは継続して遊べると思う。
でも、学校内での話で盛り上がられた時に俺は話に参加出来ないし、向こうもそれに気を遣い始めたらそれはそれで嫌だしなあ。
難しいところだ。
「・・・そういや何で俺だけにこんな話してんだ?みんなで居る時に話した方がいいと思うけど?」
「もう和真以外には話したからな」
「俺が最後の理由を詳しく」
「俺は母さんが話してたと思ってた」
お互いに話していると思ってのか。
なんか急にみんなが部屋の片付けしてるの見て、俺も部屋片付けようと思って、片付けてたのが、事情知った上での行動と受け取られたらしい。
「その先は言わなくても分かる。はぁ、分かったよ。とりあえず転学先決めるから暫く一人にしてくれ」
「ゆっくり決めるといい」
まさか俺が転校することになるなんて、思いもしなかった。
転学先か、パンフレットを見て、偏差値を調べてみるとアクセル学園が今の高校と同じ偏差値だった。
その他は今より上か、女子校。
お父さんは男兄弟二人しかいないのに何故女子校のパンフ持って帰ってきてるんだ?
これはアクセル学園に決まりだな。
嬉しいことに今通ってる高校とて提携してるおかげで、転学試験なしで、申請すれば転校できるらしい。
楽に超したことはない。
それにしても夏休み明けて一週間で転校って微妙だよな。
急な転勤だから仕方ないけど。
時は流れ、いざアクセル学園へ。
こう言うのは第一印象が大事だからな。
変に目立つことはせず、かつ、地味過ぎない事が大切だ。
『みんなも気付いてる通り、今日から転校生がくる。みんな仲良くしてやってくれ。入ってきていいぞ』
「はい」
緊張する。
出来れば話がややこしくならないように、咲希とは別のクラスでお願いします。
ここで知り合いだ!?とかなるとただでさえ質問攻めにあうのが転校生なのに、変な深堀されてしまうからな。
そんな願いをしながらクラスに入ると俺の願いが叶って、知り合いの顔はなかった。
でも何だか少し、落ち着く顔ぶれだった。
なんと言うか故郷に帰ってきたみたいなよく分からない感じが・・・
「自己紹介をよろしく」
「はい。親の転勤で引っ越してきた佐藤和真です。転校する前はゲーム部に入ってたので、ここでも入部しようと思ってます。これからよろしくお願いします」
・・・さあ、どうなる?
ゲーム部はこの学校にもあるとリサーチ済み。
ゲーム部の人間が居ればこの後話しかけてくれるはずだ。
今は拍手で迎えられている。
席に座って、HRが終わってからが始まりだ。
「佐藤。後ろの空いてる席に座ってくれ。今からHRを始める。佐藤に聞きたいことがあるやつは終わってからにするように」
用意されていた窓際の席に座る。
隣の席には青髪のスタイルのいい美人な女の子。
これは運がいい。
「ということで話は以上だ。次の授業は移動教室だから遅れるなよ」
ここでHRが終わった。
最初の授業が移動教室か、これは移動しながら話をするパターンで友達が出来るかもしれない。
「ちょっと、いいかしら?」
「え、えっと、何か用か?」
急に隣の子に話しかけられて詰まってしまった。
声も裏返ってたし恥ずかしい。
「教科書忘れたから見せてくれない?次の教室まで私が案内してあげるから」
「分かった。化学の教材ってこれで合ってるか?」
「ありがとう。そうね。この三冊で合ってるわ。あと、この授業はプリントに書き込むからノートはいらないわ」
「そうなのか。ありがとう。よろしくな」
「こちらこそよろしくね。私はアクア。呼び捨てで構わないから」
こんな美人の子と初っ端からお近付きになれるなんてついてるな。
でも普通こう言うイベントが発生するとクラス中の男子から睨まれたりしそうなのに、逆に目を合わせないのはどうしてだろう?
気になるけど、後で話を聞けばいいか。
「和真はゲーム部に入るのよね?」
いきなり下の名前で呼ばれるとは。
ちょっとドキッとしてしまった。
「そのつもりだけど、アクアも入ってるのか?」
「いいえ、私は帰宅部よ。和真の得意なゲームが気になったのよ」
帰宅部か。
俺もゲーム部の体制次第で、帰宅部になる可能性もあるな。
「シューティングゲームとかMMORPGとかだな」
「ポイモンはしないの?」
「ポイモンは部活ではやってなかったけど、遊んでるぞ」
「私もポイモンやってるんだけど、個体値厳選とかよく分からないから教えて欲しいのよねえ。良かったら今日の放課後ポイモンして遊ばない?」
美人とゲーム出来るとか俺の運の良さがこんな所にも出てる。
昔からカードゲームの新弾とか、ソシャゲのガチャとか欲しいものは何でも簡単に当たってたからな。
商店街のくじ引きで一等のプレフテ当てたことがあるくらいには、俺は運がいい方だと思ってる。
お父さん。
転勤してくれてありがとう。
お母さん。
幸運な子に産んでくれてありがとう。
午前中の授業が終わり、昼休みになった。
アクアは女子グループと食べに行った。
そして、俺はと言うと男子グループに誘われて一緒に食べている。
アクアの話を聞こうと思っていたけど、質問攻めにあうし、俺から話を切り出せる状況じゃない。
「和真はゲーム部に入る予定なんだよな?止めとけ。あそこを転校前と同じ所だと思ってるなら行かない方がいい」
「と言うと?」
「ゲーム部の部長が中等部の女の子なんだが、曲者で退部者続出で今や廃部の危機らしい」
サークルクラッシャーならぬ。
部活クラッシャーが部長ってどういうことだよ。
あれか?
男の部員誑かして、気まずい空気になったとか?
「・・・マジか」
「マジだ」
「ちょっと覗きに行くくらいなら大丈夫だよな?」
「それなら止めはしねえけど、気を付けろよ?この前は空手部の部長が、弟の仇!と言って決闘申し込んで、返り討ちにあったらしいし」
ゲーム部の部長何もんだよ。
逆に気になる。
さっきの話からして誑かしたとかそういうのでは無さそうだな。
アクアとポイモンする前に見に行くか。
「一つ気になってたんだが、俺たち前に遊んだことないか?」
「えっと、それはどう言う?」
「この名前に身に覚え無いか?駄菓子屋泣かせのカズマ」
駄菓子屋で十円のお菓子一つ買ったら、百円が当たって、更にはその百円分で今度は百円を三枚引いてと、その店の当たりくじが無くなるまで当てまくった事件を発端に俺についた二つ名だ。
それもこの街の駄菓子屋での出来事である。
「・・・何でその不名誉な二つ名知ってんだ?」
「やっぱりカズマか!俺だよ俺!」
そんなオレオレ言われても、質問されるばかりでみんな名前名乗ってないから分からないんだけども。
「キースだ。こっちはテイラーで、向こうの席にいるのがリーンだ」
「すげえ懐かしいな。お父さんから前に遊んでた子に会えるかもって聞いた時は無理だろうって思ってたけど良かった」
何だか落ち着くなと思ってたのはキース達がいたからか。
全然気付いてなかったけど、あの頃の雰囲気を感じ取っていたのだろう。
でも、確かあの時は三人組だったような気がする。
金髪の子なんていなかった気がする。
「俺はダスト。俺も中学に転校してからの仲だ」
「ダストもよろしく」
なるほど。
転校生か。
あれは小学生の時だから知らなくて当然か。
「連絡先交換しようぜ。俺、リーン呼んでくるから」
「おう。今もあの時のメンバーでつるんでるのな」
「ああ、ダストも増えて楽しくなってるぞ」
「そりゃあ、良かった」
とこうして俺は晴れて転校生としては大成功な友人関係の構築に成功した。
昼食も終わり、担任のベルディア先生から言われていた時間になった所で職員室に向かった。
職員室に着くとベルディア先生と金髪の色々大きいお姉さんがいた。
リボンの色からして三年生だな。
「佐藤。友達はできたか?転校早々悪いのだが、お前には風紀委員になってもらう」
「えっと、それはどう言うことですか?」
何故だ。
普通委員会は学期初めに決めるよな?
どうして夏休み明けてから一週間で転校してきた俺が委員になるんだ?
「ここから先は私が説明しよう。先生は戻っていただいて構いません」
「そうか。あとは頼んだぞララティーナ穣」
「・・・コホン。私の名前はダクネス。風紀委員長だ。よろしく頼む」
風紀委員長がこんなにも美人な人なら頑張れるかもしれない。
それよりも気になることが一つ。
「さっき、ベルディア先生がララティーナ穣って」
「いいか?私の名はダクネスだ」
ララティーナ穣と言うのはどうやら禁句らしい。
穣と付けられてることからお金持ちなのは間違いない。
「・・・はい。それで俺が風紀委員になった理由は何ですか?」
「この学園は小中高大同一キャンパスが売りの日本最大級の学園なのは知っているな?」
「ええ、まあ。パンフレットに書いてありました」
全ての教育を同一キャンパスで、何てのはここくらいだろう。
俺も初めて見た時に小学校にさえ入れれば、ずっと同じ学校と言うのが真の意味で叶う凄い学校だと思った。
「その巨大なキャンパスにおいて風紀委員の仕事は全学年の風紀チェックだ。ここに来てすぐの転校生はよく迷子になる。その対策として転校生は風紀委員に入ることが決まっているのだ」
「迷子になるのと全キャンパスの風紀を守るのとどう関係してるんですか?」
「風紀委員は週に二度巡回の担当になる。その巡回を通してキャンパスマップを覚えてもらうのだ」
学校としてはガイダンスなしで、学校のことを覚えてもらいながら、委員会の仕事をこなさせると言う一石二鳥なシステムってことか。
決まり事なら仕方ない。
「分かりました。よろしくお願いします。ララティーナ先輩」
「ララティーナと呼ぶな!ダクネスだ!ダクネスと呼んでくれ!」
「・・・でダクネス先輩はどうしてこんなにも可愛い名前を隠してるんですか?」
本名で呼ばれるのは相当嫌なようだ。
今度から言わないようにしよう。
「和真」
「なんです?」
「お前を副委員長に任命する。拒否権はない!」
何てこった。
副委員長何かになった日には簡単には抜けられない。
くそっ、美人との出会いばかりでついてるとか思ってたけど、こんなことになるとは・・・
「どうして今の流れでそうなるんだ!」
「ええい!うるさい!私の本名を知った人間を野放しには出来ん!委員長と副委員長は巡回を共に行う。つまりそういうことだ!因みに副委員長は巡回が週三だ」
「ちょっと待ってください!そもそも現職の副委員長はどうなるんです?」
巡回の回数が増えるとか厄介だ。
ここはなんとしても機嫌取りでも何でもして止めよう。
「現職の副委員長は前々からやめたがっていたアクアだからな。構わん」
「アクアとダクネスは知り合いなんですね」
「ああ、アクアとはクラスが同じなのか?」
「はい。加えてアクアと放課後ポイモンする約束してますよ」
「そうか。和真がアクアと仲良くしているのならば、元同級生の私に対してもタメ口と先輩なしでも構わないぞ?三人で遊ぶ事もあるだろうからな」
アクアが二個上と言う衝撃の事実に俺は襲われている。
えっ、普通に同い年だと思ってたんだが。
「・・・あいつ二年留年してるのか?」
「一年は家庭の事情で海外に行き休学になり、二年目は海外に行ってた間に授業内容がすっぽり抜けて、授業に追いつけず留年したという所だな」
「苦労してるんだな」
「そうだな。良ければなのだが、今日ポイモンするのに私も参加してもいいだろうか?」
俺としては両手に花の状況になるから、断る理由もなく、教室に戻ってからアクアに了承を得た。
アクアにダクネスと美人のナイスバディな人と連絡先交換出来るとはなあ。
転校して良かった。
ゲーム部のみんなに自慢しておこう。
今は放課後。
ポイモンはダクネスの家ですることになり、アクアは家が遠いから先に帰ると言っていた。
俺とダクネスの家はそれなりに近かいことがわかったから、今はゲーム部を怖いもの見たさで見に来た。
「失礼します」
部室と聞いた実験室に入るも誰もいない。
廃部寸前って話だから部室もろくに覚えられてないのでは?
と考えていると後ろから声をかけられた。
「ここは自習室ではありませんよ?先輩」
「いや、自習じゃなくて、ゲーム部の部室だって聞いてここに…」
「そうですかそうですか!入部希望ですね!ささ、入ってください!」
凄い手の平返しだ。
それに顔が近い。
部員集めに必死なのが伺える。
「我が名はめぐみん!ゲーム部部長にして、化学コリンピックで優勝せしもの!」
めぐみんか。
それにこの名乗り。
知能が高い一族で、変わり者が多いとされている紅魔族だろう。
この名乗りもその特徴の一つだ。
因みに俺のやってるネトゲの嫁もめぐみんだったりする。
ってそんな話関係ないか。
どうせ、男の人だろうしな。
女性アバターなのに、すげえ男らしいこと言ってくるし。
そもそも結婚機能使ったのもお互いの利益のためだったし。
恋愛感情とかそういうのは一切ない。
まあ、偶に、本当に彼女だったらなとか思ったりもするけど。
「・・・紅魔族に会うのは初めてだけど、本当に独特な自己紹介なんだな」
「何か言いたいことがあるなら聞こうじゃないか!」
「いや、何でも。俺は佐藤和真。高等部一年だ。転校前の学校でゲーム部だったから気になってな」
紅魔族相手に、紅魔族の名前が変だとか、考え方が中二病だとか言った日には何されるか分かったもんじゃない。
ここは穏便に済ませよう。
「先輩は転校生でしたか。そのゲーム部ではどんな活動してましたか?」
「オンラインゲーム中心に帰宅後に遊んでた。PC、スマホ、家庭用ゲーム機問わずな」
「なら活動内容が自宅かこの部室かの違いだけですね」
PCとスマホはわかるけど、家庭用ゲーム機まで揃ってるとは。
最大級規模の私立は違うな。
「そうなのか?」
「はい。理事長をおど、じゃなくて、交渉してプレフテやスイッテで遊ぶ許可をもらいましたから」
こいつ絶対脅すって言おうとしたな。
ヤバいってそういう事か。
空手部の部長が負かされるくらいだもんな。
でも学校で遊べるなら普通喜ぶよな?
部員が逃げた理由は何処にあるんだろ?
いくらコイツが強いとは言え、逃げる程ではないと思う。
「・・・ちょっと活動内容見せてもらっていいか?」
「今日は私しか来ませんからね。何時も一人の時にやってるオンラインゲーム見ますか?」
「おう。俺のやってるゲームならフレンドになろう」
ゲーム部の部長ってことだからゲームに強いのはわかる。
ならば、是非ともフレンドになって貰いたい。
「それは我が部に入ってくれるということですか?」
「今の所良さそうだとは思ってる」
「また、明日来てください。明日は部員全員揃いますから」
顔合わせしてから決めるのもありだな。
自宅からが無理とはいえ、学校の電気代でゲームが出来るという数少ない授業料の還元が行われるのが強い。
「そうか。じゃあまた明日来る。おっ、このクエか。俺もやってるぞ」
「本当ですか!我が部にはプレイヤーがいなくて困っていたのですよ。先輩が入部してくれれば一緒にクエスト受けられますね」
「だな。入部するかどうかは明日決めることにする。不躾な質問だけど部員が逃げた理由聞いてもいいか?」
少し、嫌そうな顔をしたものの、話してくれるらしい。
これで隠されると心配になって逃げることも考えたけど、話してくれるなら、大丈夫だろう。
「それは私の実験に恐れを為して逃げたのです」
「実験?」
「実はここ科学部でもあるのですよ。私の実験が怖いから抜けると急に人がいなくなりました。飛んだ腰抜けどもですよ」
酷い言いようだな。
確か聞いた話だと大半が高等部の男子だったはずなのに。
でもみんなが逃げ出す実験って
「実験って何やってんだ?」
「より少ない火薬で最大威力を出せるダイナマイトの開発ですよ」
「よし、警察行こうか」
めぐみんの腕を掴み、外へと向かおうとするも予想外の力で抵抗されて、手が離れた。
そういや空手部倒してたんだなコイツ。
忘れてた。
「ちょっと引っ張らないでください!私はちゃんと資格もってますし、国からの依頼で行ってる開発です!」
「国からの依頼?」
「この国は資源がありませんからね。発破に使う火薬を少しでも少なくしたいのですよ。軍事転用しないと言う確約の下で協力してます」
紅魔族は未成年でも最先端技術に絡んでるって噂本当だったんだ。
いくら紅魔族が賢いとは言え、そこまででは無いと思ってたのに。
こんなロリっ子が爆薬作ってるなんて誰が想像するよ。
「でも何でお前に声がかかるんだ?」
「自己紹介で言ったコリンピックで優勝したのと、紅魔族ということで依頼が来ました」
「紅魔族ってやっぱりすげえな」
「ふふっ、紅魔族はこの国の最終兵器ですから!」
流石中二病。
何となくかっこいいと思ってしまう変なポーズ取りながらそんなことを言った。
中二病には触れないで、ゲームの話に戻そう。
「よく見たらそのログイン画面。全部クリアしてるんだな」
「サービス開始から遊んでますから当然です」
「ほう。俺も初期勢だけど、やってる人に実際に会うのは初めてだ」
このゲームはどちらかと言うと俺らよりも少し上の世代の人口が多く、サービス開始当初からやってるのはその中でも少数だから当然と言えば当然か。
でもまあ、俺がいつも一緒にクエストやってるネッ友と言うか、さっき話してためぐみんって名前のネトゲ嫁は、遊べる時間のスケジュール的に年下だろうとは思ってるけど。
「私も初めてです。パスワード入力するので、後ろ向いてください」
「はいよ」
「出来ました。これが私のアカウントです。一応夫もいますよ」
数少ない女性ユーザーはどんなステータスかと思って画面を見ると、物凄く見覚えのあるアバターがそこに映されていた。
そして、名前欄にはめぐみんの文字が・・・
「めぐみんさんや。実名でやってるんだな」
「ええ、紅魔族というより、めぐみって名前の人だと思われる事が多いので、そう言う先輩はどんな名前なんですか?初期勢ならば私も知ってる名前の可能性がありますからね。そう言えば私の男と先輩って同じ名前ですね。まあ、流石にこのカズマが先輩なんてことないと思いますけど」
俺がカズマだとはまだ思ってないらしい。
確かに初期勢なら大半の名前を覚えてる。
故にこのクエはオフ会が開かれない。
いや、初期勢同士のと言う方が正確か。
まあ、ここで偶然にも出会ってしまった訳なんだが。
「そう思うじゃん?俺がそのカズマさんだ」
「・・・プロポーズの言葉は?」
「特になし。結婚機能実装日にめぐみんから結婚申請来てたから承認した」
メッセージ見落としたのかと思って過去ログを探っても実装されたら結婚しようなんて会話一度もしてなかった。
とは言え、めぐみん以上に信用してる女性アバターの使い手なんて居ないから、結婚してないと受けられないクエストとかのことも考えて有用だと思って、俺もあまり悩まずに承認した。
俺もそれについては何も話してないしなあ。
偶にパーティー組んでる人にアンタらやっぱり結婚したかと言われた時は、何言ってるか分からないと二人で返してたっけ。
「・・・本当にカズマなんですね。びっくりです」
「俺、てっきり年下の男の子だと思ってたんだが」
「何故男だと思ったんですか?」
男と思われていたことが不服らしい。
確かに男の子みたいな体型だけども、別にネット上で性別間違われても普通気にしないよな?
「いや、だって、普通何も言わずに結婚申請するか?効率のこと考えた行動だとしか思えなくてさ」
「一応言っておきますが、私はカズマだから申請したのですよ?打算的な理由でしませんよ」
「そうだったのか?」
嬉しいこと言ってくれるな。
まあ、確かに俺もめぐみんだったから承認した訳だしな。
「私のプレイスタイルについてきてくれたのはカズマだけでしたから」
「原作さながらのロマンプレイを貫き通してたからな。そりゃあやるならそう言う原作再現したいだろ?」
「流石カズマです。どうです?ここで一緒にこのクエしませんか?」
こうなったら入部するしかない。
ネトゲ嫁との恋愛とか抜きにして、めぐみんとは話が合うのはゲームを通して理解してる。
それに家庭環境の愚痴なんかもちょくちょくしてたからなんて言うか、信頼がある。
「おう。よろしく頼む」
「決まりですね。ここに入部届けあるので持って帰ってください」
「助かる。じゃあ、俺は帰るわ。遊ぶ予定になってるから」
「何して遊ぶんですか?」
「ポイモン。風紀委員長とその副委員長と遊ぶと言えば誰とか分かるだろ」
「私も混ぜてくださいよ。今日は一人で暇ですから」
「何でだ?このクエやるんじゃないのか?」
「ポイモンするということはカズマがログインしないと言うことですよね?」
詰め寄って語気を強めて言われてから気付いた。
そう言えば今日、めぐみんと遊ぶ約束してたんだった。
「あっ、ごめん。そういや今日はデートクエストする約束だったっけ」
「そうですよまったく。どうせ美人二人とゲームできると浮かれてたのでしょう?」
「悪かったって。埋め合わせは課金アイテムでするから許してくれ」
俺たちの間で何かあったら、一番安い課金アイテムをどれか一つ渡している。
これは単に俺らの中で勝手にやってることだから、このクエやってる人がみんなやってる訳では無い。
「課金アイテムはいいですよ。それより今度リアルでパフェ奢ってくださいね。和真先輩」
「分かった。今からアクアたちに連絡するから待っててくれ」
二人とも二つ返事で了承してくれた。
女の子三人と遊ぶとかハーレム状態じゃん。
みんな美人でかわいいし。
ついに俺にも運が回ってきたな。
このまま恋に発展してくれればいいんだけどな。
めぐみんは顧問の先生に帰宅報告してから帰ると言っていたので、先に俺はスイッテを取りに戻る。
めぐみんのスイッテは学校にあるから直接ダクネスの家に向かうらしい。
この時代は便利だよな。
家を知らない友達の家でも、位置座標送ってもらえればそこまで向かえるのだから。
と現代の素晴らしさに浸りながら、ダクネスの家に向かっていると正面から歩いてくる女の子がこちらをじっと見てる。
なんだろう?
俺に似た知り合いでもいるのか?
ジロジロ見られてる。
あれ?何だか見覚えある顔だな。
えっと確か、この顔は・・・
「もしかして、和真?」
「・・・やっぱり咲希か」
ここに来て幼馴染との遭遇か。
何か気まずい。
こういう時って何話せばいいんだ?
「和真がこっちに引っ越すって話本当だったんだ」
「ああ。話聞いてると思うけど、お父さんが転勤でな」
「家、何処ら辺なの?」
スマホの地図アプリを開けて何処か指さすように求められる。
中学の時に避けられて、声掛けても無視されてたのが嘘のように距離が近い。
でもなんだかこうしてると昔を思い出して、悪い気はしない。
「ここだ」
「隣だねこれ」
「・・・え?」
隣?
隣って、家が隣ってことだよな?
「多分お父さんが家の隣空いてたから勧めたんだと思うよ。この辺立地の割に安いから」
「そうか。にしてもお前の方から話しかけてくるなんて意外だな」
「・・・中学でのことは、その、ごめんね?友達からからかわれるのが嫌で避けちゃって」
なるほど。
嫌われた訳ではなかったと。
「今更どうって話でもないだろ」
「そ、そうだね。えっと、和真は何処の学校なの?」
「お前と同じアクセル学園だ。一年C組」
咲希と別のクラスと言うことだけは知ってる。
咲希が昔同様に仲良くしてくれるなら、それはそれで楽しい高校生活になるかもな。
「同じクラスなんだ。よろしくね。その、出来たら小学校までの時みたく話してくれたら嬉しいかな」
「えっ?お前いなかったろ?」
「今日、家の都合で公欠にして貰ってたからね」
なんてこった。
確かに前の方に空席があったな。
まあ、いいか。
別に咲希が同じクラスで困ることはないし。
「そ、そうか。また学校でな。今から人と会う約束してるから」
「多分、今日は和真の家に居ると思うよ?お父さん達がほら」
「確かに・・・」
親睦会とか何とか言って飲み会が家で開かれる可能性は極めて高い。
「和真、こんな所で何してるんですか?咲希先輩も一緒に」
「・・・お前ら知り合いか?」
「和真こそ、めぐみんと知り合いだったの?えっと、私達は幼馴染なのよ」
世間は狭いとはこのことだろう。
「咲希先輩とは一軒挟んで隣なんですよ。そう言えば咲希先輩。あの家売れたって聞きましたが、どんな人でしたか?」
マジか。
めぐみんがお隣さんだったとは。
隣には幼馴染。
もう一方の隣にはネトゲ嫁。
どこのラブコメラノベだよって言いたくなる。
「ここにいるよ?」
「・・・え?」
「めぐみん、これからお隣さんとしてもよろしく頼む」
めぐみんは未だに状況が飲み込めてないらしい。
俺だってギリギリ理解出来てるか出来てないかの状況だし。
「・・・よろしくお願いします。えっと、和真。早く行かないと時間が」
「そうだな。咲希悪い。酒飲み親父のことは頼んだ」
「任せといて!」
時計を見るとここから走って集合時間に間に合うか間に合わないかギリギリの時間になっていた。
ポイモンして友達と遊ぶのいつぶりだろうか。
転校して良かったのかもしれない、そんなことを考える転校初日であった。
ええ、次の投稿があるとすれば、カズマさんが三人娘のヤバさに気付く回になることでしょう・・・
そして、カズマさんにとってのメインヒロインが現れるやもしれません・・・
あと、カズマさんの弟さんの名前も考えないとですし・・・
なつめ先生が示してくださればそのお名前を直ぐに使うのですが・・・